« 2008年05月 | メイン | 2008年07月 »

2008年06月13日

ASTD2008参加報告

カリフォルニア州 サンディエゴで、08年6月1日〜4日まで開催された

ASTD(American Society for Training and Development アメリカ人材開発協会)

国際会議に参加してきました。


その様子を、一参加者の視点でご報告します。

ASTD2008へ、今年も家族同伴で行ってきます!


08年5月30日(金)午前8時すぎ

男衾駅を出発。成田への直通バスがある坂戸駅へ向かう。

娘たちも上機嫌。


「電車乗って〜バス乗って〜飛行機乗るんでしょ」解説してくれる長女。、


「ひこうきブンブン」と両手を横に広げはしゃぐ次女。

バスで3時間。成田に到着。途中で娘たちが寝てくれたから少し楽。

成田について、お昼を食べて、両替をして、チェックイン。


5月30日午後4時のUnited Airlineで、サンフランシスコへ。

約9時間。


次女はすぐ寝たが、到着4時間ぐらい前に起きてしまった。

最後まで寝てくれたら楽だったのに。

椅子2つを使い、長女が横に寝る。

次女は椅子の下に体をのばして寝かせる。こういうことができるのは今のうちだけ。

妻と私は、両はじの椅子で何とか寝る。首が痛くなる。

5月30日(金)午前9時(現地時間)サンフランシスコ着。


入国審査で、妻の指紋とりを何回かした後、私の指紋とり。

左手の人差し指を押した後、右手の人差し指を押す。

係員に上から指を押さえつけられて指紋を取られる。


「あっちの部屋に行って」と私だけ、別室への移動を命ぜられる。

不安になるが、仕方なく部屋にいく。


(何か法律に触れることでもしていたのか?)不安がよぎる。

妻と娘たちもついてくる。


別室に入ると、アジア系(フィリピン人とのちに判明)が多い。

日本人は私だけ。


(なぜ?・・・)


不安に思っていると、別の係員に呼ばれる。


入国の目的や何度めの入国か、滞在先のホテル名などを聞かれる。


(さっきも答えたのに・・・)

「あっちで座っていて」

と指示され、妻と一緒に椅子に座る。


子供達は早速飽き始めている。

「早く行こうよー」長女

「だっこ、だっこ!」次女


こちらも嫌になっているが仕方ない。


妻も「次の飛行機、乗り遅れるかも」と不安そう。

私も不安だ。

再度、係員に呼ばれた。


「OK」

ということで、パスポート等を返却され、出られることになった。

「なぜ、私を拘束したのか?」訊いてみると、

「指紋がうまく取れなかったから」ということらしい。

「ふざけんな!」と思ったが、そのまま部屋を出て税関に向かう。


急いで、次の飛行機に乗り込み、サンディエゴにむかった。

サンディエゴ空港につき、レンタカーを借りるため、バスに乗る。


眠さが限界に来ている。


娘二人は早速寝ている。


私も眠たい。


レンタカー(ポンティアックG8 2008年モデル)を借りて、

ホテルを探しに行く。


右側通行とハイウェイの早さに最初は戸惑う。


ホテルは、サンディエゴの「Old Town」のそばにとった。

2ベッドで99ドル+Tax。いわゆるMotelだ。


娘たちは、ベッドを見て大喜び。


「飛び跳ねて遊ぼう!」といってピョンピョン飛び跳ねている。


これが楽しみだったようだ。

夜は、メキシコ料理(ブリトーやタコサラダ)を買ってきて、

ビールを飲みながら、ホテルで食べた。

疲れていたので、皆で早めに寝た。

が、娘たち二人は、夜中の12時過ぎから1時間半ぐらい起きだして

遊びだした。

眠れなくなったらしい。

長い1日が終わった。

サンディエゴでの一日(ASTD前日)

08年5月31日(土)


夜中何度も目が覚めたが、明け方はぐっすり眠った。


朝8時すぎ起床。妻の方が先に起きていた。


「お腹すいた」ということで、ホテルのレストランに朝食を食べに行く。


オムレツとトースト、フレンチトーストというアメリカらしい

朝食を食べる。

午前中から近くの探索に出かける。


ショッピングモールに向かう。


妻にとっては、これが一番の楽しみのようだ。


明日からASTDが始まれば、私がいなくなる分、妻が一人で

娘たちの面倒を見なくてはならない。


今日はゆっくり買い物ができる日だろう。


妻もスイッチが入ったようで、嬉しそうな顔でいろんなお店に入っていく。

子供達を連れてモールを見て回っていて、面白い店を見つけた。


「Build-A-Bear Workshop」というお店だ。


自分オリジナルの熊のぬいぐるみを作る。

ぬいぐるみの外側を決めて、綿をつめる。

綿をつめる際は、おまじないをしてから、小さな「ハート」をつめる。

命を吹き込むかのように。


そのあとは、ぬいぐるみにあう服を選んで、最後に名前を付ける。


名前をつけると同時に、「熊の世界」の住人として、

ネットの世界で認知されるらしい。


午後1時過ぎ、遅めの昼食をとる。

モールによくあるチャイニーズフードを食べる。


私は午前中買い物につきあったご褒美に、ビールを飲む。


帰りの運転は妻に任せる。

帰り道、他のホテルを探しに行く。

トローリー駅の向こう側に、ネットも使える綺麗なMotelを見つけた。

明日からはそのホテルに移動する。


夜、ホテルから歩いて、Old Townを見に行く。


芝生で子供達を遊ばせる。


ちょっと肌寒かったが、屋外のメキシコレストランで夕食をとる。

2日目終了。


明日からASTDが始まる。

加速学習テクニックの向上

Rev Up Your Accelerated Learning Techniques

 加速学習テクニックの向上

June 1st, 2008 12:00-13:15 by A. Cottin


(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)


○ベネズエラのトレーニング会社 PCO's International によるセッション。

○知らない人10名と知り合うところから始まる。その中でパートナーを作る。

(いきなりはきつかった)


・ベネズエラでは、英語が第2〜3外国語なので、英語には不自由していない。

・Accelerated Learning とは何か、その定義をセッションの参加者自身が考える。

(私は、the way to learn faster, more efficiently and effectivelyとした。
 大筋は外れていなかった。)

・新しい言葉として、

 「トレーニング」の代わりに「Learning Experience」と呼ぼう
 「ティーチャー」の代わりに「Learning Partner」と呼ぼう
 「トレイナー」の代わりに「Facilitator(make easier to learn)」と呼ぼう


・Motivation Inhibitors 

・「Suggestion サジェスチョン」の力は、
 
  increase capacity 相手の可能性を広げること


・講師は、Whole Brainについて学ぶべき。

 Dr.Paul McLeanの説より、脳は大きく3つにわかれている:Reptilian、Limbic、Neocortex

 Limbic brainは、感情と長期記憶に関わっている

・Brain Dominance 左脳と右脳 Dr.Roger Sperry

・Learning through all your Intelligences 7+1

 Dr.Howard Gardnerの多重知能理論の紹介


・The Role of Music in AL 音楽の役割

 Music enhances learning 音楽は学習を促進する

 バロック音楽は、参加者をリラックスさせ、集中させる。


○私のグループの一人が「音楽があって逆に集中できない」とコメント。
 感じ方は人それぞれ。

○「音楽が学習にどう役立つの?」という質問がグループ内であがった

 シンガポール人の男性が「うちの娘は、歌で言葉を覚えている」と発言。

 (確かに、うちの子供達も歌の歌詞をよく覚えている。
  音楽にすると、言葉をよく覚えるというのはあるかも)

・The Learning Environment 学習環境

 Colors、Visuals、Lights、Seating、Musicに配慮する

・ファシリテーターの最も重要な役割は、Learning Partnerが学ぶこと
 学ばなければ、エンターテイメント性があっても意味がない

・The Accelerated Learning Cycle 加速学習サイクル

 1)Prepare the Learner 学習者に準備させる
 2)Create an Emotional Connection 感情的な結びつきを作る
 3)Creatively Present 創造的に表現する
 4)Activate 活動する?
 5)Integrate 統合する

 このサイクルを回す中で「学習環境」「多重知能」に配慮する。


○昨年のブログで中原先生が「ASTDでは皆が根拠なく自分の説を述べている」
 とおっしゃっていますが、その感は確かにあるかもしれません。

 http://www.nakahara-lab.net/blog/2007/06/astd2007.html


○自分に都合のよい学説をつなぎ合わせて利用している感は否めない。

 話し合いと後半の情報提供のつなぎもあまり上手いとは言えなかった。

 途中で席を立つ参加者も見られた。


 自分も気をつけないと。

パワーシップ:フォロワーシップの新しい形


Powership: A New Approach to Followership through TOP Model

 パワーシップ:フォロワーシップの新しい形

June 1, 2008 15:30-16:45 by Ho Suk, Lee 他 Samsung Everland


(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)


○韓国サムスンのグループ会社によるセッションです。


・フォロワーシップは過小評価されている。

 80%以上のパフォーマンスは、フォロワーの働きによるものにも関わらず。

・Powershipを、フォロワーシップの理想的なステイタスとして定義したい。

 (ここでビデオを見る。サムスン社内従業員教育で使われているビデオ?)


・今までのフォロワーシップトレーニングは、
 カンパニーやリーダーの視点で行われていた。

 これからのフォロワーシップトレーニングにおいては、
 フォロワー自身の視点を入れる必要がある。

・現在のフォロワーの特徴としては、次の3つがあげられる。

 Multitalented、Creative、Diversified

・リーダーとフォロワーでは、Expectation(期待)が違う。

 フォロワーにとっては、「Adaptability(適応性)」がカギ。

 Adaptabilityは、次の2つによって形作られる。

 「Capability(能力)=Talent&Originality」と
 「Authority(権威)=Accountability&Faith」

・フォロワーのNeedsとしては、

 Capabilityに関しては「Self Respect」(自身の尊重)

 Authorityに関しては「Scope of Work」(仕事の展望)がある。


・「Vital Leadership」トレーニングプログラムの紹介


○フォロワーシップを発揮させるためのカギは、
 やはり「リーダーへのトレーニング」という形になってしまうのか?

 確かにリーダーがフォロワーシップの重要性を理解することは大事だが、
 それだけなのか?

 フォロワーへの働きかけは?

 確かに、研修の費用配分としては、人数が少ないリーダーに対して行うほうが
 効率的ではあるが。


・Samsungでは、チームメンバーでこのプログラムを受けさせている。

 「ピタゴラ装置」のようなもの(ドミノ?)を皆で作る。

 チームビジョンを絵で描かせる。そしてその絵をオフィスに飾る。

 
・自分たちの「チームカラー」を問う調査もしている。

 フォロワーが思う自チームのカラーと、リーダーが認識しているチームカラーに
 違いが出ることもある。

 例)リーダーは、Collaborative(協調的)と捉えているが、
   フォロワーは、Competitive(競争的)と認識しているケース。


・最後に、アメリカの大学(San Diego State University?)で教えているという

 韓国人の教授 Prof.Jung Dongilが登壇。(英語がうまい)


 以下、彼の談:

 フォロワーシップは確かに注目されていない。
 多くの仕事はフォロワーによって行われているにも関わらず。

 今回のプレゼンで面白かったのは、フォロワーシップをStatusではなく、
 Capabilityでとらえた点。

 えてして、フォロワーシップを、Lower Status(低い位置)と捉える傾向が強い。

 フォロワーのことをよりよく理解するためにどうしたら良いのかが重要。


○セッションの途中での退席者が目立った。

 自分たちが名付けたコンセプトの説明だけだとやはり弱いのかも。


○英語のうまさは、こういうプレゼンではやはり大事。参加者が安心して聴ける。


 英語がうまくなければ、PPTスライドをかなり工夫する必要があるかも。

 (私なら英語力をカバーするために、「高橋メソッド」を使ってみるかも

   http://www.rubycolor.org/takahashi/ )
 

○セッションの参加者(欧米人)は、アジア系の国だからこそ、

 欧米から見てより「フォロワーシップ」が発揮されているという期待があったのでは?

 
 欧米では、リーダーを目指す人が多い?

 アジアでは、リーダーを目指さない人が多い?


 アジアでは、リーダー以外の道として
 (この場合のリーダーは、マネージャーをさすことが多いが)

 スペシャリストはある。フォロワーはどうか?


 フォロワーで企業人生を終える人は多いが、それを納得させているのか?

 あるいは納得させる必要はあるのか?

「ティッピング・ポイント」M.グラッドウェル氏の講演

6月2日(月)午前8時 General Session が始まる。


まずは、ASTDプレジデント Tony Bingham氏の挨拶。

若々しくエネルギッシュな雰囲気の人だ。

ASTDが表彰した「Best Organization」の紹介が中心。

今年のBest Org.は「Talent Management」にすぐれた企業を表彰した様子。


TELUS、EMC、Sanofi Aventisなどが受賞。

各企業のラーニングオフィサー達がコメント。


CEOたちが重要視しているStrategy(戦略)やMeasurement(指標)を教育担当も

理解している必要性を強調。

ASTDから参加者への提案として4つ:

1)ラーニングカルチャーを作る
2)レバレッジをきかせる?
3)スキルギャップを埋める
4)ビジネスパートナーとなる


最後に、経済環境が厳しくなっても企業内教育の予算は確保されるし、
将来が楽しみなやりがいのある仕事であることを強調。


続いて、Malcolm Gladwell氏の講演。

「The Tipping Point ティッピングポイント」「Blink 第1感」の著者。

愛嬌のある人という印象(写真のせいかも)。


二人の芸術家 ピカソとセザンヌの話から、

Creative Styleの違いとして

「Conceptual innovator(天才肌?)」と
「Experimental innovator(経験から学ぶ凡人スタイル?)」を紹介。

小説家、映画監督、ミュージシャンの例などから、2つのスタイルについて説明。


スポーツのスカウトテストや弁護士向け試験など、テストで実力を発揮するのは、

ピカソタイプが多い。

でも実際に社会や組織で必要とされるのは、セザンヌタイプ。


教育担当としては、失敗も繰り返すセザンヌタイプを、我慢強く見ていってあげる

必要があるのでは、とのこと。


○グラッドウェル氏の著書「ティッピング・ポイント」は、

 学校教育について考える際の大きなヒントになりそうだ。


 やはり地域の環境が、子供達に与える影響は大きい。

講師が陥りがちなワナ


Crash and Learn: Eliminating the Mistakes that Kill Participants and Motivation!

 講師が陥りがちなワナ

June 2, 2008 12:30-13:45 Mr. Jim Smith Jr.(Showcase Speaker)

(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)

○楽しいセミナーをすると評判の黒人講師 J.Smith氏のセッションです。

○数百名入る会場が満員で、立ち見も出ていました。


・「いつもこのやり方で始める」といって、握手、ハイファイブ、ハグ(抱き合う)

 を、25名とやってほしいといって、セッションが始まる。(派手な音楽とともに)


・パートナーを作って「なぜこのセッションに参加したのか」を共有。

・5つのミステイク(講師が陥りがちなワナ)について説明したい。

1)Facilitation mistakes

 −同じ人ばかり指す
 −参加者からの質問を復唱しない
 −現実的な事例を出せない
 −前方の同じ場所でしか話さない
 −教室内のテンション(盛り上がり)に配慮しない
 −「Teach in Chunks(分かりやすく分ける)」をしていない
 −スポーツに関する事例が多すぎる
 −研修のロジスティクス(トイレ、休憩等)の説明から退屈に始める
  (必要な情報は時計の下にかけておけばよい。時計は誰でも見るから)
 −開始時間がくるまで参加者を配慮しない

2)Story-telling mistakes

 −「これからストーリーを話すよ」と予告してしまう
 −「ストーリーを話した理由は〜」と自分で解説してしまう
 −「子供がいる人」と聞いて、いなかったにも関わらず子供の話をする
 −教訓が入っていない関係なさそうなストーリーを話す
 −No Theater 退屈な話し方
 −TMI Too Much Information 多すぎる情報


3)Motivation mistakes

 −参加者自身が学ぶことを推奨しない
 −グループ内でのインターアクションがない
 −グループを作る前に、作業の指示を出す
 −おもしろくないレクチャーを続ける
 −参加者を尊重しない


4)Visual aid mistakes


5)Dealing with Difficult partcipants mistakes


 (時間切れで、上記2つはカバーできず。ハンドアウトを参照とのこと)


・ハンドアウト(手元資料)が届かず、明日行われる同じセッションで得てほしい、とのこと。

○「講師が陥りがちなワナ」

 このテーマは日本で、研修講師を対象に行なってもおもしろいかも。

パフォーマンス・コンサルティング2.0:何が同じで何が変わったのか?


Performance Consulting 2.0:

What's the Same and What's Different?

 パフォーマンスコンサルティング2.0:何が同じで何が変わったのか?
 
June 2, 2008 14:15-15:30 Ms.Dana G. Robinson

(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)

○「パフォーマンス・コンサルティング」で著名なDana Robinson女史の講演。

○ヒューマンバリュー社さんから出ている「パフォーマンス・コンサルティング」
 を何度も読んでいたので、是非聞きたい講演でした。


・これからセミリタイアする予定なので、
 ASTDでの講演はこれで最後になるかも、とのこと。

・パフォーマンスコンサルティング(以下 PFC)は、
 1990年代から言われ始め、1995年に本として初めて世に示された。

・1990年〜2008年までに、HRDの世界に大きな影響を与えた変化として
 次の3つがあると考えられる

 1)Technology 技術
 2)Globalization グローバリゼーション
 3)Optimizing Talent a Business Priority 人が競争優位の源泉となっている


○日本においては、次のようなものでしょうか?

 −出生率の減少、少子化、高齢化
 −コミュニケーションツールの変化 ネット、携帯の発達
 −失われた10年 景気後退 採用抑制 教育予算の削減 


・PFCは、Strategic results を生み出すためのもの

 Strategic results とは、Business meritsにつながるもの 
 例)売上、市場シェア


1.PFC で変わらないもの

 −結果重視の視点
 −複数の解決策(研修だけでなく)を使う点
 −PFCの4プロセス
 (Entry → Assessment → Solution Design & Implementation → Measurement)

 
2.PFC で変わったもの

 1)ビジネスに関する深い知識がさらに求められるようになった
  
   例)ビジネスゴール、成果を測る指標、戦略、業界

 2)Reactive(受け身)ではなく、Proactive(能動的)な関わりが必要になった

 3)技術革新で、アセスメントが楽になった分、その実施が重視されるようになった

3.PFC の 今後の展望

 1)PFCの機会とニーズが今後さらに増えてくる

 2)使えるメソッドが増えてくる

 3)「タレントマネジメントの傘」の中を一貫して通るプロセスになる


・研修や学習だけでなく、パフォーマンスについて考えることが大切

○本当の意味で「パフォーマンス・コンサルティング」ができるようになるためには、

 相当の知識、技術、経験、人脈が必要になるでしょうね。


 私はまだまだです。


 頑張ります!

J.フィリップス教授:研修プログラムの直接的効果を示すために

Show the Impact of Learning and Development:

Techniques to Isolate the Effects of Programs

 研修プログラムの直接的効果を示すために


June 2, 2008 16:00-17:30  Jack Phillips, Ph.D.


(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)

○ROIまで含む研修効果測定で有名な J.Phillips教授の講演。

○60代ぐらい? 想像していたより若々しかったです。


・Phillipsの「Evaluation Framework(測定の枠組み)」は下記5つ

 Level1.Reaction & Planned Action (反応と計画行動)

−measures participant satisfaction(参加者の満足度)

 Level2.Learning & Confidence (学習と自信)
 
      −measures changes in knowledge, skills, and attitudes
      (知識・技術・態度に関する変化)

 Level3.Application & Implementation(適用と実践)

      −measures changes in on-the-job behavior or actions
      (仕事中の振る舞いや行動における変化)

 Level4.Business Impact(業績への影響)

      −measures changes in business impact variables

 Level5.Return on Investment(投資収益率)

      −compare project benefit to the costs


・上記5つは、研修実施前の「Initial Analysis(事前分析)」ともつながってくる。


 Payoff Needs(5) → Business Needs(4) → Job Performance Needs(3)

 → Learning Needs(2) → Preference Needs(1) → Project(研修等)

 → Reaction(1) → Learning(2) → Application(3) → Impact(4) → ROI(5)

○Phillips教授の会社では、研修の効果測定を
 1ページものの資料で顧客に提供している。

 その中には、Results(結果)として、Level1〜5の数値結果のほか

 「Intangible Benefits」として従業員の満足感、コミュニケーション、
 協働、チームワーク、多様性の認知 などが例としてあげられていた。

・今回の講演のテーマである
 
 「Techniques to Isolate the Effects of Programs」(研修の効果を個別に測る)

  として、次のテクニックをあげていた。

 A.Control group (研修を受けないグループを作り比較する)

 B.Trend line analysis(潮流分析)

 C.Forecasting(将来予測)

 D.Participant, Manager, Senior Mgr Estimates
 (参加者、上司、経営陣による評価)

 E.Customer Input(顧客からの評価)

 F.Expert Input(専門家からの評価)


・彼自身、それぞれのテクニックは「弱く」完全に
 研修そのものの効果を測るには不完全と述べていた。

・上記のテクニックの中でも、Dの「参加者・上司による評価」が
 一番多く使われているそうだ。(その次が「研修非受講グループの設定」)


○欧米系の企業では、経営陣から研修の効果測定がうるさく求められているのだろう。

 今回の講演で使われたケーススタディーの中でも、各部門の責任者が業績の向上を
 自部門の功績であると経営陣にアピールしようとしている話があった。

 その一つとして、HRD部門としても研修の効果測定を通して、
 自部門の存在価値を経営陣に示す必要があるのだろう。

 (今回のASTD講演や書籍にも「経営陣が望んでいること」と
  いったテーマが散見された)


○日本においては(外資系企業以外)そこまで研修の効果測定を
 経営陣が求めてくることは少ないかも。


○今回のASTDの基調講演者 P.Lencioni氏の言葉を借りれば、

 「チームとして結果が出ればよい」のかも。


 つまり、自部門の功績をアピールする手段としての効果測定は

 組織全体がビジネスゴール達成に向けてチームワークを発揮しているような

 組織においては不要なのかも。


○研修の効果測定をしっかりと行うために

 研修前の事前調査(現状とあるべき姿の明確化、研修はあるべき姿実現のための手段)

 → 研修中の非受講グループの設定(研修を受けないグループを作り、比較する)

 → 研修後の調査(参加者、上司、顧客による行動変容評価)などは必要かも。


○この講演は、大きな部屋をとっていたわりに、聴講者が少なかった。

「あなたのチームは機能してますか?」P.レンシオーニ氏の基調講演

6月3日(火)午前8時

2日目の基調講演が始まる。

午前7時半、寝ている娘たちと妻を起こさないようにして出発。

アメリカに来てから、子供達の寝る時間が遅くなっている。
昨晩は10時ごろ。(日本にいたときは、8時すぎには寝かしつけていた)

日本に帰った後、前のような生活に戻すのが大変かも。

レンタカーを借りているので、ホテルは中心部から離れた所にとっている。

家族4人が過ごせるよう少し広く、値段が安いモーテルに泊まるためだ。


とはいっても、サンディエゴは町がこじんまりとしているせいか、

中心部まで車で10分ぐらいでいける。

2日目の基調講演は、P.Lencioni氏だ。

「あなたのチームは機能してますか?」の著者。

今日の基調講演では、本でよく使っている「フィクションの物語」形式ではなく、

「リアルストーリー」を話したいということで始まった。

The 5 disfunctions of a team
(チームが機能しなくなる5つの要因)についての話だった。


1.Absense of Trust

 −自身の弱みを見せあうことで生まれる信頼

 −自分が完ぺきだと思い、周囲を信頼できない女性役員の話
  (結局彼女は会社を辞めた)

・参加者からの質問で「もしトップがそのような人物だった場合は?」

 −そのトップがそんな自分を変えたいと思っているならチャンスがある。
  第三者が言ってあげることだ。
 −そうでない場合、あなた自身が決断する必要がある(その組織を辞めるとか)

・参加者からの質問「チームの人数が多すぎる場合は?」

 −8〜9人ぐらいがよい。顔も覚えていないメンバー同士であればチームとは呼べない。


2.Fear of Conflict

 −建設的な意見交換であれば「争い」は必要。
 −日本人は、どんな意見に対しても「はい」というが内面は違う。
 −国柄によって、コンフリクトの形は違う。


3.Lack of Commitment

 −Consensus(総意)は意味がない
 −Disagree and commit(同意しないが責任は果たす)を学ぶことが大事


4.Avoidance of Accountability

 −Peer pressure 仲間からの「説明責任」プレッシャーの方が、
  上司からのプレッシャーより効果的。


5.Inattention to Results

 −個人成績にこだわりすぎて、チームとしての結果を配慮しない


○彼の講演を聞きながら、新しい本のアイデアが浮かんできました。

 1〜2年のうちに形にしたいです。

大事なのは研修ではない:研修の成果を得るために

The Training's NOT the Thing: Getting Business Results From Training

 大事なのは研修ではない:研修の成果を得るために

June 3,2008 10:00-11:15 Ms.Debbe Ball(Holcim,Inc) and
MS.Carolyn Laughlin(Advantage Performance Group)

(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)


○席につくと、スピーカー(Carolynさん)が近づいてきて歓待してくれました。

 こういう風にされるのは、やはり参加者にとって気持ちがよいです。
 自分が尊重され歓迎されている気になります。

 昨日、Jim Smith氏の講演で言っていた通りです。(実践しよう!)


○ハンドアウトは1枚もののみ。これだけかと思っていたら、一番最後に
 スライドとして見せたものを渡すという。

 参加者から「先にくれ」という声があがり、途中からハンドアウトを渡していました。

 (これは途中で席を立つことを防ぐ狙いがあったのかもしれないが、逆効果かも)


○ASTDのセッションでは、セッションによっては途中退席が多いものがあります。
 いかに人気講師のセッションでも途中退席はあります。

 講師としてはあまりいい気持がしないでしょうが、半分聞いてハンドアウトを
 もらったら、他のセッションに出たいという参加者の気持ちは分かります。

 私は1セッションに出たら基本的に最後までいることにしました。
 途中から別のセッションに参加しても、虻蜂取らずになるからです。


・セッションは、High Impact Learning というやり方を推奨する研修会社のCarolynさんと、

 そのやり方で結果を出したHolcimというセメント会社のDebbeさんの二人で行われた。

 (事例をお客様自身が話してくれるのだから、研修会社側としてありがたいことだろう)


・最初に、二人によるロールプレイがあった。研修参加者が研修室に入る前を呼び止める場面だ。

 「なぜこの研修に参加したの?」と講師が聞くと

 受講者(1)上司に言われたから
 受講者(2)このテーマに興味があったから ←漠然とした答え
 受講者(3)この研修で〜を学んで、それを○○として職場で活かして、
       ●●という目標を達成したいから ←具体的な答え

 「どの受講者が研修に参加して最も多くのものを得られるか?」

 受講者(3)であろう。

 「では、誰が(3)のような受講者を作り上げるのか?」

 マネージャー、教育担当、受講者本人・・・

 「Front line Manager(現場上司)とLearning Function(教育担当)の連携が必要」


・Training(研修)だけだと、職場へのImpact(影響)は、12〜15%ほどしかない。


 What causes failures of impact(影響を軽減させる要因)として、

 1)Preparation & Readiness(準備) 40%以上
 
 2)Learning Intervention (学習活動)20%

 3)Application Environment(適用環境)40%以上 がある。


 つまり研修「前」と「後」の働きかけが、

 研修のインパクト(影響・効果)を増やすためにも重要である。


・参加者からの質問「現場のマネージャーを教育にからませるのは難しいのでは?」

 「ビジネスゴールと結びつけて、マネージャーに働きかける。

  それを実際に行ったのが、Holcimでの事例」


・Holcim(従業員数 90,000名以上のセメント会社)では、

2006年から High Impact Learningのパイロットを始めた。


 通常の研修では、12−15%の受講者が、研修内容を職場で適用し

 何らかの肯定的な結果を得ているが、

 今回のHILでは、50%の受講者が、研修内容を職場で適用し何らかの成果を得た。


・研修「前」と「後」に、たとえ数分でも、参加者と上司が研修内容について話をするだけでも

 職場での適用が2倍には増える。参加者が研修で学ぶ割合も2倍以上になる。

 このような会話をもった参加者の75%−100%は、何らかの成果を得ている。


・これらを可能にするのが「Impact Map」というシンプルなツールだ。

 1.What I will learn・・・(Knowledge & Skills 研修で学ぶ知識と技術)

 2.What I will do with my learning・・・(Application 職場でどのように適用するか)

 3.What results I will get・・・(Individual or Team results 個人やチームが得る成果)

 4.Organization Goals(会社として得られるビジネスメリット 数値化できるような)

 
 上記の質問に参加者が答え、マネージャーと会話をすること。

 これによって「なぜ」この研修を受けるのか、

 「どのように」研修内容を職場で活かすのか、に答えることができる。


・この「Impact Map」を研修前に、受講者と上司が「対話」を通して合意し、

 研修中もこの「Impact Map」を達成できるように組立て運営し、

 研修後もこの「Impact Map」を達成できるよう職場適用を促し、できたのかどうかを検証する。


・研修後の取り組みとして、マネージャーが質問を投げかけ、受講者がそれに答える
 
 「Follow up meeting」が有効である。(1週間後)

○ある会社様で実施している「マネージャーへの研修内容説明会」

 「OJT担当者がマネージャーにインタビューする事前課題」は、やはり意義がある。

 足りないのは、研修後の働きかけ、マネージャーと参加者の会話を促す工夫かも。


○ただ、どうしてもマネージャーへの負荷がかかってしまう。

 少し負荷を軽減させる方法はないか? 

 あるいはやはりマネージャーに負荷をかけざるを得ないのか?


○HILの考え方と、研修の効果測定を組み合わせると面白いかも。

狂気の世界で学ぶ:参加者の関心をつかむには?

 Learning in a Frenzied World: Strategies for Grabbing Learners' Attetion

  狂気の世界で学ぶ:参加者の関心をつかむには?

June 3, 2008 13:45-15:00 Mr. Lenn Millbower & Mr. Howard Prager


(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)


○去年(07年)も参加した L.Millbower氏のセッションです。

 この方のセッションのおかげで、私は自分の研修をより

 「カラフル」なものにしようと、ゲームや音楽を取り入れています。


 

・現代は、frenzied 24/7 world (忙しいフル稼働の世界)である。

 研修受講者は、Multi-tasking(複数課題の同時進行)が当たり前となっている。


・21世紀の学習においては、

 1)Information Explosion(情報の爆発的増加)

 2)Less time to Absorb(吸収できる時間が少ない)

 という2点をおさえておく。


・研修参加者が不満に感じていることや、研修講師が難しさを感じていることを
 セッション参加者に挙げさせた。

 −研修に参加する時間がない、忙しい
 −参加者がバラバラ(学歴、世代、文化背景、参加理由等)
 −研修以外の学習手段が増えてきている


○セッションの最初に、参加者に「研修への期待」や「困っていること」を
 あげさせるのは、やはり基本のようです。

 (ASTDの参加型セッションでは多くの場合、この形がとられています)


 ここで吐き出させて、本論でその内容をカバーできれば
 「Relevant(つながっている・関わりがある)」という印象を与えることができます。


・書籍「Made to Stick 2007年」は、読んだ方が良い。

・古いレクチャースタイルのゴールは、広告のゴールと重なる点が多い。

 1)Capture Participants(参加者をつかむ)
 2)Maintain Control(コントロールする)
 3)Move the Participants to Favorable Evals
  (参加者が肯定的なアンケートを書くように誘導)


・「Advertainment(広告+楽しませる)」が、これからのトレーナーにとって参考になる。

 −short, focused messages
−clearly tie to product features and benefits
−enjoyable, entertaining, humoristic
−30 second or less message points

・「未来の学習」においては、次の点が重要になる。

 1)参加者の興味関心をつかむ
 2)参加者にとって適切な形(様々なテクノロジーを利用)で情報を提供する
 3)JIT(適時)な学習を提供する
 4)個々人に焦点をあてる

 
・How can you make training stick Prior to, During, After the learning event?

 (研修を参加者により残させるために、研修「前・中・後」に何をしたらよいのか?)


 研修「前」にすべきこと

 −「逃せないイベント」にする

 研修「中」にすべきこと

 −H.ガードナー教授の「多重知能理論」に則って
  多様な感覚器を活かすようなインプットを促す

 研修「後」にすべきこと

 −研修前にすべきことと似たような活動を行う


・「Learnertainment(R)」で重要なことは、「Learning point」に合致することを

 意識することだ。楽しみのために、楽しくするのでは、本末転倒。

 参加者が学ぶことを手助けするという目的のために、楽しく研修を行う。

○このセッションでも「研修前・中・後」の取り組みの話がありました。

 「Training is not〜」もそうでしたし、
 もちろん効果測定の「J. Phillips」もそうでした。


 たまたま自分が興味あるテーマ(研修の現場実践)だから、
 こういう切り口が多いのでしょうか?

 
 ただ、Millbower氏の去年のセッションでは
 「研修中」のアクティビティーが中心でした。

 いかに「研修中」を盛り上げるかがテーマでした。

 
 ただ「研修中」の工夫だけでは、参加者の現場実践を促すには足りないです。

 「研修前」と「研修後」の現場との絡みが、研修の効果を高めるためにも

 必要なのでしょうね。


世代間ギャップを埋めるリーダーシップ開発:落とし穴と実践法


Designing Leadership Development to Bridge the Generational Gap:

Pitfalls and Practical Lessons

 世代間ギャップを埋めるリーダーシップ開発:落とし穴と実践法

 June 3, 2008 16:00-17:30 Ms. Geri Lopker


(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)


○部屋に入ると、カード型の小さな機械を手渡されました。

 Turning Technologies社の「Audience Response System」

 ボタンで投票でき、パワーポイントの画面上ですぐ結果がでます。

 (例:今回のクラスの参加者は、どの世代が多いのか?
    数字を選んでボタンを押すと、その結果が画面にでる)



○これは便利で使いやすく、色々な場面で活用できそうです。

 EXPOにもブースを出していたので、話を聞いてきました。
 日本へのレンタルも可能だそうです。
 
 http://www.turningtechnologies.com/groupresponserentals.cfm

・今回は世代の違いについてがテーマだけど、

 「Overgeneralize(極端な一般化)」や「Labelling(決め付け)」には

 注意してほしい、との訴えが何度もあった。


・Baby Boomers、Gen X、Gen Y の共通点と相違点をグループで

 話し合った後、各世代の特徴についての説明があった。

 (2005年1月にフロリダで行われた心理学プログラム関連のミーティングで
  C.Patterson氏より提示された資料からの引用とのこと)


 1925−45 Traditionalists(63−86歳)

  −Goal is to build a legacy(伝説を作ること)

 
 1946−63 Baby Boomers(44−62歳)

  −Goal is to put their stamp on things(彼らの痕を残すこと)

 
 1963−80 Gen X(28−43歳)

  −Goal is to maintain independence(独立を維持すること)

 
 1981−現在 Gen Y or Gen "Why" (8−27歳)

  (Millenials、Echo-Boomers、Digital Gen、Nextersとも呼ばれる)

  −Goal is to find work and create a life that has meaning
   (意味ある仕事を見つけ、意味ある人生を送ること)


・各世代への「Training & Learning Strategy (訓練・学習戦略)」

 
 1946−63 Baby Boomers(44−62歳)

  −新しいスキルを適用するための練習には時間をかける必要がある
  −ウェブを使った学習には慣れていない
  −本や手元資料を好む
  −価値や人格成長につながるような新しいやり方を学ぶことを好む

 
 1963−80 Gen X(28−43歳)

  −テクニックそのものよりも、それによって得られるものに集中する
  −実験的で問題解決に直結するような学習にする
  −キーポイントを明確にする
  −市場価値や新たなスキルの習得という点を学習においてはアピールする

 
 1981−現在 Gen Y or Gen "Why" (8−27歳)

  −学習方法をミックスする 楽しく行う EduTainment
  −失敗はOK、また始められる(ゲーム感覚で)失敗から学ぶ
  −チームワークやテクノロジーを使った学習にする
   (Wikipedia、Google、Podcasts等を活用する)
  −金銭獲得につながる学習であることをアピールする


・Y世代へのアプローチとして、

 1)You be the leader 
 2)Challenge me
 3)Let me work with friends
 4)Let's have fun
 5)Respect me
 6)Be flexible


○去年との比較という点でいうと「Generation(世代)」に関するセッションが

 今年は少なくなった気がします。


 去年は多くのセッションで「Gen.Y」「Nexters」「Gen.Millenium」といった

 若手世代への対応法についてふれられていましたが、今年は少ないです。

 (あくまで私が参加したセッションの範囲内ですが)

囚人から積極的参加者へ:抵抗する参加者を変化させるには

Captive to Interactive: Transforming Resistant Learners

  囚人から積極的参加者へ:抵抗する参加者を変化させるには


June 4, 2008 8:00-9:15 Ms Laura Arellano and Mr Marc Levine


(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)

○最終日、朝8時からのセッションでしたが、参加者は多かったです。

・「Resistant Leaners(抵抗する参加者)」への対応法

・「Roots of Resitance(抵抗する理由)」として4つ:


 1)Priorities(優先順位)−研修より重要なものがある

 2)Relevant(関連性)−仕事に関連するとは思えない

 3)Fear(恐れ)−変えること、恥をかかされることへの恐れ

 4)Boring(退屈)−講義形式で終日座って聞いていることなどできない


・抵抗を変えさせるための4つの戦略:

 1.Associate to the Resister (抵抗者と協力する)

  −彼らが抵抗するのが正しい場合もある。だから共同戦線をはる。
  −彼らの抵抗を無視すると、彼らは敵になる。


 2.Accept their Gifts(彼らの良さを認める)

  −すべての人が何らかの価値をクラスルームに提供してくれる

  −「時間の無駄」「既に知っている」「他に仕事がある」「役立つとは思えない」「必要ない」
   
   これらの抵抗者の声を「Reframe(言い換え)」することによって対応する。

   例:「時間の無駄」→「何らかの価値を得て帰りたいということ」

     「すでに知っている」→「何か新しい知識を得たいということ」


 3.Acknowledge the Learning Brain(脳の働きを理解する)

  −Consious Mind(意識)で言っている言葉が、
   Subconscious Mind (無意識)にも影響する。

  −研修参加者に望む状態を肯定的な言葉で伝えることで、
   彼らの無意識化の行動に影響を与えることができる。

 4.Activate the Imagination(想像力を活性化する)

  −興味深いストーリーの中に彼らを組み込む?


○私の理解不足のためですが、4つの戦略の後半2つ

 「Acknowledge〜」と「Activate〜」がよく分からなかったです。


○「抵抗する理由4つ」とそれへの対応「協力」と「認知」は

 「なるほど〜、確かに」と思いました。


○おそらく欧米人の場合、研修の最初にこれらの「抵抗」が声として表れるのでしょう。

 日本の場合、少数の人が抵抗を声に出し、多くが無言の態度表情で示すのかも。

(あるいは休憩時間中に、参加者同士や研修企画者に不満をぶつける)


 講師に対して「抵抗」を示すのは、
 研修最後のアンケートというケースが多いかもしれません。

 最後の最後に「抵抗」が出てきては「対策」のうちようもないですから、

 抵抗がある場合は、やはり研修導入の部分で吐き出させることが大事なのでしょう。

教室での研修は「蒸発」する

The Evaporation of Classroom Training

 教室での研修は「蒸発」する

June 4, 2008 10:30-11:45 Dr Allison Rossett


(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)


○教室に集まって行う集合研修は「蒸発」するという興味深いテーマです。


・「Evaporation」(蒸発)という言葉は注意して選んだ。

 海の水が変化して水蒸気になり雲になり雨になるように、

 クラスルームトレーニングもなくなるわけではなく、形が変化することを伝えたい。


・「Technology-delivered」トレーニング(Eラーニング等)が増えてきている。
 「Instructor-delivered」トレーニング(教室での研修)が減ってきている。

・従業員もクラスルームトレーニングを時折は受けたいと考えているが、
 今よりも「Short and Sweet」なものを求めている。

○教室での集合研修の良さは?

 参加者の顔が見える 臨機応変に対応できる 柔軟性がある

 参加者の問題解決につながりやすい

 他の参加者の意見が聞ける 場の雰囲気がある

 他には?


・「Online」(Eラーニング等)で学べるコンテンツが増えてきた。

  例)ワイン、営業、SEX、色々

・これは「良いこと」だと私は考えている。


・Infuse the best of the classroom into the new technology forms.

 教室形式の良さを、新しい技術の形に注ぎ込んでいく。

  教室形式の良さ:その場にいる、双方向、講師による指導、人間的なケア

   −immediacy/presence, interactions, supervisor fingerprints, human caring


・「悪いこと」として、「Not ready(準備ができていない)」点がある。

 Eラーニングは、人々がそれをどのように使えば良いのか理解する前に
 動きだしてしまったという事実がある。


・教室形式に慣れた講師も、オンラインやブレンドに移行していく必要がある。


○年配の講師にとって(Babyboomers)は、きつい選択かも。

 だからこそ、年配講師の参加が多いASTDで、
 あえてこういうテーマが話し合われるのかも。

 Gen.Xである私にとっては、まだそれほど苦痛を感じない。

 これからも色々試行錯誤していくつもりだ。

職場にいる「4つの世代」を理解しマネジメントする

Understanding and Managing the Four Generations in Today's Workplace

職場にいる「4つの世代」を理解しマネジメントする

June 4, 2008 13:15-14:45 Mr. Tony Cocove

○「4つの世代」をマネジメントするというテーマです。


・The Rules about Others(他人に関する決まり事)

 Different is not Wrong (違いは間違いのことではない)

 Different is Different (違いは単純に違うということが)


・4 Current Workforce Generations(職場にいる4つの世代)


 〜1945 Veterans, Matures, Traditionalists

 −35 million

  −仕事に対する考え方:長期にわたるキャリア形成

 
1945〜64 Boomers, Baby Boomers, Great Majority

−80 million

  −仕事に対する考え方:働いてリタイアする


1965〜80 Gen Xers, Post Boomers, The 13th Generation

  −45 million

  −仕事に対する考え方:ただの仕事


1980〜 Millenials, Gen-Y's, Echo Baby Boomers, 24/7's

−75 million

  −仕事に対する考え方:柔軟な働き方


・「X世代」「Y世代」に対するコーチングとマネジメント

 「X世代」

  −すべての選択肢を示す
  −「なぜ?」という質問に応えられるようにしておく
  −自身が仕事を楽しんでいる様子を見せる

 「Y世代」

  −個々の個性に合わせた対応をする
  −彼らの仲間レベルの例を出す(かけ離れたものではなく)
  −彼らの決断を称賛する


・世代の違いは、年齢ではなく、経てきた「共通体験」の違いから生まれる。

 世代が違うと問題解決やプロジェクトマネジメントのやり方も違ってくる。

○昼食のときに、目の前に座った浅黒いインド系の人が、

 もう一人のインド系の人(訛りが強い)に

 流暢な英語で話していた内容が印象に残っています。

 「世代の違いよりも、カラーの違いの方がアメリカでは大きい。

  今回のオバマに関してもそうだ。」

 私の狭い経験の範囲ですが、90年〜95年にアメリカ南部の大学に留学していた時も、

 「人種の違い」についておおっぴらに話し合うことは少なかったように思います。

 (私は文化人類学のクラスをとっていたので、
  このクラスの中では「違い」をテーマによく議論していました。)

 

 それが、「Diversity(多様性)」や「Generation Gap(世代間の差)」という言葉によって、

 「違い」について話し合うことがしやすくなってきた雰囲気があるのでしょうか。

 
 
 私は寡聞にして知らないのですが、たとえばASTDで「若手世代への違い」が

 話し合われているように、たとえば「白人マネージャーによる黒人への対応」や

 「黒人マネージャーによる白人への対応」などが話し合われたことがあるのでしょうか。


 あるいは、これらは公には触れてはいけないテーマなのでしょうか。
 (人種の違いはないという前提で)

 まだまだ勉強が足りないですね。

東京大学の中原先生とバッタリ・・・

ASTD2008 最後の基調講演に行こうと移動していたら、

なんとなく見覚えのある人があるいていました。


背がすらっと高いアジア系の男性です。


(もしかして・・・)


と思って近づいてみると、


東京大学の中原淳先生でした。

「あ、関根さん、どうも」


事前にメールでASTDに行くことはお知らせしてあり、

先生からも「向こうで会うかもしれませんね」とメールを頂戴していたので、

「やっぱりお会いしましたね」という感じでした。

基調講演に行く前の、10分ほどの立ち話だったのですが、

とても貴重なお話を聞かせて頂くことができました。


お子さんが、うちの次女(2歳)と同じくらいなので、

子供ネタも盛り上がりました。


「新人へのOJTが上手くいっている職場では、指導員一人が教えていない」

という話を投げかけると


「それは、確かにそのとおり」

といって、いくつかの説を教えてくださいました。


・Developmental Network(発達的ネットワーク) ヒギンズ

・Reciprocalcity(互恵性)

・世代継承性 エリクソン

中原先生は、


「能力開発は、個人の能力・キャラだけではなく、

 職場の環境が大切である」


というメッセージを伝えるべく新刊を著されているそうです。

(出るのが楽しみですね)

新人を指導するOJT担当は、一人で指導していない

ASTD2008でお会いした際に

東京大学の中原先生がおっしゃっていた


「OJTは、“関係”(上司と部下)でとらえられがちだが、

 “環境”(職場で育成を見守っていく)が大事。」

これは、小職が「OJT研修」でお伝えしている


「OJTがうまくいっている職場では、指導員一人で育成を抱え込んでいない。

 自分の部署だけでなく他部署も上手に巻き込んでいる。


 新人にとっては“教えてもらえる人・訊ける人”を増やしてあげることになり、
 
 新人の社内外人脈形成の支援にもつながる」


 という点にもつながるかもしれません。

研修の話になってしまいますが、研修内では参加者に「人脈マップ」

というものを書いてもらいます。


自分がOJT指導員として、新人を育成することを「手助けしてもらえそうな人」や、

「〜に詳しい●●さん」をリストアップするためのものです。


新人が困るのは「誰が何に詳しいか分からない」という点です。

OJT指導員は、少し先に職場にいて

「十全的参加」(LPP理論)をしている人です。

「新参者」である新人が「周辺参加」していくことを手助けする

「いざなう人」(佐伯教授の言葉)であるともいえます。

組織の中で上手くやっていくために、組織内の人脈を紹介し

新人が組織内で成長していけるよう「いざなっていく人」が

OJT指導員であると考えられます。

つまり、OJT指導員一人が、新人育成に関わるのではなく、多くの人が

新人育成に関わることで、新人が成長していくのです。


ひいては、新人が入ることで、そして新人を通じて先輩社員がつながることで、

職場のコミュニケーションが活性化されるということもあるでしょう。

私自身は、新人へのOJTは、「不機嫌な職場」と言われる

現在の職場環境を活性化させる起爆剤になるのでは、と考えています。

だからこそ、OJT指導員は新人指導を一人で抱え込むべきではないのです。

新人指導を通じて、職場内につながりを取り戻す。


「今日は、ここまで教えたよ」とAさんが言えば、

「〜については結構楽しそうにやっていたよ」とBさん。


それを聞いて「それじゃー、今度は●●をやらせてみましょうか」とOJT指導員。

新人へのOJTは、ボトムアップ式の職場活性化方法かもしれません。

ASTD2008に参加して

ASTDへの参加は、去年に続いて2回目です。

参加して感じたことを列挙します。

1.セッションの人気度合


私が参加した少ないセッションからの判断しかできませんが、

去年より「満員」になるセッションが少なかった気がします。

私が参加したのは「講師テクニック系」(こちらは人気)と

どちらかという「学術系?」(こちらは不人気)でした。


J.Phillips教授の「研修効果測定」やDine Robinson女史の「PFC2.0」は

数百名は入れる大会場が用意されていましたが、すきすきでした。


ASTDには、個人講師が多く参加しているからかもしれませんね。

2.研修の「前」と「後」への働きかけを重要視


これも私が参加したセッションでの話になりますが、

研修「中」の働きかけだけでなく、その「前」と「後」の

重要性が強調されていたように感じます。


ASTDが「Workplace Learning and Performance(職場学習と成果)」を

推進していくならば、当然その方向性になるでしょう。

「教室形式の集合研修は蒸発する」としたRossett女史の講演では

今後は「オンライン(Eラーニング)」が増えていくという話をしていました。


ただ、「Workplace Learning and Performance」という点から考えると、

参加者を教室に呼び寄せるのではなく

「教育担当が職場に出向く形」や「職場での学習を促進する働きかけ」なども

今後増えてくるのではないでしょうか。

参加者を呼び寄せて行う「集団学習」は、

その独自のメリット、効果、良さがある限りはなくならないでしょう。


だが、他の手段「オンライン」「講師が出向く」

「職場での自発的学習(実践コミュニティー?)」などで代替できるのであれば、

「呼び寄せての集合研修」がただ一つの手段ではなくなるでしょう。

3.テーマ


去年のASTD(2007)には、テーマ「Unlock the Knowledge」が

掲げられていましたが、今年はなかったです。


ただ、最近そして今後のテーマとして「Talent Management」は

ASTDとして発展させていきたいテーマのようですね。

4.人脈づくり


小さなことですが、ASTD2008では去年ほど「人脈づくり」を

強制していなかったように思います。


07年は基調講演に「一生モノの人脈力」の著者 K.フェラッジ氏が来るということもあり、

最初から「ASTDでは人脈を作ってね」という雰囲気が高かったように思います。

セッション内の討議や食事中も声をかけあう人が多かったです。


今年は、それほどでもなかったような気がします。

ASTD2008に参加された他の方のブログ

ASTD2008に参加された他の日本人の方から見た様子は、

下記ブログからどうぞ。

●ヒューマンバリュー社 ASTD2008 事前レポート

 http://www.humanvalue.co.jp/astd/astd2008rep/

 (参加報告がアップされるのが楽しみですね)


●東京大学 中原先生

 http://www.nakahara-lab.net/blog/2008/06/post_1256.html

 (このページだけでなく、他のページもご覧ください。
  中原先生の「ASTDリアルタイム報告」が見られます。)


●野原裕美さん

(直接存じ上げているわけではありません。
 ウェブで見つけた記事が勉強になったので、ご紹介します。)

 http://nohara.main.jp/education02/education_ASTD%202008.html


●安部哲也さん(この方の記事もウェブで見つけました)

 http://eqpartners.at.webry.info/theme/710c7d0d77.html

他にもあると思いますので、ご覧になった方は教えてください。


ASTD2009も参加します!

来年のASTDは、ワシントンDCで開催されます。

私は行く予定です。


来年は長女が小学校に入るので、おそらく家族は連れて行けないと思います。

(妻は残念がっていますが)


その分、休みを上手く合わせて、別の場所に連れて行ってあげようと考えています。


出張中、さまざまなご配慮を下さった皆さん、ありがとうございました。


今回のASTDに参加して、また面白いアイデアが浮かんできましたので、

08年秋ごろに、ある企画を実施したいと思っています。


詳細が決まりましたら、また皆さんにご案内します。お楽しみに。

===

(来年のためのメモ)

●無線LAN

無線LANは、ASTD会場内に数か所あったので、

「接続」すれば勝手につながってくれる。

ホテルにもついているところが多かった。


●レンタカー

気軽に借りられ、返す時も簡単
(日本から予約をしておけば。支払いはカードで)


===