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教育工学会 全国大会2日目に参加してきました。

09年9月20日(日)午前9時30分〜午後6時

東大本郷キャンパスで開催された 日本教育工学会 第25回全国大会

http://www.jset.gr.jp/taikai25/

の2日目に参加してきました。

(・引用/要約 ○関根の独り言)

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●ポスターセッション


模造紙1枚にまとめられた研究内容

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みていたら「説明しましょうか?」と声をかけられ、説明してもらった。

看護士の新人育成を、キャラクターとストーリーに基づいて
「あなたならどうする?」と考えさせる教育内容だった。

IDにおけるGBS理論を元にしたものだそうだ。


他にも、荒木淳子先生の「ピアディスカッションの効果」という
ポスター提示がされていた。

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●一般研究発表


別の建物(工学部2号館)では、15分ほどで発表と質疑応答が行われる
「一般研究発表」が実施されていた。

「ワークショップ」というテーマに面白そうなものがいくつかあったので、
行ってみることにした。


工学部2号館の入り口に、中原先生がいた。

案内係りをされているそうだ。

http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/09/post_1579.html

(中原先生が、案内係というのも、すごいですね。)


遅ればせながら「何かお手伝いできることは?」と聞いたら、
「勉強してきてください」と、笑顔と共に送り出された。


一般研究発表は、9時30分から行われている。今は10時すぎ。

「ワークショップ」の会場である243号室は、ドアがあいており、
入りやすい雰囲気。

後ろのドアから入り、少し狭い席に座る。


(以下は、発表内容。「講演論文集」に概要が2pgで掲載されている。
 6000円で購入)

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03 世田谷美術館におけるワークショップ実践報告

・美術館閉館後に、参加者が「自分と似た美術作品」について
 議論するワークショップ


04 美術教育における創発的な学び

・「参加者のレベルの差には」という質問に
 「上級者は、初心者を教えることに回ってくれた」と回答

○これは企業内研修でもいえるかも。上級者が、初心者や未熟な人に
 教えてくれる。あるいはそういう役割を担ってくれるよう講師側も配慮する。

・「創発的な学びとは?」という質問に「作り出す学び」と回答。

○言葉の定義を問う質問を、学会では好むのかも。

・「今までの美術教育との違いは?」

○こういう質問も今後多そう。

「あなたがやっている研究は、他となにが違うのか?オリジナリティーは? 
 先行研究でわかっていること、わかっていないことは?」

・フロー理論の話

○「理論」の話になると、皆反応するような気がする


05 ワークショップで生起する学びについて多角的に考察する

・ワークショップという仮想の実践共同体

・Collinsの認知的徒弟制理論に基づくワークショップデザイン

1)Modeling 2)Coaching 3)Scaffolding(& Fading) 4)Articulation 5)Reflection

・「楽しかったね」で終わらせず、学びの後で送り出す際に
 工夫していることは?という質問があり

○大学教育では、ワークショップ形式が取り入れられたのは最近? 
 企業教育の方が早くとりこんでいる?


06 アイデア創発型ワークショップのデザインと評価方法の検討

・多様な参加者

・「リフレクションでは何をした?」
 「こちらが意図した目的を達成させるために、すごいノウハウがあるのでは?
  学んだことを、次に生かさせるための」という質問が出た。

 そこまでのものはない、皆で話すことが重要なよう。

○「学んだことを、現場でどう実践してもらうのか」
 「短期的な成果だけでなく、教えたことが長期的成果につながるために、
  どうしたらよいのか」という問いなのかな。


07 ワークショップファシリテーター研修における参加者の学習過程

・ファシリテーターをやりたい人材は多様。

・ファシリテーターができる人材の育成が課題。

・研修受講後「子供経験がある人は、研修がプラス」に働き、
 「教師経験がある人には、研修がマイナス」に働く。

○あまり学びがないということ?

・教職とワークショップの専門性に差異があるのでは
 ワークショップといってもいろいろな違いがあるのでは

・教員経験があれば、ファシリテーターになるのは容易と考えられてきたが、
 そうでもないのかも。

○これは面白いし、確かにそうなのかも。

 ファシリテーターは、引き出す場作りが中心。
 教師にそれは難しいという場合も多いのでは。
 彼らは、時間内に項目を終わらせることに主眼?


08 ワークショップ実践家はその専門性をどのように認識しているのか

・ベテランと新人では、重視している点に違いがある

○この研究で対象にされているワークショップ実践家が「専門職の意識」と
 して答えている内容の詳細が知りたい。これはきっと研修講師にも参考になる

 企業研修講師の専門性とは何か?

 何を知っていて、何ができなければならないのか?
 大事な点は?


09 「ワークショップデザイナー育成プログラム」の構想に関する研究

・08年度から青山学院大学や大阪大学を中心に、文科省の委託事業として
 「ワークショップデザイナー育成プログラム」がうごいている。

○民間では講師経験者が「ファシリテーター養成講座」とかやっているなー。
 FAJとかアクションラーニング、コーチ


10 「ワークショップデザイナー育成プログラム」の実際

・学習者(主婦、ビジネスパーソン、アーティスト、教員)によって、
 求める学習成果に違いがあった。

 それで食べていこうという人と、企業で活用できるスキルの一つとして
 考えている人と。

 
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11 ドキュメンティング ドキュメンティング3

・デジカメ写真やビデオカメラで、ワークショップの内容を記録し、
 リフレクションツールとして使う

・ビデオは「鏡」と「缶詰」の機能を期待された

○これは面白そう。自分の研修でもうまく取り入れられないか。

 今はロープレの様子をビデオをにとり、参加者に見てもらって
 コメントする際に使うぐらい。

 でも正直、手間がかかって大変。何かうまい方法が今ならあるのかも。


○「ワークショップ」という集団学習に対する関心が高まっている? 
 ワークショップの効果は? 他の教育手段とのちがいは? など?


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●シンポジウム

14時45分〜17時40分 @ 安田講堂

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空席もある。企業関係者も集まるWPLフォーラムとは違った雰囲気。
顔見知りの方がいる可能性が少ないのもある。

ところが「関根さん」と声をかけてくださった方がいた。

HRDMの堤さんだった。

今日は、堤さんが大学院生として属している熊本大学の一員として
こられているそうだ。


シンポジウムが始まった。

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1)中原先生によるイントロダクション

・教育工学は「実践」重視を標榜している

・6〜70年代は、RDDモデル(Research-Development-Diffusion)
 90年代以降は、ARモデル(Action-Research)

・現場は変わった!でも一瞬。
 現場は変わった!でもその一カ所だけ。

・Sustainability(持続性)Scalability(普及性)の問題

・持続させるために何を? 普及させるために何を?

○これは企業研修に関わる自分にとっても大きな課題。

 新人へのOJTのやり方を研修で教えました。

 では、それを現場で実践してください。と送り出す。
 実践するかどうか、できるかどうかは、参加者任せ。

 少しでも現場で実践しやすくするために、周囲の理解(マネージャーが
 同一研修を受ける。マネージャーに対する事前課題を通した依頼。
 職場の他のメンバーも研修を受ける。他のメンバーへの研修報告)を得る努力は
 しているが、足りない。

 研修の目的は、参加者の行動変容。そして、その持続。

 研修で学んだことを少しは実践してくれても、続かない。

 そもそも人の行動を短期間の研修(働きかけ)で
 変えようという試みそのものが、不遜とも言える。

 理想とする行動をとりやすくする手伝いができれば。
 それは現場で、理想とする行動をとりやすくする環境を作ることかも。
 その鍵はやはり職場の責任者であるマネジャーにあるのかも。

 サステイナビリティーという問題に、教育工学会としては、
 どんな取り組みをしているのか? ぜひ学びたい!


2)カリキュラムリーダーシップに関する理論的・実践的研究
   〜語りと探求のコミュニティーの可能性と課題

   木原先生 大阪教育大学

・子供もカリキュラム開発には重要
・実践的リーダーと共に手引きにまとめている
・概念モデルをもって、学校現場に関わっている

・実践的リーダーによる語りと探求のコミュニティーを作ることが、
 サステイナビリティーとスケーラビリティーに対する答え


3)学校現場・企業・研究者による共同研究のサスティナブルなデザイン

   堀田先生 玉川大学

・ICTの活用 現場教員にとって使いやすく、
 子供たちにとって学びやすいツールとして

・学校現場を支援する
・企業と学校現場をつなぐコーディネーター的役割を、研究者が担う
 コーディネートコストは増大する。

○これってビジネスチャンスがあるかも。コーディネート。

・完成型を作ってからフェードアウトする。
・16%、キャズムは、普及に関して確かにある。


3)コメント

(松尾先生 神戸大学 組織心理学の観点から)

・共有型リーダーシップであれば普及させやすい
・初等教育の場合、人事異動でキーパーソンが異動することへの対応が課題

○確かに、俺が寄居の中学校でボランティアをやっても、
 教務主任が異動になった後は、音沙汰がなくなったもんな。


(長岡先生 産能大学 組織社会学の観点から)

・経営学は、企業の利益を代弁している
 教育工学は、どの利害関係者の利益を代弁しているのか?

・自分のためにならない研究者を、なぜ現場は受け入れる気になるのか?
・実践者と研究者の関係は? 教育工学者のスタンスは?

○相変わらず切れ味鋭い刺激的な問い
 これは周囲に座っている教育工学の先生方の話を聞いてみたい。


4)京都大学センターにおけるFDの組織化

    松下先生 @ 京都大学

・メタモルフォーゼによるサステイナビリティー
 変容しながら持続していく

・一人の教員の工夫(OSCE−R)により学生が変わり、
 そこから他教員に広まっていった。

・内部にコミュニティーを作る。キーパーソンを見つける。
 それがサステイナビリティーの鍵。


5)FDは研究か、実践か?

   佐藤先生 @ 愛媛大学

・最終的には関与の度合いを減らしたい

○これは研修講師の考え方と近いかも

・研究者、普及者、実践者、教育工学者としてのたち位置は? 自分は、普及者。

○俺は、どこを目指すのか? 

 今までは実践者、大学院に入り研究者を目指す。その後は普及者か?


6)コメント

松尾先生

・現場教員のモチベーションをどう高めるか?
・協力してくれる現場教員のメリットは何か?

長岡先生

・文脈依存性の問題
・経営学者は、実務家による戦略立案と意志決定を論理で後押しする。
 自ら戦略立案には関わらない。


7)ペアディスカッション

 私の席のそばには、

・大阪国際大学 
・徳島大学 大学開放実践センター 
・京都大学 高等教育研究開発推進センター

の教授の方々がいました。名刺交換をした上で、お互いの意見交換をしました。

・徳島大学でもFDリーダーの育成を行っている。
・FDは一般教員にはなかなか普及しない。
・「FDをしないと査定にひびくよ」と言われる
・現場教員のよい活動を掘り起こすことが重要。
・他の先生の講義をみたいけど、自分からは言い出さない。


8)質疑応答

◆キーパーソンの見抜き方

・ICT活用に文句を言いそうな女性ベテラン教員を最初から巻き込んでしまう
・FDに興味を持ちそうな教育熱心な先生
・飲み会で探す

◆組織学習を促進する要因

・危機感と安心感、ストレッチとエンジョイメント
・教育工学では組織学習についてはあまりふれない

◆利害関係 自分は誰の利益を代弁しているのか?

・実践的リーダー
・子供たち
・教員
・(上司である)担当理事、(クライアントである)教員、そしてすべては学生のため

・学校はマルチステークホルダーになりやすい。

・一番弱いステークホルダーである子供たちの利益を代弁してほしい(長岡先生)


◆失敗事例

・一般教員は、FDに対する反感がある。


◆ネットワークの必要性

・逆に、なぜ自分の大学だけなのか
・大学間の競争があおられたその反省もある。共同連携。
・京都大学 教育センターは億単位の予算をもらっている。その再分配の意味もある。
・FDスタッフは、各大学で孤独になる。

・「他大学では〜をやっている」というと、学長が動きやすい。
 同調性、危機感を利用する。


◆コーディネート能力をどう身につけるか

・この能力は大学、大学院では身に付かない
 大事なのはホスピタリティー
・自分に足りなくても他スタッフでカバーしてもらえる
 (コミュニティーとしてその能力をもつ)
・自分で授業はしない。最後に決めるのは相手。相手を支援するための
 「整理枠」「豊富な事例」「分かりやすい説明」をもつ。

・利他的利己主義 自分の好きなことをやって、他者にとっても役立つ

9)中原先生からのラップアップ

・中原先生から、3つめのSとして「サバイバビリティー」という言葉がでた


 
 (どうもありがとうございました!)

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