« 長岡健教授「ダイアローグチェンジ〜対話による人材育成の可能性と課題」を受講しました。 | メイン | 「総合情報学」 »

Learning Bar@東大「脱 研修屋 宣言!?」に参加してきました。

09年7月31日(金)18時〜21時

Learning Bar @ 東大「脱 研修屋 宣言!?」

に参加してきました。


とても刺激的なテーマで、帰り道の電車の中で、色々発想が浮かびました。

(それについては「脱 研修屋 しない宣言」で)

(・講演内容 ○関根の独り言)


==================================

●テーマ

 脱「研修屋」宣言!?

 研修内製化時代、みんなで「人材育成の仕事」を考える
 分析、企画、交渉、そして教育評価まで。

(中原先生のブログ

 http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/08/learning_bar_24.html )

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

●横浜ゴム グローバル人事部人材開発G 若林真知江氏

 「ニーズの明確化から始める 超具体的 人材育成施策について」


・まず最初に「演繹法」的に、経営とコミュニケーションをとり、
 人材育成ビジョンの策定から始めた

 これは、社風にあわなかった。OJTをメインでやってきた会社。
 現場で人は鍛えられ、成長する。

・次に「帰納法」的に、社員とコミュニケーションをとりながら、
 社内現状分析(ニーズ調査)を行った。
 
 100人ヒアリングからスタート。

・人材育成施策として

 1)階層別「キャリアスタンス開発」
 2)役割別「スキル・知識開発」
 3)職場別「コンサルティング支援」

   職場別は、事業部長から依頼を受けて実施。
   手間暇かかるが、職場に入り込んで行っている。

・自分がやってきたことは「人材育成という課題をもった社内営業」

・人を育成することに対する社内意識の醸成につながった

 「新人への質問(入社1年後フォロー面談):
  上司、ブラザーから十分な指導、フィードバックがあったか?」

 06年度 Yes3割 07年度 Yes5割 08年度 Yes7割

○こういう結果の示しかたもいいなー。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

●日本ベーリンガーインゲルハイム 早川勝夫氏

 「企業の人材育成をコンサルティング視点で見直す
   〜戦略系コンサルティングになりませんか?〜」


・「研修屋」のプロセスと「コンサルティング型人材育成」のプロセス

・何が課題なのかを調査する。他部門への調査。経営者に確認。

 表在する課題は何か。その真因の仮説を立案。(ここが難しい)

 KPIを設定。

○ビジネスパーソンは、ストレートに結果に結びつくものを求める。


・MRの訪問が、Drに認知されていないという課題が明らかになった。
 その真因(Route Cause)は何か?

 「人間関係構築力」「情報収集力」どの部分が弱いのか、必要なのか
 再度、現場にアンケート調査を実施。その結果を受けてトレーニングを実施。

○弱い部分を解消するために、トレーニングを行う。これが研修の前提なのかも。
 強い部分(評価されている部分)を伸ばすという考え方だと、非現実的なのかな。

 戦略系コンサルティングは、足りないところを補うというアプローチかな。
 課題解決だから、そうなるか。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

●日立総合経営研修所 QCマネージャー 
 NPO 人材育成マネジメント研究会 代表 堤宇一氏

 「人材育成担当者の過去・現在・未来 〜自分の業務をメタファーする」


・人材育成とは「手配師」のような仕事
 「手配」はとても重要で、高い能力が必要とされる。

・手配師の発達過程 初級者(モノ)→中級者(方法・空間)→上級者(内容)

・学習の特徴(過去)

 教育テーマ:短期的、単純な学習目標
 学習の狙い:タスクを解決する(道具としての知識を獲得する)
 対象者:労働力としてのリソース
 学習の特徴:単純、短期的、成果確認が容易

・学習の特徴(現代)

 教育テーマ:抽象的、複雑な学習目標
 学習の狙い:パースペクティブ変容(Transformative Learning)
 対象者:ナレッジワーカー
 学習の特徴:体験をしかけ、解釈は相手にゆだねられる。
       他者とのやりとりや知識経験の共有が不可欠。 
       内面の変化がじわじわと起こる

・「ID」が抱える問題

−Analyzeが弱い −単純で短期的な課題を扱う
−何を学習目標として立てるかというWhatを探る知見や技術を蓄積させてこなかった

・「教育効果測定」が抱える問題

−行動主義を背景として体系づけられた評価モデル
−批判的考察によって獲得した「準拠枠の変容やその兆し」を効果として
 位置づけられない

○何を課題として認識し、何を学んでもらうか、

 その学びとは、参加者の「ものの見方」の変容。
 それがなされたかの評価が、現状のIDおよび効果測定では難しいということか。


・学習目標の分化が必要では。

 到達目標だけでなく、向上目標や体験目標も対象とする。

・研修後の「事後オリエンテーション」で「これからスタートすることを意識付け」

○これは面白いかも。すぐに取り組めそう。研修の最後に時間をかける。


・プログラム設計から、学習環境のデザインに、職務範囲を広げる。
 そのためにも、ステークホルダーと現実場を二人三脚で歩む。
 「学習」の仕掛けを、文脈(現場?)の中に自然に埋め込む

 人材育成は「庭師」になる。


==================================

●近くの参加者とのディスカッション


 私の席のそばには、

 熊本大学大学院の北村志郎准教授や、アクセンチュアのコンサルタントの方、
 教育担当者の方、慶應義塾大学の方などがいらっしゃったので、
 そのメンバーで話し合いをしました。


◆メタファーの共有
 
 今回のラーニングBarの宿題である

>  なお、今回のLearning barには宿題があります。
>
>  1.人材育成の仕事とは○○○のようなものである:
>  2.なぜなら〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜であるから
>
>  という問いに対する、自分なりの考えを考えてく
> ださい。○○○には「喩え:メタファ」をいれてく
> ださい。〜〜〜には理由を入れてください。

 メタファーについて、まずは共有しました。


「猛獣使い」〜個性的なメンバーを、適切な仕事に配置する

「粋ないたずら」〜仕掛ける、将来を想像して楽しむ、すぐに結果は見えない

「大海原を船で」〜色々な状況に出会うが、いつかはたどり着く

「林業」〜地道な下草刈り

「コンサルティング」〜課題を見つけ出す、周囲への説得力

「筋トレ」

 私は「自然農法」に喩えました。


 人材育成の仕事とは
    ( 自然農法 )のようなものである:

 なぜなら( 野菜が育つかどうかは土次第であり、
         その土を整えることぐらいしか他者にはできないから)

 今、家の小さな畑で無農薬野菜を作って感じていることです。

 野菜に対する働きかけ(肥料や農薬)よりも、
 いかに良い土を作るかが自然農法の鍵だそうです。
 
 その為に、落ち葉をまき、ミミズが住んでくれるような環境を作っています。

 畑仕事を始めたばかりの素人ですが、野菜作りと人材育成の仕事は
 似ているかもと感じています。

・メタファーには、その人の背後仮説が出てくる。


◆内製化について

・北村先生から「内製化は難しい。そんなに簡単にできることではない」

 教育に対するExpertiseが必要。経営陣は簡単に考える。

 物件費が人件費に変わるだけ。

・短期に異動する教育担当だと、まずは事務局的仕事に注力し全体像がつかめ
 これから自分色を出していこうとするときに、異動となるケースもある。

 内製化するためには、長期に仕事に取り組める体制も必要では(関根)

・早いループの異動と長いループの異動があると良い。

 ただ、長いループの人選を間違えると大変

 教育担当を長くやると、現場から離れてしまう。だからこそ現場の人が
 早いループで教育担当になることも必要。(北村先生)


==================================

●質疑応答

・IDは、教育担当には必要?

 →教育担当は、IDと効果測定は知っていないといけない

・どんな教育ベンダーと付き合いたいか?

 →良いコンテンツをもっている会社

・教育担当者が勉強すべきことは? よいサービスを提供するために

 →理論(ID、効果測定、成人教育)と技術(調査:アンケートやインタビュー)

 →人材育成の専門家の世界を作りたい


==================================

●中原先生によるラップアップ(まとめ)


・人材育成担当は、経営からも現場からも遠い「教師」「事務局」

・研修屋にとって、問題は「誰かが与えてくれるもの」

  問題定式化<問題解決

 「やるべきことを教えてほしい」これは導管モデルの考え方、IDもそう。

・今は「ふわふわ感」のあるような問題。誰も問題が分からない。

  問題定式化>問題解決

 自らデータを収集し、問題を明確化する。

 重要なのは「学んでもらう何か」を明確にすること。

・今後、外部ベンダーはどうすべきか?
 
 ビジネスモデル、営業スタイル、商品パッケージ、講師の専門性は?


○帰り道の電車の中で、色々な考えが浮かんできた。

 こういう状態を作ってくれるのが、Learning Barのすごさなのかも。

 そして、それが自分の研修には無い部分なのかも。


(中原先生、研究室の皆さん、ディスカッションさせて頂いた皆さん、
 ありがとうございました!)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://learn-well.com/xbitmtop/mt-tb.cgi/793

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)