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2011年05月08日

「働くことと学ぶこと−能力開発と人材活用」

働くことと学ぶこと−能力開発と人材活用

佐藤博樹 編著 ミネルヴァ書房 2010

○企業内教育の定量的調査。示唆に富む知見が多い。

(・引用/要約 ○関根の独り言)


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●はじめに

・企業の存続や従業員の雇用機会の確保にとってきわめて重要な能力開発
 であるにも関わらず、企業による能力開発機会の提供や従業員による
 能力開発機会の受講の現状、さらには従業員自身による自己啓発への
 取組などに関して、総合的に把握できる調査が存在しない。

・本書で分析に利用する「働き方と学び方に関する調査」(経産省の委託調査)
 は、過去から調査時点での能力開発投資を把握できるものとなっている。

・マイクロデータ(個票データ)は、東京大学 SSJデータアーカイブにて公開


●第1章 働くことと学ぶこと 能力開発の現状と課題

・代表的な調査として厚生労働省の「民間教育訓練実態調査」(1998年まで)
 と「能力開発基本調査」(2000年度以降)がある

・従業員の能力開発機会では、Off-JTや計画的OJTだけでなく、職場で日常の 
 業務の中で実施されるOJTの比重が大きい。

 しかしこのOJTの実施状況は、企業あるいは事業所調査では正確に把握する
 ことが難しい。

 OJTの実施状況やその効果などは、OJTの担い手である職場の管理職やOJTの
 受け手である従業員自身に対する調査を実施して把握することが必要である。

・能力開発の現状を正確に把握するためには個人調査が不可欠

【調査内容】

・「働き方と学び方に関する調査」は、全国の市区町村に居住する満25歳以上
 から54歳以下の男女個人5000人を対象として実施された。

 調査期間は、2005年1月8日から2月末である。回収数は3002人で回収率は60.0%。

【能力開発の現状】

・キャリアの初期段階である若年者において、勤務先から教育訓練投資を受ける
 機会が少ないことは、将来のキャリア形成にマイナスの影響を及ぼす可能性が
 示唆される。

・職場内におけるOJTは、キャリアの初期段階の導入教育レベルにおいては
 計画的OJTとして、企業としてその実施方法を定めていたり、OJTマニュアルを
 整備したりしている場合もある。

 しかし、初期キャリア以降に関しては、企業として制度化されていないことが
 多く、OJTは職場の管理職による部下育成のあり方に依存することが大きく、
 その実施状況を正確に把握することは難しい。

○初期段階のOJTは、「フォーマルなOJT」(小池)の存在は把握しやすい。
 しかし実際に何が行われているのか「インフォーマルなOJT」については、
 やはり把握しにくいのでは。


・今回の調査では、OJTの実施状況を把握する為に、次の3つの設問を用意。

 1)勤務先の職場に先輩が後輩を指導する雰囲気があるかどうか
   「教え合う職場環境」
 2)上司や同僚などが能力向上を考えたアドバイスと(を?)してくれ
   かつそれが有効であるかどうか
   「上司などによる部下育成環境」
 3)仕事上の目標となる上司や先輩がいるかどうか
   「キャリア目標の存在」

・上司や同僚からアドバイスを受けることができた者では、正社員、非正社員
 および男女を問わず、そのことが能力向上に貢献するものであったと肯定的に
 評価されている。

・非正社員として雇用されても、勤務先や職場のあり方によっては、充実した
 能力開発機会を得ることが可能となる

・自己啓発への取り組みを支援する為の環境整備として、正社員に関しては、
 自己啓発時間を確保することが重要であり、女性に関しては自己啓発に資する
 情報提供を充実することが有効といえよう。

・最初の3年間における職場内OJTの状況を把握するために、現職での分析に
 利用した3つの設問に加えて、最初の3年間において「見習い」として
 扱われた期間の有無とその長さを調べている。

・「教える機会というOJT」に関しては正社員と非正社員の格差が確認できる。

・女性にとって、自己啓発という能力開発手段が生産性の向上をもたらし、
 失業の抑制ならびに賃金や収入の上昇に反映される(ことが明らかになった)

・学卒後最初の3年間に、新規学卒社員や他の部署から移動してきた正社員、
 および正社員以外の職場の人に対して、指導やアドバイスをするという
 役割を担った経験は、就業を継続させる効果がある。

○2〜3年目社員が、新人の指導員となる意義のひとつになるなー。


●第2章 「最初の3年」は何故大切なのか

・若者が3年以内で会社を辞める傾向は、必ずしも最近になって急速に
 強まったわけではない。

・最初の就職から3年以上を超過した2,951名の回答者に着目して分析

・全体の80.3%は、最初の3年に、上司、同僚、仕事上の仲間による指導や
 アドバイスを受けた経験があると答えている

・学歴が高くなるほど、最初の3年のうちにやり遂げた感覚を経験的に
 持っている場合が多い。

・中卒や高卒の場合、高学歴者に比べて、中小企業に就業することが多いこと
 から、それだけ多様な業務の経験が多くなっているのかもしれない。

・高学歴ほど適職経験をもっている割合は高くなっている。

・最初の3年間に適職経験を有しているか否かは、その後の職業人生に
 大きな影響を及ぼすことになる。

・現在の就業の有無に強い影響を与えているのは、最初の3年間に仕事は自分に
 向いているという適職に遭遇した感覚の経験である。

・学卒後三年間に一つの会社で一つの仕事を続けていた人ほど、給与は有意に
 高くなっている。

 最初の3年間に他部署からの異動の正社員に指導やアドバイス経験を持つ人ほど
 現在高収入を得ている。

 指導をするだけの高い能力を保有していることを示唆する他、他の正社員に
 教えるという行為自体が本人の職業訓練の機会になっていることを意味して
 いるのかもしれない。

・仕事が自分に向いているといった経験をもつ人は、そうでない人に比べて
 あらゆる面で野力の自己評価は有意に高くなっている。

 最初の3年間における能力開発、人材育成のあり方としては、仕事が自分に
 向いているという感覚を持たせて仕事にやりがいを見出させることが、
 能力の自己評価を高めることにつながっている。

・最初の3年間に一つの仕事しかしてこなかった人は、自分のトラブル対処
 能力に自信が持ちにくい結果となっている。

 部下の育成能力も一つの仕事しか経験しなかった人ほど、自信をもちにくい
 ものとなっている。

 総じて、最初の3年のあいだに複数の仕事を経験することは、自己の能力に
 対する自信につながりやすいように思われる。

・他者への指導体験も、自己の能力評価を高めることにつながっている。特に
 新規学卒社員や正社員以外に指導やアドバイスをすることは能力の自己評価
 を向上させることが多いようである。

・働く前に適職について思い悩むよりも、働きながら「この仕事は自分に
 向いている」と3年の間に感じることが、その後の就業をより望ましいものに
 すると言えそうである。

・大学、院卒といった高学歴者ほど、適職に遭遇した体験を有意に持ちやすく
 なっている。

 向いている仕事に出会うということは、ある種の学習効果を意味するのかも
 しれない。

 業務上で求められる学習能力とは、学校でのより良い成績をあげるための
 学習遂行能力とも関連しているのかもしれない。


・最初の3年に個別の指導、相談体制が整備されている職場で必死に働く経験
 を積み重ね「この仕事は自分に向いているかもしれない」という感覚を得る。

 そんな最初の3年の適職体験や必死に就業した経験が総合しながら、所得や
 昇進確率を向上させ、更に自分の能力の自己評価を高めていくのだろう。


・「3年は辛抱しろ」「石の上にも3年」そんな良く知られた言葉を真に実行
 性のある効果的なものにするためのポイントは、3年の間に適職体験を
 積ませることにある。

・適職感覚経験は、個別に指導する体制が整っている職場に「必死になって」
 働き続けることを通じて獲得しやすくなっている。

○このあたりの情報は「指導員研修」でも参加者と共有しよう。


●第3章 集中的な仕事への取り組みとその能力開発効果
      −「必死で働くこと」と能力開発

・学歴が高いほど、最初の3年で必死に働いている人の割合が高い。

・「必死で働いたこと」は仕事や職場への満足度を高めている。

・最初の3年間の職場環境
 1)孤独就業型職場:誰からのフォローもなく、相談する環境もない
 2)仲間協調型職場:上司や同僚と連携し仲間と仕事を進める状況
 3)個別相談型職場:上司や同僚と一対一で相談などのコミュニケーションが 

            豊富にある状態

・個別相談型職場が、働くうえでの自信、自己能力評価、所得、昇進に及ぼす
 影響が大きいと言える。

・「相談」「必死」を経験した人材は、生産性が高く、企業に収益をもたらす
 存在であるともいえる。

・職場環境、個人属性に関わらず「必死で働いたこと」のある人がいることを
 考慮すると「相談」となる環境構築が、企業にとって有用な人材の育成の
 ために必要であると考えられる。

○指導員制度があることによって、新人が相談しやすくなることの意義。


●第4章 能力開発の就業率・収入への効果

・Off-JTならびに自己啓発という記憶に残りやすいものに焦点を絞ることに
よって、ある程度の精度で回顧情報を得ることを試みる。

・初職以降の訓練の状況が、調査時点の就業率ならびに年収に与える影響を
 回帰分析の手法を用いてより詳細に検証する

・女性の場合は、初職が中小企業であったことが、男性の場合は、官公庁で
 あったことが、その後の失業確率を押し下げる効果が大きい。

・女性の場合、自己啓発という能力開発手段が生産性の向上をもたらす。

・Off-JTは収入の向上にはまったく有意な影響を与えていなかった


●第5章 女性の就業継続と職場環境−学卒後3年間の仕事経験

・本データは、学卒後最初の3年間の仕事上の経験や職場環境についての
 情報が豊富である。

・女性の場合、離職確率は初職についてから4〜5年目に最も高くなり、
 それまでに半分近い人が初職を離職していることが分かる

 男性の初職離職率のピークは働き始めてから3〜4年目に生じるが、
 勤続10年目においても、まだ半数近い人が同一勤務先に勤め続けている。

・初職でサービス的職業に就いたもの程、ハザード率(初職の退職確率)が高い

・最初の3年間に仕事上目標となる人物、すなわち目指すべきロールモデルの
 いることが、初職での就業継続を促進することを示している

・男女ともに継続就業を促進する職場環境として、学卒後最初の3年間に、
 職場の人に対して指導やアドバイスをするとう役割を担った経験がある。

 このような役割を任されることが、仕事についてじっくりと考え、仕事を
 行う上での工夫、仕事の意義などを考える契機となり、仕事に対する興味が
 深まり、就業継続のインセンティブが高まるのかもしれない。

・最初の3年間の職場でOff-JTを受けたり、その職場に将来のキャリアについて
 相談できる機会がある、互いに助け合う雰囲気がある、あるいは同業他社に
 比べて積極的な職場ほど、男性については定着が促進んされるのに対して、
 女性にはそのような効果が見られなかった。


●第6章 「初職非正社員」は不利なのか
      −「最初の3年」の能力開発機会とその後のキャリア

・初職で非正社員で働くことは能力開発やキャリア形成上ほんとうに不利なのか
 不利ならば脱出できるのか

・初職が非正社員であっても、能力開発機会に恵まれれば、最初の3年間に
 仕事上の成長経験を得ることができることが明らかになった

・最初3年間の職場環境を表す変数。

 社員数が恒常的に不足している職場、いつも納期に追われている職場では、
 OJTの実施比率が有意に低い。

 同僚や部下に対する指導やアドバイスは、社員数が十分に確保されていないと
 行われにくいようである。

・若手社員の仕事や生活についての相談相手を決めている職場、将来の仕事に
 ついて相談できる機会がある職場では、有意にOJT、Off-JTの実施比率が高い

○最初3年間の職場環境、OJTの実施比率 


・社員数の不足はマイナスの、連携しながら行う仕事が多いこと、相談体制を
 整備することはプラスの影響をもつ。

 特に若手の仕事、生活の相談相手を決めていることはその影響力が大きい。

・初職が非正社員であると、OJTの機会はそん色ないが、Off−JTの受講の面で
 不利な状況におかれ、結果的に最初3年間の能力開発の充実度は、正社員より
 も低くなる。

・初職が非正社員であれば、最初3年間に一つの会社で働き続けることは、
 その後の正社員への移行に負の影響をもつ。一方初職が非正社員であっても
 能力開発の充実度が高いと、正社員への移行が促される

・能力開発の充実度の規定要因は、業種や規模よりもむしろ最初3年間の職場
 環境にあるようである。

・OJTは指導員を指名した計画的な指導のみならず、仕事の経験の積み重ねに
 よるものがあり、その全容を調査票調査から把握することは難しい。

 そこで、上司や同僚、仕事仲間からの指導やアドバイスが十分に行われて
 いれば、仕事の経験の積み重ねも含め、OJTが充実している場合が多いと考えた


●第7章 民間企業の能力開発

・企業による能力開発の水準が、なぜ注目すべき問題なのだろうか。それは
 日本の経済成長の源泉として、教育システムや企業における訓練投資に
 基づいた労働者の能力、つまり人的資本が重要な役割を果たしてきたと
 考えられるからである。

・OJTが賃金上昇効果をもつ(Kurosawa 2001)

 今期と一期前のOff-JTへの参加が、日本人女性の今期の賃金を上昇させる
 (Kawaguchi 2006)

・日本における企業内訓練についての研究成果は、ヒヤリング調査にもとづいた
 事例研究の分野において蓄積されており、計量分析に基づいた研究は緒に
 ついたばかりである。

・近年ほど、Off-JTの実施が大企業により偏っている傾向がうかがえる。

・社員数が恒常的に不足している企業においては、仕事上の指導やアドバイスが
 なされることが、統計的に有意に少なくなることが示された
 
 連携して仕事をすることが多い職場では、指導やアドバイスを与えられること
 が多くなることも示された

 相談が制度化されている勤め先では、仕事上の指導やアドバイスがなされて
 おり、これらが相互補完的な役割を果たしていることが示唆される

・先輩が後輩を指導する雰囲気のある企業は、Off-JTにも積極的である。

 相談に関する制度や「教える、教えられる」ことに関する職場の雰囲気が
 職業能力開発と相互補完的な関係にあると考えられる

○この辺は、原2007とも重なる結果。

・計画的OJTとは、計画的に職場で仕事をしながら教わる訓練をさす

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2011年05月04日

「デジタル教材の教育学」

「デジタル教材の教育学」2010年 山内祐平編 

○2011年夏学期授業「学習環境のデザイン」の教科書。
 歴史的経緯、背景理論、設計評価、事例が勉強になる。

(・引用/要約 ○関根の独り言)

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●序章 デジタル教材と教育学

・デジタル教材=教育目標の実現のためにデジタル化された学習素材と
         学習過程を管理する情報システムを統合したもの

・教材制作に必要な教育学的知識はほとんど流通していないのが現状である。

 その結果、過去に研究された問題点が指摘されているにも関わらず同じ
 失敗を繰り返したり、適切な評価方法を知らないために過剰な効果を
 主張する教材も見受けられる。

○これは耳に痛いなー。研修業界への厳しい言葉。


・教育工学で取り上げられてきたデジタル教材の3つの流れと背景にある原理
 1)CAI 1975-1985 スキナーの行動主義 
 2)マルチメディア教材 1985-1995 ピアジェの認知主義
 3)CSCL 1995-2005 ヴィゴツキーの社会構成主義

・デジタル教材の背景には「学習とはそもそもどのような行為であり、
 どうすれば支援できるのか」という思想が隠されている


●第1章 個人差に対応する CAI

・1920年代 S.S.プレッシー 「ティーチングマシン」の考案

・1950年代 B.F.スキナー オペラント条件づけによる「プログラム学習」の提唱

・CAIの原型 Socrates → Plato(教材作成を支援) Buggy 

・CAIの背後には、行動主義をベースとした学習理論がある
 行動主義では、客観的に観察可能な行動を重視した

・CAIの学習プログラムは、学習目標に向かい小刻みに累積することで、
 学習効果をあげようとする直線型プログラムであり、学習者の学習速度
 という個人差のみに応ずるものだった


●第2章 学びの文脈を作る マルチメディア教材

・マルチメディア教材=テキスト、音声、静止画、動画などの多様な表現形式  
           (マルチメディア)の情報を統合した形態をとる教材

・ハイパーメディアに収められた情報は無構造であり、利用者が各々の関心
 をもった情報を飛び回ることができる

 マルチメディアが「学習者の主体的な学習」を可能にするとは、このような
 特性に寄せられた期待でもあった

・「ミミ号の航海」映像ドラマ、対となる発展番組、関連ソフト、読本

・背景にある学習理論 

 1)多元的な情報からの学習 

  複数種類の情報が組み合わされることの学習効果 メイヤーの研究
  人が言葉だけからよりも、言葉と絵の組み合わせからの方がよく学べる

 2)能動的な学習
  
  人間は基本的に能動的であるという人間観
  スイスの発達心理学者ピアジェの「構成主義」Constructivism 認知革命

○2010年夏合宿で、ピアジェを担当してよかった 
 まだまだ理解不足だから、もっと勉強しないと。


●第3章 議論の中で学ぶ CSCL

・協調学習=複数の学習者がグループになって、一つの問題を調査したり、
      議論したりしながら学習する形態

・協調学習の実践に、CSCLを取り入れるメリット
 
 1)コンピューターを使った議論や共同作業を通じて、自分の考えを頭の外に
   表現する外化を促進できる点

 2)ネットワークが学習者共同体を形成する基盤となる点

・事例 CSILE/Knowledge Forum  WISE LeTUS

・協調学習は、学習科学と呼ばれる最近勃興した学問領域の中で
 集中的に扱われている

・1990年代以降 「社会構成主義」「状況論的学習論」

 行動主義や構成主義:学習=個人の内的な変化
 社会構成主義: 学習=社会的関係の変化

・「社会構成主義」「状況論的学習論」に基づく、CSCLのデザイン原則
 1)真正性 2)リフレクション 3)足場かけ


●第4章 第2言語習得での活用 CALL

・第2言語教育アプローチ
 1)1940~50年代 構造的 母語と第2言語との構造の違いに着目
 2)1980年代 認知的 気づきを強調 
 3)1990年代 社会認知的 相互作用 ヴィゴツキーの発達の最近接領域

○背景理論 パラダイムの変化 

 内観(中)→行動(外)→認知(中)→社会(外)→ ?(中?)


●第5章 企業内教育での活用 eラーニング

・2000年を過ぎた頃から「eラーニング」ブームが始まる

・eラーニングの時代となり、これまで理論に関心の低かった企業内教育関係者
 がコンテンツ開発の拠り所としてIDの手法を取り入れ、学習を科学的に捉え
 直す動きが出始めている

・産能大学では、紙と郵便ではなく、パソコンとネットを用いてこそ出来ること
 は何かを問い続け、Arrange、Achieve、Assistの特徴をもつeラーニングを開発

・GBS理論(Goal Based Scenario)Schankら に基づくTara-Reba eラーニング

・企業内教育業界全体でも、eラーニングの普及を疑問視する声が多い
 今までは公式の学習機会(集合研修)の代替手段としてeラーニングを
 捉えてきた

・eラーニングの可能性の全てを引き出せてはいない


●第6章 学びと遊びの融合 シリアスゲーム

・ヴィゴツキーは、幼児のごっこ遊びに着目して、子どもたちは遊びを通して
 現実の事象を抽象的に捉える認知的スキルを身につけ、社会的な役割や
 振る舞いを学んでいると考察。

○長女(8歳)、次女(5歳)も「お母さんごっこ」遊びをよくしている。
 次女は4歳ぐらいから姉とケンカしたときに、言葉で言い返すことができる
 ようになってきた。その頃ぐらいからごっこ遊びが増えてきた気がする

・ゲームが想起させる不真面目さを避けるために、シミュレーションという
 名称があえて使われることも珍しくない。

・シリアスゲーム=教育や社会における問題解決のためにデジタルゲームを
          開発、利用する取組みをまとめた概念

・シリアスゲームの開発では、ゲームを利用する側の学習だけでなく、開発する
 側の学習にも着目しており、ゲームの開発とゲーム開発者人材の育成を
 組み合わせた取組も良く見られる

・ゲームの「コミュニケーションメディア」としての側面


●第7章 デジタル教材を設計する 

・教材開発はもとより、教育システム全般の開発に広く利用され、成果を
 あげているインストラクショナルデザインの考え方

・IDのプロセスの中で最も基本的なものは、ADDIEモデルに従うものである

・プロセスを進行させることによって「よい教育活動」が生み出されるだけでなく
 プロセス自体もより洗練されたものになっていく所が、IDの考え方の魅力

・デジタル教材を開発するにあたって、最初にすべきことは、学習者の現状と
 学習目標を明らかにすることである。つまりどんな状態の学習者(入口)に
 どんなことができるようになってもらいたいのか(出口)を決定する

・学習課題の3分類 認知、運動、情意領域

・どのように教えるかについて利用できる概念がガニェの9教育事象である

 【導入】1.学習者の注意を喚起する 
     2.授業の目標を知らせる
     3.前提条件を思い出させる
 【展開】4.新しい事項を提示する
     5.学習の指針を与える
     6.練習の機会を作る
     7.フィードバックを与える
 【まとめ】8.学習の成果を評価する
      9.保持と転移を高める

○これに対して、Engestromは「内的要因」として、教育事象の結果、
 参加者に何が起こるのかを重視せよと主張したのかも。

・動機づけ理論の中では、KellerによるARCSモデルが良く利用される

・教材だけで全ての知識を身につけられるわけではない。現実場面での問題解決の
 方法は同僚や先輩とのコミュニケーションがなければ身につけるのは難しい

 こうした教材作成者にとって難しい現実と折り合いをつけるのに役立つ概念と
 して「実践共同体」がある

・実践共同体の3要素 
  領域(Domain)コミュニティ(Community) 実践(Practice)


●第8章 デジタル教材を評価する

・新しく開発した教材が本当に現状を改善するものであったのか、それまでに
 なしえなかった新しい教育や学習を可能にしたのかを検証する重要性

・教育評価においては大きく「形成的 formative」と「総括的 Summative」
 評価 Evaluationに分けられる

・教材開発における評価は、その教材が素晴らしいものであることを示すものと
 して重要なのではなく、よりよい教材を開発するための手段として重要

○これも耳が痛い。「研修」評価は、その研修をよりよくしていこうというより
 も「その研修が素晴らしいから受講してちょうだいよ」という側面が強いかも。

・学習成果を測定する方法としては、学力検査、テストがある

 テスト結果の数値化に対して合理的、客観的な基礎を与える理論がテスト理論
 であり、よく知られたものとして「項目反応理論Item Response Theory」がある

・テストの性能は、信頼性 reliability と妥当性 validity について検討される

・学習成果を測定するテスト以外の方法:質問紙法、観察法

・教材評価の手法として広く援用されているのが、実験心理学の研究手法である
 実験によって教材が学習効果をもたらしたという因果関係を推定する

・この内的妥当性を高めるための手法が、実験計画法であり、その基本は
 無作為配分にある

・現実的な制約との折り合いをつけるのが「準実験」である
 様々な工夫によって「ある程度」に確からしく因果関係を推定する方法

・教材評価は仮説検証型研究の枠組みの中で行うだけでなく、仮説生成型研究の
 立場からも行っていく必要がある

・デジタル教材の場合、教材使用履歴データを容易に記録することができる


●第9章 デジタル教材の開発1 「親子deサイエンス」

・学校は子供にとって数ある学習環境の一つ

○確かにそうだよなー。長女(小3)の1日を見ても、
 家庭、地域、学校、家庭 みたいな流れだもんなー。やっぱり家は大事。

 家事や仕事を手伝うこと、妹弟の面倒をみることも大事な学習。

・科学教育の成否を握る場として最も研究者に注目されているのが家庭

・親子deサイエンスは、参加者全員が集まるワークショップと家庭において
 各親子が個別に実施する家庭学習の2つの学習形態から構成されている

・自分の身の回りのことと関連付けて科学を学ぶことができる学習環境、
 科学とは自分を含めた人々の考えが関与するものとして科学を学ぶことが
 できる学習環境を家庭の内側に実現できた

○家で科学と接する機会をどう作っていくか?

 次女は虫を捕まえるのが好きだから、外遊びが生物の学習になるかも
 長女は畑仕事の手伝いとか、工作を通してかなー。

 なるべく色々な体験はさせてあげたい。外遊び、アウトドア系を通して。

 あとは「科学」的な考え方、ものの見方を身につける支援かな。
 これは俺自身が今学習している途中だけど。

・子どもと親の双方に対して教育支援を行うことを目指した

・真正な科学の活動とは表面的に類似しているが、理論や法則、理論体系とは
 無関係の活動を「ネオ科学」と呼び、日本にネオ科学の実験、観察が蔓延して
 いると警告を発している(小川1998)

・家庭教育における科学教育のKFSは親の知識や態度を過信せず、彼らが子どもの
 学習に積極的に関与することができるよう「リソース」や「機会」を提供する
 ことが重要

○このプロジェクトがあったら参加したいなー。


●第10章 デジタル教材の開発2 「なりきりEnglish!」

・「なりきりEnglish!」では、学習者が日々直面する仕事を英語使用文脈として
 設定した教材を志向することにした

・第2言語不安:不安によって第2言語の使用や学習が阻害される


●終章 デジタル教材と学びの未来

・今後も社会構成主義が支配的学習観でありつづけるかは分からない

・近い内に第4の学習観が登場する可能性があると考えている。

 学習と創発を連続したものと捉え、新しい課題を発見し、解決の方法を
 編み出すことを学習と考える学習観である。

○キーワードになりそうなのは、拡張的学習、ワークショップ かなー。

・学習観の転換がデジタル教材の流れに影響を与えている

・デジタル教材の設計において最も困難な点は、対面型の授業とちがって
 学習者が見えないことである。

・人の一生の大半は、正規の教育によらない自発的な学習である

・学習者の間違いの多様さに感嘆する


・ネットで大量の情報が流通するようになっても、それが学びを通じた人間の
 成長につながっていないのではないか、その問題意識がこの企画の出発点

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2011年05月02日

「変革を生む研修のデザイン」

「変革を生む研修のデザイン」2010(Training for Change 1994)

  −仕事を教える人への活動理論−  Y.エンゲストローム

○研修講師にかつを入れてくれる本。
 参加者の内的要因(心的活動の変化)に着目。

(・引用 ○関根の独り言)

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●序論

・本書は、文化-歴史的活動理論に基づいて、職場学習(教育)と
 組織学習(経営)の2つの分野の分断を乗り越え越境することを目的とする

・本書の中心的メッセージは、学習と教授は仕事のような他の生産的活動における
 変革と結びつき、そうした変革をめざすということにある

・実りある職場学習が、真剣な理論化や目標志向の指導をなんら経ることなく、
 日常的な仕事の経験からスムーズに生まれると想定するような「経験学習」や
 「アクションラーニング」に対しては異議を唱える

・本書が提案するのは、拡張的学習という一般的な枠組みに基づいた
 探求的学習、教授についてのプロセス理論である

・学習と教授の理論についての最も重要な基準は、その実践的インパクトにある。

○「よい理論ほど実践的 K.レビン」ということかな


・本書は、1992-93年にわたってアフリカで実施された「研修担当者の研修」から
 得られた経験などに基づいて編まれたまったく新しい書物である。

○俺も研修を実施させてもらっているという貴重な経験を、
 研究に上手に活かしていくべ。


・教授(インストラクション)の質は、一風変わった芸当や技術的方法に頼って
 高めることなどできない。
 必要とされるのは学習や教授への理論的な洞察である。

○これは耳が痛いよなー。この問題意識があったからこそ
 大学院に入ったわけだけど。


・学習とは、有意味な構成であり、実践コミュニティへの参加であり、
 所与のものへの批判であり、革新と創造でもある。

・研修や教授は学習を狙いとしている。学習を理解することなしに、教授をうまく
 進めるためのしっかりとした土台は作れない


●第1章 教育・教授・職業研修

・特定の技能や能力の獲得を目的とした教育は、研修と呼ばれる。

・教育には2つの種類がある
 1)仕事の文脈の中でなされる教育 2)体系的な教授(インストラクション)

・成人の職業研修の特徴

 −研修や教授の仕事に関わる人々のうち、教育科学や行動科学を学んだことの
  ある人はごく限られている

・指導の外的要因と内的要因 p13

  外的要因(生徒の観察可能な行動や状況を統制する手段)
  内的要因(生徒の心的活動を導く手段)

・充実した、そして応用可能な学習を成し遂げるには、
 重心を外的要因から内的要因に移すべきである。

○これが、本書のポイント! 確かに講師は外的要因に目が行きがち。
 自分も含めて。


●第2章 よい学習とは何か

・学習を3つの部門(知識、技能、態度)に分けるというよくあるやり方は、 
 こうした誤概念を強化している。

・生産的学習では、知識、技能、態度は、緊密に一体となって溶け合っている

・学習とは世界像の構成 解釈と構成を通して有意味学習が生じる

・学習の基礎は内化、すなわち物質的行為を心的行為に変換すること

・学習者 道具 対象 

○三角形!


・第一次学習:報酬と罰による条件づけと模倣
 第二次学習:ヒドゥンカリキュラム、試行錯誤、探求的学習
 第三次学習:拡張的学習

・いったん表層志向の学習方略が採用されると、深層志向の方略へと
 切り替えるのが非常に難しくなる

・探求的学習の4条件
 1)学習の動機づけ 2)内容の適切な組織化 3)学習プロセスの進行 
 4)社会的相互作用と協働

・動機づけの3タイプ
 1)状況的 外的要因によって一時的にひきつける
 2)道具的 報酬を受ける、罰を避ける
 3)実質的 使用価値を感じた時

・「実り多く楽しい授業」は研修期間の始まりかその前に生徒たちの要望を
 聞き取ることを提案する。教師は、生徒の興味をひかない目標は放棄しながら
 自らの目標とコンフリクトを生じない生徒たちの要望を選ぶ。

 このような考え方は、学習に対するコンフリクトの重要性についての
 誤解を含んでいる。

○これは気をつけないとなー。参加者の要望は聞きつつも、研修の目的、
 目標の遂行によるコンフリクトは恐れない。
 参加者と良い関係を築きながらも迎合はしない。

 「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」の精神かな。

 ただ、講師初心者の場合、聞き出しそのものをしない場合が多いから、
 そこは気をつけないと。


・実質的な動機づけを作り出すために、生徒ができると思っていることと、
 現実場面での技能との間の矛盾に基づく認知的コンフリクトを作り出す。

○「失敗させる」「できないことに気付かせる」それによって学習意欲を高める。

 LWの研修だと、どこでできるか。現状は、指導員研修の最後「叱り方」で
 難しさに気づく参加者が多い。しかしあのパートを前に持ってくることは
 ちょっと考えにくい。少し検討してみよう。

・動機づけのために、コンフリクトを使う目的は生徒に自分の実践と主題事項の
 双方にとって中心的な問題を熟考させることである

・生徒の中に実質的な動機づけを呼び覚ますために、講師は慎重な知的、実践的
 な努力を要する高度な要求と挑戦を、生徒に対して設定しなければならない

 教授は学習の前を進み、学習者を新しく未知なる領域へと導くものでなければ
 ならない。このことは緊張関係が不可避的に生じるということを意味している。

 講師は少なくともその領域のある側面やある部分については、学習者よりも
 よく知っている。この緊張関係を回避せず、意識的に利用しなければならない。

○ここも耳が痛い。数年前のある会社様での研修の失敗は、
 ここに起因しているんだろう。
 
 「この分野に関するエキスパート」という自信をもてていなかった。
 それが参加者にも伝わった。

・学習の6つのステップ

 完全な学習とは、質の高い知識につながる学習、とりわけ主題事項および新しい
 状況でそれを柔軟に応用する能力を自立的に習得することにつながる学習

・(方向づけにより)生徒は課題解決のための「レンズ」を独力で作り出す。

○ここは、ビッと来た言葉。参加者が「レンズ」を作り出す。

・学習者が問題に対する解決策をあれこれ考えて、発話、図表、計画、
 スケッチ、具体的行為などの助けを借りて、自分の説明モデルを再構成
 するときに外化が生じる。

○この辺は特に「指導員フォロー研修」と関わってくるな。


・主に学習を一人の個人という観点から扱いがちだが、学習は常に
 社会的出来事の連鎖である。

・学習は直接、間接に実践コミュニティの中で行われる

・徒弟制の問題の多くは、親方に関わるものである。

・自分の組織から離れて研修することは、学習の強く豊かな源泉とリソース、
 これは徒弟制の強みである、を排除することになるのだ。
 これがパラドックス。

・探求的学習のコミュニティは、職場でも研修でも共に成り立ちうる

・探求的学習では、コミュニティは教室に限定されない。
 普通は、体系的な研修を提供する機関と職場でのチームを結び付ける
 学習のネットワークという形態をとる。

●第3章 よい教授とは何か

・学習は、生徒の活動であり、教授は教師の活動である。指導(ティーチング)
 すなわち教授プロセスの目的は、この2つの活動を出来る限りかみ合わせる
 ことである

・講師には最近接発達領域や構成領域を作り出す責任がある

・研修のセッションは、教授の原理が検討されていないために内部で
 首尾一貫していないことが多い。各講師が自分の好みや勘にしたがって
 授業を行っている。

○これは確かにそうかもなー。


●第4章 教授の認知的目標の設定

・教授の内的要因にもとづく目標がもたらすものは、特に生徒が意識して真剣に
 学習するのを助けようとする試みである。

・教授目標

 外的要因:観察可能な望ましいパフォーマンス(行動目標)
 内的要因:習得すべき内容、またはパフォーマンスの方向づけのベース
      (認知的目標)

・行動目標は十分ではない

・外的なパフォーマンスの構築される基盤になる原理や構成概念の理解を、
 目標として実質的に記述することが重要

 認知的目標は、変化する状況における適切なパフォーマンスを生成し
 モニターするためのツールとなるモデルを描きだす

・認知的目標を設定するということは、生徒にどんな種類のモデルを身につけ
 てほしいのかを知るために主題事項の核心を明らかにすることだと言える

・前提として必要なことは、講師自身がそのような原理を取り出しそこから
 教授のベースとなる説明モデルを構築することができるということだ。

 原理を発見する為に、講師は自分の教える主題の源泉を
 たどらなければならない。

○研修において、参加者に理解してほしい原理は何か。
 例えば、「新人を育成する」という主題における核心、源泉は何か。

・方向づけのベースは様々な方法で提示できる。単純化されたアウトライン
 やテクストつきのモデル図が、多くの場合、最も効率的である。
 本書では図1、図8。

○参加者の概念理解を助ける方向づけのベース「シンプルなモデル図」は何か

・方向づけのベースの5つのタイプ
 1)例示 2)先行オーガナイザー 3)アルゴリズム 4)システムモデル
 5)胚細胞(Germ model) 

・複雑なシステムの裏側にあるシンプルで基本的な原理(胚細胞モデル)を
 発見することで、複雑なシステムも理解できるようになる

・方向づけのベースを定式化するには、まず求めるパフォーマンスを
 定式化しなければならない

・講師は、生徒を探検家にしてやらなければならない。方向づけのベースは、
 生徒を探検家にするうえで優れたツールである。


●第5章 教授内容の選択と編成

・自分の仕事の分野を本質的に習得することなくしては、誰も真に創造的な
 リーダーにはなりえないと言ってよい。

○創造性に関する考え方や技術を、研修で学んだだけでは創造的になれない
 創造性を発揮したい分野のコンテンツの深い理解があって
 初めて創造性を発揮できる

・創造性、批判的思考、コミュニケーション、リーダーシップスキルなどの
 コースプログラム

 これらに特有なのは、方法と雰囲気を、コースの決定的な基準と
 みなしていることだ。

 創造的であることを学ぶには、人は触発され、開放的なムードの中に
 いなければならない。

○「ワークショップ」だけでは、創造的にはなれない。

・概念と本質的なアイデアが、思考と行動のツールになるということを
 軽視している。


・真の理論の本質的特徴は、実質的な事柄や活動を習得するのに
 役立つという点にある

・成人の職業教育で最もよく見られる問題は、研修が無数のバラバラな
 セッションやコースに断片化していて、相互に関連した意味ある全体と
 してみることが難しいということである。

○これは確かにそうだなー。全体のつながり。


●第6章 教授方法

・教授の最も本質的な側面は、内的側面、その時々にに達成されつつある
 心的活動である

・講義を教授の中心にとどめながら、講義の過重負荷や講義による生徒の受動化を
 軽減し相殺するよう、ディスカッションやグループワーク、演習を講義の周辺に
 配置するといった形をとりやすい

○これはあるなー。

・よく計画された講義は、聞き手の側に集中した多様な心的活動を呼び起こすもの

○確かにそうだなー。色々発想を広げさせられる講義もある。
 ただ、講師側の要因ももちろんあるけど、聞き手側の要因もあるかも。
 
 聞き手が抱えている問題や、ずっと考え続けてきたテーマが
 講義によって刺激を受けるとか。

 でも、それを刺激するのも、講師側の「計画された講義」によって
 可能なのかな。参加者の「実質的な動機づけ」を行ない、方向づけの
 ベースを作ることで。

・学習は、学習者にとって意味のあるひとつながりの課題をめぐって
 構築されなければならない。

・課題は、現実の仕事の場面、つまり真の実践コミュニティの中で
 見出されるべきである

・賢明な講師であれば、生徒課題バンクを作り、それによって課題の記述、
 課題を行う際の指示、評価基準、解答例などを継続的に使用、改善できる
 よう蓄えていく

○これはいいなー。

・指導の目的は、質の高い学習(生産的な探求学習)を達成することである。

・講師は、生徒の学習プロセスの観点から見た指導の各段階の機能に気づくべき。

 9ステップ 
 1)準備 2)動機づけ 3)方向づけ 4)新しい知識の伝達と精緻化
 5)体系化 6)実践化 7)応用 8)批評 9)評価と統制


●第7章 教授計画

・(教授計画の多くは)教授の外的要因に限定されている

・指導の内的要因から始まる指導計画が必要

・カリキュラムの目的は、教授−学習プロセスを導きモニターすることにある


●第8章 指導技術

・指導技術(ティーチングスキル)の外的要因には、
 1)プレゼンテーションスキル 2)対人関係スキル
 3)組織化スキル 4)視聴覚メディアや情報テクノロジーに関する能力

○一般的な講師向け研修で協調するのは、確かに外的要因だなー。


・熟練した指導の内的規準

 良い教師は「なぜ」を問う 

 1)教師はテーマ単位に対して、どのくらい優れた方向づけのベースを
   作り出すことができるのか

 2)あるトピックについて、一連の教授的手立てをどのくらい上手く
   デザインできるか

 3)生徒に対して色々と要求はするが敬意をもった関係を築けるか


●第9章 結論

・指導の黄金律 7つ


●解説

・拡張的学習と探求的学習はどのような関係にあるのであろうか

・拡張的学習が、発達的ワークリサーチによって支援されるように
 探求的学習は、「一連の教授的手立て」によって支援される


・中原(2006)によれば、職業研修や人材育成には、
 大きく2つのデザイン論がある
 「インストラクショナルデザイン」と「学習環境のデザイン」

・エンゲストロームにとって「中立的な教師など存在しない」

○教師、講師ではなく、「ファシリテーター」という立ち位置だと、
 「中立的」になろうとするかも。 


・いま自分の行っている指導がどのような教授機能を果たしているのか
 (探求的学習のプロセスのどこを実現しようとしているのか)、生徒は
 どんな方向づけのベースを 用いているのかを意識することだろう

・学習のプロセス理論は、疑問の余地のないルールとしてではなく、
 作業仮説として利用されるべきである。

○こう言ってもらえると気楽だな。色々なやり方を試してみよう。

 それが講師にとっても第二次学習 探求的学習になるのかも。

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