「新版 組織行動のマネジメント」

お薦めの本

「新版 組織行動のマネジメント」
 
  スティーブン P.ロビンス (著), 高木 晴夫 (翻訳)

○まさしく「組織行動学の定番教科書」
 今まで読んでいなかったことが恥ずかしい。

・2009年
(・引用/要約 ○関根の独り言)
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第I部 組織行動学への招待
●1章 組織行動学とは何か
・マネジメントを成功させるためには、対人関係スキルが必要。
 本書はこうした対人関係スキルを開発していく手助けをするために書かれた。
・組織行動学(OB:Organizational Behavior)は、組織内で人々が示す
 行動や態度についての体系的な学問である。
・従業員の業績を決定づける行動
 1)生産性
 2)常習的欠勤
 3)転職率
 4)組織市民行動
・態度=職務満足感
・組織行動学の関連分野
 -心理学、社会学、社会心理学、人類学、政治科学
・組織行動学の目的は、人間の行動について説明し、予測し、統制するのを
 助けること。
○「組織の中の人間行動」の中でも、科学の目的として書かれていたな。
・20c後半、アメリカの労働人口に見られた最も大きな変化は、女性労働者
 の数が急速に増加したこと。
・ほとんどのマネジャーや従業員は、まさに「束の間」(テンポラリネス)の 
 中で業務を遂行している。
 「束の間性」をマネジメントする術を学ぶ必要性。組織行動学が手助けとなる。
・グループの中での行動は、1人でいるときの行動とは異なる。
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第II部 組織の中の個人
●2章 個人の行動の基礎
・ロキーチの価値観調査における最終価値と手段価値
○俺はパッと選んでみると「家族の安全」「自由」「社会的認知」かな。
・職場に見られる支配的な価値観世代(アメリカにおける)
 1950年代~60年代 ベテラン世代
 1965年~85年 ベビーブーム世代
 1985年~2000年 X世代
 2000年~ Y世代
・個人はそれぞれ異なる価値観をもっている。一方で価値観には育ってきた
 時代の社会的な価値観が反映される傾向がある。
○アメリカでは「ジェネレーション」に関する本が結構あったなー。
 (買ったけど、まだ読んでいない。)
 日本でも調べれば、「職場での世代価値観」に関する本があるのかも。
 今は若者に対して「ゆとり世代」というラベル貼りがされているけど。
・国民文化の相違点 ホフステッドの枠組み GLOBEの調査
・20年前であれば、組織行動学は大きくアメリカの見方に偏っていた
 といえる。
・従業員の態度という時は、たいてい職務満足感のことを指している。
・職務満足感につながる要素には、やりがいのある仕事、公平な報酬、
 支援的な作業条件、同僚の支えであることが分かっている。
・満足感と生産性の関係についての当初の見方は、
 「満足している労働者は、生産性が高い」というものであった。
・現在までに出された証拠により、むしろ「生産性が満足感につながる
 可能性」の方が強い。
・職務満足感は、組織市民行動に影響を与えるが、それは従業員が
 公平に扱われていると認識している場合であることがわかった。
○「組織市民行動」 組織の中で協調的な行動をとること?
 他の人の分まで仕事をしてあげる、とか。 調べてみよう。
・態度についての最も重要な調査結果の一つは、個人は一貫性を求め、
 不協和を減らそうとする、ということである。
・人がとる態度が行動を決めるという因果関係を想定していたが、
 1960年末に、態度は行動とは関係がなく、あってもわずかの関係
 しかないことがわかった。
・我々が人を判断するとき、その行動にどのような意味を帰属させるのか
 によって、判断が異なる。
 我々は人の行動を観察するとき、それが内的な原因によるのか、外的な
 原因によるのかを決めようとするのだという。
・学習とは、経験の結果として起こる行動上の絶え間ない変化を指す。
・効果の法則によれば、行動の後に好ましい結果となったものは、
 繰り返される傾向がある。
・いかにして人間は学ぶかに関する2つの理論
 1)形成 (失敗から学ぶ、試行錯誤)
 2)モデリング (観察し模倣する)
○この辺は、今読んでいる「コンピテンシーラーニング」でも出てくるなー。
 少しずつ繋がってくる。
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●3章 パーソナリティと感情
・パーソナリティの分類を試みる複数のモデル
・最も広く用いられるフレームワークは、マイヤーズ・ブリッグスの
 性格タイプインデックス(MBTI)
○「チーム」の本にも、経営陣でチームを作る時の最初にMBTIを
 推奨していたな。
・MBTIにはその有効性を裏付ける証拠がないが、パーソナリティの
 5要素モデル「ビッグファイブ」は、パーソナリティの基礎にあること
 が多くの研究から裏付けられている。
 -外向性、人当たりの良さ、誠実さ、安定した感情、経験に開放的
・タイプAパーソナリティ より短い時間で多くのことを達成しようと
 絶えずもがいていている。 北アメリカの文化では、こうした特徴が  
 高く評価されている。
○俺にもこういう要素はあるかも。気をつけないと。
・「誠実さ」が高業績を予測する有効な要因であることが分かった。
・経営が上手くいっている組織は、感情を取り除くことに成功した組織で
 あると信じられていた。
 いかなる感情も秩序を乱すものであると信じられてきた。
・組織行動学において重要性が高まっている概念に感情労働がある。
 感情に対する理解が組織行動学において益々重要性を増している。
・情動知能(EI=EQ)に対する研究結果は、雇用主に対して、特に
 人との関わりが多い職務における人材を選抜する際に、EIを考慮に
 入れる必要性があることを示唆している。
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●4章 動機づけの基本的なコンセプト
・仕事の業績は能力だけでなく、動機づけにも左右される。
・欲求とは、生理的あるいは心理的な欠乏のある状態のこと。
・初期の動機づけ理論
 1)マズローの欲求5段階論
  -直観的に理解しやすいロジックだが、調査研究ではこの理論の 
   正当性が一般的に認められていない。
 2)X理論とY理論
  -マグレガーは、Y理論の方が正しいと主張しているが、確認できる
   証拠はない。
 3)二要因理論(衛生要因/動機づけ要因)
  -満足と不満の原因がそれぞれ存在するという説
○金井先生が「働くみんなのモチベーション論」の中で
 「マグレガーの再評価」の話をされていたっけ。
・現代の動機づけ理論
 1)マクレランドの欲求理論
  -3つの主要な動機 達成欲求、権力欲求、親和欲求
 2)目標設定理論
  -かなり証拠の裏付けがある。具体的に特定した挑戦しがいのある 
   目標の方が動機づけとして優れていると実証された。
   大多数の労働者に対しては、難しい目標にする方が望ましい。
 3)強化理論
  -行動が環境に起因すると見る説。対応のすぐ後に結果が出る場合、
   その行動が繰り返される可能性が高くなる。
 4)職務設計理論
  -モチベーションを与える要因として仕事自体に目をむける必要性
   あらゆる職務は、5つの中核的職務特性を用いて説明できる
   
   技能多様性、タスク完結性、タスク重要性、自律性、フィードバック
  -3つの心理状態(有意義感、責任感、結果に対する知識)が多く
   存在するほど、従業員のモチベーションが高まる。
 5)公平理論
  -自分の比較の対象に何を選ぶか「他者」「システム」「自己」
   従業員の動機づけは、絶対報酬のみならず相対報酬によっても
   影響を受ける。
 6)期待理論
  -動機づけにおいて最も総合的に説明するのがこの説。裏付ける結果あり
   
   行動志向は、その行動があらかじめ定められた報酬につながるという
   期待の程度と、そのアウトプットが本人に与える魅力の程度による、
   というもの。
・動機づけ理論の中で最もアメリカ人に固有の特徴を打ち出しているのが、
 個人主義と達成志向型を強く強調している点。
 目標設定理論で勧めていることは、アメリカとは反対の文化的な条件を
 備えた国ではモチベーションを下げる恐れがある。
○日本ではどうだろう?
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●5章 動機づけ:コンセプトから応用へ
・理論をどのように実践に結びつけるか
・目標設定理論にはかなりの研究の裏付けがある。これを活用するためには
 目標による管理(MBO)のプログラムを導入すること。
・MBOと目標設定理論では一つ異なる点がある。それは「参加」の問題。
 MBOでは部下の巻き込みを強く主張しているのに対して、
 目標設定理論では部下に目標を割り当てても上手くいくと実証している。
・行動修正法(OB Mod)5段階の問題解決プロセス
・職場において何が最も大きな動機づけとなるのか。なんと言っても
 自分の努力が認めれること、すなわち認知されることである。
・在宅勤務が適す職種:ルーチン化した情報処理業務、移動可能な業務、
 専門職その他知識集約型の業務
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●6章 個人の意思決定
・合理的な意思決定モデルの仮定
○こういう状態って少ないのでは いわゆる Well Defined Problem
 多くの問題は、Ill Defined だろうしなー。
・創造性の3つの構成要素:
 専門能力、創造的思考力、内発的タスクモチベーション
・「限定された合理性」という限られた枠の中で考えることになる。
・バイアスとエラー
 1)自信過剰バイアス 
  -自信過剰ほどよく見られて最悪の結果をもたらす恐れがある。
  -最も劣っている人ほど、過大評価する傾向
 2)アンカリングバイアス
  -最初に受け取った情報に対して過度に重きを置いてしまう
 3)確証バイアス
 4)入手容易性バイアス
  -生々しい印象を受けたもの、最近の出来事は特に記憶に残る。
 5)代表性バイアス
 6)コミットメントのエスカレーション現象
  -前の意思決定に引きずられる
 7)後知恵バイアス
  -結果が出た後に、その結果を自分は予測することができたと思いこむ
  -過去から学ぶ能力を低下させる。
・倫理的な選択をする際に活用する基準3つ:
 功利主義(結果重視)、権利重視、正義重視
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第III部 組織の中の集団
●7章 集団行動の基礎
・人は集団に属する時、1人でいるときとは異なる行動をとる。
・人はなぜ集団に参加するのか、その理由
  安心感、ステータス、自尊心、親密さ、力、目標達成
○集団に参加するメリットはこの通り。デメリットは?
 -組織のルールに縛られる
 
 これが一番かな。
・規範について忘れてはならない重要な点は、集団はメンバーに
 プレッシャーを与えることにより、メンバーの行動を集団の基準に適合
 させようとするという点。
○これが組織社会化につなる圧力なのかも。
・ホーソン研究は、個人の作業行動を決定する上で規範の果たす役割の
 重要性の理解に重要な貢献を果たした。
・アッシュ研究は、個人に同調する強要する集団規範があることを示唆。
・集団の成果をコントロールできる力を持った人が、地位が高いとみなされる
 傾向にある。集団がもつ資源をコントロールできる能力が評価されるため。
・凝集性は集団によって異なる。凝集性は集団の生産性に関連している。
○これは職場の活性化(新入社員が入ることで、職場のネットワーク密度が
 高くなる→凝集性が高まる?)と生産性という観点でも面白いかも。
・集団の規範に関する発見の中で最も重要なものの一つは「社会的手抜き」
 と呼ばれるもの。人は集団の中で働く時に単独で働く時ほど努力しない。
・多様性がコンフリクトを生じさせ、それが創造性を刺激し、その結果より
 よい意思決定が行われる。
・集団や組織は共通の属性をもつ個人の集まりである複数のコホートで
 構成されている。
・コホート間の相違が大きい場合、離職率が高くなる。
 集団や組織にほぼ同時期に加わった人はお互いに関係を築きやすく、
 集団や組織に対して同じような見方をするため、その集団に留まる
 可能性が高い。
○新卒者の集団(コホート)だと、離職率は低くなると考える。
・意志決定における有効性は、集団の方が優れている。より多くの選択肢、
 創造的、かつ正確である。
 意志決定の効率は、個人が集団に勝る。集団は解決策を見出すために、
 より多くの時間と資源を費やすため、効率性に劣る。
・グループシンク(集団浅慮)
 集団のメンバー達が意見の統一に熱心になるあまり、コンセンサスを
 作らねばならないという圧力によって、様々な行動の選択肢の現実的評価
 や、とっぴな意見や少数派の意見、不人気な意見の十分な表出が妨げられる
 現象のこと。
○話し合いが中心の参加型研修でも気をつけないとな。
・グループシンクが生じそうな場合に影響を及ぼすと見られる5つの変数:
 集団の凝集性、リーダーの行動、外部からの孤立、時間的プレッシャー、
 秩序だった意思決定手続きの不履行 
・グループシフト(集団傾向)
 集団による決定の方が、個人の決定よりも慎重になる場合と、
 リスクが大きくなる傾向も強い。 集団で責任が拡散されるため。
・対話集団につきものの問題の多くを緩和する方法として、
 ブレスト、名目集団法(個人で意見を紙に書いてから発表)電子会議
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●8章 チームを理解する
・一般的にチームの方が個人より高い業績をあげることが研究によって明らか
 またチームは組織を民主化し従業員の意欲を向上させる効果的な手段。
・メンバー同士が直接顔を合わせたことがない場合、バーチャルチームは
 タスク志向になりやすく、社会的、感情的な情報交換が少なくなる傾向。
・効果的なチームモデル:基盤、構成、職務設計、プロセス
・チームに誠実なメンバーとそれほど誠実でもないメンバーがいる
 チームの業績は低くなる。
 人当たりの良さにおいて最低レベルに達していないメンバーが一人でも
 存在すると、チーム全体の業績に悪影響が及ぶ恐れがある。
 「腐ったリンゴは樽全部のリンゴを腐らせる」
・異質な背景をもつメンバーで構成されたチームの方が、多様な能力や
 情報を有している可能性が高く、より効果的なチームとなる。
・一般的には10名未満のメンバーで構成されたチームが最も効果的。
 チームメンバーが多すぎると、凝集性が低下し社会的手抜きの現象が増加。
・効果的なチームには適度のコンフリクトが存在している。
・個人レベルとチームレベルの両方において達成責任(アカウンタビリティ)
 を明確にすることにより、社会的手抜きを克服する。
・アメリカ人はチームにおける働き方を学ばずに育つ。
○日本だとどうなのかな。教室集団でのふるまい方、部活動、等。
 比較的チームでの働き方を体験してきているのかな。
・個人的業績の重要性を叩き込まれた人々も大部分は訓練によってチーム
 プレイヤーになりうる。
・チームは万能薬ではない。チームは多くの時間と資源を必要とする。
・チームが状況に適しているか否かを判断する3つの指標:
 1)複数の人で担当した方がよい業務なのか
 2)メンバー共通の目的や複数の目標を掲げるのに足る仕事であるか
 3)チームメンバーがお互いに相互依存関係にあるか
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●9章 コミュニケーション
・人間関係のコンフリクトの原因として最もあげられるのは、おそらく
 コミュニケーションのまずさである。
 人は労働時間のほぼ70%をコミュニケーションに費やしている。
・コミュニケーションが集団や組織の中で果たす主な機能は4つ:
 統制、動機づけ、感情表現、情報
・集団のメンバーは3つの手法で意志伝達を行っている:
 口頭、書面、非言語のコミュニケーション
・職場で電子メールを利用しているアメリカ人労働者の過半数が1日に
 受け取るメール数は、10件以下であることが分かっている。
○俺もそんなもんかなー。日にもよるけど。
 お客様にフォローメールを出した後はどっと増える。
・男性は地位を強調する為に会話をし、女性は関係を作る為に会話をする。
 女性が悩みを打ち明けるのは指示と関係を得るためであって、男性の
 助言を得るためではない。
・高コンテクスト文化では、コミュニケーションにおいて非言語シグナル
 やわずかな状況的手掛かりに頼ることが大きい。
・低コンテクスト文化では、意図を伝える際に基本的に言葉に頼る。
・自分とは違うと仮定した方が、接し方において誤りを犯す可能性は低い。
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●10章 リーダーシップと信頼の構築
・リーダーシップとは、集団に目標達成を促すよう影響を与える能力。
・リーダーシップ特性理論
 特性理論の行き詰まりを打破する突破口になったのは、特性を
 パーソナリティの5要素モデルに基づいて体系化するようになってから。
 「ビッグ5」に基づき分析すると「外向性」が優れたリーダーの最も
 重要な特性であることがわかった。
・リーダーシップの行動理論
 -オハイオ州立大学 「構造作り」「配慮」
 -ミシガン大学 「従業員志向型」「生産志向型」
 -マネジリアルグリッド 「人への配慮」「生産への配慮」
 リーダーの行動パターンと集団業績との間に一貫した関係を見だせなかった
・条件適合(コンティンジェンシー)理論
 -フィードラー理論 3つの状況要因(関係、構造、パワー)
   タスク志向型リーダーは管理体制が厳しい場合と緩やかな場合に
   最も業績を上げるが、人間関係志向型リーダーは管理体制が中庸の
   場合に最も業績を上げる。
 -リーダーメンバー交換理論
   リーダーは暗黙のうちフォロワーを「内」「外」のいずれかに分類し
   その関係は時間を経ても比較的不変なものとなる。
 -パス・ゴール理論
   有能なリーダーは道筋(パス)を明確に示して従業員の業務目標
   (ゴール)達成を助け、障害物や落とし穴を少なくすることにより
   その道筋を歩きやすくする。
 -リーダー参加理論
・カリスマ的リーダーシップ
 業務処理型リーダーに対して、変革型リーダー
 カリスマ的リーダーは、必ずしも組織にとって最善の行動をとるとは
 限らない。
・上級管理職におけるスタープレーヤーと平均的な管理職を比較した時、
 両者の有効性の違いにおける約90%が、基本的な知性ではなく、
 EI(感情的知性)要因の違いによるものであることが分かっている。
 最近の研究結果は、多くの裏付けのもとに、EIはリーダーシップの
 有効性において必要不可欠な要素であると結論付けている。
・条件適合理論に基づき、リーダーは自分のリーダーシップスタイルを
 その国の文化的特徴に合わせて調整しなければならない。
・多くの状況においてリーダーがどんな行動をとろうが関係ない。
 
・リーダーシップは組織行動を説明するつ上での単なる一変数にすぎない。
・信頼という概念の根底にある主要な要因は、5つ。
 
 誠実性、能力、一貫性、忠誠心、開放性
・組織における信頼関係の3つのタイプ
 
 抑止に基づく信頼、よく知ることに基づく信頼、同一化に基づく信頼
・信頼を築く方法
 開放的である、公正である、感情を言葉に表す、真実を話す
 一貫性を示す、約束を果たす、秘密を守る、能力を示す
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●11章 力(パワー)と政治
・力(パワー)の最も重要な側面は、それが「依存」と相関関係にあること。
・経済的自立は、他人の自分に対する力を低減させる。
○確かにそうだよなー。給料をもらえる先が一つしかなければ、そこに
 縛られざるを得ない。
・何が依存を生むのか
 重要性、希少性、非代替性
・人員の供給が需要に比べて少ない職業に従事する人々は、候補者の
 大勢いる職業に従事する人々よりもはるかに魅力的な給与や福利厚生を
 要求できる。
○中小企業への就職にも同じようなことが言えるかも。
・労働組合(数の力、集団の力)は、熟練した専門的労働者よりも
 熟練度の低い非専門的な労働者にとってより魅力的である。
・組織=政治的システム
 効果と効率を求める組織の意向に反するように見える行動をとる理由も
 政治的観点からであれば説明がつきやすい。
・組織における信頼が乏しいほど、政治的行動の程度が高くなる。つまり
 高い信頼は政治的行動の程度を抑制するのだ。
○確かにあるよなー。お互い疑心暗鬼の雰囲気のときほど、社内政治が
 横行する。その場合の政治的活動も結局は人間関係にいきつくのかも。
・組織政治の認知は職務満足感に確実に悪影響を及ぼす。
・中東やラテンアメリカにおける政治混乱が続く諸国の人々が、イギリスや
 スイスといった国々の人々よりも組織政治に対する許容度が高く、職場に
 おける攻撃的な政治的駆け引きを好んで活用する可能性が高い。
・他人の自分に対する印象をコントロールしようするプロセスを
 印象のマネジメント(IM)と読む。
・力は腐敗を招きかねない。力を持たない人々の方が、容易に倫理的行動を
 取れる。
○これはあるかもなー。
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●12章 コンフリクトと交渉
・コンフリクトとは、一方の当事者が、他方の当事者が自分にとって重要な
 事柄に悪影響を及ぼした、あるいは及ぼそうとしていると認知した時点で
 始まるプロセス
・関係コンフリクトは、ほとんどの場合、非生産的である。
・コミュニケーションが多すぎても少なすぎてもコンフリクトの潜在可能性
 は増すということである。
・コンフリクトによる生産的な結果
 コンフリクトの御蔭で、異質の意見や少数派の意見が比較検討され、
 それにより意思決定の質が向上しうる。
 コンフリクトは、グループシンクへの対抗手段。
・意見が一致していたときにはまずい決定がなされ、建設的コンフリクトや
 批判的思考に満ちた雰囲気では思慮深い決定がなされていた。
・生産的コンフリクトを生み出すことに成功した組織に見られる共通の特徴は
 反対意見を述べる者に報酬を与え、コンフリクトを回避する者に罰を
 与えるという点である。
・マネジャーにとって本当の課題となるのは、自分が聞きたくないことを
 聞かされた時の対処の仕方である。
○弊社のように意思決定に関わる者が少ない場合(実質俺1人)コンフリクト
 や批判的思考を他者の力を借りて作る必要があるかも。
 Nさん、Uさん、Sさんに期待したのもその辺。
 
 批判的に意見を言ってくれる人が、周囲にいてくれるようにしたい。
・「勝者の呪い」相手が自分の言い値を受け入れたばかりいん、言い値が
 甘すぎたのではないかと後悔する。
○あるなー。
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第IV部 組織のシステム
●13章 組織構造の基礎
・職務の専門化=分業 
 専門化のための訓練は効率的
・専門化による人間的問題(退屈、疲労、ストレス、低い生産性、質の悪さ、
 欠勤、高い転職率など)が、経済的メリットを上回るようになった。
・職務をグループにまとめる方法=部門化
・3つの組織デザイン
 1)シンプル構造 強みは単純性 弱みは高リスク
 2)官僚制 高度にルーチン化 同一言語 部門対立
 3)マトリックス構造 職能と製品の2つの部門化の組み合わせ
            混乱 権力抗争 個人にストレス
・バーチャル組織 
 核となる小さな組織 主要なビジネス機能の外注
 組織が最も得意とする分野に集中した事業を行う
 直接的コントロールが弱まる
・構造は戦略によって決定されるべき
○弊社の場合、基本方針(組織構造を含めて)は、
 Small, Simple, Sustainable 小さく、単純に、続けていく
 拡大はしない、多角化はしない。
・テクノロジーとは、組織においてインプットがどのようにアウトプットに
 変換されるかを示す言葉。
・組織行動と従業員の業績および満足度に関連があるかどうかは、
 一般化できない。
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●14章 組織文化
・組織にもその構成員の行動を規定する文化が存在する。
・強い文化の具体的な結果は従業員の転職率の低さとして示される。
・全ての組織には、中心的な前提、理解および暗黙のルールが形成されて
 おり、これが職場の毎日の行動を規定している。
 新人がそのルールを学ぶまでは、組織の一員のメンバーとして受入られて
 いるわけではない。
○この辺が組織社会化に関係してくるんだろうなー。
・求職者と従業員の態度や組織が文化に合致しているかどうかが大きく左右。
・組織の文化の究極の源は、組織の創立者である。
○弊社は、永続する組織には、きっとならないだろう。
 J.コリンズがドラッカーに言われたように
 「組織を残したいのか、考え方を残したいのか」であれば、
 組織は残せない、考え方あるいは何らかの痕跡は残せたらと思っている。
・組織は新しい従業員が組織の文化に適応するように援助したいと考える。
 このような適応プロセスは社会化と呼ばれている。
 社会化の段階で最も大事なのは、組織に入った時点である。
 この時点は外から入ってきた新しい従業員を組織が「良い状態」に
 変えようとするときである。
・社会化のモデル
     社会化の過程            結果
 参入前 → 遭遇 → 変身 → 生産性、コミットメント、離転職
・新規参加メンバーの社会化の選択肢 
○これは英語文献で読んだものとつながる「Toward a theory of social organization」
 だったかな。
・顧客対応型文化を構成する主な変数
 社交的で親しみやすい従業員の採用、公式化の度合いの低さ、権限委譲、
 傾聴スキル、役割の明確化、組織市民行動
・精神性と利潤は、かなりの割合で両立可能。
・多様性のパラドックス
 多様な行動や強さは、人々が適合しようとする中で失われる可能性が高い。
 組織の優勢な価値を受入れ、しかも相違点の受容を奨励する。
○ここが、新入社員の組織社会化の難しい点なんだろうな。
 組織に適合する過程で、新人が持っていた問題意識や個性が薄くなっていく。
 「こんなもんなんだろう」「こうやって大人になっていくんだろう」と
 いわば諦めの気持ちになっていく。
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●15章 人材管理の考え方と方法
・候補者の知性、モチベーション、対人スキルを評価する上で、面接は
 最も有効な手段。
・ワークサンプル法(実地で演技する)は、適正やパーソナリティを評価
 する上で、筆記試験をしのぐ有効性を示している。
・アセスメントセンターは、マネジャー職の将来の業績を予測する上で、
 非常に有効。
・多様性プログラムの大半において、最も重要となるのが研修である。
・研修方法は、公式または非公式研修、そして職場研修、職場外研修に
 分類できる。
 非公式研修の大半は、従業員同士の相互の助け合いにすぎない。
・組織の責任とは、従業員を自立させること、また継続的にスキルや知識を
 身につけさせることによって、従業員が自分の市場価値を維持していく
 上で手助けすることである。
・従業員の責任 たとえ大規模な組織に雇用されていようとも、自分は 
 個人事業主であると考えるべきだ。
○これは小気味よい言葉。でも、こうできる人、フリーエージェントは、
 やっぱりまだ少ないよなー。
・360度評価における自己評価は、評価目的というよりは、人材開発の
 目的に適しているといえる。
・従業員の特定の重要な行動を毎日記録することにより、評価の精度が
 高まり、評価誤差が発生しにくくなる。
・トレーニング効果は、時間の経過とともに減少する傾向があるため、
 定期的な確認研修のセッションが必要。
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●16章 組織変革と組織開発
・組織行動をグローバルな見地から見ることの重要性を本書ではといてきた。
・組織変革に関する2つの見解
 「静かな海」変革を組織の均衡状態の急変としてとらえる
 「急流の早瀬」永久に抜け出ることのない筏
・組織とメンバーは、変化に抵抗する。
 対応がより難しいのは、抵抗が隠れていて後から出てくるケース。
・変革のマネジメントについて語るには、組織開発(OD)の概念が不可欠となる。
 ODのインターベンションの方法として6つ。
 1)感受性訓練 Tグループ 
 2)調査のフィードバック
 3)プロセスコンサルテーション 専門性は診断と支援関係の構築
 4)チームビルディング
 5)組織(グループ)間開発
 6)アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)
○AIにおける経営者以外の従業員が夢を語る意義とは
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投稿者:関根雅泰

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