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東京大学「ワークプレースラーニング2008」に参加してきました。

08年10月31日(金)10時〜17時

東京大学主催「ワークプレースラーニング2008」

 〜「企業教育」の新たな役割をさぐる〜

に参加してきました。

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午前中は、人事コンサルタントの田代英治さんと一緒に参加しました。

http://www.tashiro-sr.com/

東大までの道すがら、田代さんがおっしゃった

「ローテーションを、きちんと行っている企業は少ない」

というお話が印象的でした。


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会場は、東大の安田講堂でした。こちらは、普段は使われていないそうで、

1年に数回、こういった大きなイベントに使用されるそうです。

私の理解の範囲で、シンポジウム内で印象に残った点をお伝えします。

・シンポジウム内の話(講演者による)  ○関根の独り言

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1.趣旨説明 中原淳 東京大学准教授 


・ワークプレースラーニングでは、「研修での学び」に加えて、
 「現場での学び」を重視する。

・「研修での学び(30%)」「現場での学び(70%)」(McCall、Morison)

・業績向上につながる研修の成功要因(Brinkerhoff)

 「研修前に職場で行われるべきこと(40%の影響)」
 「研修中の学習(20%の影響)」
 「研修後に職場で行われるべきこと(40%の影響)」 

・ワークプレースラーニングは、人材育成担当者の仕事にも変容を迫る

 「階層の集合研修の企画、ロジ担当」から
 現場を知り現場と連携し支援する「内部コンサルタント」へ


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2.問題提起 長岡健 産業能率大学教授


・育成担当者のアポリア(難題)として、

 「人材育成担当者は、どの範囲の学習までコミットすべきなのか?」

 −現場と連携しつつ、効果的な研修の実現をめざす?
 −現場のOJTまで積極的に踏み込んで支援する?
 −営業活動支援の中で生じる学びにもコミットする?
 −組織開発を通じつ生じる学びにもコミットする?
 −経営戦略推進の中で生じる学びにもコミットする?

・実務家は、研修やOJT以外でも学んでいる。

・変化する経営環境とワークスタイルのダイナミクスの中で、
 「研修」や「OJT]以外の育成活動が主流となる可能性がある


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3.事例「“問いかけ”としての企業理念」
 
   花王(株)企業文化情報部 コーポレートコミュニケーション部門
   クリエイティブ・ディレクター 下平 博文氏


・花王ウェイ

 −私たちは何のために存在しているのか? Mission
 −私たちはどこに行こうとしているのか? Vision
 −私たちは何を大切に考えるのか?    Values
 −私たちはどのように行動するのか?   Principles

○この問い。弊社の場合はどうか?

・部門長の希望により、ワークショップを部門単位で開催。

 ファシリテーターは、部門長(または任命されたメンバー)が行う。

○部門長クラスが、自ら手を挙げ、メンバーの意見を引き出す
 ファシリテーション型ワークショップを開催する!

○現在弊社で開発中の「OJT研修 現場巻き込みツール」も、
 この形がひとつの理想かも。

・ワークショップのモデル進行表は、企業文化情報部が作成。
 この標準版を部門別にカスタマイズする。

・教育部門は、この教材作り等に絡んでいる。


・ワークショップによる成果 = 議論を深める働き
 花王ウェイの視点で、いまの仕事の本質を考える。

・花王ウェイは「問いのかたまり」である。議論を深める問い。
 仕事の本質を掘り下げる。


○弊社の専門分野である新卒社員の育成に関しても、
 現場で議論を深めるような「問い」を投げかけることができれば・・・

 新人育成について話し合ううちに、先輩社員や管理職が自分の仕事の
 本質についても考えるような、そんな問いを作ることができれば・・・

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4.事例「ソリューション営業力強化に向けた現場での取り組み」

   NTTソフトウェア(株)営業推進本部 企画部門 
   部門長 渡辺 浩一氏


・「見える化情報」により、現場で上司と部下が話し合うネタを提供。

・今後の課題としてマネジメント層が「部下にもっと興味をもつ」
 マインド改革が必要


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5.解説・コメント


【松尾睦 小樽商科大学准教授】


・学習には、危機感/対立/不満が必要。ぬるま湯の中では学べない。

○これこそ、私が大学院に行きたい理由かも!
 今そして今後の自分に「危機感」を抱いているから、学びたいのかも。


・ポジティブなコンフリクトを起こすには、共通の意思決定基準が必要。
 それが花王ウェイ。


【長岡先生】

・「学習者は誰なのか?」

 花王においては「上司」が学んでいる。
 NTTソフトウェアでは「一人前の人」が学んでいる。

・上司が「部下に見られながら学ぶ」貴重なワークショップ

 部下は、上司が問われたり、学んでいるのを見たことがない。
 上司は「花王ウェイ」に対して、どんな答えを出すのか。


○弊社が実施しているOJT担当と新入社員が一緒に学ぶ
 「ペア研修」においてもこの要素(上が下から見られながら学習する)を
 もう少し入れてもよいのかも。
 

・一人前以降の学習支援をするために

 −(一人前以降が)求めているのは、独自の知識やスキル
   ←他の誰も知らない知識やスキルを求めている

 −(一人前以降は)自ら学ぶ、お互いに学びあう
   ←育成担当は、学べる場と学習材(情報)を提供する

 −(一人前以降は)自身の専門性の評価を求める

・職場は「ヘテロ(異質)」な人的構成
 研修は「ホモジニアス(同質)」な人的構成


【中原先生】

・部門単位で、研修を実施するには、部門長の覚悟が必要。
 自分が学ぶ姿を部下に見られるということ。

  
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6.事例「トップから始まる全社的CSの職場展開」

   KDDI(株)カスタマーサービス本部 TCSマネジメント部長
   園田 貴氏


・小野寺社長みずからが、TCS委員長を務める。
 月1回の会議は、役員中心だが一般社員の同席も可能。

・2003年から全社CS向上セミナーを開催。
・経営幹部が受けた研修を、下の社員が受ける。

・KDDIでは、研修に力を入れている。

・今までは「数の論理」で人数が多い一般社員対象でなく、
 人数が少ない管理職を対象にCS研修を実施してきた。

 今後は、一般社員に対する更なる働きかけが必要かも。

 
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7.事例「人財開発部門の戦略的役割」

   あおぞら銀行 常務執行役員人事部長 アキレス美知子氏


・戦略に貢献する人事(企業文化のマネジメント、変革の推進、
 戦略決定への関与、市場に対する連携強化)は、業績に大きな影響を与える。

・事業成長に貢献するためには「人財開発マトリックス」による
 複合的なアプローチが有効。

・人材開発部が提供できる付加価値の一つとして「継続的なフォローアップ」がある。

○こここそ、外部研修会社が社内人材開発部と連携して強化すべき点かも。


・厳しいときこそ、学びのチャンス。上向きのときは、学ぼうとしない。

・信頼される人事となるために「現場との10の約束」を提示。
 これで現場から「今度の人事は今までと違う」という声があがる。

○LWの「お客様との10の約束」は?


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8.解説・コメント


【松尾先生】

・「顧客志向がイノベーションを高める」
  VS「既存顧客のニーズへの対応はイノベーションを妨げる」

・既存客の明示ニーズは、「声を聞く」ことで得られる。
 既存客の潜在ニーズは、「声の裏を読む」ことで得られる。

 新規客の明示ニーズは、「他社客の声を聞く」ことで得られる。
 新規客の潜在ニーズを、獲得することは、一般のCS活動では難しいかも。

・人事部の強みは、全社を見ている。経営に近い。という点がある。


【長岡先生】

・組織の規範を身に着け同化していくと
 周囲から「学んだな」「大人になった」と評価される。

 共同体から見て、好ましい振る舞い方に代わることが「学習」。
 「らしさ」を身につけること。

○これは、新卒社員のOJTに関する大きなヒントになる。


・従来のOJTは、上からのまなざしで、下を変えていく。
 下からのまなざしで、上をかえていくことも今後必要では。

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9.パネルディスカッション


【長岡先生】

・今回の3事例は「教育部門が関わっていない教育の事例」である。
 ということは、「教育部門はいらないのでは?」
 
・教育部門には、どんな役割が果たせるのか?
 それは、教育部門でしかできないことなのか?


・「重要なこと/重要でないこと」と分ければ、

 70%の影響がある「現場での学習」の方が、
 30%の影響しかない「研修での学習」より重要。

【松尾先生】

・人材開発には、営業メタファーが当てはまる。

 現場を顧客とすれば、現場を理解した上での提案型営業が、
 ワークプレースラーニングのカギでは。


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10.ピアディスカッション(近くの人との話し合い)


今回のシンポジウムでは、先生方の解説、コメントの後で、
近くに人たちとの話し合い「ピアディスカッション」の時間がとられました。


そこでの会話です。


・今回のシンポは、教育部門が関わっていないけど、教育している事例。

・こういう事例を出し、長岡先生のような問いを出すのは、

 現場事業部が変化にさらされている中で、教育部門のスタッフが
 今までと同じような仕事をのんきにやっていていいのかという危機感では。


・自分たちも教育部門と育成体系を作る際のプロジェクトでは、
 現場に精通している課長クラスに入ってもらっている。

 何を教えればよいかは、現場が一番よく分かっている。

(ある研修会社のマネージャーの方)


○現場は、What(何)を教えればよいか分かっている。

 教育部は、How(どうやって)教えればよいかを担当する?

・教育部門が、70%の影響力をもつ現場に打って出ていくという方法もあるが、
 現場マネージャーが、30%の影響力をもつ教育に興味を持つことも大事かも。

(初めてこういうシンポジウムに参加するある会社の支社長さん)


○私にとっては、この方のこの言葉に大きな気づきがあった!

 どうしても今までは、教育部門を通して、現場への働きかけを考えてきたが、
 現場から教育部門への働きかけもあり得るという示唆が得られた。


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11.Backstage Party シンポジウムの懇親会


中原先生にお誘い頂いて、シンポジウム後の懇親会に参加させて頂きました。


会場では「学習学」の本間正人先生とバッタリお会いしまして、
その場で様々な方々をご紹介頂きました。


本間先生は、成人教育学のPh.Dをすでに持っていらっしゃいますが、
東大の大学院で修士課程として学んでいらっしゃるそうです。


大学院での勉強や講師としての専門性について色々教えて頂きました。


(帰り道は電車が同じだったので、途中までご一緒させて頂きました。

 本間先生、ありがとうございました!)

懇親会では、

・「ビタはっぴ」を着て、アイスブレーク

・カンジヤママイム氏による「シンポジウムの印象を体で表現」

  http://www.kanjiyama.com/index.html

などがありました。

ここでも多くの方との出会いがありました。

中原先生からは、東大大学院の博士課程に通う社会人の方をご紹介頂きました。

(中原先生、Sさん、ありがとうございました)


2010年4月に、大学院に入る目標が、より現実的に見えてきました。


これから頑張ります!


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昨年も参加させて頂きましたが、

http://learn-well.com/blogsekine/2007/09/post_49.html

今回のシンポジウムでも大きな学びがありました。


どうもありがとうございました!


(中原先生のブログ 「ワークプレースラーニング2008をふり返る」

 http://www.nakahara-lab.net/blog/2008/11/2008_4.html )

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