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2009年01月31日

「教育工学への招待」 赤堀侃司著

「教育工学への招待―教育の問題解決の方法論」赤堀侃司著 2002



(・引用 ○関根の独り言)

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●教育工学

・研究分野が幅広い。どの研究方法も受け入れる。
・現実の教育課題を対象
・総合的にデザインするアプローチが多い

・「これでなければいけない」という枠はない。
 現実の教育課題を総合的に解決するという思考。


●学習論

・行動主義の学習観「学習は行動の変容」

 ブルームの教育目標分類学は今日も生きている。
 すべては「認知領域・情意領域・運動領域」に該当する

 人はフィードバックによって多くを学習


・頭の中の変化に着目したのが「認知主義」

 知識、技能よりも理解や意欲を重視する学習観

 人は頭の中で自分でつじつまが合うように意味を
 作りだし構成している「構成主義」

 人は何かのモデルを使って対象を理解しようとする


・学習をコミュニティーへの同化ととらえる「状況論」

 人が頭の中にある知識を使って問題解決をする「人中心」主義ではなく、
 状況や場面などの環境が人に「アフォード(誘発)」するという考え方。
 
 実践という場によって仕事上の知識(暗黙知)が獲得される


・行動主義は「教材」に、認知主義や構成主義に基づく学習支援は、
 「人間」に興味がある。


●仕事での学び

・「協同学習」が日常的に用いられているのは学校よりも企業。
 仕事をする上で協同して行うことはしごく自然なので意識しない。

○ここに、会社にはいった新人はとまどうのかも。
 今までの学び方「個人が知識を獲得する」が通用しなくなる。


・共同で活動すること、それは仕事の特徴。
・世の中では「個別学習」より「相互学習」のほうが普通の形態であって、
 むしろ個別学習は異例。

○学校での「個別学習」に慣れた子供達が、社会に出て「相互学習」
 「協同学習」の必要性にせまられて戸惑うケースも多いのかも。


・判断ができるとは「短絡的」でないこと。
 様々な角度から思考するためにも他者の意見を取り入れることが大事。


●コンピューターによる学習支援と教育支援

・eラーニングにより、大学の単位が商品化され、ブランド志向を引き起こす。

・ITを教科に持ち込むのは、世の中の生きた学習資源の提供と考えられる。

・コンピュータを使った授業は、相互学習が自然に発生する。


●初心者と熟達者

・初心者と熟達者では覚え方に違いがある「エピソード記憶」「意味記憶」

・自分で自分を見直す力の差は、初心者と熟達者の違い

 誤りにどう対応するか「教訓帰納」問題を解いて何が分かったかルールを作る

・いかに重要な譲歩を選択する方略を持っているか、全体を把握するかが、
 初心者と熟達者の差

 質問が出る講演は、分かりやすい内容で、受講生に何が重要であるか
 伝わっていると解釈できる。

 熟達者は何が分からないかを分かっているので質問できる。


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これで、1月の課題図書5冊は終了! 2月も5冊読みます!

「仕事の経済学」小池和男著


「仕事の経済学」小池和男著 第3版 2006年


●本の特色

・「技能を重視」「基本資料の検証」「他国との比較」

●知的熟練の形成

・技能の核心は「知的熟練」であり、知的熟練とは
 「問題と変化をこなす腕」である。

・知的熟練を形成する方式は「OJT」である。
 OJTとは、実務経験を重ね技能を修得することをいう。

・知的熟練の形成には、関連の深い仕事群のなかで
 幅広いキャリアを要する。つまり、長期の仕事経験が必要。

・「専門のなかで幅広いキャリア」これこそが知的熟練形成の根幹。

・職場でのOJTこそ技能形成の主役。

・仕事を学ぶ学校、教習所はない。職場にはいって習うほかない。

・外部人材は、不確実な問題処理には不利。

・高い技能こそ雇用の質を決める。
 高い技能の形成には、長期の実務経験が必要。

・真の人材形成は、職場での深い実務経験。


●OJT

・OJTを仕事と区別するために「フォーマルな(形ある)OJT」を設定する。
 フォーマルなOJTには「指導員の指名」「訓練成果のチェック項目」がある。

・OJTは「長期のキャリア(長期に経験していく仕事群)」である。

・「幅広いOJT」= 職場内のおもな持ち場を経験するよう移動する

   序列方式、ローテーション方式

・「深いOJT」= 職場で起こる問題や変化もこなす

   問題に関する報告書の作成、職場会議での討議、他職種の支援

・幅広いOJTは、大企業でおおいに普及している

・OJTのコストは、ふなれによる能率低下。

 やさしい仕事からより高度な仕事へ経験させていくことで、
 上記コストを低減させる。

・OJTは、1対1の個別具体的な訓練がしやすい。
 OJTは、暗黙知である技能の持ち主について仕事の仕方を見習うことができる。

・OJTは、教え手と習い手が職場でともに働くことこそ最重要の道。

・OJTを効率的に行うと「企業内」になりやすい。
 企業内で関連の深い仕事群を、やらしい仕事から難しい仕事への移動していく。
 それが技能を高める。


●OffJT

・OJTに熱心な職場は、OffJTにも熱心。

○これは原ひろみ氏の「日本企業の能力開発」
(日本労働研究雑誌 June2007)でも同じような調査結果がでていた。


・OffJTのもっとも重要な役割は、問題処理の技能を高めることにある。
 OffJTによって、理論を勉強し、経験を整理分析できる。

・OJTをさらに効果的なものにするために、理論的なOffJTが欠かせない。

・起こり得る問題をほぼすべて知り、その有効な対策も見当がついている
 ようなOffJTコースを設定することは難しい。


●通念に対して

・大企業男性労働者でも、転職者は多い。

・若者はおおいに企業間を移動している。

・中高年が雇用を独占し、若者に貧乏くじを押しつけているという見解。
 これは他国を知らない鎖国的認識。欧米の若者の失業率は日本より高い。

・日本は終身雇用で高年者を保護しすぎるといわれるが、
 50歳代半ばで勤続が急激に下がることからも、むしろ高年者には冷たい。
 日本は高年者には厳しい国。

・機械産業における仕事能力は、60歳以上でもさがらない。
 劣るのは30歳未満。


●日本と諸外国の差異

・日本の大卒の多くは、下積みの仕事も経験する。

・日本の管理職の選抜は、遅い。入社当初は「リーグ戦」
 入社15年ほどから「トーナメント」が開始されると見られる。

・ブルーカーラーとホワイトカラーの差が、日本は先進国中
 もっとも小さい国の一つである。

・日本では研究開発における政府の役割が他国より小さい。

・アメリカは日本にくらべ若い層に解雇をしわ寄せし、
 日本は50歳代以降の高年者層に非自発的離職率が目立つ。

・日本は中小企業が多い。

・日本は中長期のOJTをもっとも多くの人に展開してきた。
 これが日本の競争力の源泉である。

・日本の技能形成は、企業内OJT中心。

・日系企業の効率は、英米企業よりあきらかに高い。

・現代日本の職場でもっとも良質な部分、時間をかけ企業内で経験を積む
 技能形成方式、は相当に普遍性がある。これは仕事方式として他国に展開可能。

・OJTを海外の技術協力にのせる。その方策の開発が肝要。

○これは魅力的!日本の「企業内OJT」のやり方を海外に展開する。


・日本の仕事方式のもっとも良質な要素は「知的熟練」と「長期の競争」である。
 グローバル化のもとでは、仕事の方式が益々重要になる。

・ただ、日本の仕事方式は、リーダーを迅速に育てる仕組みが弱い。
 (これは二律背反と考えることができる)


・平等度の高い社会が、日本の職場の効率に寄与。
 一握りの金持ちのために働くのであれば、誰も職場効率の向上に熱意はもたない。


●人事

・採用管理の要点は、採用すべき人の「質にかかわる情報の把握」である。

・日本のサラリーは、中長期の成果や業績をそれなりに良く反映してきた。

・成果主義は、関連する分野での幅広い経験による技能向上を無視する。

・真に重要な雇用対策は、フリーターから正社員への昇格の途を広げること。


●その他

・資料批判は、現代益々重要になる。パソコンに入ってしまえば、すべての
 数字はおなじように信頼できるように映る。かくて情報は氾濫し、自分に
 都合のよい数字を容易に見つけることができる。

○これは、自分自身気をつけないと。


(・引用 ○関根の独り言)

「日本企業の人材形成〜不確実性に対処するためのノウハウ」小池和男著

「日本企業の人材形成〜不確実性に対処するためのノウハウ」小池和男著

1997年に書かれた本。


●本の趣旨

・OJT(実務訓練)に焦点を当てる。

・日本の人材開発方式のもっとも重要な特徴は、長期の人材開発。
 これは他国に対する競争力の源泉のひとつ。

・実務経験OJTが人材形成の根幹。


●知的熟練

・ひとに教えるノウハウが、
 知的熟練(問題に対処できる、変化に対応できる)の重要な要素。

・9年程度の学校教育が、知的熟練形成の基礎となりうる。

・今後増加する不確実性に対処する知的熟練の持ち主をさらに多くする必要がある。
 そのための技量形成の核心は、はば広いOJTである。

●OJTの見える化

・OJTは見えにくい。

・測る指標は、従業員の「経験のはば」と「経験の深さ」

・OJTを個々の労働者のキャリア(長期間に経験する関連の深い仕事群)と
 してとらえる。個々の仕事への訓練を重視しない。

・キャリアの構築には、断然一企業内が有利。


・「フォーマルなOJT」を設定することで、見える化を図る。

・フォーマルな(形ある)OJT =
 1)指導員が指名されている 2)成果のチェック項目が設定されている

・ただ、フォーマルなOJTも、OJTの一部でしかない。
 高度な技能の形成は、インフォーマルなOJTにこそ求められなければならない。


●OJTとOffJT

・はば広いOJT = 職場内の大半の仕事を経験、隣のしょく場も。

   序列方式(易→難)ローテーション方式(持場間移動)による。

 大企業で普及している。1950年代なかごろからローテーション方式が出現。


・深いOJT = 職場会合での討議、報告書の提出、トラブル対応 など


・OJTを補うのが、OffJT(研修)。実務経験を整理し体系化するためのもの。

・OJTが要であり、OffJTは結局基礎レベル。
 不確実性に対処するプログラムを研修で提供することはできない。


・職場で働く技能を身につけるには、その職場で働くしかない。 
 仕事を教える学校や教習所はない。


・経験5年以降の専門分野のOffJTコースがない。


●部下指導

・監督者にもっとも必要とされるノウハウは、その職場の仕事のノウハウ。
 それがないと、いかに仕事を遂行するか、いかに改善するか、
 自分の部下を指導できない。

 仕事上のノウハウは、研修では得られない。職場での経験から獲得するほかない。

○今までは、「上司>部下」(上司の方が「知識・技術」を部下より持っている)
 と分かりやすかったかもしれない。

 今は、「上司<部下」というケースもある。(IT系や専門職に強い傾向)
 部下の知識・技術の方が、上司より優っている。

 そういう場合の上司の打つ手は?


「新・コンピューターと教育」佐伯胖著

「新・コンピューターと教育」佐伯胖著


(・抜粋 ○関根の独り言)


●道具

・教育制度における「文科系」と「理工系」の分離に原因
・機械音痴は、理工系にとっての常識である
 「課題を下位課題に分割する」ことができない

・対話すべき相手は、道具そのものではなく、道具のデザイナー


○道具はデザイナーの頭の中でイメージしたものが、具現化したもの。

 確か養老教授が、世の中の人工物は、人の脳がイメージしたものだから、
 私たちは「人の脳の中に住んでいる」という話をしていたな。


・便利な道具は頭を使わせない。でも、使わない頭は退化する。
 頭は使った方がいいが、頭を使わせる道具は不便でしょうがない。

○確かに!今パソコンを使っていて、特にそれを感じる。

・「人を賢くする道具」と「愚かにする道具」がある。


●基礎学力

・基礎学力とは、私たちの「文字や数の文化」の豊かさに出会う「入口」
 なのだといういうふうに考えなおしてみよう。

○18歳にアメリカに留学して、英語で授業を受け始めた時、これを感じた。

 英語「を」学ぶというより、英語「で」様々なことを学べるのが楽しかった。
 アメリカ人の考え方、今起こっていること。

 英語「を」学ぶことで、別の世界(アメリカ人の)を学べるのが楽しかった。


○6歳の長女が、教えていなくても、ひらがなを読んでいる。

 それはきっと、ひらがなで書かれている世界に興味をもっているからだろう。
 文字が読めれば、自分の知らない世界が広がる。きっとそれが楽しいのだろう。

 その楽しさを維持できるように、接していきたい。

●文化的実践への参加

・読み書きの文化的基礎性に「目覚める」のには年齢や経歴に
 何の条件もない。「ああ、文字ってこんなに大切なんだ」と自覚し、
 「こういう世界に自分も参加できる」ことがわかったとき、そのときが
 「読み書きの基礎」が獲得されるときである。

○22歳のとき、スペイン語を学ぶために、メキシコに1ヶ月間滞在したことがある。
 ボランティアで、貧しい家庭の子供達に、読み書きの支援をしに行ったことがある。

 読み書きを学ぶ子供達の嬉しそうな表情。

 日本ではあまり見たことがないものと感じてしまった。

 純粋に学ぶこと、読み書きをおぼえることで、自分たちの生活が変わっていく実感。
 貧しさから脱出する手段、生き抜くための手段としての勉強。


○31歳のとき、メルマガを始めた。

 そのときにも「文字を書くことで、別の世界(発信者側)に
 参加することができる」嬉しさを感じたな。


・学びとは、人が文化的実践に参加するための、自分らしい自己と世界との
 関係作りの模索だり、展開である。

●インターネット学習

・「ともかくデータを集めたら、こういう結果になりました」という
 「調べ学習」のオンパレードになる。

 「だから何なのだ」「なぜそうなのだ」
 「ほんとうに(つねに)そうだと言えるのか」
 「もしそうだとしたら、今のこの私はどうでなければならないのか」

 というディスカッションがあまりにも弱い。

○「調べ学習」の影響が、多くの若者の「ネットで答えを探してくる」
 傾向にも出てきているのか?


・「分かち持たれた知能」と「学習者中心主義」こそ、
 21世紀のネットワーク時代における知能観であり学習観ではないだろうか。

○新人へのOJTにも、当てはまる。

 新人が得るべき知識、技術は、職場内外に「分かち持たれている」
 ただ、新人は「誰が、何に詳しいか」最初は分からない。

 OJT担当は「誰が何に詳しいか」を教え、その方々との接点を
 コーディネートすることで、新人の成長を支援する。


●学びにつきあう

・大切なのは「答え」を与えることでなく、まず子供が疑問を抱くことに
 共感し、〜子供の気持ちにつきあうということ。

・教師は子供にとって「学びにつきあってくれる人」
 子供が見ようとしている世界を「斜め後ろから見る人」

○大人である自分も、世界に興味をもつ。

 小さな子どもの親として、子供達が世界を見始めようとする場に
 いられるのはラッキーなこと。

 子供のおかげで、自分も新しい世界に再度触れることができる。

「企業内人材育成入門〜人を育てる心理・教育学の基本理論を学ぶ」

「企業内人材育成入門〜人を育てる心理・教育学の基本理論を学ぶ」

  中原淳編著 荒木淳子+北村士朗+長岡健+橋本諭 著

2006年冬にこの本を買って読んだとき、怖くなった。


いかに自分が不勉強だったか。

研修会社で仕事をさせて頂いた当時から、
いかにものを知らずに、教育研修について語っていたか。

恥ずかしくなった。


読み進めるのが怖くなる半面、新しい知識が得られる喜びや

「あ、これって、あのことだったんだ!」と、

断片的な知識がつなぎあわされていく喜びに、ページをどんどんめくっていった。


アカデミックな人たちに対する漠然とした憧れを感じたと同時に、
「もっと勉強しなくちゃ!」という焦りにかられた本。


参考書籍として提示されていた本は、できるだけ買った。


(この本を読んで刺激を受けたあとの講演

 「なぜ新入社員研修は現場に反映されないのか?」

  http://www.learn-well.com/blogmanabi/2007/01/post_34.html 

思えばこの本が、大学院で学ぼうと思った「きっかけ」かもしれない。


今回、改めてこの本を熟読した。これから先も数回読むことになるだろう。

自分の知識の度合いを測るための有効な指標となりそうだ。


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私が興味を持っている「職場でのOJT」に関連して、印象に残った部分です。

(・引用 ○関根の独り言)


●物語

・ナラティブモードの教材

 現場の実務経験を積む前に、そこで起こる事柄をシミュレーションしておく
 ことは有益だ。

・よい物語は、よい学習につながる可能性が高い。

○新人が職場に配属される前に、その職場で起こりがちなことを「物語」として
 疑似体験させる。


●熟達研究

・熟達研究が明らかにしたもうひとつの知見としては「初学者は熟達者の仕事を
 観察しているだけでは一人前になれない」なぜなら初学者は、熟達者の仕事の
 「どこに注目すればよいか」が分からないからである。

○仕事を「やって見せる」際に、どこを見ればよいかポイントを伝えるのは、
 やはり重要。


・初学者から熟達するのに、多くの人の支援を必要としてきた。
 しかし、人はいったんある領域に熟達すると「自分一人で育った」と思いがち。

○「人脈マップ」の重要性が伝わらなかった研修参加者には、この気持があるのかも。


●現場の巻き込み

 
・応用力を修得する唯一の方法が“現場での経験”しか存在しない。
 つまり、その大半をOJTに頼らざるを得ない一方で、そのための具体的方法論が
 欠如している。

・OJTの成果をあげるためには、関係者全員(新人、上司、教育担当)が
 協調的にコミットしていく状況を作り出す必要がある。

○少なくとも教育担当者から配属前にどんな教育がなされたのかの説明は必要。
 それがなされていない企業が多い。


・「アクターネットワーク理論」現場の上司も研修の企画運営に巻き込む。
 (傍観者や反発者とならせないために。)


・個人の学習成果が組織のパフォーマンス向上に結びつかない原因を、もっぱら
 個人にあるとみなしてきた。

 保守的な組織文化、硬直的な組織編成、偏った上司の評価、同僚の非協力的態度、
 といった組織のパフォーマンス向上を阻害する問題については、人的資源開発の
 範囲外とみなし・・・

○研修で学んだことが現場で実践されないのは、職場に要因がある。
 参加者が研修で学んだことを「忘れてしまう」ことも大きいが。

●新人

・デシによれば「内在化」には「取り入れ introjection」と「統合 integration」
 という2つの過程がある。

 「取り入れ」とは、規範や価値をそのまま鵜呑みにして受け入れている状態。
 規範や価値を自分なりに噛み砕いて消化している状態が「統合」

○新人が職場で学んでいく過程(自律型人材として)も「内在化」として
 とらえることができるかも。


・セリグマンらは、これを「学習性無力感」とよんだ。

 自らの力でコントロールできない状況に長く置かれると、
 受動的で無気力となり、やる気を失ってしまうのである。

○入社直後の新人が「受動的」に見られるのは、
 自らの力でコントロールできない状況(学校の教室や企業の研修室)
 に長く置かれてきたから・・・


●学習環境デザインと正統的周辺化論

・OJT(仕事を通じた訓練)のような職場の学習環境をデザインしていこう
 とする考え方や手法を「学習環境デザイン」とよぶ。

・インストラクショナルデザインでは「スキルや能力の向上」を学習ととらえる。
 学習環境デザインでは、現場での活動に「参加すること」を学習ととらえる。

・学習を共同体での活動への「参加」と捉える点が、「正統的周辺参加論」
 が、従来の学習論と異なる点。

○「正統的周辺参加」「学習環境デザイン」が、現場で新人を育てるOJT
 のキーワードになるかも。


・「職場全体に若手を育てようという雰囲気があった」
 人材育成には、企業文化が深くかかわってくる。

・「若手を育てようという雰囲気や企業文化」が失われつつあるのは、
 職場における実践共同体(学習者のコミュニティー)の衰退を意味しているのかも。

・「若手を育てる企業文化」とは、職場の中にもう一度実践共同体をつくることから
 始まるのかも。

○なぜ「職場における実践共同体」が衰退したのか?


・上司と部下の人間関係に着目する理論と手法が「メンタリング」である。

・メンタリングより幅広い人的ネットワークが(個人のキャリア開発にとって)
 重要であると指摘するのが「発達的ネットワーク developmental network」という考え方。

○1対1のメンタリングは、教育者から見た視点。
 一対多の発達的ネットワークは、学習者から見た視点と捉えることもできるかも。

・学習という活動のネガティブな側面。
 共同体に「同化」していく。共同体から評価を得る。

・組織や部門にとって“正しい”行為や考え方を個人が身につけたときにのみ、
 「学習」したとみなされる。
 
 学習の評価において重要なのは、何が“正統性をもつ(legitimate)行為”
 とみなされるかである。

 「正統的周辺参加」という概念は、あくまでも共同体にとって好ましい
 行為のあり方が学習を成立させており、絶対的に正しい学習は存在しない
 という相対的な学習観を導き出した。

○新人が組織に「染まっていく」ことが、学習。
 ここに新人は反発を感じ、次第に諦め、染まっていくのかも。

 それでも、自分が新人のときに感じた疑念や怒りを持ち続け
 実績を重ねて発言力が出てきたときに、それが組織を変える力となるのかも。


・「学習環境デザイン」や「正統的周辺参加」がビジネス現場に広まっていくと、
 現場における学びは、素朴な現場主義「仕事は現場で学ぶもの」から脱却した
 洗練された姿となる。

・人材育成担当者にとって、研修の企画運営という業務の重要性が低下し、
 現場での学びを支援する業務の重要性が高まってくる。

○ここにLWが企業教育を支援できる可能性があるのかも。

2009年01月23日

「全国経営者セミナー」に参加してきました。

09年1月22日(木)

日本経営合理化協会さん主催「全国経営者セミナー」に参加してきました。


仕事の関係で、3日間のうち2日目しか参加できなかったのですが、

様々な発想が浮かんでくる非常に有意義な時間でした。

印象に残ったセミナーの一部をご紹介します。(・講演 ○関根の独り言)

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●「ようこそ花畑牧場へ 北海道発 大ヒットの法則」

   酪農家兼タレント 田中義剛氏


・売上はどうでもよい。利益率で勝負。
・規模を目指すのは「おっさん型 肉食系」
 自分はMixi,Yahooのようなハードをもたない「草食系」を目指したい

・TVは、絵で驚かす。リアクションしか映さない。
 「何これ!」ひかせてびっくりさせる。(チーズラーメン)
・作る「過程」をメディアに取り上げてもらう。
 ストーリー、ドラマを

・地方の「特産物」→「手作り」→「ブランド」→「ネット通販」

・自分は「ブランドビジネス」をやっている。そのためには、
 1)消費者に過程を見せる 
 2)大手がやらない「手作り」
 3)生産、流通、販売を一貫して 
 4)捨てるものにチャンスがある(無駄にしない)
 5)メディア戦略 何かをスタートするときはメディアを同行させる
 6)プライスリーダーとなる 他社がやっていないから値付けは自由
 7)すきまを見つける
 8)信じたらあきらめない 
 9)人と同じことはしない
 10)商標登録する

・経営は工夫が楽しい。地域を元気にし、雇用を生み出す経営がしたい。

○LWができる雇用以外の地域貢献は?

●「丸投げしたら年商100億円、変化常道の経営」

   ヤマチユナイテッドグループ 代表 山地章夫氏

・不況のときこそ、新規事業で乗り越える
・社長を100人生み出すプロジェクト

・「ピタッと合う責任者」のイメージがわかないときの新規事業は失敗する。

・新規事業ができない理由
 1)アイデアがない ← アンテナをたてる
 2)人がいない ← 最初は自分でやる
 3)こわい ← 経験がないから、失敗してもOK
 4)金がない ← お金をかけない

・高校のサポートカードを作った。
 入会してくれるとカード会社から4000円キャッシュバック。使ってくれると、0.4%。

○これは保育園にも適用可能かも。母子家庭支援とも結びつけられないか?

●「命のビザ発行 ユダヤ人を救った日本外交官 杉原千畝物語」

   俳優 水澤心吾氏

○涙があふれてきた。子供達にも見せてあげたい。

●「世界の金融危機と日本」
 
    前金融庁長官 五味氏

・バブル期には、銀行の目利き機能が働かなかった
・サブプライムローンを証券化し、投資家に売ってしまったため、
 広がってしまった。

・銀行同士で貸しあわなくなった

・2つの政策が必要
  1)銀行健全 ← 金融監督 
  2)財政出動 ← 中小企業対策

 銀行はつぶしたくない、でも企業に銀行から金を出させたい

・今の経済状況(景気後退)は数年間続く。簡単には回復しない。
 円高も続く。

・このあと、別世界がやってくる。そのときにどのように適応するか。

○LWは「このあとの別世界」に対応する準備はできているのか。
 まずは「この世界」を乗り切っていけるだけの経営ができているのか。

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どうもありがとうございました!

2009年01月21日

「人材開発国際シンポジウム2009」に参加してきました。


09年1月21日(水)

日経・ASTDジャパン

「人材開発国際シンポジウム2009
 〜個人と組織の関係をめぐる変化の芽を読む」に参加してきました。

仕事の関係もあり、全セッションには参加できなかったのですが、
印象に残った内容を、私の理解の範囲でシェア(共有)します。



(・講演内容 ○関根の独り言)

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【特別講演】竹中平蔵氏

「日本における人材開発の課題 〜 人材開発のパラダイムシフト」


・09年のキーワードは、「Tipping Point(沸騰点)」
 社会の現象は非連続的にわき出すように起きる。

・「100年に一度の危機」は、変えるチャンスでもある。
 エクスキューズ(言い訳)にも使いやすい。

・サブプライムそのものというより、
 人間が判断を誤ることが最大のリスクである。
 
 今回は、企業の失敗と政府の失敗が重なった。

・10年前の日本は、Banking Crisisだった。
 今のアメリカは、Money Market Crisisだ。

・09年のダボス会議では「日本セッション」がなくなる。
 日本のプレゼンス(存在感)が減ってきた。

・オバマ大統領の人事は「期待を抱かせる」

 成果を出すには時間がかかる。期待を持続するために人事は大事。
 「この人なら」と思ってくれれば。

 小泉元首相のサプライズ人事も、それに通じる。


・他国に比べて優れていた点。日本経済発展の理由は、2つ。

 1)社会システムが柔軟に変化してきた。

   ただ、90年代は変化に躊躇。ミドルエイジシンドローム。

 2)人間の力。

   自然資源を持たない1億2千万の日本人。
   江戸時代末期に、識字率が世界最高。

   富国強兵のために、人材育成に力点。福沢諭吉は正しかった。

・人間の力が、劣化したのでは? だから勉強法の本を書いた。

・大学改革が必要。経済を強くするためにも、大学を強くする。

・東大を民営化し、私立として自由に経営させる。文科省から解き放つ。
 補助金をもらっての運営。それならトップ3に入ってほしい。

・一個人の独立なくして、一国の独立なし。
 「学問のすすめ」は、今の1千万部売れている。

・何かあると他人のせいにする。

【ダイアログ】

「個に焦点を当てた組織活性化と人材開発の方向性

  〜 タレントマネジメントの意義と可能性を探る」

 コーディネーター 高間邦男氏 中原淳准教授
 ゲストスピーカー 三井物産 日産自動車 リクルートHRカンパニーの3氏


●中原淳准教授

・個は多様、才能を持っている。

 アメリカでは、一部の個人が才能を持っているという考え。


●タレントマネジメント 高間邦男氏

・タレントマネジメントの対象の変化

 以前は、リーダー育成プログラムのこと

 現在は、従業員全ての個のタレントを活かすことで、
 リテンションを確保する、エンゲージメントを高める、
 さらには業績を向上させる。

・タレントマネジメントのしくみづくり


●三井物産 雑賀氏

・「良い仕事とは何か」を議論させる。
 皆、熱く良い顔をして語り合っている。

・「人が仕事を創り、仕事が人を磨く」これがOJTの原点。

・「会社がそこまで自分たちのことを考えてくれていると思わなかった」
 という声が従業員からあがった。

 「会社はあなたたちことを考えている」ということが
 伝わるだけでも、モチベーション向上につながる。


●日産 中山氏

・ベンチマーク(他社から学ぶ)は、最高のアカデミックツール
・中堅スタッフが研修講師をする。人に教えることで自分が学ぶ。


●リクルート 草原氏

・多様化する世の中に対応するためには、従業員も多様化しないといけない。
 そのために個を尊重する。

●ダイアログ(対話)

・企業に入らないと身に付かない力もあるのでは。たとえば「聴く力」

・産業界がどんな人材を欲しているか、教育界に伝える必要があるかも。

・「大学が」「企業が」とお互いのせいにしていてもはじまらない。
 「私たちが」できること、すべきことをともに考えないと。

・私立大学の半分が補助金をもらっている。つまり私立ではない。


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今回も勉強になりました。ありがとうございました!

2009年01月09日

宣言!


【宣言!】


 09年度の目標でも触れていますが、東京大学の中原淳准教授に、
 教育関連の推薦書リストを頂戴しました。

 ・学習科学、教育学、教育工学、教育心理学、教師研究、経営学、
  コンピューター、eラーニング、質的研究、統計、認知科学・・・

 170冊以上あるのですが、09年は、そのうちのまず60冊を読破します。
 読んだ本は、感想を含めてブログにアップしていこうと考えています。

 これは、私にとって「質的向上」をはかるための「量稽古」になります。
 大変ですが、気合いいれて頑張ります!

2009年01月03日

2009年の活動予定

 2008年をふり返った結果を基に、2009年の目標と活動予定を立てました。


【2009年の目標】 (一部)

 「質的向上」

 弊社は「量的拡大」は目指さずに「質的向上」を目指します。


 質的向上を、提供商品(研修・現場ツール)の顧客(企画者・参加者)の満足向上

 ととらえ、 1)企画者満足  2)参加者満足 3)自己研摩 に努めます。


 1)企画者満足
  
  現在のお客様である一部上場企業12社様の教育担当の方々のお役に
  立つことをめざし、「継続率」によって、「企画者満足」の測定指標と
  したいと考えています。


 2)参加者満足

  研修参加者によるアンケート結果(5段階評価)が、
  08年は、「5=55%」「4=40%」 計95% でした。

  09年は、「5=65%」「4=30%」 計95% を目指します!


 3)自己研摩

  研修運営においては「現場理解/事例/データ/体験」により

  「説得力」を増し、「新人OJTの専門家」を目指し、

  東京大学中原淳准教授が推薦される書籍を、

  月5冊読み毎月ブログに掲載することで、自己研鑽を図ります。


 以上、09年度の目標の一部をご紹介しました。  言ったからには、やります。

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 以下は、差しさわりのない範囲で、2009年度の行動計画を
「各月の予定ニュース」としてお伝えします。

 この通りいくとは限りませんが、活動の目安として、頑張っていきます!

【2009年の活動予定】

●1月
・2009年度の目標設定
・各社様で「新人フォロー研修」「OJT研修」を実施

●2月
・「講師サミット2009」で分科会担当
・各社様で「OJT研修」「ペア研修」を実施

●3月
・各社様で「OJT研修」を実施
・保育園で人形劇を実施

●4月
・各社様で「新人導入研修」「OJT研修」を実施
・日経ネットBiz+での連載 好評終了!

●5月
・第3子出産 育児休暇20日間取得
・各社様で「OJT研修」を実施

●6月
・各社様で「OJT研修」「ペア研修」を実施
・育児休暇で「ASTD出張」休止(2010年復活)
・日経ビジネススクールで公開セミナー「OJT研修」を実施

●7月
・各社様で「ペア研修」を実施
・慶應MCCで「ネットワーク型OJTのすすめ」講演を実施
・大学院入学願書提出

●8月
・勉強月間!
・大学院入学試験

●9月
・各社様で「OJTフォロー研修」を実施
・専門誌で「OJT」に関する記事執筆

●10月
・各社様で「新人フォロー研修」を実施

●11月
・各社様で「新人フォロー研修」を実施

●12月
・各社様で「OJTフォロー研修」「新人フォロー研修」を実施

・2009年の総括と2010年の目標設定を実施


 2008年は、各社様で「OJT研修」「新人研修(導入・フォロー)」を中心に
研修を90日間ほど実施させて頂きました。

 2009年も、現時点で80日間分の研修のご依頼を頂戴しております。
継続してご依頼下さるお客様に感謝いたします。


 実は、私事で恐縮ですが、2009年5月に第3子が生まれる予定があり、
微力ながら妻のサポートをしたいと考えています。

 そのため、今後の研修はあと10日程とし、計90日間におさえて、
若干の育児休暇をとりたいと考えています。

 大変おこがましいのですが、今後新規にご依頼頂いた場合、
お答えできないケースもあるかと思います。恐れ入りますが、
なにとぞご理解のほどよろしくお願いします。