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「リーディングス・ネットワーク論〜家族・コミュニティ・社会関係資本」


「リーディングス・ネットワーク論〜家族・コミュニティ・社会関係資本」

野沢 慎司

○著名なネットワーク論文がいっぺんに読める。
 ネットワーク論って、面白い!


(・引用/要約 ○関根の独り言)


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●序 ネットワーク現象としての社会


・ネットワークが、科学の新しい理論展開を導く重要概念として大きな注目を
 集めている。

 科学のパラダイム転換にとって、世界を「ネットワーク」という観点から
 眺めることが決定的に重要。

○新入社員の成長も、ネットワークという概念で説明できるかも。


・ネットワーク分析は、面白そうだけど、小難しくて近づきにくいとみなされ
 敬遠されてきた。

・本書に出てくる7つの論文を通読するだけで、ネットワーク論が開拓してきた
 新しい視界とその展開をざっくりと捉えることができる。

○こういう本の存在はありがたいよなー。他の学問分野にもあればよいのに。
 「レビュー論文」というのがそれにあたるのかな。


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●ノルウェーの一島内教区における階級と委員会

  J.A.バーンズ


・集団の一員であるということは、様々な時と場所において、その人がどう
 行動するかを規定している。

・社会的な場のことを「ネットワーク」と呼ぶのが便利と考える。

・(この地域での)社会的ネットワークは、お互いを社会的にほぼ対等だと
 みなしている二人の人間の間にある紐帯によって構成されるシステム。

・(本論文では)階級差がほとんどない、ほぼ対等な地位にある二者間の
 関係ネットワークという観点から、社会階級を捉えてみたい。

・(この地域では)親族、友人、知人関係に目を向けると見えてくる二者間の
 社会的紐帯からなるネットワークが存在すると言える。

・ヒエラルキー的に組織された外部システムが存在すると同時に、内部システム
 の方は、友人や知人によるネットワークで構成されていると言える。

・この地域には、島の首長と呼びうるような人物がいない。
 (その代わりに)「委員会による統治」が行われている。


・バーンズのこの論文で「ネットワーク」という概念が明確に定義づけられ
 社会構造、社会階級、政治過程を記述し分析する道具として初めて使用された。

・ネットワーク=関係の配置状況

・集団や組織という従来の概念ではとらえられない関係構造を発見

・この島に見られた独自の「背後からのリーダーシップ」は、日本の町内会などに
 特徴的な政治文化をほうふつとさせる。

○日経春秋のいつかに、日本の民俗学者?が、村の意思決定の様子を、
 3日3晩の話し合いで行っていると報告した内容があった。

 全員による合意形成、和を尊ぶ、
 目立ち過ぎない、名士の顔をつぶさない(特に田舎だと)

 日本社会に固有なネットワーク形態もあるのかな。


 「閉鎖的」だからこそ「隙間」をつなぐ人間が重宝がられる。
 あるいは、村の調和を乱す異分子として、排斥される(村八分?)

 地域を変えるのは「若者、よそ者、バカ者」

 今いる地域のネットワークと、俺が関わるネットワークをつなぐことができれば。
 何かできるかも。


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●都市の家族 〜夫婦役割と社会的ネットワーク

  エリザベス・ボット


・夫婦役割分離度における差異という点がこの論文の中心テーマ

・合同的な夫婦役割関係と分離的な夫婦役割関係

○うちの夫婦はどっちかなー。

 自営業だし一緒に活動することは多いけど、家庭内の役割は分化している。
 両方の要素がありそうだけどなー。


・家族が外部に持っている友人、知人などとの実際の関係に注目した。

 それは組織化された集団(organized group)ではなく、ネットワーク(network)
 という形態をとっているように見えた。

○ネットワークという概念は、組織との比較から生まれたのかな。
 組織では説明できない人の関係図。


・ネットワークの結合度(connectedness)には多様性が見られた。

・夫婦役割の分離度は、ネットワークの結合度と関連していることが明らかになった。
 分離的な夫婦は、高度に結合したネットワークをもっていた。
 合同的な夫婦は、分散したネットワークをもっていた。

・データ収集の方法は、フィールドワーク法と事例研究法とを組み合わせたもの。
 統計的な手続きは使用していない。


・近所の人と関係をもつことを拒絶すれば変な人だと思われ、次第に孤立する。
 うわさ話の無いところに、仲間はいない。

○高度に結合したネットワークだと、お互い相手をよく知っているからこそ、
 安心して分離した活動が夫婦でとれるのかな。
 
 「あいつがどこに行って誰と話しているか、俺はよく分かっている」という状態。


・分散したネットワークと結びついた合同的な夫婦役割関係

・転居を経験、近所の人とは一定の距離

○この辺は、うちの夫婦にも当てはまる。


・自分は気が進まないのに、相手からは色々と好意的な配慮を受けるという
 わずらわしさに巻き込まれるリスク

○これはあるよなー。ロンドンでも一緒なんだなー。


・子供に縛られていると感じており、子育てにつきものの面倒な仕事のくり返しから
 逃れられないことにうんざりしていた。

 ほとんどの妻たちが、孤立感、倦怠感、疲労感を訴えていた。

○これはあるよなー。日本の多くのお母さんたちも同じような状況にある?
 周りは助けてくれない。自分だけが抱え込む。


・夫婦の役割分離度は、職業階層だけでは説明できない。

○これがこの著者にとっての「仮想敵」だったんだろうな。

 俺の論文の場合は? 指導員の指導力のみが、新人の成長と関係があるとする論調?
 
 指導員の周囲の協力の度合いが、新人の成長と正の関係を持つ。
 これを明らかにしたい。


・(都市の夫婦にとって)外部関係は、空間と時間の両面において非連続的。
 連続性があるとすれば、夫婦相互の関係にある。

○これはうちの夫婦にあてはまるなー。

 18歳で付き合い始め、色々な場所を転々としながら、一緒に暮らしてきた。
 外部関係は色々と変わってきたけれど、夫婦関係は連続している。

・家族の外部には、頼りになる物質的、情緒的援助源が存在しない。


・都市の家族を「孤立した」ものとして描き出すのは間違っている。しかし
 都市の家族は組織化された集団に包括されているのではない、というのは正しい。

・都市の家族は、より閉鎖的なコミュニティ(高度に結合したネットワーク)の家族
 に比べて、より高度に個化している(more highly individuated)と言える。

 高度に結合したネットワークをもつ家族は、個化の程度が少ない。


・ネットワーク結合度は、部分的には夫の職業に依存している。

○確かにそうだよなー。地元に勤めれば、高度に結合したネットワークに
 取りこまれるだろう。

 俺は、東京のお客さんを対象に仕事をしているから
 ネットワークは分散したものとなりやすい。


・社会移動の激しい家族はネットワーク結合度は低くなるが、それは物理的に移動
 するからというだけでなく、古い社会的紐帯を切り捨て新たな関係を築きやすいから。

○「古い社会的紐帯を切り捨て」これに対する罪悪感みたいなものを、俺はもってるのかも。

 自分の付き合う人が変わっていくたびに、以前の人たちとの関係が薄まっていく。

 高校時代、留学時代、1社目、2社目、起業初期、現在、今後(大学院入学後)

 でもそれは仕方ないのかなー。
 新しい環境、新しい関係の中でもがいているうちに、どうしても疎遠になってしまう

・ボットは、夫婦関係を孤立した世帯内で形成されるものではなく、それを取り巻く
 ネットワークから影響を受け変化するものであることを発見した。

○そういえば、この論文を読んだ後に、ちょっと夫婦喧嘩をしたっけな。


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●小さな世界問題 

  スタンレー・ミルグラム


・It's a small world. 小さな世界だね。

○世間は狭い。


・世界中の人間の中から、XさんとZさんという二人を取りだしたとき、両者を
 媒介する知人を何人連結すれば、この二人がつながるか

・人は誰でも500人の人間を知っていると仮定できる。
 MITの大学院生であったマイケル・グレビッチ博士が調べた結果。

・5人の媒介者 二人をつなぐ 「6次の隔たり six degrees of separation」

○神田昌典さんは、起業時には「6人」の協力者が現れると書いていたっけな。


・私たちは誰もが「小さな世界」の構造に埋め込まれている。

・広範囲の社会領域と接触しようとするときに、他の人よりも特に役立つ知人という
 ものが存在する。

○これはあるかも「顔の広い知人」
 この人に聞けば、より広いネットワークにつなげてくれる。


・鍵を握る連結。外部世界との間の主要な媒介点となる人物。
 特に人気を集める一部の経路を通じて連鎖が伝達される。


・日本でも追試実験が行われ、ミルグラムの実験と似たような結果を導いている。


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●弱い紐帯の強さ

  マーク・S・グラノヴェター


・たいていのネットワークモデルは「強い紐帯」を扱うことを暗黙の前提としている。

○これがこの論文の「仮想敵」かな。

・「弱い紐帯」に着目すれば、集団間の関係をについて論じたり、第一次集団とは
 言い難い部分を分析できるようになる。


・小規模な相互作用の一側面である個人間の紐帯(interpersonal ties)の強さ 
 だけに、視野を限定する。


・三者関係(triad)を検討。

 AさんとBさん、AさんとCさんの間に、強い紐帯があれば、
 BさんとCさんの間にも紐帯が常に存在すると仮定する。

 BさんとCさんの間に、紐帯がないという関係はあり得ない。→禁じられた三者関係


・もともと人気がなかったイノベーションが、弱い紐帯を持たない人々に広められて
 しまうと、少数のクリーク内に留まり、いわば死産となる。

○他に伝播していかない。弱い紐帯が、別の集団との間をつなぐもの?
 強い紐帯は、高度に結合したネットワークとなる為、範囲が狭まってしまう?


・黒人と白人という異人種間の弱い紐帯は、社会的距離を乗り越えて橋渡しをする
 上でより効果的と思われる。

・より多くの人にたどり着くには、弱い紐帯の方が有利という筆者の主張。

・弱い紐帯に連結している人々は、自分自身の交際圏とは異なる交際圏に参入している
 可能性が高く、それゆえ自分が入手している情報とは異なる情報に接している。

・弱い紐帯は社会移動の機会をもたらす重要な資源。

○有利な転職をするためには、弱い紐帯を持つ人の情報を重視するという話は
 ここから来るのかな。


・業界内の様々な小会合や大会議によって弱い紐帯を維持することができる。


・人々がマスメディアの情報に反応して行動するのは、その情報が個人的な
 紐帯からも伝わってきたような場合に限られる(Katz and Lazarsfeld 1962)

○口コミの信頼性?


・特定の集団内部に集中する傾向にある強い紐帯よりも、弱い紐帯の方が
 異なる小集団の成員同士を連結する可能性が高い。

○きっと、かといって、弱い紐帯しかもっていない人は弱いんだろうな。

 自分が強い紐帯をもつ集団にもしっかり属しながら、外の異集団とも接点がある。
 それがないと、どっちつかずになるのかも。

 中原先生のゼロックス社との調査にも似たような結果があったかも。
 外部との関係を重視し、社内のかかわりが薄い社員のモラールは下がる。


・弱い紐帯は、個人が機会を手に入れる上で、またその個人がコミュニティに統合
 される上で、不可欠のもの。

 強い紐帯は、局所的に凝縮した部分を生み出すがゆえに、全体を見渡せば
 断片化をもたらす。


・転職者に、現在の職について教えてくれたのは友達かと尋ねると「友人じゃない、
 知り合いだ」と言われることが多かった。それがこの論文を書くきっかけとなった。

・グラノヴェターの理論は、社会一般に受け入れられている。
 
 社会統合には、弱い紐帯の方が機能的優位性を持つ。

 強い紐帯はクリークを形成しやすく、集団間をつなぐ最短経路である
 「局所ブリッジ」になれない。

 分化した社会の統合においては、弱い紐帯が大きな役割を果たす。

・日本では「強い紐帯」が転職に効果を及ぼすことがわかった。

○これはあるかもなー。村社会の日本だからかな。

 全くの異分野での転職(強い紐帯がない状態)は難しいのかな。
 今度、リクルートエージェントさんとの飲み会で聞いてみよ。


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●コミュニティ問題 〜イースト・ヨーク住民の親密なネットワーク

  バリー・ウェルマン


・コミュニティ喪失論、存続論、解放論の3つの学説を検討する。

・本論文での調査結果は、解放論を支持する結果となった。

・地域を基盤とした連帯的な行動や感情がほとんど観察されない場合には、
 コミュニティは衰退しているのだと安易に想定された

・コミュニティ喪失論は、社会における分業体制が、コミュニティの連帯を
 衰弱させてきたと主張する。

・コミュニティ存続論は、そもそも人間は群れ集うことが好きで、どのような
 環境のもとでもコミュニティを組織しようとするのだと考える。

・コミュニティ解放論は、第一次紐帯が光に編まれた単一の連帯へと束ねられて
 いるのではなく、まばらに編まれ空間的に分散し、枝分かれした構造をもつと主張

・(イーストヨーク住民の)親密な関係はひと固まりの連帯をなしているのではなく
 分化したネットワークとなっている点で、コミュニティ解放論の主張にあてはまる

・相手から援助が得られるかどうかは、個々の関係の質に規定されるのであって、
 構造的な連帯の程度に影響されるのではない。

・近隣や同僚のような弱い紐帯には、あまり多くのことを頼るわけにはいかないのが
 普通だ。しかし弱い紐帯は、社会的な同質性に基づく強い紐帯に比べて、多様な
 資源に接近する間接的な回路となりやすい。

・都市に暮らす者にとっては、空間的、社会的に枝分かれしたネットワークを持つ
 ということは、連帯の中に保護されていては入手できない専門分化した多様な
 資源を手に入れるための有効な手法となっている。

○これはあるよなー。俺も独立前、独立後に出会ってきた人たちに
 メールでの報告、相談を行ってきて、それが今のネットワークにつながっている。

 何かあったら、相談できる関係を作れているのは大きいのかも。


・ネットワーク分析は、関係構造に焦点を定めた分析視角である。
 関係が構造化されているパターンに注目。

○この論文の注に出てくる質問は参考になりそう。


・本論文の最大の貢献は、それまでの都市コミュニティ研究分野における成果の蓄積
 を「コミュニティ問題」に対する3つの解答群として再定義した点。

・パーソナルネットワークという概念がコミュニティ解放論を導くための方法論的基盤

・現代人の住むコミュニティは、個人を中心に置き、その重要な人間関係
 (第一次的紐帯)の全体像をとらえることで、精確に捉えることができると主張。


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●人的資本の形成における社会関係資本

  ジェームス・S・コールマン


・社会関係資本(social capital)という概念を導入し説明する。

・社会的行為の記述に関する2つの知的潮流

 1)社会学者

   行為者は社会規範、規則、恩義によって社会化され、支配される

 2)経済学者

   行為者は独立し、功利性を最大化するという原則を持って行為する

・この2つの潮流に対する批判と修正の試みをまず概観する

・社会学的潮流では、行為者は「行為のエンジン」を持たない。
 行為が完全に環境の所産であるとする。

○ネットワーク分析で言われている考え方もこれなのかな。

 周囲が、俺の行動を、決めている?

 これは「まーそうかも」と思う反面「ほんとかな」とも思っている。


・ベーカーは、高度に合理化された先物取引市場でさえ、トレーダー間に関係が 
 発展し、それが維持され、取引に影響を与える様を示した。

○人間関係が、仕事に影響する?


・個人の資源としての社会関係資本

・ダイヤモンド卸商の観察から、親しい紐帯(close ties)は、市場における取引を
 促進するのに必要な保証を与えることが分かった。

 盗んだり裏切ったりすれば、コミュニティの紐帯を失うことになる。
 紐帯の強さによって、取引が可能になり、信頼が当たり前のこととされ、
 商売が容易に行える。

○これは確かにあるかもな。信頼している相手同士だから仕事がしやすい。

 法人企業との取引においても、長く付き合えるほど、他に替えなくなる。

 いわばスイッチングコストが高くなるということだが、これはまた新たな相手と
 信頼関係を築いていく時間と労力のコストも関わってくるのかも。


・アメリカの都会では存在しないような社会関係資本を、エルサレムでは利用できる。

○日本でも都会には存在しないけど、田舎には存在する親しい紐帯があるかも。

 ただ、閉鎖されたコミュニティだからこその大変さもある。
 この辺りは最後の論文でも触れられるところかもな。


・物的資本、人的資本が、生産活動を促進するように、社会関係資本も
 生産活動を促進する。

 信頼性(trustworthiness)や信頼(trust)が内部に多く偏在している集団は、
 そうでない集団よりもずっと多くのことを成し遂げる。

・アメリカにおいて職業移動を達成するためには、インフォーマルな社会的資源が、
 いかに役立っているかが、リンによって示された。

・個人にとって役に立つ資本的資源となりうる社会的関係とはいったい何であるのか。

・ゴッドファーザーは、様々な恩義を保有し貸しを作ってあるおんで、何かやって 
 もらいたいことがあれば、いつでも支払いを要求できる。


・閉鎖性が、社会構造への信頼性を生み出す。

・子供と親との関係が強くなければ、社会関係資本は不足することになる。

・子供の成長にとって価値ある社会関係資本は、家族の外部にも見出すことができる

・学校を取り巻く親たちのコミュニティが、子供たちの教育達成にとって重要


・社会関係資本には、公共財的な側面もある。

 ある家族がコミュニティから転居するのは、その家族にとっては正しくても、
 コミュニティにとっては大きな損失となる。

○これは、俺が後援会長をしていた保育園を引越でやめることにも言えるよなー。

 なるべく今もOBとしては関わってはいるけど、コミュニティは抜けた感じだもんな。


・社会関係資本の3形態
 1)恩義や期待 2)情報流通可能性 3)制裁を伴う規範


・コールマンは、社会構造の閉鎖性の役割を重視。

○閉鎖したコミュニティだからこそ、社会関係資本が生まれる、ということ?


・バートの構造的隙間論は、社会構造の開放性を重視する。


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●社会関係資本をもたらすものは構造的隙間かネットワーク閉鎖性か

  ロナルド・S・バート


・社会関係資本を創りだすと論じられてきた2種類のネットワーク構造を扱う

 1)ネットワーク閉鎖論

  社会関係資本は、相互に強く結合した要素間のネットワークから創出される

 2)構造的隙間論

  分離している部分間を唯一自分だけが仲介(broker)し結合できるような
  ネットワークによって社会関係資本が創出される

・構造的隙間(structual holes)が社会関係資本をもたらす

・ネットワーク閉鎖論と構造的隙間論の矛盾は解消可能。


・社会関係資本という概念は、何らかの優位な立場がもたらされた状態を
 比喩的に表現していると言ってよいだろう。

・人的資本(human capital)という考え方に基づいて不平等を説明すれば、
 成功する人は「有能な人」であるということになる。

・社会関係資本(Social capital)では、文脈を重視する。
 成功している人は、何らかの形で他の人々と「上手く結合している人」である。

○これは面白いなー。確かにそうかも。

 起業して上手くいっている仲間は、本人の能力もあるが、
 周囲の人に恵まれていると思う。


・コールマンは、社会関係資本を社会構造が優位な状態を生み出す機能と定義。

・よりよい結合をしている人たちは、多くの報酬を手にすることができる。


・「よりよい結合」とは何か? ここで意見が分かれ始める。

・情報は、集団間に流通するよりも前に、集団内部で流通する。

・構造的隙間論は、社会関係資本を、仲介者になる機会(broakerage opportunity)
 と捉える。

・社会組織上の交叉点に位置しており、各組織がどんな活動をしているのかについて
 いち早く知ることができる。

○こういう立場に立てると強いよな。

 周囲から見ると、嫌な言い方だけど「利用価値」がある人間となれるし、
 「付き合うと得する奴」と見られる。

 俺たち起業家も、意図的にこの位置を取ろうとするかも。
 今の俺は、研修業界、お客様企業、大学院、地域の交叉点に立とうとしている。


・構造的隙間は、制御という意味でも有利な位置にある。

・構造的隙間から制御利益を得るのは「漁夫の利」であり、他者間のつながりを
 仲介することによって利益を得ること。

・不確実性がもたらす緊張。

・構造的隙間に富んだ接触相手のネットワークをもった人というのは、高い報酬を
 得られる機会を良く知っており、それに手が届きやすくコントロールできる人。

・起業家とは、構造的隙間に個人間ブリッジを架けることに長けた人々。

○これはそう思う。集団と集団の間をつなぐ役割に立てると強い。
 双方の情報が入るのと、双方から重宝がられること。

 多くの研修会社はこのビジネス形態かも。企業と講師の間をつなぐ。

 怖いのは、中抜きされることかも。二つが直接結びつく。
 

・起業家は、お金のかからない解決の段取りを用意し、市場が分断されていて
 ブリッジをかける価値がある狭間を見つけて、それをつなぐ役割を果たす。


・閉鎖性のある緊密なネットワーク

・グラノヴェターは、共通の友人がいる人々同士は、制裁の恐れが生じるために、
 その間に信頼が生まれやすいと論じている。

・本研究で行った調査では、構造的隙間が、社会関係資本の源泉であると言える。


・しかし閉鎖性にも重要な役割が残っている。

・出力レベルが高いのは、研究者が多様で異質な人口集団から集められおり、
 かつユニット内部においても緊密なコミュニケーションネットワークが存在する場合

・構造的隙間を仲介することによってもたらされる社会関係資本は、集団内に
 ネットワーク閉鎖性が存在する集団にとって価値が高い。

○緊密でない集団にとって、他集団との結びつきはあまり意味がない?


・構造的隙間を橋渡しする外部ネットワークをもった集団は大きな成果をあげる
 ことを、最近の研究結果は示している。

・構造的隙間とネットワーク閉鎖性は、組み合わせることが可能。

○まずは、自集団内に緊密なネットワークを作り、まずは閉鎖性を保つ。
 その上で、外部集団とのネットワークを橋渡しする仲介者を活躍させる。

 そんな感じなのかな。

・構造的隙間が社会関係資本の恩恵をもたらす前提として、実は集団の凝集性、
 閉鎖性が重要。

・集団に連帯性がなければ、良い結果は出せない。しかし、その中にひきこもって
 外に目を向けなければ大きな飛躍は望めない。

○中原先生の「他者とのかかわり」研究や荒木先生の「越境」とも関連するのかも。


○バートさんの論文は、気持ちいいなー。批判しつつ活かす。


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