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2012年05月31日

雑誌語録 2012年3〜5月

雑誌に出てきた気になる言葉。

●到知 2012年3月号

・二宮尊徳の道徳経済合一論

 「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」

・「百人(ももたり)のわれにそしりの火はふるも
   ひとりの人の涙にぞ足る」 九条武子

・人間の生き方には、西洋の成功哲学に代表される
 「目標達成型」とは別に「天命追求型」がある。

 天命追求型では、自分の夢だけを叶えるfor meより、
 周囲に喜びや笑顔を与えるfor youの精神、つまり
 志が優先される。


●到知 2012年4月号

・お世話になりっぱなしで、後は忘れてしまうのです。
  受けた恩は石に刻めといいますが、恩を忘れては駄目です。

  (大村智 北里研究所名誉理事長)

・病というのは、ライフスタイルを見つめ直しなさいという
  神のお告げです。

 とにかく、いいと思ったことは即実行することです。

  (小野春子)

・坪田愛花「地球の秘密」

●Training and Development April 2012

・Trainerの3つの役割:

 Subject expert:仕事を熟知し、知識と技術を伝承できる人
 Instructor:研修プロセスを熟知し、学習者を特定の学習目標に
         到達できるよう指導技術を駆使できる人
 Facilitator:成人学習に関する幅広い知識を持ち、学習者が
         自ら学べるよう経験や活動を設定できる人

・4つ目の役割として期待されているのが、
  Curator:学習者にとって重要な情報を厳選して提供できる人
   
  (C. Shepherd ←Blended learning の専門家)


●DHBR 2012年5月

・幸福になるには小さな出来事の積み重ねが大切。

 人間は幸福感を作り出せる。どれほど状況が悪くても、
  光明を見出すのが得意。

 ほとんどの人は、自分が思っている以上に打たれ強い。

 心理学者は一世紀にわたって報酬と処罰について研究してきたが、
  その結果はこの上なく明瞭である。報酬の方が効くのである。

 (D.Gilbert)

・幸福を感じていると成功確率が高まる(幸福優位)

 幸福感を戦略的に向上させるには、周囲の人たちを助けること。

 (S.Achor)


●人事マネジメント 2012年5月

・きちんとした挨拶ができない人は傾向からみても気分で仕事をする
  人に多いですから、結局はムラのある仕事になりがちなんです。

 このムラが収益にとって曲者。

  (ベーシック 秋山社長)

・カバン持ち採用により定着率を高める。

  (ザメディアジョン 山近社長)


●日経ビジネス 2012.5.14

・ある大学のキャリアセンター担当者は「大学生が勉強しない理由の
  1つは、企業がそこを評価しないからだ」と話すが、その通り
  だと思う。学生の本文である「大学で何を学んだか」をもっと
  重視すべきだろう。

  (バンダイ取締役 元「就職ジャーナル」編集長 松永真理氏)

2012年05月30日

2012年夏「経営学習論」(2)経験学習

●2012年5月23日(水)14時50分〜16時20分

 Kolb, A. Y. & Kolb, D. A.(2009) Experiential learning theory : A Dinamic holistic approach to management learning, education and development. Armstrong, S. J. & Fukami, C. V.(eds) The SAGE handbook of management learning, education and development pp42-68 SAGE.

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・「経験」は、ニュートラルなイメージで語られている

 個体 ⇔ 環境(ヒト、ツール)フィードバックが返ってくる

 Interactionist J.Dewey J.Piaget

・Dewey 相互作用、連続性の原理

 生活⇔学習 日常と学校のかい離(記号の丸暗記となっている)

 実験学習

・D.Kolbは、Deweyの考え方をビジネスの世界に分かりやすく伝えた

 ビジネスの世界では、経験=苦難(受苦)と捉えている
  タフなことから学べ

・Kolbの貢献は、単純な循環モデルとして表現した点

・経験→内省(Watch)→概念化→試行

 Deweyは内省を、Reflective thinking(反省的思考)と呼んだ。
  同じことだけど。

・80年代 経験学習がブームになった

 Kolbは「スタイル論(学習方略論)」をやりたかった
  経験からの学び方が人それぞれ違う。
 
 LSIはあてにならないという批判も多い。

・90年代 資質論 経験から学べる個人の資質があるのでは。
  挑戦性、達成動機、柔軟性等。

  スプライザー、楠見、松尾等の研究。

・これらはいわば「個」分析単位(Unit of Analysis)がIndividual

・2000年代 実施亜は社会的関係に経験学習は影響されているのでは

  Group(集団)Organization(組織)レベル

・ELTに対する批判:社会的関係を考慮していない

・議論は、A or B

 対話は、Aの意味、Bの意味を率直に話すことで、A' B'に変わる。
  
・対話 経験→内省 他者に語ることで、内省が駆動する

・「組織学習」1960〜1970年代 

  知識創造→共有→制度化→棄却

 アメリカはJob descriptionで動いているので、引き継ぎがない。

 組織学習は、日本では当たり前なので、流行らない。

・ELTは、PDCAと一緒。新鮮味がない。

・なんでもELTにあてはめようとする。ビジネスより。
  Kolbは理論家ではない。

・1970年代 Management Education:ビジネススクール、T&D研修

  カリキュラムの体系化、知識の付与重視

・その後、Management Development 知識ではなく経験で開発される

・その後、Management Learning

・教育の振り子 知識⇔経験 背後にある政治性を見るべき

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●5月30日(水)は、仕事の関係で欠席。

 McCall, M.(1988)Developing executives through work experience. Human resource planning. Vol.11 No.1 pp39-49

 1980年代 Experience(Hardship on business)
      Strategy alignment(戦略との同期性)
      Reflection

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2012年05月06日

キャリア発達の心理学 仕事・組織・生涯発達

キャリア発達の心理学 仕事・組織・生涯発達


○キャリアに関するレビュー論文集。
  最近の研究の全体像が一挙につかめて分かりやすい!



(・引用/要約 ○関根の独り言)

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●序章 

・キャリア=成人の人生において、仕事を行うこととともに
  進行する、組織が職業のいずれかに関連した一連の活動
  ならびに経験

・キャリアの段階モデル 
  各段階には個人が達成すべき課題がある

・Erikson(1963) 8段階 発達段階説

・Levinson(1978) ライフストラクチャー(生活構造)

・本書は、キャリア(職業)心理学と組織心理学、組織行動論の  

 視点を統合する構成となっている

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●1章 職業の選択

・個人-環境適合理論(Person-Environment Fit Theory)

  Holland(1959,1973)6角形モデル

・自己概念発達理論 

  職業的発達の過程を自己概念の成熟、発達から捉える

・職業分類の次元:対人的か対物的仕事か

・Schein(1978)は、キャリア初期段階の重要性を指摘。
  この時期に「キャリアアンカー」を形成することが、
  その後のキャリア発達を方向づけるとした。

・既存の職業の多くは、自己実現を図りたいとする若者にとって
  魅力のないものとみなされている可能性が高い。

・米国では「職業→企業」日本では「企業→職業」選択

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●2章 組織社会化

・組織への適応(Adaptation)

・組織社会化=組織への新規参入者が組織の規範、価値、文化を
  習得し、期待されている役割を遂行し、職務遂行上必要な
  技能を獲得することによって組織に適応すること

・RJP=組織や職務の現実的情報を「うすめて」与えること
    ワクチン効果 

・組織社会化の課題は、文化的(Cultural)、役割的(Role)、
  技能的(Technical)の3つに区分できる

・傾性的アプローチ:
  個人が獲得したパーソナリティーによって説明

・組織社会化の達成度
  ○どのように測定するか

・組織参入当初、比較的高いレベルの組織社会化達成度が、
  3年目から5年目にかけて低下し、9年目頃からより高いレベル  

 に上昇する、いわゆる「J字型」カーブが示されることが殆ど。
  ○組織コミットメントの結果と似ている

 「中だるみ仮説」「疑念仮説」

・社会化戦術 5組のペアとなる基本次元(計10種類)
  ○6つとしなかった理由は。Sequentialを抜いている。

・組織社会化達成の結果:
  組織コミットメント、職務満足、離転職意思、生産性遂行

・組織社会化研究の多くは、組織コミュニケーション研究の
  影響を色濃く受けている

・Chaoら(1994)の6次元尺度(34項目)

・再社会化 

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●3章 組織コミットメント 

・成員が高いレベルの組織コミットメントを形成することは、
  組織の成長や生き残りの上で不可欠である。

・組織そのものは決して消滅することはないであろう。

・個人が、疎外を避けるために、所属先組織に対して、心理的な
  コミットメントを形成するのは自然であり、そのことで
  心理的安寧間を享受する。

・組織へのコミットメントは、組織にとって望ましい結果を
  示す傾向がある。

・3次元コミットメント尺度:
  情動的(Affective)、
  継続的(Continuance)、
  規範的(Normative)

・心理的契約=組織によって具体化される個人と組織の間の
  交換条件に関連した個人自身の信念(Rousseau, 1995)

・組織および集団へのコミットメント
  =同一化(Identification)Freud 
   ○Freud(フロイト)の文献をチェック

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●4章 仕事への動機づけ

・仕事に対する動機づけの理論は、内容理論と過程理論に大別。

・Alderfer(1972)のERG理論:
  生存(Existence)関係(Relatedness)成長(Growth)

・Herzbergら(1959)は、仕事に対して積極的に動機付けとなる
  要因(動機づけ要因)と不満となる要因(衛生要因)とは
  別のものと仮定。

・McClelland(1961)は、仕事の場面での主要な動機または欲求と
  して|成欲求、権力欲求、親和欲求の3種を提示。

・Adams(1965)の公平理論 報酬の絶対額ではなく、
  他者と比べて自分の報酬が多いか少ないかによって影響される

・動機づけ理論は、「強化理論」に始まり、「欲求理論」を経て、
  「認知理論」へと進展。

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●5章 職務満足

・「仕事が好き」という感情反応は「職務満足」Job satisfaction、
 「仕事が嫌い」は「職務不満足」Job dissatisfaction

・職務満足は「情動反応」または「欲求充足」のいずれかによって
  もたらされると考えられてきた。

・全体的職務満足と領域別職務満足

・Herzbergは、働く個人に対して「臨界事例法」
 (Critical Incident method)を用いた面接調査法を実施。

・職務満足の反対は、職務不満足では無い

・遺伝的な傾性(気質)は職務満足の少なくとも一部分を、長期に
  渡り決定している可能性が示唆される。このような「傾性が、
  組織における個人の心理、行動を決定する」とする視点を
  「傾性的アプローチ」(Dispositional approach)という。

・職務満足が、生産性を高めるという関係は成立しにくい。

・心理的に健康な人(心理的安寧感)ほど、仕事そのものに対する
  満足度が高いことが示唆される。

・傾性尺度を選抜に用いることで、将来的に同一職務下で、不満足を
  訴えにくい志願者を優先して採用する、いわゆる「入口管理」
  (Entry management)において重要な意味を有する。
   ○合理的だけど、違和感。

・組織と個人をつなぐものとしての職務。
  職務そのものという中核次元は不変である可能性が高い。

・360度フィードバック、メンタリングなどのより新しいツールとの
  併用を前提に、指標としての職務満足の重要性は高まっていく
  ものと予想される。

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●6章 メンタリング

・メンターがプロテジェに対しておこなう様々な支援行動すべてを
  まとめて「メンタリング」(Mentoring)という言葉で表す。

・メンタリング行動の構成概念は、Kramの提唱する2機能が基礎にある

・メンタリング=メンターとプロティジの間に順位や経験、知識の
  豊かさなどの上下関係と信頼関係が存在し、少なくとも
  プロテジェより成熟している人が、現時点において未熟な
  プロテジェに対して行うキャリア形成および心理、社会的側面
  への支援行動

・類似する概念との相違は、各概念の意味する目的にある。

・OJTの主目的はあくまでも現在遂行しなければならない職務に
  必要な知識、態度、スキルの習得にあり、非常に短期的視点に
  立った育成、支援行動であると言える。

 さらにOJTの基本は、上司である管理、監督者の部下に対する
  日常の管理行動であることも読みとれる(寺澤1989)

・メンタリングの「部分的関係モデル」(Phillips-Jones, 1982他)

・メンタリングの効果:キャリア、学習、組織内影響力、業績や
  職務満足、意欲の向上

・メンタリングを受けようとする人ほど、内的なローカスオブ
  コントロールを示す傾向がある

 メンタリングを行おうとする人ほど、愛他主義や自己効力感が
  強い傾向がある。

・組織への新規参入者の適応促進手段としてのメンタリングへの期待

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●7章 ワークグループ

・ワークグループの理論は、主に社会学や社会心理学を背景に発展

・社会的コンタクト理論:メンバー間の接触頻度が高まるほど、
  感情的な結びつきが強くなる

・自分と誰を比較するかによって、満足感に格差が生じる。これが
  社会的比較に基づく相対的剥奪理論の基本的な考え方。

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●8章 ジェンダー化する組織

・日本の経営組織では、採用の方法や採用者数、配置および異動、
  職務配分、教育訓練、賃金、昇進などが男女で大きく異なる
  ことは半ば常識とも言える。

・コース別人事管理制度は、組織のジェンダー化の顕著な例。

・新古典派経済学では、従業員個人の技能や経験、勤続年数また
  コミットメントなどを生産性を高める間接的要因とし、
  これらを「人的資本」と呼んでいる(Becker, 1964)。

・社会的学習理論の中心概念は、報酬と制裁である。
  行動が強化される際の「第三者」と「模倣」の役割に着目し、
  行動主義心理学を更に発展させている。

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●9章 職業性ストレス

・ストレッサー(外的要因)とストレイン(受け手の反応)を
  分けて考える必要がある。

・研究で良く用いられてきた調整要因として「ストレスコーピング」
 「ソーシャルサポート」「タイプA行動」がある。

・ストレス対策として、環境調整法と適応力養成法の
  2つのアプローチがある。

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●10章 失業とその影響

・失業は、雇用から獲得できる様々な機能を剥奪するものである為、
  失業は個人の心理的状態に対して否定的な影響を与える。

・失業が個人とその家族にもたらす影響
  ○読むと恐ろしくなる

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