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2010年12月29日

落ち込むこともあるけれど・・・


2010年12月28日 

お世話になっている皆さまにお送りした近況報告メールの一部です。

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【近況報告】

今回は、10月〜12月の活動について、
ブログへのリンクを中心に簡単にご報告します。


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●仕事


1.「OJT指導員研修」


 11月はある大手金融機関様での「OJT指導員研修」が続きました。

 半年以上前から、打ち合わせ、現場インタビュー、リハーサルを重ねてきたので
 終わった時は、感無量でした。

 初めてのお取り引きでしたが、今後も継続をご検討頂けそうです。
 (Oさんをはじめとする皆さま、ありがとうございました)

2.「ペア研修」

 12月は別の金融機関様で「新人とチューターのペア研修」を実施しました。

 チューターは自分の営業で飛び回り、殆ど新人とのコミュニケーションが
 取れていないという状態であった為「ペア研修」を実施することとなりました。

 時期的にはもう少し早い時期での開催が望ましいと思いますが、それでも残り
 数か月のOJT期間をより充実したものにするためには必要だったと思います。
 (Eさんをはじめとする皆さま、ありがとうございました)

3.日経ビジネススクール「社内インストラクター養成講座」

 今年もNBS様で社内講師をの方々を対象にした研修を実施させて頂きました。

 http://www.learn-well.com/blogmanabi/2010/11/20101118nbs.html

 参加者との意見交換から、私自身学ぶことが多かったです。
 どうもありがとうございました。


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●学校


 大学院は、冬学期に入っています。(10月〜1月末まで)

 今学期は、授業が一つ「研究法I」とゼミだけですので、多少楽です。
 その代わり「読書会」を一つ立ち上げました。


1.Workplace Learning 研究会 ワクプレ!


 指導教員である中原のつぶやきをきっかけに読書会を始めました。
 ツイッターで告知をし、現在8名の有志で研究会を進めています。

    http://wkpl.seesaa.net/

 とても刺激的な会です。

2.人材育成学会での研究発表


 12月19日(日)東洋学園大学 本郷キャンパスで、初めての研究発表を
 行いました。

   http://learn-well.com/blogsekine/2010/12/post_331.html

 終わった後は、中原研のメンバーを中心に、忘年会をしました。

3.「研究法I」の授業


 授業で学んだことを、差し障りのない範囲でブログにまとめました。

  http://learn-well.com/blogsekine/2010/12/2010i.html


4.自分の知識不足


 大学院や学会、研究会で、修士や博士をとっている方々と話をしていると

 「俺って、まだまだだよなー・・・」

 と自分の知識不足を痛感させられることが多々あります。


 「良くこれで今まで講師業という仕事をやってきたな」
 「勉強不足で恥ずかしい・・・」

 と落ち込むことも多いです。


 (もちろん、相手と話している時はそういう感情が表に出ないよう
  注意しているつもりですが)
 

 「今から勉強して、この人たちのレベルまで自分は追いつけるのか・・・」
 
 と不安になります。


 もし、大学院に行っていなければ、こういう思いをしなくて済んだのかも。
 落ち込むことも少なく、居心地の良い環境でやっていられたのかも。

 そんな風に思う時もあります。

 そんな時、フリービット社の酒井穣さん(指導教員中原のご友人)の書籍
 「日本で最も人材を育成する会社のテキスト」の一文に励まされました。

 「誰よりも上手にできることを毎日こなすような環境は、たしかに
  居心地がいいでしょう。いつだって一番としてチヤホヤされます。

  しかし、そうした居心地のいいところを抜け出さないと、新しい能力の
  獲得はできなくなってしまうのです。つまり、能力の成長には、
  適度な居心地の悪さが必要なのです」(p39)

 講師業は、どちらかというと、周りからチヤホヤされやすい職業です。
 研修企画者の声やアンケート結果など、どちらかというと褒め言葉が多くなります。

 ただ、もしかすると「裸の王様」になりやすい環境なのかもしれません。

 しかも小さいながらも会社の経営者ですから、叱ってくれる上司はいません。


 自分だけが気づかぬうちに、社会やお客様の変化についていけず、
 いつの間にか、ほされていた。 そういうことも起こりえると思っています。


 だからこそ、耳に痛い意見を受け止めたり、今回の大学院のように、
 自分にとって「適度な居心地の悪さ」を感じる場所に身を置くことが大事。
 今はそう思っています。

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●家族


 子ども達は、皆元気です。


 ちょうど昨年の今頃、長男は髄膜炎にかかり入院していましたが、
 お陰さまで後遺症も無く、元気に遊んでくれています。今1歳7カ月です。

 最近は、夢を見ているからなのか、夜泣きが多く、
 目覚めて横を見ると、布団の上に正座して泣いています。


 長女(もうすぐ8歳)は、小2の2学期が終わりました。
 学校は楽しいらしく、毎朝40分ぐらいの道のりを歩いて元気に登校しています。

 通学班までの見送りの時に、私が手を握るのを嫌がるようになりました。

 「隣の○○に見られるでしょ!赤ちゃんじゃないんだから!」と叱られました。

 もうそんなお年頃なんですね。


 次女(もうすぐ5歳)は、相変わらず我儘がすごいです。

 何か気に入らないことがあると

 「あややは、こっちがいーいー! ワーワー! ドンドン!」

 と大泣きし、地団太を踏んで悔しがります。手がつけられません。

 いつまでこの状態は続くのでしょうか。

 ○男の育児記録

   http://papa888.exblog.jp/

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●地域


 保育園の父親仲間とツリーハウスを完成させました。

  http://tokigawa-machi.seesaa.net/article/171783048.html

 次は、別の企画を父親たちでたくらんでいます。

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【今後の予定】


 年末は、12月30日(木)まで仕事をし、
 年明けは、1月4日(火)からスタートします。

 専務(妻)の配慮で、年末と年始に1回ずつ、1泊2日の「一人合宿」を
 今年もやらせてもらえることになりました。

 東京のあるホテルに缶詰め状態になり、1年間のふり返り、今後の長期予定、
 2011年の目標と行動計画を考えます。

 じっくり考えられるこの時期を大事にします。
  
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お陰さまで、会社も6期を無事終了することができました。
何とかやってこられたのも皆さんのお陰です。本当にありがとうございます。

今後ともご指導ご支援のほどよろしくお願いします。


よいお年を!

2010年12月28日

2010年度冬学期 「研究法I」10


2010年12月22日(水)14時45分〜16時15分

●10回目 実験2

 (心理学実験について)


【事前課題】

 「統計の基礎 要因配置計画」
 「仮説をめぐるいくつかの仮説」←○これ面白かった
 

【講義内容】(・先生の講義/他者の発言 ○関根の独り言)

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(レジュメに基づき)

・統計検定により、バラつきをどう消していくか

・どの要因がどう効いているを見るために実験

・統制群を設定する

○職場で実験ってできるかなー


・要因は一つとは限らない 2つ以上の要因 分散分析

・実験はそんなに難しいものではない

・t検定よりも分散分析の方がよい?

・複数の独立変数 → 重回帰分析

○俺はこっちかなー


・4要因はやめた方がよい できれば2要因におさめた方がよい

・実験の生態学的妥当性をいかに担保するか

 「普段やっていることか?」「現実世界の何を表わしているか?」

 ここに実験のセンスがでる

・実験を行う前に、常に仮説が明確化されている訳ではない
 ただし、問題は明確化されている必要がある

・仮説検証型実験はワクワク感が薄い

・1回の実験で多くの要因を詰め込まない 複数の実験に分ける

・人でもミラーニューロンは存在している

 リソラッティ?は猿で発見

・ただ、ミラーニューロンは拡大解釈されている

・アニマシー 社会的認知の基盤 

 セミをとるときと、ビンをつかむときは、違うつかみ方をする

・実験は口頭伝承 

・社会的に意味はあっても、学問的に意味のない研究もある


○今回の授業で学んだことを活かせば、例えば、こんな流れもできるかも

 1)現状を知る 観察 インタビュー
 2)仮説を立てて、量的に確認 質問紙調査
 3)でてきた結果が本当にそうかを実験で検証
    介入方法を一つの職場で実践 成功すれば他職場でも
    (失敗ケースも検証する)

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ありがとうございました!


2010年度冬学期 「研究法I」9


2010年12月15日(水)14時45分〜16時15分

●9回目 実験1

 (実験の具体例:脳科学、実験政治学、実験経済学等)

【事前課題】
 
 「This is Your Brain on Politics」
 「ニューロポリティクスは政治的行動の理解に寄与するか」


【講義内容】(・先生の講義/他者の発言 ○関根の独り言)

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・S→□→R 行動主義 1950年代 スキナー

 教育学にフィットした □の部分は見ない

・□に着目したのが、認知学 1970年代 ルンデルハート? ナイサー

・1990年代 非侵襲的画像解析 というKiller toolの開発

 脳の活動をリアルタイムで見る

 小川誠二が開発 MRI 
 
 血流を見る fMRI 

 脳波を見る NIRS 

 PET

・色んな人が飛びついた 社会脳 
 Neuro〜 ニュウロにょろにょろが生まれた

・脳は個体差が大きい 有意差水準も出しにくい

・M.Iacoboni ミラーニューロンを猿で発見

 真似をする 共感する基礎 

 人間ではまだ見つかっていない?

・男女の脳差はある


・論文の品質保証が必要では 査読では分からない

・基礎としている論文にデータ捏造、改ざんがあったら

・村松「論文捏造」 

・ヒトES細胞 ファン ウソク 

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ありがとうございました!


2010年度冬学期 「研究法I」8


2010年12月8日(水)14時45分〜16時15分

●8回目 二変数間の関係について

(調査票から得られたデータの分析方法:クロス集計、相関係数、尺度の構成)


【事前課題】
 
 「統計の基礎 考え方と使い方」
 「統計的データ解析入門」


【講義内容】(・先生の講義/他者の発言 ○関根の独り言)


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・実験データの解析のために、分散分析はある程度理解しておいてほしい

・群間の平均値い差があるかを見るのが、分散分析 どこに差があるか

・記述統計

 平均 分布の中心 代表 分布の散らばり

・絶対値 数学的な取り扱いが面倒くさい

・偏差平方和 Sum of Square

・必ずプラスになるように二乗する

・不偏推定量

・Σを使った数式

○この辺から訳が分からなくなった 数学を出来るようにならないと


(レジュメに基づき)

・分散分析の標記法(一元配置)

 列間のバラつきに興味がある ここを分析する?

・一要因が分かれば、二要因も分かる

・分散分析表は、分散分析を使った論文には必ず載る

・交互作用 ある要因がある対象にだけ特定に効く

○う〜ん、訳が分からない いずれ分かるようになるのかな。


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2010年度冬学期 「研究法I」7

2010年12月1日(水)14時45分〜16時15分

●7回目 測定の水準と調査票の作成について

 (事前に留置および面接調査票の実習をしてもらった上で講義+討論)



【事前課題】
 
 「配布された用紙に従い3名に電話インタビューを行う」
 「自分もアンケートに回答する」


【講義内容】(・先生の講義/他者の発言 ○関根の独り言)


・質問紙法 質問を作るには熟練が必要

・世論調査 電話マーケティング会社 6〜70代が回答することが多い
 
 固定電話のみのため、携帯しかない一人暮らしは調査対象外


(レジュメに基づき)

・質問紙は、A4×4ページ程度(両面2枚)

・確立した質問、標準的な質問を借用し、+αで新しいものを入れる

・回答者は、神様 相手を思いやって

・誘導しないように 分布が偏る

・1〜5の間で、ばらつくような質問がよい

・質問紙作りは、基本的に経験により技能が向上するので、徒弟修業が重要

 データを取る前に相談すること。データを取ったらそこでおしまい。

・質問の少しの違いが、大きな違いになる

 例)あなたが大麻を手に入れようとした場合、
    それはどの程度難しいですか?

   あなたは大麻を手に入れようとした場合、
    それはどの程度難しいと考えていますか?

・因子分析は主観的方法 ときには平均点や合計だけでもOK

 シンプルな手法の方が、間違いを犯さない

・クロンバックのαは計算した方がよい

・分析が複雑な時は、サンプルは多い方がよい

・先行研究がどのくらいのサンプルをとっているかを参考に

・英語の質問は、定訳があるかを確認する

 質問紙がついていな論文は、社会学では考えられない

・質問項目に間違いが無いよう1問ずつ「声に出して」確認する

 自分が読み上げで確認できないような質問を他人にやってもらうのは酷

・5より7の方が分散するので良い 散らばる=情報が多い

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ありがとうございました!

2010年度冬学期 「研究法I」5〜6

2010年11月17日(水)14時45分〜16時15分

●5回目 インタビューと調査法方法論1

 (インタビューの方法と研究倫理について)


【事前課題】
 
 「The Perils of Obedience」


【講義内容】(・先生の講義/他者の発言 ○関根の独り言)


(レジュメに基づき)

・観察法 五感をフルに使う 有意にサンプリングを行う 探索型

・この部屋で起きることを5分間 観察 仮説をもって

・参与観察 踊る阿呆 非参与観察 見る阿呆 統制的観察法 

・喫煙所にいってインタビューをした


・インタビュー(聞き取り)法

 直接観察だけではとらえにくい事柄に関するデータを、当事者との
 会話を通じて得る方法

・相手のホームにインタビューに行く 

・社会調査では謝礼を出す

・「ヒアリング」という呼び名よりも、アカデミックでは「インタビュー」

・質問紙 めんどくさいと思わせない

・Faking Good 世間体を気にした回答

・紙で得られない情報を得るのがインタビュー

・何も調べてこないインタビュアーは嫌われる

・インタビュアーも観察されている

・人間の記憶は不正確 
 同じ質問を期間をおいてすると、違う答えが返ってくる


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2010年11月24日(水)は、仕事の関係で欠席

●6回目 インタビューと調査法方法論2

 (インタビューの方法と研究倫理について)

【事前課題】

 「質的研究入門」
 「ナラティブアプローチ」
 「インタビュー 質的研究入門」
 「ヒューマンサービスにおけるグループインタビュー法」


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2010年度冬学期 「研究法I」4

2010年10月27日(水)14時45分〜16時15分

●4回目 社会調査の研究設計

 (社会調査、統計情報の収集について、分析の単位について)

【事前課題】

 「Some Statistical Problems in Research Design」
 「統計調査法」

【講義内容】(・先生の講義/他者の発言 ○関根の独り言)

・Kishの論文「Some Statistical Problems in Research Design」は、
 実験と調査の対比

・実験の強みはコントロールができる点

・変数 4カテゴリ  p329   X → Y
                 Z→

 1)独立、従属変数
 2)Controlled 統制変数
 3)Confound 交絡 
 4)Randomized 無作為化?

・理系では、Randomizedは出てこない 
 全て実験室でコントロールできるという前提

・文系は、人間相手なのでControlできないから、
 Randomize(無作為割付)する

・Confound 交絡 からみあっている 
 この変数が一番怖い XやYと交絡しているZ

・Controlled ← Confound → Randomized 

・(Q)ControlとConfoundだけでいいのでは?
 なぜRandomizeというカテゴリーがあるのか。

・Y = α + βX + ε   (ε=誤差 Randomized error?)

 Y = α + β1X + β2Z + ε (Zをεにぶちこむ=Randomizeする)

・確率論でいう Random Variable と Randomized Variable は違う

・実験室実験者は、野生で使えないという批判を受ける
 野生観察者は、再現性が無い、観察の主観を批判される
 大きな動物園でいいとこどりをしようとする者は、両方から批判される

○Confound状態を、コントロールするか、
 ランダマイズするかしか無いってことかな

 実験室(内的妥当性)と野生観察(外的妥当性)
 どちらかの立場にしか立てないのかな


・母集団 = 調査対象(Target Population)の全集合 
 良い調査は、母集団が明確

・母集団を考えるときは、地理的要因と時点を考える必要がある

・実験は、代表性に乏しい(外的妥当性が低い?)

 実験をする人は、母集団を考えない人が多い。
 思考実験としても考えてみた方がよい。

 例)ゲームを使った実験をする人にとって、
   母集団はゲームの消費者全体

・ウェブ調査によって内的妥当性の高いものを作ることはできる

 ネットモニターの場合、自主的に登録している、ネットにつながる
 人という点からも外的妥当性、一般化可能性、代表性には問題がある


・調査の欠点は、因果関係の考察がしにくい、内的妥当性が低い

・事後的にコントロールする方法もある Cross Repeated Turbulation?

 
       高学歴 低学歴
  都市             白人
  農村 

                 黒人

  これがいわば、重回帰分析

・統計は、平均値の差の検定 

・統計は、12単位とると見晴らしがよくなる

・統計的有意 5% 100回に5回は有意でない結果が出るということ
 間違った結果が出た時のコスト、リスク(例:医学)も考えるべき

・サンプリング 西平さんの本 要素が列挙できるかが重要 

 母集団  標本抽出枠≒台帳 (弁護士リスト、看護師協会登録)

・性別、年齢は、他の変数に影響を受けない

・統計は、因果関係を教えてくれるものではない


○M先生の駒場での授業、無理矢理でも聴講させてもらおうかな。

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ありがとうございました!


2010年度冬学期 「研究法I」3

2010年10月20日(水)14時45分〜16時15分

●3回目「研究の評価基準:内的妥当性と外的妥当性」

 (因果推論の厳密さと研究対象の代表性との二律背反について)

【事前課題】

 「Factors Relevant to the Validity of Experiments in Social Settings」
 「実験とデータ解析の進め方」

【講義内容】(・先生の講義/他者の発言 ○関根の独り言)

・今日の授業のポイントは、内的妥当性 Internal Validity と
             外的妥当性 External Validity

○こうやってその日の授業の学習ポイント(学ぶべき重要点)を
 明示してくれるのはありがたいな。それだけしっかり授業内容を
 事前に考えてきてくれているのだろう。


・(事前課題論文を読んできていない学生に対して)
 英語文献数十ページは読んで当然。読んでから議論に参加するのと、
 読まずに参加するのは大きく違う。読んでくるように。
 こちらも読むべき文献を選んでいる。

○これはそうだろうなー。

 中原先生の言葉を借りれば、教員も「用意」(準備)しているのだから、
 受ける我々学生も「卒意」で、その場をよくしようと努力すべき。

 自分も研修講師をやっていて思うけど、参加者によって講師も
 いい意味でのせられる。

 やる気があり、講師から貪欲に引き出そうとする参加者であると、
 こちらも燃える。通常よりも力が入り、予測しづらくなるけど、
 結果的に双方によい学びの場になるような気がする。

 僭越な言い方だけど、教員を輝かせ、授業という場を双方に
 とって深い学びの場にするのは学生の力なのかも。
 教員だけが努力しても足りない。

 少なくとも俺は、自分が参加する授業は、自分のために、
 よい場にしたい。多少空回りしても、前のめりになっても、
 事前課題はやるし、授業内では発言、質問をする。


・ここで言う妥当性は、測定/Measurementにおける妥当性ではない。

 内的妥当性は、因果推論(実験/データ内部)の確かさ

 外的妥当性は、一般化可能性 をさす

・この2つを知っていると、色々な調査、研究方法を比べるときの参考になる。

・これらは二律背反の関係。どちらかを取ると、どちらかがとれない。


・調査、研究方法には大きく二つある。「実験」と「標本調査」

 他には「参与観察(質的研究)」と「事例研究」がある。


・実験は、内的妥当性は高いが、外的妥当性が低い。
 標本調査は、外的妥当性は高いが、内的妥当性が低い。

 この2つは、仮説検証型。

・参与観察は、内的、外的ともに低いが、強みがある。
 面白いアイデアが生まれる、常識を打ち崩す可能性がある。

 観察やインタビューをすることで「あ、そうなんだ」と気付かされる。

 論文とする際には突っ込まれるタイプなので、ガードは必要。


○コントロール(統制)できればできるほど、内的妥当性が高い(実験)

 それができない環境が「世の中」であり、俺が研究対象と
 している職場での新人育成なのかも。

 であるなら、ビジネス的には「外的妥当性=一般化可能性」を
 重視した方がよいのかも。

 (アカデミックに認められるには、内的妥当性も視野に
  入れる必要はあるだろうが)


・有意抽出した理由をきちんと論文では説明する。
 実際、自分とコネのある企業等で調査を実施することになるので、
 無作為抽出は難しい。

 ランダムサンプリング(無作為抽出)でなくても、
 一般化可能性は主張できる。


・キーワードは、

 Randomization(無作為化)Radom Assignment(無作為割り当て)→内的妥当性
 
 Random Sampling(無作為抽出)→外的妥当性


・事前課題のD.Campbellの論文は、実験といっても全てが内的妥当性が
 高いわけではない。Design6が望ましいと言っている。


・全てを金科玉条のように考える必要はないが、これらの知識を基に
 自分の研究の位置づけ、デザインを考えること。

○俺は、外的妥当性の追求で、Design6かな。


・Design1   X O  は、実験に値しない 

・Design2 O X O   の場合、
  外で何か起こったらどうなるのという問題がある

  History、Maturation(被験者の発達)、Testing(実験そのものの影響)
  Instrument Decay(測定者の疲労)、Regression(偏り)

・従属変数に着目してサンプリングをしてはいけない。
  例)成績の高い群だけを調査対象とする

 X(独立変数)→ Y(従属変数) 
  Yがばらついているのは何故かを明らかにするのが研究。


・成功、失敗の両方を比較しないと、成功の理由はつかめない

○OJT指導員の研究においても、新人育成が上手くいったケースと、
 上手くいかなかったケースの両方を調査すべき。そうしないと、
 成功の理由は分からない。

・Design3は、Selectionが偏る問題

  X  O1
 −−−−−
     O2


・Design4と6の違いが分かりにくいはず。
  4の方が良く見える可能性あり。

・Design4  O1 X O2
       O3   O4   プレテストとポストテスト

 プレテストを行うことで、被験者が影響される可能性

・Desing6  A X O2
       A   O4

 実験では、6の方が良い。

 A は、Assignment Random Assignment を行うことで、
 X 以外は同質の集団であると主張。


・100名のうち、ランダムアサインメントをした50名だけに対して、
 研修を行うの良くない。
 
 ホーソン効果(選ばれたことによる意欲向上)が発生し、
 Xの効果とだけは言えなくなる。
 
 もしやるのなら、集団Aに対しては、通常の研修。
 集団Bに対しては、通常+αの研修。

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ありがとうございました!


2010年度冬学期 「研究法I」1〜2


2010年冬学期は「研究法I」という授業をとっています。

さし障りのない範囲で、授業で学んだことをシェアします。

●第1回

2010年10月6日(水)14時45分〜16時15分


文化人間情報学研究法I〜方法論的多元主義への招待


「研究とはこういうものだ」というシャープなイメージを描けないまま、
 修士論文作成の時期を迎える学生が少なくない。

「研究とはこういうものである」というイメージを学生に持ってもらうために、
 複数の領域の研究者が自身の経験や具体的な方法論を解説する。

「研究というもの」に対するイメージを身につけてほしいというのが主目的。


●第2回

2010年10月13日(水)14時45分〜16時15分

≪文献≫

「行動研究入門」
「Ballooning Parrots and Semi-Lunar Germs(R.Dawkinsに関するエッセイ)」


≪講義/質疑応答≫

・イントロを書くのが難しい

・どういう先行研究を批判しているか、改善提案付きで

 自分の研究を位置付ける

・混んでいる領域は避ける かといって誰もやっていない領域も難しい

・あらゆる現象において、4つの問題が現れると考えてよいかも

 要因、発達、機能、進化


・分析の単位(ユニット)は何か?

 先輩と指導員というDyadなのか、職場というFloorレベルなのか。

・自分の問い、RQ次第

・先行研究をしていく際に、指導教員の力を借りる

 学生の研究がオリジナリティーあるものとなるか、その指導が教員の役割。

・結論が同じでも、業種、地域を変えて調べてみるのも手(M&A研究)

・一定数の先行研究があって、その上で「ここが足りない」と
 オリジナリティーを出す

・問題をたてる ブレークダウンする 

 操作的に定義し、検証可能な問題=仮説 に狭めていく 絞り込み

・いくつか対立する仮説があった方が論文は面白い

 例)ほめる 叱る どちらが良いか

・何を調べると、自分の考えていることを証明できるか考える

・「研究の独立変数、従属変数は何か」

 変化をどう測定するのか、

 説明したい現象を、独立変数と従属変数の関係で示す

・科学の研究の目的は「対立する仮説を区別し、自然界を説明
 できるやり方の数を減らすことにある」

 例)ほめると叱るでは、ほめる方が新人の能力を伸ばす

・「銅鉄実験」 新奇性が無い研究を揶揄する言葉

・次につながる論文が良い論文


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ありがとうございました!

2010年12月19日

人材育成学会 2010年第8回年次大会 発表

2010年12月19日(日)@ 東洋学園大学

人材育成学会 第8回年次大会で研究発表をしました。


タイトルは「OJT行動に関する尺度作成の試み」です。

(発表論文 PDFファイルを見る


学会でのプレゼンは初めてだったので緊張しました。

(事前に論文や発表資料をチェックして下さった
 N先生、M先生、Tさん、Kさん、ありがとうございました!)


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発表の概要は以下の通りです。


●OJTにおける「周囲のかかわり」を見ることができるような尺度の開発

●若手社員の業務能力向上に寄与したOJT行動を示唆

 1)仕事を実際にやらせてくれた
 2)良かった点や成長した点を見つけてほめてくれた
 3)他工場やグループ会社で仕事をする機会を与えてくれた

●今後「2年目社員調査」で今回開発した「OJT行動」尺度を使用


(参加者用配布資料 PDFファイルを見る


発表後の質疑応答では、以下の質問を頂きました。ありがとうございました。


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(・他者のご発言 ○関根の回答)


・今回の発表では「OJTの中身」を尺度化した 
 こういうOJTが良いんだということを説明したい

 そのための尺度開発の試みという発表だった

・「仕事を実際にやらせてくれた」という発見は、いわば当たり前のことでは?

 OJTとは仕事を実際にやらせることなのでは。

○確かにその通り。榊原の尺度でも「権限委譲」の効果が実証されている。

 ただ、仕事や職場によっては「実際にやらせてもらえず、見ているだけ」
 というOJTもある
 
 そういうOJTをしている先輩、上司に対して
 「OJTでは実際にやらせることが効果的」という説明材料になるかも。


・今回の尺度に含まれていた「人脈構築」「部門連繋」「情報共有」は、
 時代の変化に伴い仕事や上司からの期待が変化し、仕事が高度化、複雑化
 してきたことも関係があるのでは。

 今までの仕事であれば「周囲のかかわり」は必要なかったのかも。
 (上司と部下の点と点の関係で事足りていたのかも)

・調査対象者が、2〜30代と幅広い。
 仕事を任されている人もいれば、そうでない人もいるはず。

・「1週間程度の他工場やグループ会社での仕事」が、どのように業務能力向上、
 成長に寄与するのか?

○顔なじみになり社内外の人脈が広がることで、その後の仕事が進めやすくなると
 いったことが、業務能力向上につながるのでは。

 (このあたりは、メカニズム 「周囲のかかわり」→「成長」に関係するかも)

・別の職場を見ることで、視野が広がるといった
 認知構造の拡大はあるかもしれない。

・観察しただけでは、新人は仕事を覚え、理解することはできない。


・調査対象にとってOJT指導員は、ラインの課長だったのか、先輩だったのか?

○本調査では、誰をOJT指導員として想起したのかは特定できていない。

・業務能力向上だけでなく、メンタル面での新人のケアといった所も
 調査していくのか。

○今後の課題。喫緊の調査では業務能力向上や組織社会化が中心。

質問して下さった方の中には、前職の同僚がいました。

びっくりしましたが嬉しかったです。(Tさん、ありがとうございました!)


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そのあとの発表は、JAXA 宇宙科学研究所の長谷川克也氏による

「若年層の意欲の芽を摘み取る現代の徒弟制度による技術者育成

  〜プレイングマネジャーがつくる現代風徒弟育成〜 」 でした。

私の研究とも重なる部分が多く、興味深く拝聴しました。


・若手技術者の意欲低下は、受け手ではなく、
 育成者側、育成環境に問題がある

・OJTで先輩の背を見ても若年層は育たない

・大学教育のあとに、徒弟制度が待ち伏せしている

・高度技術になればなるほど、やらせてもらえない

・高学歴の技術者は「何かができるという自負」をもって入社してくるが
 先輩技術者の「圧倒的な技術差」を見て、精神負担を感じる。

・町工場に非常に高い技能を持った職人が残っているのは、
 職人に高度な技能がつくまで
 職人に仕事を与え続けた経営者のおかげといってよい

・プレイングマネジャーにOJT担当をあてないだけで、現代風徒弟制度を防止できる

 実際、5〜6年目をOJT担当にしたところでは、新人の育成が上手くいった

 新人ではプレイングマネジャーに質問できないことも5〜6年目であれば聞ける。
 5〜6年目を育てるという意味でも重要。

・正直、宇宙開発技術に関して、若手にやらせられることが少ない。

 本人が自分から会議に食い込んでいくか、良い先輩を見つけるか

・小さい実験を任せてもらったり、外に出して、
 よその研究所と共同研究をやるのは効果的。

・大プロジェクトだと、人脈は広がるが、成長は少ない。

・生産現場のOJTでは、マニュアルが完備されているが、
 研究開発の現場ではマニュアルはない。

 徒弟制になってしまい、やらせることもなく、
 見て学べスタイルになってしまう。


(ありがとうございました!)


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2010年12月10日

中原ゼミ 英語文献 輪読 3


2010年冬学期 中原ゼミの英語文献輪読は、

The SAGE Handbook of Management Learning, Education, and Development です。


私の理解の範囲で、どんな内容なのかをシェアします。

≪英語文献≫

Ch3:Experiential Learning Theory: A Dynamic, Holistic Approach to
Management Learning, Education and Development


・経験学習理論は、活動/内省と経験/抽象化の二元的弁証法に基づいている

・学習は、知識を創造するプロセスであり、葛藤解決、適応である。

・経験学習(ELT:Experiential Learning Theory)は、経験を変換することを
 通じて知識を創造するプロセスである。


(Kさん、資料ありがとうございました!)

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Ch23:Developing Emotional, Social, and Cognitive Intelligence Competencies in    
    Managers and Leaders

   「マネジャーやリーダーの感情コンピテンス、社会性コンピテンス、
    認知コンピテンスの開発」

 Richard E. Boyatzis

・説得力があり、使いやすいモデル(意図的変化理論)だが、
 このモデルを検証、実証しているわけではない。

・理論生成タイプの論文は、大きく2つにわかれる。
 哲学系と実証の積み上げ系。

・今回の理論は、そのどちらでもない。いわゆる「実務家の理論」
 そのため、社会科学、人文科学の研究者にとっては違和感を感じるのかも。

・どちらが良い悪いではない。

 「組織学習」は、Academic theory だが「学習する組織」は、Folk theory。

・実務系の場合、理論モデルを提示してあとは実践すればよいと純粋に考えている。

○う〜ん、耳が痛い。ビジネス書の著者(自分も含めて)の多くは、自分の経験と
 学術知見の良いとこどりをして、モデルを提示しているケースが多い。

○Education(教育)とTraining(訓練・研修)の違いは?

 Educationは、長期的、複数課目の組み合わせ、
 Trainingは、短期的、単一課目、繰り返し・・・ ?


(Yさん、資料ありがとうございました!)


2010年12月04日

「組織社会化」のレビュー論文 和訳


「組織社会化」のレビュー論文のPDF 2つです。


2010年夏学期の中原ゼミで、和訳を担当しました。

ご参考までにシェアします。


Organizational Socialization: Making Sense of the Past and
 Present as a Prologue for the Future

「組織社会化:過去と現在を、未来への序章へ」

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Newcomer Adjustment During Organizational Socialization:
 A Meta-Analytic Review of Antecedents, Outcomes, and Methods

「組織社会化中の新人適応:先行要因、結果、方法のメタ分析レビュー」

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