2011年9月26日(月)~28日(水)東京大学大学院 中原研究室、山内研究室 
 合同合宿 @ 軽井沢 に行ってきました。
 自宅から軽井沢までは車で2時間もあればつくので、
 場所的にはありがたかったです。
 夏合宿の参加は、2回目。今回も「理論」を学ぶということで、各自がペアで
 教育学者や心理学者について勉強し、ポスター発表をします。
 http://twitter.com/#!/tkanai1954/status/118125659565473792
 http://twitter.com/#!/tatthiy/status/117489881013432320
 私と博士課程先輩のSさんで「A.バンデューラ」を担当しました。
 8月上旬から本を読み始め、9月中旬からは英語文献に集中してあたり、
 バンデューラについて知ろうと努めました。
 バンデューラの「社会的学習理論」は新入社員が職場で先輩達から学ぶ
 「観察学習」という点で、自分の研究とも関連があり、非常に勉強になりました。
 合宿前の三連休でなんとかA1ポスターを仕上げ、発表に挑みます。
 
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 ●9月26日(月)1日目
 13時に集合、簡単な自己紹介の後、早速ポスター発表が始まります。
 発表25分、質疑応答10分 1ペアの発表を全員で聞くという
 昨年とは違うスタイルです。
 【J.ピアジェ】
 ・発生的認識論という大きな枠組みを確立しようとした
 ・構造主義と構成主義(中村 2006 構成主義の歴史)
   http://twitter.com/#!/nakaharajun/status/118195951256092672
 ・ピアジェ批判の一つ 実験の仕方が荒い → ネオピアジェ~
 ・人間の生物的発達を強調 文化/社会の影響は
 ・他研究者への影響 自己中心性(環境への働きかけ)相互作用 頭の中の何か
  
 「ピアジェ理論における道徳性発達の論理」
  http://twitter.com/#!/yuuhey/status/118198872219721728
 「ピアジェを読みなおす創造性を巡って」
  http://twitter.com/#!/YukiAnzai/status/118201196698812416
 【S.パパート】
 ・ピアジェの構成主義(Constructivism)を基に、構成主義(Constructionism)を提案
 ・LOGOというプログラミング言語を開発
 ・具体的ツールを用いて、子どもの形式的操作を支援 
 ・素材が重要 豊富にあるような文化 
 ・LOGOを使って、一般的な論理構成能力 Planning Abilityを高めることができると主張
 ○子どもにとっては具体的操作期も一定期間必要では 
 【G.ベイトソン】
 ・M.ミードと結婚 人類学
 ・ダブルバインド理論 逃げられない関係(核家族)に問題が起こりやすい 
 おじ、おば的ひとの重要性
 ・学習I,II,III  学習IVは進化のレベル(言語の発明)
 ・学習IIIは危険 ○このあたりが良く分からない 
 ・学際的研究の参考になる
 【J.デューイ】
 ・「真実の教育は経験を通して生じる」
 ・デューイの考えは、大学での実践の方が相性がよいのかも
 ・学びが起こった、成長したというのをどう測るのか? 
   →数値化して評価するという素地が時代的になかった
 ・学校は社会から離れているもの 社会と接続することでの問題点もある
  (○今の社会に接続しても、長続きしない?)
 ・デューイは、中国に滞在している
 ・「ゆとり教育」を多くの20代はネガティブなものと捉えている
 【K.ソーヤー】
 ・Creativity(創造)とLearning(学習)をどう捉えているのか
 ・協調学習との違いは
 ・創発的体験を積むこと自体が創造性をはぐくむために重要
 ・教師の熟達化 レッスンプランがあって指導できるレベルと、即興ができるレベル
 @tatthiy さんによる1日目のまとめ http://togetter.com/li/193248
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 ●9月27日(火)2日目
 9時30分スタート まずは助教の藤本先生の研究紹介があり、
 その後はポスター発表の続きです。
 【藤本先生】
 ・シリアスゲームを日本に紹介
 ・慶応MCCの立ち上げにも参加
 ・ドラッカー「断絶の時代」「~正しい方法と道具が欠けている」
 【L.S.ヴィゴツキー】
 ・なぜ「学習」ではなく「発達」という言葉を使っているのか
  →20世紀初頭 「学習」という言葉が普及していなかった 
   「知能」という概念もなかった
    http://twitter.com/#!/nakaharajun/status/118498305914318849 
  →マルクスの影響 社会的な見方 学習は個人的、発達はより社会的側面も含む
 ・スキナー以降「学習」という言葉が使われ出したが、
  90年代「学び」と言われることが増えた
 「リーダーシップ」という言葉
  http://twitter.com/#!/nakaharajun/status/118503750875873280
 「組織社会化 Socialization」という言葉
  http://ngrams.googlelabs.com/ngrams/graph?content=socialization&year_start=1900&year_end=2000&corpus=0&smoothing=3
 【E.ウェンガー】
 ・フリーランサー あえて大学に属せず研究、コンサルティングを行う 
  独立在野の研究者 新しいモデルとなる可能性    
  http://twitter.com/#!/salily1214/status/118510497283833856
 ○正統的でない周辺参加というケースも多いのでは そういう共同体を分析する見方は
  (正社員と非正規社員 「いずれは管理職」という動機づけが働かない若手)
 ・肉やの事例 全体が見えない失敗例
 ・クレーム処理の女性「非参加」というアイデンティティー 
  全体像が見えない 組織が説明しない
 ・あえて全体像を見せないことで「非参加」という状態にもっていくこともある
 ・ウェンガーは合理性を求める 「若い人が挑戦しないのには、
  何か合理的な理由があるのでは」
 ・独立コンサルとして外部からの介入 コミュニティデザイン
 「実践共同体」http://beatiii.jp/beating/015.html
 「中原先生 昔話+α」
  http://twitter.com/#!/nakaharajun/status/118511041029226496  
  http://twitter.com/#!/nakaharajun/status/118511177134387200 
  http://twitter.com/#!/nakaharajun/status/118511213209600001
 「組織社会化論」「正統的周辺参加論」「実践共同体論」の類似点と相違点は?
  http://twitter.com/#!/nakaharajun/status/118511296466534400
 【M.セリグマン】
 ・学習性無力感 悲観主義とうつ病 
 ・「うつにならない人(成功する人)はどんな人?」との問いかけから
  「楽観性の研究」へ
 ・ポジティブ心理学 5歳の娘との会話「パパはいつも叱ってばっかり」
 【A.バンデューラ】
 ポスター
 「TVショッピングのよう」http://twitter.com/#!/kikkasuye/status/118595081107283969
 「発表 楽しそう」http://twitter.com/#!/salily1214/status/118595666372067328
 「ボボ人形実験」http://twitter.com/#!/shigejam/status/118598631048740864
 (コメント、質問)
 ・バンデューラの言う「Social Learning」に対して、最近ソーシャルメディアを使った
  「Social Learning」という言葉が出てきた(ASTD会長など)
 ・過大すぎたり、保守すぎたりしない「正しい自己効力感」を身につけるには何が必要か?
 ・ヴィゴツキーとの関係が知りたかった
 ・社会的認知理論はどのような研究から生まれたのか
  効力予期と結果予期は高めるべきか?その際のバランスは?
 ・自己効力感とパフォーマンスの高さはどのくらい関連しているだろうか
 【高橋先生】
 ・日本語教育
 ・研究できる教師
 ・研究の三種の神器:理論、方法論、対象
 夜は、飲み会。今回は、Sさんの依頼で「SPトランプ」をお試し実施。
 http://twitter.com/#!/masahiro_sekine/status/118788050523402240
 http://twitter.com/#!/satomo_/status/118716317837688833
 @tatthiy さんによる2日目のまとめ http://togetter.com/li/193339
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 ●9月28日(水)3日目
 最終日の午前中は、先生方による「研究者としてひとまわり大きくなった経験」
 のお話しです。
 ・「これをやって下さい」と言われたことをやってくれる人は伸びる
  やってくれない人に対しては、それ以上なにもできない
 ・三種の神器:理論、方法論、対象+仲間 4つのピースをそろえる
 ・自分を形容する1ワード 
 ・最短ルート 人の力を借りる(英語文献の輪読、共同作業)
 ・修士、博士論文は、どれだけ時間をかけるかで決まる
 ・3~40人のチームをまとめる 利害調整と成果配分がカギ
 ・研究テーマを決めた後、まずはコミュニティーを作ろうとした
  その上で教科書を作った
 ・自分の研究と外の社会との接続ができる 
  社会、実践につなげられる人が研究者として売れる
 ・ネガティブなフィードバック、嫌われるということは、
  方向性があっているということ
 ・研究する上で必要な力:好奇心、人に訊ける、コーディネート
 ・ネゴシエーション 相手の立場で考える 信頼できる実務担当者とのつながり
 ・学習者の内なる声を聞く
 ・人をよく見る かみ合わない人とは仕事をしない
 ・コアをもった上で、やらないことを決める
 ・研究の大事な時期に、濃い時間を作る
 ・人を助けてほしい 良い方向に人は変わりたい 
  まずは人を助ける それがキャリアに通じる
 ・世界地図をもってほしい 学者間の関係
 @tatthiy さんによる3日目のまとめ http://togetter.com/li/194159
 @tatthiy さんのブログ
 http://www.tate-lab.net/mt/2011/10/summer2011.html
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 合宿準備、運営に尽力下さったM1の皆さん、ありがとうございました。
 毎度のことですが、3日間、気持よく送り出してくれ、
 子どもたち3人の面倒を見てくれた奥さんに感謝します。
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