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「はげましの経営学」

「はげましの経営学」

  金井 壽宏 (著)


○現場で使える経営学の考え方を、サラッと読める本。
 ミドルへの励ましのメッセージ。

・2001年

(・引用/要約 ○関根の独り言)

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●はじめに


・「勇気の出る経営学」という言葉は、米倉誠一郎さんの選んだ言葉。

・経営学は人々の「気」に語りかけることで役立つことがいいと思う。
 「元気の出る経営行動科学」を目指す。

・働く人々にカラ元気ではなく、芯からの「はげまし」になりそうな素材を
 見つけ出し、新書にまとめたのが本書。


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●1章 ミドルになっても「自分探し」は続く


・M.セリグマンが発見した獲得された無気力、もしくは学習性無力感。

・いつもトップに危機だ、危機だと言われて、そのたびに何度となく飛び上がり
 続けたミドルに中には「もういいよ」という気持ちがあっても不思議ではない。

・W.ブリッジズは「トランジション」において、人生の転機における「危機の両面」
 を見事に解明した。「危」険と「機」会の併存を含意。

・「移行期」における「中立圏」をどう過ごすかが、前に進むためには重要。

・トランジションサイクルモデル=準備→遭遇→順応→安定化

・E.H.エリクソンによる8段階の発達段階からなるライフサイクル論 
 epegenetic theory

・多くの研究で、結婚生活や家庭のありようが仕事の場に対してキャリーオーバー
 (持ち越し)効果があることが判明している。

○これはあるだろうなー。

 特に家族持ちになると。家庭の状況が仕事にも影響する。
 逆もまた真なりだろうな。仕事の状況が、家庭でのあり方にも影響する。

 あたりまえだけど、両方繋がっている。

 会社員時代は「ワーク・ライフ・バランス」を意識していたつもりだったけど
 自営業者になってから、バランスというよりも「一緒」「統合」という感じかも。

 「ワーク・ライフ・インテグレーション」?


・多くの人は「生殖性」「世代性」という発達課題を、子供の誕生と子供に対する
 面倒見の経験という形で象徴的に乗り越えて行く。

・ユングの「人生の正午以降の課題」

 昇る太陽の時期の間は、その軌跡を自分がきちんと乗り切れるかどうかに
 やっきになっているので、より若い世代の育成には真剣に取り組めない。

○これはあるだろうなー。

 ちょっと違うかもしれないけど、俺も独立当初は自分のことで精一杯で
 他人のことにまで頭が回らなかった。

 ある程度軌道に乗ってから、自分がどうやってきたかとか、
 後から起業したいと言う人の相談にのったりとかが、
 多少はできるようになったのかも。

 
・若い世代の面倒をきちんと見ることが、実は自分の発達にも有意義だと心より
 感じることができたときに、その人はこの段階を真にクリアできたことになる。

 生殖性という問題に初めて深いレベルで真に直面するのがミドルエイジなのだ。


○p30の図、分かりやすい。

・男性にとっての女らしさとは「生殖性」「世代性」の課題と「世話」という美徳
 に関わっている。男性の場合、人生の前半の上り調子のときに背景に退いて
 しまっていた女性性という影を統合しなければならないのである。

・おっちゃんたちの忘れ物は、自分の内なる「女らしさ」なのである。

・女性が生き生きと働ける産業社会を構築するためには、男性、とりわけ40代の
 課長、部長クラスのおっちゃんたちが変わらないとダメ。

・知らず知らずのうちに、人を傷つけることがないように自覚的にならなければ
 ならないのが、ミドルの時期。

○これは気をつけないとなー。知らず知らずのうちに、他人を傷つけている。
 それを俺自身が自覚していない。


・中年期の課題は、自分の生涯の残りの年数を逆算して、これから何をなすべきかを
 考えることに関わっている。

・ミドルになっても自分を元気づけ、若い世代にもしっかりしたリーダーシップ 
 行動をとる為には、上司からのメンタリングという「栄養」が必要。

○上司がいない俺らのような中小零細企業にとっての「栄養」は何か?

 −他の経営者の話(本、CD、講演、会話)
 −お客様とのやりとり
 −仕事そのもの
 −家族との時間 とか?
 
 上司はいないけど、自分なりに栄養を補給してなんとかやっていっているのかな。


・「イケイケどんどん」のままやっている人は、エネルギーの源泉が自分の中に
 あるだけで、上の世代のメンターから得るものも、若い世代に与えるものも
 少なかった。

○これは気をつけないとなー。俺の場合も意図的に「上司」のような存在
 (メンター?)との関わりを大事にした方がいいのだろう。

 そう考えると、組織の中にいて、自分に「上司がいる」というのも
 考えようによっては幸せなことなのかも。

 
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●2章 「部下に任せる」ことの機微


・経営や組織という「生もの」を研究の対象する経営学の場合、現場発の理論
 こそが真に実践的な理論構築の出発点であるという立場も軽視されてはならない。

 素人理論は、公式理論(二次的構成概念)よりも極めて多くの示唆に富むことが多い

 こうした対象へのアプローチは、現象学的、臨床的と呼べるだろう。

・経営者の人材育成にまつわるインタビューの中で共通して出てきたのが
 「任せる」という経営者の姿勢であった。

・上が下に任せると、下は客ではなく上を見てしまう。

○これはそうなのかも。結局、上司が正解をもっていて、その腹を探ろうとする。
 上司に満足してもらえればお客様に提出した時、間違いがすくない。


・創意工夫の必要な自律的な仕事を任されているほど、経験の深い人からの
 フィードバックをより強く必要としている。

○簡単な仕事であれば不要。難しい仕事だからこそ、経験者のアドバイスが必要。


・適応の難しい仕事につくことになった新人ほど、少し年上の身近な若手先輩を
 情報源として大切にしたいと思う度合いが高い。

 しかし上司は、新人にとっての若手先輩の役割を評価していない。

○この辺りは、俺が研究で明らかにしたい直属上司との関係(垂直的交換関係)だけ
 でなく、職場メンバー(特に身近な先輩OJT指導員)との関係にも関わってくる。


・分権化を進め担当者レベルにも思い切って任せると、少なくとも新人に限っては
 会社、職場、仕事への適応のための情報探索のアンテナは外向きではなく内向き
 になる。

・顧客の声よりも上司の腹案を探るべく、上司にお伺いをたてる。

 ヒラメパラドックスは、各企業に普遍的に存在するよう。

○誰に任せるかにもよるのかも。部下の成熟度。そうすると、SL理論が近いのかな。

○この調査の論文を読む。


・ロッテ・ベイリンは、任せ方に問題のある多くのケースは、戦略的自律性を
 求めている人に戦術的自律性を与えているミスマッチ、逆に戦術的自律性を
 望む人に戦略的自律性を授けてしまっているミスマッチで説明できると主張。

・「任せる」ことのタクソノミー(体系的分類枠組 p74)

・経営幹部の体系的な育成という点では、まだ米国の方が先行したままかもしれない。
 (M.マッコール「ハイ・フライヤー」2002年)

○読もう!


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●3章 理念やリーダーシップが「親父の繰り言」にならないために


・迷った時に頼りになるのが理念。

・現場の管理者が理念をそのまま語ることはかえってマイナスの効果をもたらす。
 原理、原則をそのまま語るだけでは、よけいな押しつけのように思われる。

・リゴラス(厳密)な調査結果よりも、ビビッドなエビソードの方がはるかに雄弁。

○この辺りが、俺の研修に足りない部分なのかも。ビビッドなエピソード。
 今までに集まったエピソードを上手に示せるといいのかも。


・経営の世界では、実演が困難な分だけ、内省力を高めること、言葉を磨くこと、 
 具体的な経験を物語として語ることが、より一層重要になる。


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●4章 なぜ部長は必要なのか?


・なぜ通常管理職は、長期勤務者の中から選ばれるのか?
 なぜアルバイトの部長はいないのか? 他の会社でも部長が務まるのか?

・部長職には、長らくその会社にいて経営理念や社風をよく知り、社内の人的
 ネットワークが備わっている人でないとできない調整の仕事がある。
 それが部長の存在意義かも。

・P.コッターの研究の結果、優れたゼネラルマネジャーに見られる行動特性の2つ。
 「アジェンダ形成」「ネットワーク構築」である。

・アジェンダという大きい絵の下に皆を巻き込んで一緒にやっていく。そういう
 スキルがGMには求められている。

○「あの人が言うなら」とか、部長に対する信頼
 (それはその人の実績や人柄にもよる)がないと、部下は動こうとしないだろう。

 外から来た人間が旗を振る難しさは「お前に何が分かる」「自分たちと
 一緒にやってきたわけではない(よそ者)だろう」という反発もあるのかも。


・部長の仕事は「企業特殊スキル」であり、ポータブルではない。
 企業特殊資産。

・R.コースの着目点。もし市場でスポットに労働力を買えるなら、20年以上も
 人を長期雇用で内部化して部長にまで育てあげる必要はないということ。

 その会社の役に立つという意味では「育て上げる」でも、他の会社では通用しなく
 なると言う意味では「無力化する」ということ。

・組織に長く居続けることの意味。

・長く同じ職務についている人ほど、その仕事内容にもえなくなる。
 その意味で職務に寿命がある。

 また同じメンバー構成で年数を経た集団では、職務遂行や成果に問題が出てくる。
 その意味で集団にも寿命がある。

 一般にはジョブローテーションと言われるが、職場というグループの
 ローテーションになっている。


・コミットメントは勤続年数が長い人ほど高まっている。
 同じ組織に長くいるメリットは、その組織が好きになり組織と一体化していくこと。

○当人にとってのメリットは? 同じ組織に長くいることで

 −組織内の人脈ができている
 −その組織での仕事の進め方を熟知している(効率的に進められる)とかかなー。

 逆に言うと、この辺が転職した時、苦労することかも。


・年数を重ねるとともに徐々にコミットメントが高まるという面以上に、節目を
 くぐることを契機にして、非連続的に組織(コープこうべ)との関わり合いを
 一気に深めて行った。

○鈴木竜太さんの研究を再確認してみよう。


・先輩との議論から商品を扱う意味、理念との整合性が腑に落ちた。

○身近な先輩社員(有効な情報源として)の存在


・組織の中でより長くキャリアを歩めば、若いときには気づかなかったことが
 分かるようになったり、意味づけできなかったことが経験と共に腑に落ちること
 もある。

○この辺も、当人にとってのメリットかも。


・長いテニュアの間に、コミットメントが高まり、理念が染み込むことが
 マイナス効果をもたらさないかという問題がある。

 組織の抱く基本価値や基本発想、動作になじませ、その組織に愛着や一体感を
 もたせるという面と、その人ならではのイノベーションや変革を期待するという
 面は、はたして両立するのだろうかという問い。

○これって大事だよなー。
 
 新人が組織社会化され染まっていくと、
 もしかすると当人の個性が発揮しづらくなるかも。とがった部分が丸くなる。

 若手の離職の問題がクローズアップされると、愛着や一体感の重要性が叫ばれる。

 その反面、自立・自律型人材の育成が叫ばれ、あまりに組織に依存した人材は
 困るという話も出てくる。


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●5章 変革型リーダーの要件


・これまでのリーダーシップ論 

 資質→行動→状況依存→変革

・理論から実践へ

 1)持論をもつ 2)すごいリーダーをベンチマークする

 他者を観察することでより多くを学ぶことができる(代理経験)


○この辺は「組織行動の考え方」のリーダーシップの章を参照する。


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●6章 「思いやり」が必要な理由


・リーダーシップの「ふたつの軸」課題関連の行動、人間関連の行動

○SPトランプでいう「黒と赤」かな。


・上司の配慮は、部下の満足度と正の相関を示す。配慮そのものが部下が 
 喜んでくれる報酬として作用する場面が多い。

・仕事には計画を立てるという側面と、部下に圧力をかけるという側面がある。

・配慮の中に課題関連の効果も織り込まれている。

○この辺も「組織行動の考え方」のリーダーシップの章を参照する。


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