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2012年07月31日

2012年夏「経営学習論」(5)越境学習

授業の最後は、組織の境界を越える「越境学習」がテーマです。

===

7月11日(水)

・Engstrom, Y.(2004) New form of learning in co-configuration work. Journal of workplace learning. Vol.16 No.1/2 pp11-21

○文献訳は私が担当しました。手ごわかったです。

発表資料を見る

レジュメを見る
 

・組織内外 組織を取り巻く境界

・これまでの授業 
  −Socialization 
  −Experience
  −Oversea
  −Resocialization

・現代社会論 Liquid(液状)化、Globalization
  Solidなものが溶解していく社会

 アンカーがほしいが。不安が増す社会。
  Sennette 不要とされる不安

・組織の枠 Boundary 以前はくっきり、今はぼんやり Blur

・M&A、2社での共同設立会社

・1970年代 教材、教師を見る研究
 1980年代 学習は現場で起こっている(職場学習)
 1990年代 Engestrom 

 それまでは、個人を見る「学習」上部構造
  下部は「労働」生産構造

 2000年代 組織内外の学習 
  Boundary crossing、Boundaryless

・Learning と Mobilization(移動)

・1920年代 行動主義的学習論 Skinner
  個体の中で何が起こっているのかは見ない

 1)偶発的行動 2)正と負の強化 3)行動、認知をコントロール

 強化「される」主体として、人を見る

・1960年代 認知主義的学習論 Dewey、Piaget
  個体の中で起こっているのは「概念、シェマ」

  個体⇔環境 フィードバックを得る

・ Vigotsky 
  個体→ 媒介(他者、道具)→環境 3項関係で見る

・ここまでの学習は、個体の変化=学習 と捉えている。

・分析単位は個 ここに異を唱えたのが、レコンチェフ、
  形にしたのがエンゲストローム

・1980年代 Engestrom

 1)見ていくべき単位は、上部と下部構造 活動システム(分析単位は組織)
 2)要素間の矛盾→拡張的学習→システム(組織)の変化

・どこかが変わると、どこかに矛盾が出てくる。

  活動システムを変えていくのが、学習。

 例)病院におけるX線機械(道具)の導入、主体(医者)、対象(患者)

・エンゲストロームは「学習」とは言わない 「拡張的学習」「学習活動」と呼ぶ。

・エンゲストロームにとって 研究=変革

 DWR Developmental Work Research 発達仕事研究 Action Research

 現場に介入 状況を三角形で見える化して「どこを変える?」とせまっていく

 こういう研究は少ない 論文になっているものは最新のものではない
  査読を待っていると時間だけ過ぎる

・分析単位がどんどん広がる

・Association 連携 

・あらゆるものが、Co-configuration work 協同構成的仕事でない仕事の方が、今は少ない
 
 協同構成的でない仕事の代表格としては、一昔前の大学(縦割り)

 https://twitter.com/nakaharajun/status/222940265437081601

・各活動システムから派遣されて、一緒に仕事をする(結び目)
  そこから持ち帰ると、以前いた組織で矛盾が起こる それが変革につながる

 例)サッカーの日本代表 チームから派遣 代表として仕事 戻るとチームも変わる

・Knotworking から、先は見えてこない

・学習のメタファー 

 個人:1)獲得 2)参加 の二つ 第3のメタファーはまだ無い
 組織:1)拡張 

・組織の中で起こっていることを記述する 

・顧客(対象)が変わっている中、下部構造(ルール、共同体、分業)を変えたがらない
  官僚組織。その場合、個人落ち(主体)になってしまう

・この言説で一番得をするのは誰かを考える

===

7月25日(水)

・Engstrom, Y.(2009) Wildfire activities: New patterns of mobility and learning. International journal of mobile and blended learning. Vol.1 No.2 pp1-18


・1980年代後半〜2000年代

  Lave & Wenger(1991)コミュニティへの参加としての学習

 Staticなコミュニティ

 周辺的から中核的参加

・Participation metaphor=学習

  〜らしく振る舞えるようになる
  (行動、Identityの変化

 「うちの〜は」内/外

・Lave & Wengerへの反論 by エンゲストローム

 1)コミュニティはDynamicに変化する
  
 2)多重成員性 Multi membershipをやりくりしている
    それをとらえていない

 3)線形的に変化するように見えるが、実際は
    Communitiesを移動する Mobility移動としての学習

・これらの批判から、状況的学習論は混乱していった
  現状の複雑さを記述しきれていない

・今後は一つの組織の一つのアイデンティティだけで、
 やっていくのは難しいかも

・Liquid社会

・Wildfire野火という概念も流行っているとは言えない

・ポストモダン的で論文も何を言っているかわからないかも

・世の中で起こっていることにアプローチしようとしている

・New challenge

 −境界と学習(無境界/非境界)

 −共振性(Virus)
 
 −更新性 Update 

 −緊急のコンテクスト

・フラッシュモブ ハッカソン 

・デュルケーム 祝祭としての学習

 日常:経済的活動 ⇔ 非日常:非経済的 コンサマトリー(自己充足的)

・合衆的祝祭 不特定多数、自由意思、集合的活動
 この辺がエンゲストロームと似ている

・学習もカーニバル化しているかも

・今起こっていることを記述しようとしている

・「越境学習」「祝祭としての学習」「野火」等は、
 ある程度の学習を終えているというのが前提

 「もちよる」ということはある程度の専門性をもっている
 独力で達成できないことを、周囲の力を借りて行う

 のる人、のれない人がいる

・ある程度の学習を終えた人が更に上に行く
  ある程度の学習をしている間に、学習がつまらなくなって
  しまう人もいるかも

・格差(もつ者ともたざる者)が固定化するかも

・新保守主義(ネオリベラル)自己責任論

・社会的属性によって起こる学習を記述する形になるかも
 グランドセオリーが作れない 皆ちがって皆がいいという状態

・生産であって、学習では無いのでは

・越境学習的なものは、個人が主体
  だからこそ、Archive化が重要かも 全部がフローに

・誰かが誰かに というイニシアチブが、
  学びのイニシアチブが個に移ってきている

===

刺激的な授業でした。ありがとうございました。

2012年07月22日

戦略不全の論理


戦略不全の論理 2008年 

 三品 和広


○事業観をもった長命社長が、高収益企業を作る。
 短命のサラリーマン社長下で、戦略不全に陥る。

===

(・引用/要約 ○関根の独り言)

・日本企業は、実務技能を形成するキャリアのシステムを
 築き上げてきた

・経営の実権が、創業経営者から操業経営者の手に移るに
 つれ、日本企業の経営は戦略性を失うに至った。


●第1部 戦略不全の実態

・戦略⇔大規模複雑性

・「エクセレントカンパニー」と「ビジョナリーカンパニー」
 帰納ベースでの選定がいかに恣意的かを示している。

・日本型企業モデルは、モーティベーション問題に対して
 最強の解を用意する。

 長期にわたって関連性のある仕事、または技能蓄積や
 学習のきくキャリアのパスを構成員に提供し、その中で
 構成員自らが仕事の意味を深く理解、更には創造する
 ことを尊重する。

・米国型企業モデルは、コーディネーション問題に対して
 最強の解を用意する。

・モーティベーションを第一義とする日本型企業モデルは
 慢性戦略不全のリスクを甘受して、構成員の技能の蓄積
 と活用を最大限に促進するという別の目的の為に設計
 されていることになる。

・仕事の面白さを競うならば、軍配が上がるのは日本企業


・超長期で企業業績を評価するという発想が本書を貫く
 工夫の1つ。

・日本企業は総体として、1960年以降の40年間、一貫して
 収益のじり貧状態に歯止めをかけることができていない

・利益なき繁忙 利益なき拡大
 売上のいたずらな拡大からくる低収益

・事業ドメインが明確。明快な得意技。基幹事業を深耕。

・企業は一般的傾向として収穫逓減の法則に晒されている
 この傾向に打ち勝つことこそ、戦略の本質。

・チャンドラー 規模の拡大:多角化、垂直統合、国際化

・企業はその効率を業務プロセスの定型化に負っている。
 定形化するゆえに、企業は経済性を発揮する。


●第2部 戦略とは何か

・競争の構造が致命的に悪い所では、努力が報われること
 はありえない。

・避けるべき市場を避けて、いかに好ましい市場に
 経営資源を集める化。

 利益の出やすい構造を選択するという発想も重要。

・目隠しをして象に触れる。帰納論の限界。

・戦略の要諦の1つは、構造に恵まれた市場で事業を
 構築すること。

・「似て非なるもの=異質化」舞台裏での差別化。

・高収益企業が高収益たるゆえんは、戦略を担いうる
 強い経営者の存在ぬきにしては語ることができない。

・戦略とは能動的に構えることであり、受動的に判断する
 ことである。

・判断のよりどころ、準拠枠 = 事業観

・戦略=経営者のもつ事業観

・企業戦略論の系譜:計画、構成、構想

・事業戦略論の系譜:構造、構築、構図


●第3部 戦略不全の背景と処方箋

・戦略不全が起こる理由→戦略が難しいから

・良い戦略は、それが知れたときに「ばかな」という反応
 が周囲から返ってくるものでなくてはならない反面、
 その成功が明らかになった暁には「なるほど」という
 反応をさそうものでなくてはならない。

・常理に照らせば非合理であると同時に、理外の理に
 照らせば合理でなければならないのである。

○「ストーリーとしての競争戦略」でもでてきたなー。

・モノづくりの現場には「効率の罠」と呼ぶべき落とし穴

 がそんざいする。会社の為に良かれと思って自主性を
 発揮する従業員は、無防備のままではこの落とし穴に
 陥落してしまう。

○部分最適の罠ともいえるかな。

・判断こそが、結局のところ超長期における企業の業績を
 決定的に左右する。その判断を下せるのは、経営者その
 人にしかできない仕事である。

・1980年前後から多くの短命社長が登場。

・その背景には、所有と経営の分離という現象がある。
 この変化に適応する術をいまだに持ち合わせていない。
 これこそが、戦略不全の核心的な病原にほかならない。

・競争を勝ち抜いてきた企業は、長命社長に牽引された
 からこそ競争に勝つことができた。

・オーナー経営者がサラリーマン経営者に変わった。

・優秀な大卒新入社員を素材にして、経営者を作り上げる
 方法論をいまだに持ち合わせていない。

○サラリーマン経営者で長期政権は難しいだろうなー。
 

・トップは語るよりも聞く。

・株主と経営陣の関係。本社と事業部の関係。

・事業部長職の任期は3年前後。

・事業部長は、組織のマネジメントには優れている。
 真のリーダーは、働く組織に従属しない人。

・職能部長としては最強でも、そういう人が事業経営や
 企業経営に転じると、一変して弱点だらけとなる。

・管理職は分業体制の頂点に立ち、経営職は統合を担う。

・経営職は直属の部下をもたない奇妙な存在。
 管理職は職場のボスで人を動かして仕事をする。

・経営職は不確実性に対処し、管理職は複雑性に対処する

・経営職に求められるのは、完成度の高い事業観。

・リーダーシップ論に従うならば、人間(精神)を鍛える
 ことに関心が向かうので、ある種の体験をさせるという
 発想になりがちである。

 しかしながら、体験を与えれば、戦闘機が操縦できる
 ようになるものであろうか。

 戦略のできる経営者は、時間をかけて組織的に作り込む
 必要がある。

○経営者と共に過ごす 徒弟制のようなものがいいのか。


・基本辞書が白紙状態の新入社員を対象に、研修とOJTを
 組み合わせて意味解釈の体系を教え込む。

 更には上司の指導を通して「こうすればああなる」と
 いう因果関係の体系を身につけさせる。

○会社における「意味解釈」と「因果関係」の体系を学ぶ
 ことで、その会社で「使える」人間になる・・・

・日本企業の現場の強さ、実務能力の高さは、そういう
 基本辞書をもつ人の集団が支えている。


○大中企業の経営:操業 
 ベンチャー、小企業の経営:創業 かも。

2012年07月20日

組織と技能〜技能伝承の組織論

組織と技能〜技能伝承の組織論 2003年

 松本雄一

○技能形成のカギは「状況的実践」(やってみる)と
 「共同体の地図」(誰が何に詳しいか)の構築。

===

(・引用/要約 ○関根の独り言)


・経営学はこれまで、ひとのもつ「知識」に焦点をあててきたで

・RQは、経営組織での技能の形成において、どのような
 メカニズムが存在しているのか である。

・OJの有効性を主張する研究は多いが、それは結局「どのように
 技能形成を行うのか」という具体的な議論へはつながっていない

・本書の狙い
 1)学習者の視点からの人材育成論
 2)ホワイトカラーの技能形成を見据えた研究
 3)技能概念の再考と新概念の導出

===

●第1部 先行研究のレビュー

・経営学における技能研究として、まずKats(1955)をあげたい。
 「技術的技能 Technical skill」
 「人間的技能 Human skill」
 「概念的技能 Conceptual skill」

・技能熟練の研究は、労働経済学、特に労働過程論の分野に
 おいて盛んに議論されてきた。

 Braverman(1974)「社会的分業」「個人的分業」

・小池(1986〜)知的熟練は主にOJTによって形成され、その
 測定に用いる指標には(1)経験のはば(2)経験の深さ
 (問題処理のノウハウ、変化対応のノウハウ)がある。

・Mace(1950)は、技能の概念を心理学研究を基に整理。
 「身体的技能 Physical skill」
 「知的技能 Intellectual skill」
 「社会的技能 Social skill」

・Fitts & Posner(1967) 3段階の技能の学習モデル:
 自分の体の動きに集中して学習する段階
 用いる状況の中での実践によって学ぶ段階
 集中を必要としない段階にまで慣れて行く段階

 集中して学習した技能を日常の状況の中でならしていく
 という指摘は、OJTの基本的考え方として興味深い

・哲学者は「内容についての知識 Knowing that」と
 「方法についての知識 Knowing how」の区別が重要と指摘。

 Knowing that=知識、宣言的知識
 Knowing how=技能、手続き的知識

・Anderson(1980) 2種類の知識
 「宣言型知識 Declarative knowledge」
 「手続き型知識 Procedural knowledge」

・Dreyfus & Dreyfus(1986) 熟達のステージモデル
 人間の熟達化の段階を5段階に分類
 「ビギナー」「中級者」「上級者」「プロ」「エキスパート」

・波多野・稲垣(1983)を課題状況の変化に柔軟に対応して
 適切な解を導くことのできるような熟達者を「適応的熟達者」
 と呼んでいる

・高度な熟達=成果を生み出す下位の能力
        +能力を使い分けるメタ能力

===

・Simon(1996)は、学習(Learning)について「環境に適応する
 能力における、多少なりとも固定的な変化を生み出すシステム
 の変化」と定義し、学習に「環境適応能力」と「変化」が
 関係することを示している。

・Hedberg(1981)は、
 学習-学習棄却(Unlearn)-再学習(Relearn)という3つの
 プロセスの循環からなる学習のサイクルモデルを提示した。

・主に初期の組織学習は、組織における行動の「適応」を
 学習の結果として捉え、その適応プロセスを見ることで
 組織における学習を研究しようとした。

 その端緒とも言えるのが、Cyert & March(1963)である。

・Argyris & Schon(1974、1978)の理論の前提となっているのは
 「行為の理論 Theory in action」であり、彼らの理論は
 のちの「知識」を鍵概念とする組織学習論の基礎となった。

・知識の獲得=組織学習という考え方を決定づけたのは、
 野中(1990、Nonaka & Takeuchi 1995)であろう。

・個人の学習を組織に援用しようとした研究(Argyris & Schon:
 シングルループ、ダブルループ学習や野中:知識創造)は、
 技能形成と良く似た側面をもつ。

・組織学習の理論は大きく、組織目標や環境に対して行動を
 変化させる「適応」としての学習と、行為の理論や知識を
 獲得する「知識獲得」としての学習の2つのカテゴリーに
 分けることができる。

===

・組織学習の研究では、組織的観点はあるものの、実践という
 観点からの研究が衰退してしまった。

・認知心理学における状況的認知(Situated cognition)研究は
 心理学と組織学習研究双方の良いところを併せ持ったもの。

・Hutchins(1989,1991)
  社会的分散認知(Sociall distributed cognition)

 作業者は他の人が何をしているか全て把握していなくても、
 自分の持ち場で自分の作業をしていくことで、全体としての
 作業が進行する。

 「助け合い」に関わる概念として「観察視界」:
 各メンバーが見たり聞いたりできる部分の限界

・Orr(1990)「共同体の記憶 Community memory」

・Lave & Wenger(1991)「正統的周辺参加」

 2人が徒弟制の再考と「状況性」のよりよい定式化において
 用いるのが「脱中心化」という方略である。

 正統的周辺参加においては「学習者は否応なく実践者の共同体
 に参加するのであり、また知識や技能の修得には、新参者が
 共同体の社会文化的実践の十全的参加(Full participation)
 へと移行していくことが必要」であるとする。

・文化心理学と認知科学の融合を試み、文化心理学研究の端緒
 となったのは、Cole & Scribner(1974)である。

 彼らは文化差によって人間に認知的能力差が生じるとする
 学説を否定した。

・状況(文化)の中で受動的に生きる存在ではなく、実践を
 通じた相互構成があるからこそ、同じ文化の中で多種多様な
 人間が生まれるという文化心理学の考え方は、組織の人材育成
 に新しい視点を提供するであろう。

○面白い!

 組織社会化→多種多様性 のヒントになるかも。


・野村(1989)は、学習者が言語による指導の「あいまいさ」を
 知的努力で補完することが重要であるとしている。
 
 これは生田(1987)の「解釈の努力」と通じるところがある。


・組織記憶(Organizational memory)に関する研究

 組織に必要なのは、組織のどこからどのように情報を
 引き出せるかを知ることであり、組織内外での相互作用を
 通じて絶えず組織記憶を発達させていく環境を整えること。

・状況的諸要素の中で、学習者は状況に応じて行動し、また
 状況に働きかけることで技能を獲得していく。もっとも顕著
 な例は、組織や共同体における他者との相互作用である。

 先輩や上司から与えられる仕事に従事したり、協働して仕事を
 行うことは、OJTとして効率的に技能を獲得できる機会である
 ことはいうまでもない。

・Lave & Wenger(1991)で示されているように、技能形成は
 学習者が身を置く組織や共同体における「参加」と密接に
 結びついている。

・Wenger(1998)共同体の中や外での実践を通じて、学習者が
 「布置 Constellation」言いかえれば「共同体の地図」を
 構築することが、技能形成に影響を与えるのである。

・コンピタンス=スキル+インテリジェンス+α

===

●第2部 事例研究

・調査目的は2つ
 
 1)どのように「スキル」と「インテリジェンス」の形成を
   行っているのか

 2)熟達者がどのようなコンピタンスをもっているのか

・掃除をしながら観察する

・マニュアル化の利点は、必要な時にいつでも参照できるという
 利便性、アクセス可能性(Accessability)にあると考えられる。

 知識や技能の「ありどころ」「蓄積場所」としてマニュアルは
 大きな力を発揮する。

 重要なのはそれを用いる人が自分の状況にあてはめ、実践して
 見ることでしか技能は形成されないということである。

・生協協同購入担当の職員は、自分の担当区域である現場にでると
 基本的には1人で全ての仕事をこなさなくてはならない。

○Yさんと一緒。

・失敗のリスクの少ないところから順に仕事を任せる。
 失敗のリスクという観点からカリキュラムが構成されている。

・模倣による学習の利点は、模倣をしているかぎりは、大きな
 失敗はないということ。

・自分で判断するということがインテリジェンスの形成に
 欠かせないこと。

 生協職員の技能形成にとって「放り出される」というのは
 非常に理にかなった方法であるといえる。

○面白いなー。放り出しによる技能形成。


・新人はブランドに「染まりきっていない」また先輩より若い
 感性をもっていることもあり、しばしばこれまでの製品には
 ないようなデザインを描いてくる。

 「新人は学ぶだけ」という徒弟制的な考え方に対して、新人
 の実践によって共同体の先輩も学ぶことができるという、
 新たな視点を提供する。

○組織個人化にもつながってくる。

・Orr(1990)の主張するように、全ての知識や技能を自分の中に
 持っている必要は必ずしもなく「自分の知らないこと、出来ない
 ことをどこの誰が知ってそうか、できそうかを知っている」
 ということがむしろ重要。

○「共同体の地図」構築 「組織記憶」の活用

・「共同体の地図」(Wenger;1998の言う「布置」)の構築。
 新人が自らの経験のなさを、他部門との協働によって補い
 また新しい製品につなげていくプロセスは、新人の技能獲得
 に対して有効な示唆を与えるもの。

・雑用に埋め込まれた技能

・雑用と技能の関係を全く示唆しないというのではなく、かと
 いって雑用の意味をいちいち指摘する時間もないだろうから、
 最初にその関係のみを説明し、技能の内容については新人に
 学びとってもらうのが現実的な方策。

○「解釈の努力」を促す

・組織に参加する手段として掃除
 役割をもって組織に参加できる。

・先輩の成員から見れば、技能の獲得および組織への参加に対する
 「障壁」を作っている。それを越えるための「対価」が雑用。

○面白い!「教えてやるんだから、雑用ぐらいしろ」って感じかな

・新人、先輩デザイナー双方に、技能の獲得において「雑用」が
 大きな役割を果たしていることが分かる。

 新人は雑用に携わることでそこに埋め込まれた技能を獲得し、
 同時に組織への参加を果たすことができる。

 先輩は「雑用」という対価を自らの技能を伝承することに対して
 求めるのである。

 雑用を技能伝承を促進する接点として捉える。

===

・技能形成を含めたすべての人材育成は「自学」のプロセスである
 (伊丹・加護野1993)

・これまでの人材育成の議論は、学校教育の延長上にあり、企業
 側の「教育」という視点が中心であり、学習者がどのように
 学ぶのかという視点が不足していたのではないだろうか。

 その一方、OJTの有効性を主張する研究は多いが、それは経験
 学習(Learning by doing)としての枠組みを示しているのみで
 あり、現場で技能形成を行う人々に対して「どのように技能
 形成を行うのか」という具体的な議論へはつながっていないのが
 現状である。

○確かに!

・本書では、学習者を主体とした「状況的実践」としての技能形成
 を、人材育成のあるべき姿として提示した。

・Wenger(1998)は、実践によって共同体の「布置」を構築すると
 表現した。

 この「共同体の地図」といえるものの構築が、技能形成に大きく
 影響している。

・教授者から学習者へと「教える」技能形成のモデルから、学習者
 が状況的実践によって相互構成的に学習のカリキュラムを形成し
 共同体の地図を形成していくといった「学ぶ」技能形成のモデル

・技能形成にはその技能へのコミットメントが重要。

○「威光模倣」や「競争意識」がカギになるかも。

・「現場への放り出し」は、状況的実践を軸にした技能形成に
 とって理想的な環境と言える。

・自分の技能だけでなく、他人の技能も把握して使い分けられる。
 これはホワイトカラーに必要とされる技能。

・技能形成は、結局自分でやってみること、状況の中での実践なし
 に形成することは不可能。

===
 

2012年07月15日

「わざ」から知る


「わざ」から知る 2007年

 生田久美子著

○形の模倣を繰り返し「型」を修得(ハビトス化)する

===

(・引用/要約 ○関根の独り言)


●生田先生

・子供の遊びの中に、大人の仕事が身近に入り込んでいた

・「型」というのは、現実感をもった人間として生存する
 「基本」と考えてよいだろう

・「形」の習得=手続きの連続の習得
 「型」の修得=現実感覚を伴う意味の理解

・日本舞踊では、最初から師匠の動作の全体的な模倣から
 入っていく

・易から難へと段階を追って進むのではなく、
 むしろ難を入門者に経験させる。

・日本の修行方式は、体験がまず先で、教科書はそれを
 補足する役割。

・「わざ」の世界での究極目標である「形」の模倣を
 超えたものをあえて表現するならば「型」の習得と
 言い換えることができるだろう。

・わざの世界での教授プロセスにおいて「模倣」
 「非段階性」「非透明な評価」といった特徴をもつ
 学習方法が上手くいってきた。


・M.モースの「ハビトス」=「型」

・ハビトス(型)の学習は、「形」の模倣から始まる
 そこで生じるのは「威光模倣」である。

・ポランニーは「自らの主体的な動き」に至るためには、
 学習者の「解釈の努力」が必要であることを指摘。

・子供は自分が権威として認めている父母のすることを
 目にして「自分もああなりたい」「かっこいいなあ」と
 その動作を「善いもの」として同意し、それを1つの
 原動力として模倣活動に入っていく。

○自分の子供たちからそう思ってもらえているのかな・・


・「無主風」とは師匠の形を模倣したまま演じている段階
 であり、能の世界で最終的に到達すべき段階は
 「有主風」の状態。

・有主風=形をハビトス化した状態


・内弟子制度の教育的意義は、わざの世界に流れる空気を
 吸い、その世界に固有の「間」を比較的容易に体得する
 ことができるという点。

・「世界への潜入」

・エントレインメント(Entrainment):二人の身体の
 リズムが互いに同調し会う状態

・「わざ」修得の認知構造 
  主観的行動(自分1)守
  客観的行動(自分2)破
  (自分3)離


・V.ホワードは、声楽の教授プロセスで用いられる独特の
 言語を「Craft Languageわざ言語」と呼んでいる。

・わざ言語は、教師の身体の中の感覚をありのままに表現

・わざ言語の使用は、わざにおける「間」を体得していく
 上で重要な役割を果たしている


・型の習得に至るプロセスで欠かせない要素になっている
 のが「世界への潜入」すなわち当の「わざ」の世界に
 学習者自身が身体全体でコミットすると言う点

・ソクラテスは「知識とは何か」を考えた。

 知識とは「真実なる思いなしに言論を加えたもの」

 彼は、人を教えるものが「知識」とは何かを知らずに、
 あるいは吟味を試みないで、どうして教える者としての
 資格をもちえるのかと考えたに違いない。

・わざの習得プロセスでは、師匠の形を模倣し、それを
 繰り返すことによって「形」をハビトス化(型)して
 いくことが目指されている。


・教育の真の目的は、子供達に様々な知識を有主風の
 「型」として学ばせていくことにおかれなければ
 ならないのではないか。


・わざの伝承方式のどの部分が、ITなどの新しいツール
 によって代替可能か、そしてどの部分が代替不可能か。


●佐伯先生

・文化人類学とソビエト心理学の活動理論との共通点

・人間は領域と関わり、文脈に応えることで思考が活動し
 技能が巧みになるのだとする

・わざの型の考え方は、活動を行為や操作の単なる集合体
 とは区別する活動理論の考え方と共通する

・文化的実践への参加といったときには、価値の絶対的な
 基準となるような意味での「師匠」は存在しない。

・参加を中止にした「わざ」観からすると、わざというの
 は「呼びかけ」であり、それへの「応え」である。

・わざの上達とは、結局「対話」の上達にほかならない。
 したがって多くの「声」を聞き分けることと、
 相手の身になることの2つがわざの基本であると言える

===

2012年07月12日

わざ言語 感覚の共有を通しての「学び」へ

わざ言語 感覚の共有を通しての「学び」へ 2011年

 生田久美子 北村勝朗 編著

○言葉では説明しにくいことを、
 それでも伝えようとする「わざ言語」


===

(・引用/要約 ○関根の独り言)

●第1部「わざ言語」の理論

・「わざ言語」 The Language of Craft

・「わざ」の伝承は、指導者が持つある種の身体感覚を
 「わざ言語」を媒介として、学習者が身体的に感得し
 共有していく過程

・「わざ言語」の3つの役割:
 1)Task(課題活動)を指示する
 2)TaskとAchievement(達成状態)の橋渡しをする
 3)Achievementの感覚を学習者が探っていくよう誘う

・「獲得する」という行為と
 「到達した」という状態は、論理的に異なる事柄。

・Taskは「方法の学び」Learning how to do
 Achievementは「状態の学び」Learning to do or to be

・到達状態(そうなってしまった)についての感覚の共有
 を促すために「わざ言語」が使用されている


・適応的熟達者(Adaptive expert)と
 手際のよい熟達者(Routine expert)

・無我夢中で没頭して自分の最高の状態を体験する
 熟達者は多い。 フロー(Flow)

・フロー体験とは全く逆の体験としての、期待や押しつけ
 による強制的な指導による学びの体験


・言語化されない知「暗黙知」Tacit knowledge

・「膝をふわっと使う」という表現は、感覚を表現した
 ものであり「わざ言語」と考えられる。

・暗黙知を共有するためには、共有を目指す者の間で
 非常に密接な関係性を構築するべき。


・わざの継承の場面に言葉が登場しない訳ではない。
 というよりもむしろ、様々な言葉が巧みに用いられ、
 学びにおいて重要な役割を果たしている。

・「わざ言語」は、継承において体現するイメージを
 効果的に伝える役割を果たしている。

・弟子を丸暗記に誘い込み、思考を停止させる危険性の
 回避のために「文字知」が拒まれたと言える。
 いかに「考える人」を育てるか。「文字知」の拒否は、
 弟子に思考を促す工夫として理解できる。

・「師匠の思考を思考する」
 「師匠から技を学ぶには、まず自分勝手に考えることを
  やめなくてはならない」

○今の自分には師匠を超える力は無い


・「師弟関係そのもの」が模倣の対象

・師匠の呼吸に慣れた何かの拍子に、師匠の言葉の真意が
 わかると言う。この「呼吸の体得」は生田が徒弟制度の
 教育的意義の一つにあげるものである。

・ある程度の習熟に達した弟子の学びにおいてのみ
 「文字知」が有効であると考えている。

・経験の蓄積のあとに言葉が機能する

・生田は、師弟が生活を共にする学びの状況を
 「世界への潜入」と呼ぶ。

・言葉が手掛かりにして学びを進め、その言葉を
 手放すことで更に学びを深めていく。


・経験を重ねていくうちに、言葉の意味を身体で
 思い当たるようになる。

○研修講師としての「わざ言語」には何があるか?


・助産師の学びの特徴は、学習者が実践の場に
 「身を置く」ことにある。

・暗黙知 言えないけれども知っているという知
 明示的知識(Explicit knowledge)と対照的。


・学生の学びは、看護実践に正統的に「参加」している
 ということが大きいと言える。

 学習者が動機づけられるのは、本人の自己決定の問題
 以上に「実践の共同体が当人らしい参加をうけ入れて
 くれること、当人の参加をより正統的なものにして
 くれるという実感」

○これはそうだろうなー。

・学生は、看護師の「時間感覚」に驚くという。
 動きあるいは歩く速さがかなり違うのである。

・「美しい所作には無駄が無い」

・ナイチンゲール曰く「病気は回復過程であり、患者が
 自然治癒力を発揮できるよういたずらな体力の消耗を
 防ぐようにすることが看護である」

・わざ言語としての「例示」や「提示」を通じた対話が
 重要であり、その意味において感覚の共有が重要となる


・「のぞましい学習者の行動」というのは、病気に
 かかった時に現れる症状のようなものであり、それ自体
 を「目標」とするべきではない。

・わざを「傾向性」と見なす立場に立つと、
 外から「与える」ことは本来不可能なはず。

・宮台真司は、学びの動機付けとして「競争動機」
 「理解動機」「感染動機(特定の人物にほれ込み、自分
 もそういう人になってみたいと感染してひきこまれる)
 をあげている。

・助産所でわざが「伝わる」のは、特定の技能や知識が
 伝授されるというより、熟練者の「ありよう」全体に
 「感染」するのであり、いわば真性の「患者」になる
 こととしか言いようがない。

○これ面白いなー。確かにそうかも。その人にほれ込み、
 近くにいて、だんだん感染していく。

・「わざ」の獲得は、「伝達されて」獲得されるのでは
 なく、まさに「感染」によって「伝わってしまう」


●第二部 「わざ言語」の実践


・真の意味で「役になりきる」ためには、その前の段階で
 先輩達から受けた「教え」の1つ1つを大事にすることが
 肝要。

・「役になりきれ」とは言えるが、その方法については
 書けない。


・日常の積み重ねの中で曲を作る。日々の過ごし方が
 演奏にも影響する。

・「基礎的な仕方」を教えるならマニュアルは有効。


・パフォーマンスを毎回、同じことをどんな場面でも
 できるという再現性が凄かった。

・競技で培ってきた自分自身の感覚にこだわりすぎない
 というのが、まずは指導者になるにあたって大事なこと


・理論の勉強会の後に「!」(あ、そうかと思えたこと)
 「?」(よくわからなかった)を使ってレポートを
 書かせる。

・コーチは選手の中に生じる自動化との戦い。
 自動化して意識しなくてもできることになるから、
 狂ったときに自分がどうやっていたか分からない。


・産婆の徒弟制の話は、なろうと思っているわけでも
 ないけれども、産婆の能力がいつのまにか自然に
 娘に引き継がれていくような状況。

・「仲間になる」「ほれる」「腹をくくる」

・助産所に入った時から「あ、すてきなおうちね」と
 そういう感覚からもう始まっている。

○うちは、子供3人とも助産所だったけど、確かにそんな
 雰囲気だった。暖かい居心地の良い家という感じ。

===

2012年07月09日

「経営・戦略」本

7月上旬の一人合宿に向けて読んだ「経営・戦略」本で、
印象に残った言葉を記録しておきます。

===

『良い戦略、悪い戦略』 R.P.ルメルト 2012

・良い戦略は、単純かつ明快。

・打つ手の効果が一気に高まるようなポイントを見極め、
 そこに狙いを絞り、手持ちのリソースと行動を集中する。

・リーダーの仕事は、効果的にがんばれる状況を
 作り出すことであり、努力する価値のある戦略を立てること。

・ポジティブシンキングの源流は、プロテスタント流の
 個人主義にある。

・足場を固めて選択肢を増やす。

・これと決めたことを長期にわたり一貫してやり続ける。
  それが容易にまねのできないリソースを築き上げる。

・同じ業界にいながら違うルールでゲームする。

・持続的な成功を収めている企業には、まずだいたいは
  良い戦略がある。

・戦略の要諦はフォーカスにあるが、多くの大企業は、
  リソースをフォーカスできない。

・どんなとき、どんなところで優位にたてるのか。

・変化のうねりがやってくるときには、戦略がものをいう。

・戦略とは、仮説である。

・バーチャル賢人会議。師匠ならこんなときどう言うだろうか。

○この本は、土井英司さんのメルマガ「ビジネスブックマラソン」
 で紹介されていたので読んだ。やはり目利きのお勧めは良い。
  http://eliesbook.co.jp/review/2012/07/04

===

『カテゴリー・イノベーション:
 ブランドレレバンスで戦わずして勝つ』 D.A.アーカー 2011

・過去に効果的だった経営スタイルは、今後も勝ち続ける能力を
 失いつつある。

 「自分の得意領域で」「集中し」「力を分散させないで」といって
 既存の戦略に盲目的に従うことは、これまでになく危険な行為。

○ここは疑問。少なくとも、弊社は「フォーカス」戦略。

・エスノグラフィー調査:
 1)いつもと何かが違うことに気がつく能力
 2)人が何を感じているかを理解する能力

===

『成熟市場の2ケタ成長戦略 伸びない市場で稼ぐ!』
  A.スライウォッキー R.ワイズ 2007

・「ディマンドイノベーション」

 顧客が日々奮闘している問題は何か、
 夜も眠れないほど悩んでいる問題は何か

・「隠れた資産」

 顧客関係資産、事業ネットワーク資産、情報資産

・徹底したリサーチと開発費を考えれば、
 値段が高いのも納得してもらえる

・より大きなニーズへのアクセスを作りだすのが
  コアビジネス。

・TSUTAYAの関心は、ライフスタイル情報からの膨大な持続可能性。

===

『リアルフリーのビジネス戦略』高橋仁 2012

・成功の要素
  1)人間の本能に訴える(リピートにつながる)
  2)時代遅れの業界
  3)顧客と直接接点をもてる

・リアルフリーの最終目標は、巨大な顧客集団を対象に
  各種のビジネスを仕掛けること「データベース化」

・株式上場を避ける。シンプルに考えられる。
  顧客と従業員を幸せにするためには、
  どんな経営方針を立てたらいいか、

・会員組織が大きくなれば、広告費が極限まで下げられる。
  これが「全無料化」が実現する理由の一つ。

・会員組織に対してお金を払う第三者企業の存在。

===

『小さな会社こそが勝利する ポーターの競争戦略』 今瀬勇二 2011

・集中化:特定地域や特定顧客に競争の範囲を限定することで、
  限定的に競争優位に立てる

・次につながる仕組み。リピートにつながるかどうか。
  リピートの仕事には、習熟効果が期待でき、コストも低減できる。

===

『ランチェスター戦略の教科書』矢野新一 2012

・ロスト顧客は、一般的に年間5~20%発生する。
  このロスト顧客をゼロに近づける。

・ロストゼロのために:
 1)次世代対策 2)幹部対応 3)未訪問ゼロ 4)複数パイプ

 (+スイッチングコストの増加)

・地域、市場で細分化し、弱者はなるべく競合企業の
  少ない所に力を注ぐ。

===

『儲け続ける会社のシンプルな経営』 志村勉 2012

・経験を積めば積むほど、知見が蓄積され、独自性が際立つ。

===

『社長のお金の残し方』 吉澤大 2012

・節税対策:いつでもルールを変えられる相手と戦うのは相当大変

・平均的な会社は何もしないと、毎年10〜20%の顧客を失っている。
 この顧客離れを5%防ぐと、利益は25〜85%も増加する。

・仕事の満足度と利益率 反比例の法則

  仕事は楽しいけれど、手離れが悪くてあまりもうからない時期から
  仕事は楽しくないけれど、段取りが良くなり、結構儲かる時期へ。

・個人で残したお金(役員報酬-所得税等)は、
 個人でも会社でもどちらでも使える。

 会社で残したお金(利益−法人税等)は、
 個人で使うには制約がある。

・手元のキャッシュの厚さ:選択肢を増やし、戦いを有利にする。

・少数にすることで精鋭にする。

===

『あえて小さく生きる』 鈴木達雄 2012

・銀行はお金を借りるより、経営相談相手として活用すべき。

・多くの人が失敗するのは、お金が余った時に、個人の資産として
 もってしまうこと。

 企業の資産として剰余金を増やすのであれば、このお金は
 経営者家族間の相続でも税金を取られない。

 会社を安全に継続させるには、会社に資産を持たせること。

・企業として体力を強化するには。

 ローコストを推進し、営業力と財務力をつけること。
 そして剰余金を積み増してキャッシュを増やしていくことに尽きる。

===

『ビジョナリーカンパニー 衰退の五段階』 J.C.コリンズ 2010

・教育で効果をあげたいなら、正しい答えを示そうとしてはダメ。
 良い質問をすることに集中するべき。

・中核事業は、人間の基本的なニーズを満たすものであって、
 世界一になっているのであれば、陳腐化することはめったにない。

・厳しい現実を直視しない

・黒字でも倒産することはある。「現金」が大事。

 組織が大きくなり、成功を収めるにつれて、
 現金が重要だという意識はだんだん薄れていく。

 企業は利益不足で倒れることはない。現金不足で倒れるのである。

・適切な人材の条件
 1)会社の基本的価値観にあっている
 2)厳しく管理する必要が無い
 3)「肩書き」ではなく「責任」を負っていることを理解
 4)約束したことは達成する
 5)会社と仕事に情熱をもっている
 6)「窓と鏡」の成熟した思考様式をもっている

===

○やっぱり経営関連本は面白い!

2012年07月01日

二宮尊徳(1)

最近読んだ二宮尊徳(金次郎)関連の本です。

小学校にある「薪を背負った金次郎」像への見方が変わりました。


二宮尊徳は
「努力の人、道徳家、農村指導者」というだけでなく、
「スケールの大きな実業家、したたかな商人、静かなる革命家」
という両面をもつ。

事業経営と社会貢献の観点からも勉強になります。

===

『日本で一番不況に強い男 二宮尊徳の成功哲学に学べ』
  
  瀧澤中 2009年

・「分度」が決まっているから「分外」が出る。

・推譲=修正資本主義 強い人が弱い人を助ける社会 

・社会的弱者を救うことは、社会を安定させることになる

・儲けが出て時間にも余裕ができたから、その時間を
 周辺地域の為に提供する。

・分度を超えた分だけを、推譲にあてるよう指導。
  自分の生活が守れて初めて、他者を助けることができる。

・自分に厳しくできる人は、既にその心の田は見事に耕されている。


===

『二宮翁夜話』 村松敬司 1995

・水車の回り方こそ人道。
  人道というのは中庸を尊ぶもの。

・年切りが起こらぬことを願うならば、推譲の実行に勤めるように。

・遠近も善悪も理屈は同じ。
  自分のいるところが決まって、遠近が決まる。

・自分の名誉は傷つくことがあっても、他人の名誉は絶対に傷つけない、
  という心意気があるなら、道徳の根本は完ぺきといえる。

・どんなに小さくても善いことを実行するようにしたほうが尊い。

・商売とは世の音信をとらえ、利益をつかむもの。

・「己を捨て人に従う」 
  何事も上手くいかなかったとき、この方法をとればなんとかなる。

・禍は口より出ず

・自分も相手も双方が喜ぶ道:天地、親子、夫婦、農業の道。

・勤、倹、譲の3つは必ずともに兼ね行わなければならない。

・推譲の道とは、百石の財産なら五十石で暮らし、
  あとの五十石は譲るようにするやり方。
   家産を維持し、だんだん家産を増殖する方法。

===

『二宮金次郎はなぜ薪をせおっているのか?』

  猪瀬直樹 2007年

・金次郎の本質は、コスト削減によって生じた余剰をどう活用するかにある。

・分度という概念を、もう一度現代によみがえらせてみたい。
 支出を明確にするからこそ、余剰資金は投資と運用に充てられるのだ。

・大きな政府の時代は終わったのである。

・金次郎の改革では、士農工商の垣根を自在に乗り越えている。

・建設業の農業進出。 
 不況の建設業者に、遊休地と化した農地はフロンティア。

・「〜予が日記を見よ。戦々兢々深淵に臨むが如く、薄氷をふむが如し」


===

『二宮金次郎の一生』  三戸岡道夫 2002

・「積小為大」 
 大きいことをしたいと思えば、小さいことを怠らずに勤めなくてはならない。

・年貢を取られる仕事に、自分の労働力を投入しない。

・二宮金次郎の教えは「経済と道徳の一致」であるが、その原点は、
 「五常講貸金」にあるといってよい。

 仁義礼智信の5つの徳を守れる人だけを会員にする。
  きわめて倫理性の強い、すぐれた信用システム。

・物を担保とするのではなく、心を担保に貸す。

・「分度」とは、自己の能力を知り、それに応じた生活の限度を定めること。

・綿密な事前調査、分度の決定、権限の一元的掌握が、復興成功の秘訣。

・分度という方法によって、百姓一揆では成功しなかった
 「合法的大減税」をやり遂げた。

・「一円観」 互いに対立するものは、いずれもそれぞれ円の半分である。

 反対者には反対の理由があり、反対者がでることは、
  まだ自分の誠意が足りず、反対させる原因が自分のほうにもある。

・宇宙間すべてのものに徳があるとし、その徳を引き出す、顕現するのが
 人間であり、その徳を引き出す行為を「報いる」としている。

 報徳の実践に当たっては「至誠、勤労、分度、推譲の実行が報徳」

 人間が働くのはただ自分のために働くのではなくて、
 他の生命のために働かねばならぬ。これが他の恩に報いる報徳なのである。

・分度があるから分度外が生じるのであって、
 分度の本当の狙いは「分度外」にあるのだった。

・人が困っている時に憐れみをかけて、これを助けるのが人の道なのに、
 人が困っているときこそ商売をして自分だけが儲けるのは
 「天道廃絶」というべきである。

・とれたものを全て食べてしまってはだめだ。ほどほどの所で食べて、
 あとは残しておく。その残したものを、世のために蓄積していくことが大切。

===

『二宮尊徳に学ぶ経営の知恵』 大貫章 2006年


・積小為大:大事を成し遂げようと思う者は、まず小事を努めるがよい。

・(尊徳は)円や球に特別の関心をもっていた

・分度に基づく計画的な支出によって余剰を生みだし、その余剰を「他人の
 ために推し譲ること」が倹約なのである

・モノや人に備わる良さ、取り柄、持ち味のことを「徳」と名付け、
 それを活かして社会に役立てていくことを「報徳」と呼んだ

・万象具徳 あらゆるものに徳がある

・人々の「心田開発」−怠、奢、奪から勤、倹、譲へ−が尊徳の願い

・報徳の四綱領:
  至誠(Honesty)、勤労(Diligence)、分度(Economy)、推譲(Sacrifice)

===

2012年4月〜6月 活動報告

2012年6月29日 

お世話になっている皆さまにお送りした近況報告メールの一部です。

いつもお世話になっております。ラーンウェルの関根です。

6月最後の金曜日、いかがお過ごしでしょうか?


こちら埼玉県ときがわ町はいい御天気で気持ち良いです。

長女(小4)と次女(小1)は、学校でプールがある日なので
楽しそうに登校していきました。


さて、本日は、以前からお世話になっている皆さまと、最近ご縁を頂き
名刺交換をさせて頂いた方々に、近況報告も兼ねてメールをお送りいたします。

今回も長文ですので、お時間のあるときにご高覧頂けましたら幸いです。

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【前回の近況報告メール】

前回は、2012年4月9日(月)に、1月〜3月の活動についてご報告しました。

 http://learn-well.com/blogsekine/2012/04/201213.html

お忙しい中ご返信下さった皆さん、ありがとうございました。

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【近況報告】


今回は、2012年4月〜6月の活動について、
ブログへのリンクを中心にご報告します。

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1.仕事


●研修

4月末〜6月上旬は「指導員研修」のラッシュで、ほとんど出張ばかりでした。

月火、研修。
水曜日、大学院。
木金、研修。
土日、ぐったり。

みたいな感じでしたが、無事終了しました!

研修企画者の皆様、参加者の皆様、ありがとうございました!


●取材

雑誌「人材教育」7月号に、インタビュー記事が掲載されています。


特集『若手を伸ばす「教える力」』

「教える」チャンスを提供し育成の風土を根づかせる
http://www.jmam.co.jp/productservice/jinzai/backnumber/issue/201207.html

(取材して下さったYさん、Nさん、Nさん、ありがとうございました。)

●セミナー参加

「これからの新人教育の話をしよう」に参加してきました。
 http://www.learn-well.com/blogmanabi/2012/06/post_227.html


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2.大学院


●修論

2013年1月に修論を提出し、今年度末に大学院を卒業予定です。

調査に協力して下さったお客様、中原先生や研究室メンバーのお力添えで、
少しずつ論文執筆が進んでいます。

修論のタイトル案は、
「新卒社員の組織社会化を促す職場メンバーの支援行動に関する実証研究」です。

7月4日(水)には、教員の方々に対する「中間発表」があります。
そこで頂くコメントをもとに、修論をより良いものにしたいと思っています。

●授業

5月は研修ラッシュだったので、大学院での文献担当等を、
4月にまとめて行いました。きつかったですが、早めに終わらせて良かったです。


海外赴任者に対するメンタリングの効果(ゼミ発表)
 http://learn-well.com/blogsekine/2012/04/post_363.html


「経営学習論」(1)組織社会化
 http://learn-well.com/blogsekine/2012/04/2012.html

「経営学習論」(2)経験学習
 http://learn-well.com/blogsekine/2012/05/2012_1.html

「経営学習論」(3)職場学習
 http://learn-well.com/blogsekine/2012/06/2012_2.html

「経営学習論」(4)海外勤務
 http://learn-well.com/blogsekine/2012/06/2012_3.html


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3.家族


5月下旬に、長男(3歳)が、右足を骨折し、ギブス生活が続いていたのですが、
今週ようやくギブスが外れました!

包帯を綺麗にしたり、毎日病院に連れていったりと、
奥さんも大変だった思います。お疲れさまでした。

(ひろと、今までの分を取り戻すぐらい、遊ぼう!)


●たき火で竹輪パン
 http://www.facebook.com/photo.php?fbid=366438420081391&l=2867154ad5

●プチ学会
 http://www.facebook.com/media/set/?set=a.370677109657522.82402.100001457076538&type=1&l=6df752d6cf

●父ちゃんズ@赤坂
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.378310015560898.83795.100001457076538&type=1&l=2308887ed1


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4.地域


●ときがわ町副町長さんとの面談
  http://tokigawa-machi.seesaa.net/article/275210182.html


●小学校での「本の読み聞かせボランティア」

 とうちゃんず仲間から話を聞いたことがきっかけで、娘達が通う玉川小の
 「本の読み聞かせボランティア」に参加することにしました。

 毎週水曜日朝なので、今年は大学院のゼミがあり、
 たまにしか参加できないのですが、次年度のために始めることにしました。

 次女(小1)は「わたしたちのところに来て−」と言ってくれますが、
 長女(小4)は「来てもいいよ」ぐらいの言い方で照れくさそうです。

 高学年になると、もっと恥ずかしがると思うので、
 今のうちから始めておきたいと思っています。

 どんな本を読むかは、これから決めていきますが、私としては
 「日本の昔話」や「日本の神話」を読み聞かせてあげたいなーと思っています。
  

 ただ、長女の話を聞く限りでは、何人かの子たちは「つまんなーい」と
 読み聞かせに対して否定的な反応をするようです。

 確かに、テレビやゲームのような刺激がない分、読み聞かせに慣れていない子だと、
 難しいのかもしれませんが、だからこそやってみます。


 皆さんだったら、どんな本を読み聞かせます?

 時間は、10分間(8時20分〜30分)
 対象は、低学年(1〜3年)または、高学年(4〜6年)
 一クラスあたりの人数は、2〜30名。
 絵を見せるというよりも、音読で聞かせ、想像力を広げさせたいそうです。

 お薦めの本など、教えて頂けましたら幸いです。


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【ご案内】


お世話になっている日経新聞Hさんのお薦めセミナーです。

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●プロジェクトチーム・組織の活性化に生かす
 ワールド・カフェ・ファシリテーション <20名限定>


「ワールド・カフェ」とは、リラックスした会話(ダイアログ)によって
参加者全員の納得感が得られるファシリテーション手法です。

チームビルディングや、ビジョン・バリューの共有、
アイデア創出、戦略策定、コミュニケーションの活性化などに応用できます。

「カフェ・ホスト」としての準備・運営ノウハウを、
演習や活用事例を交えながら、ワークショップ形式で
わかりやすく丁寧に指導します。


日時:7月10日(火) 10:00〜18:00
会場:丸の内オアゾ(OAZO)丸善3階 日経セミナールーム
講師:大川 恒氏(HRT代表取締役、組織変革コンサルタント)

詳細は以下のページをご高覧くださいませ。

http://www.nikkei-nbs.com/nbs/seminar/1207005.html


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【今後の予定】


●一人合宿

お陰さまで、設立8期目の上半期が無事終了しました。
ご支援下さっている皆様のお陰です。本当にありがとうございます。

半期のふり返りと、下半期の活動について考える為の「一人合宿」を、
7月5日(木)〜6日(金)に実施します。

東京の某ホテルに、1日缶づめ状態で、じっくり考えます。
(気持ちよく送り出してくれる専務、ありがとうございます!)


●修論執筆

7月は中旬までが研修で忙しいので、そこに集中します。

7月後半から研究活動に集中。子供達の夏休みも始まるので、
ちょこちょこ遊んであげられたらと考えています。

8月中旬は、研究集中。お盆明けには妻の実家の大分に帰ります。
とは言っても、同時期に私は福岡で3日間の研修を実施してきます。

9月は研修と大学院夏合宿。この時期までに、修論の1章(社会的背景)
3〜4章(研究方法と結果)については書きあげたいと考えています。


●次回報告

次回は、7〜9月の活動について10月上旬くらいに、
皆さん宛て近況報告メールをお送りできたらと考えています。

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以上です。長文にお付き合い下さりありがとうございました。

これからも時折こういったメールでの近況報告やご案内を送らせて
頂けましたら幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願いします。