【小学校】
昨年夏から秋にかけて、キャリア教育を手伝ってきた
地元寄居の小学校校長先生と話をしました。
文部科学省から、平成23年までに、「学校応援団」を
各公立小学校では作るようにという指示が来ているそうです。
・安全 (登下校の見守り)
・環境 (校庭の整備等)
・学習 (授業の支援)
に、地域の応援団の力が必要だそうです。
08年2月に発表された「学習指導要領」の改訂で、
「総合的な学習の時間」は削られるそうです。
正直、このニュースを聞いた時、
「地域が学校に関われるチャンスが減るかも」と感じました。
それはあるかもしれませんが「学校応援団」という切り口が
まだ生きているなら、関わるチャンスは残りそうです。
【中学校】
同じ日に、中学校(小学校の隣にあります)にも行きました。
キャリア教育を進めてくださった教務主任の先生と話をします。
この先生からは
・学校は、地域の人たちを巻き込みたい、学校に入れたいと思っている。
・ただ、そこに入ってきてくれる人が少ない。
・今回、関根さんが入口を作ってくれたので、この関係を大事にしたい。
と、言われました。正直うれしかったです。
また、
・(この中学校では)中1の夏休みに、「職場体験」を実施している
・受け入れてくれる企業との接点が少ない。
・生徒は、自費で遠くの職場にも体験にでかける。
・県の教育委員会から、3日の職場体験を、5日に延ばすよう指示が来ている。
という話を聞きました。
中学校のほうは、さらに切実に地域との関係を求めているように感じました。
微力ながら、私も役立ちたいと思っています。
横浜で開催された「HRDジャパン2008」
(第27回能力開発総合大会)に参加してきました。
私が聴講したセッションは、
1.人材採用の取り組み(三井住友銀行/新日軽の事例)
2.メンター・チューター制度(サッポロビール/東京海上日動火災)
です。
私の理解の範囲内で、印象に残った点をお伝えします。
●三井住友銀行における新卒採用活動について
○内定者による採用パンフレットの作成
・採用パンフレットを作る際に、内定者の協力を得ている
・パンフ製作会社のプレゼンに、内定者を同席させ、
彼らの目線から、よいパンフを選ばせる。
・大学3年生は、企業やそこで働く人が何をやっているのかを
知りたがる。それに答えられるパンフレットでないと、彼らにささらない。
○ミスマッチ防止「オープンラウンジ」
・ミスマッチを防ぐために、職場の生の声を聞かせることを重視。
・オープンラウンジ(いつでも誰でも気軽に先輩社員と語れる場)が好評
・07年は、3月から1ヶ月間実施。08年は、2月から4月まで開催。
・07年は、5000人の学生が参加。先輩社員は、延べ300人投入。
・全社一丸となっての採用体制。(08年は、1600人。09年は、2400人予定)
○関根の独り言
・会社全体で、採用に取り組んでいる姿勢が見える。
・大規模採用だからか。とりあえず人を採らないといけない、
ということで危機感があるから?
・銀行が大量採用をはじめると、採用市場がガラッと変わる。
●新日軽「新卒採用ミスマッチ」ゼロへの挑戦
〜育成視点と本音トークの実践事例〜
○小さな母集団
・小さな母集団から、毎年50名ほどの新卒を採用しようとしている。
・小さな母集団の「質」にはあまりこだわっていない。
「質」とは何か。学生の「質」が高い、低いをどう判断するのか。
・「GGC」と「CSS」を通して、学生が変わるのがよく分かる。
・「誰でも大きな可能性をもっているハズ」と信じて、採用活動を行っている。
○若手社員による協力
・3回面接を行う。二次面接と最終面接の間に、
「GGC」(ギューギューコミュニケーション)という場を設けている。
・学生と、若手社員が、居酒屋で2時間ほど、ざっくばらんに話し合う。
・学生と同数の社員をそろえる。
・社員には特に制約を設けず、好きに話させる。
・泥臭い、男社会、きつい仕事の現場をリアルに語らせる。
・生の話を聞いて「自分には無理」と学生が思えば、
次の面接に来なくて良いと伝えている。
(が、実際の面接辞退は、ゼロ。)
・GGCに参加した若手社員が、学生を励ます「最終面接がんばれよ!」と。
・若手社員のモチベーションが上がるという効果がでている。
学生に語ることで、仕事のやりがいや、会社の良さを再確認している。
・GGCを導入した年から、離職率が下がった。25%→6.8%
○内定者に対する合宿研修
・8月と10月に、2回、2泊3日の合宿研修を行っている。
・同じ釜の飯を食わせることを重視。
・社長、先輩社員とのコミュニケーションや、ビジネスマナー等を学んでいる。
・内定者同士のネットワークが強化され、入社への不安が軽減される。
・会社の「新人を育てよう」としている意思を、内定者も感じる。
○今後の課題
・地元就職志向が強い学生の離職率が高い。
東京、大阪以外の地方での採用活動を強化する必要性。
地方配属を嫌がる学生も多い。知らない土地で仕事をする不安。
・各職場での社員育成力を強化したい。07年度からメンター制度を導入。
・社内ローテーションの実施
○関根の独り言
・若手社員を、採用活動や内定者教育に絡ませる試みは、やはり有効。
・若手社員自身のモチベーションアップにつながる。
・「母集団は小さくても良い」「質とは何か」という問いは、新たな気づき。
2.メンター/チューター制度
こちらのセッションは、参加人数が多かったです。
やはり企業にとって、かなり関心のあるテーマのようですね。
●サッポロビールにおけるチューター制度
〜新入社員配属後のOJTバックアップ制度〜
○チューター
・チューターとは、配属された新入社員の教育担当(メンター、ブラザーとも称する)
・入社6年目以上の上級総合職が、チューターとなる。
そのくらいのレベルでないと、指導できないし「あこがれの先輩」になれない。
・所属長が「育成マインド」の高い先輩社員を推薦する。
・「新人育成マニュアル」を配布
・春に、eラーニングで「ビジネスコーチング」を学習。
秋に、2日間の集合研修を実施。本当は、早めに実施したいが、
ビールの最盛期と異動(9月)の関係で、秋に実施。
・チューターは、異動により、途中で変わることもある。
○制度
・新入社員配属後の1年4ヶ月
・新入社員、チューター、所属長が、育成の「PDSサイクル」を回す
・「年間育成計画」は、所属長がまず作成。チューターはそれを基に計画を立てる。
・「OJTレポート」により、週間と月間のチェックを行っている。
レポートには、新人が「学んだこと・反省点・疑問点」等を記入する。
チューターと、所属長がコメントを返す。
・このレポートは、全社員が閲覧可能。
・所属長が、チューターによる指導をよく見ていることが大事。
そのためにも、所属長にチューター制度の重要性を理解してもらうことが必要。
○効果
・早期に若手に大きな仕事を任せられる。(早期戦力化が可能になってきている)
それは、チューターと所属長が「レポート」により進捗管理をしてくれているから。
・チューターにとっても、自分の仕事を整理できる。
教え方を学ぶことができる。
・所属長とチューターの絆が深まっている。
(レポートのやりとり、職場での顔合わせ、電話、メール)
接点が多くなる。
・かなり昔から行っている。制度化したのは、1988年。
社内に浸透している。
・新人を教えるのを楽しみにしている部署も多い。
○関根の独り言
・やはり、新入社員育成のPDCAサイクルが大切。
まず、プランを立てる。そこに、マネージャーを巻き込む。
チェックの頻度を増やす。チェックによって、接点の機会を作り、
コミュニケーションを取らざるを得ないようにする。
・チューターだけでなく、所属長がからむことがカギ。
チューター任せになると、厳しい。
●新入社員・若手社員を組織全体で育成するために
〜東京海上日動火災保険での事例〜
○新入社員育成の制度
・役割付与制度(SP=チューター制度)
・人材育成会議 直属上司以外の管理職が、
新人の育成状況について意見交換しあう
・社員のほとんどが「SP制度」を体験している。
(自分が新人のとき、必ずSPがついている)
・40年以上前から実施されている。
制度化されたのは、30年くらい前。
○SP(先輩)の役割
・公私に亘る指導
・上司の指導のもと「年間育成計画」を策定する
・年3回「新入社員記録表」を作成し、上司に提出(本社提出はなし)
・SPは全員が「SP研修」を受講する。
・自身のMBOにおいて「新人育成」という項目をいれ、
「新人育成の到達目標」を設定する。
・指導期間(入社1年間)終了後に、
「SPふり返りレポート」を上司に提出。
○SP研修
・「新入社員育成ガイドブック」(毎年リニューアル SP用・新人用)に基づき
ビデオによる「SP研修」の受講(総合職向け)と
研修担当リーダーによる「SP研修」の実施(一般職向け)
・ガイドブックは、新入社員にも渡している。
○関根の独り言
・ガイドブックを、新入社員にも渡しているのは小さな驚き
・新人育成に、SPだけでなく、直属上司やその他の管理職、研修リーダー等
多くの人間に役割を与え、絡んでもらっている。
複数の視点で、育成状況をチェックするようにしている。
・先輩による後輩指導は、日本の人材育成の特徴なのかも。
それが風土になっている会社は強い。
海外ではどうなのか。日本に特異のものなのか。
今回のHRDジャパンも非常に勉強になりました。
どうもありがとうございました!