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2013年02月24日

プレFDに参加して〜大学授業と企業研修

2013年2月22日(金)14時〜17時30分 @ 東大

「未来の大学教員を育てる〜プレFDの挑戦」に、参加してきました。

http://www.todaifd.com/event/


日本のリーディング・ユニバーシティーである東大と京大で
大学院生の「教育力」を高めて、各大学に送り出す。

既存大学教員ではなく、これから大学教員を目指す若い院生に、
学部生を教えさせ、授業デザインやふり返り検討会を行うことで、
「教育力」を高めていく。

そのような取り組みの紹介でした。

参加しながら、「企業研修」と「大学授業」の違いや
共通点を考えさせられました。

(あくまで私の主観ですので、間違った理解も多いと思います。
 また、ここでは企業側が予算を準備し実施する研修と比較しています。)

===

●相違点

「大学授業」と「企業研修」の違いとして、パッと思いつく所で
いくつかあげると・・・


1.目的 vs 手段

大学授業は、学習が目的であるのに対して、
企業研修の場合、学習は手段である。

仕事で成果を出すために必要な知識、技術を修得するのが、
企業研修の基本的考え方。

大学授業は、内容・コンテンツを理解させることが目的。

その内容・コンテンツが、どのように活用されるかは、
学習者個人に委ねられている。

つまり、企業研修においては「仕事でこう役立つから、○○を学ぶ」のであり、

大学授業では「 〜 だから、○○を学ぶ」の「〜」の部分が、
学習者個人に任せられているという感じかも。

そのためにも、企業研修の場合、伝えられる内容・コンテンツが、
現場でどう役立つのか、そのつながりをきちんと示す必要がある。

コンテンツ・内容ありきというより、現場での活用場面が大事。

(このあたりのことは「パフォーマンス コンサルティング」の
 考え方が参考になる。

 「パフォーマンス・コンサルティング」
  http://learn-well.com/blogsekine/2009/06/post_249.html
  http://learn-well.com/blogsekine/2009/08/post_250.html


2.評価あり vs 評価なし


大学授業においては、
学生に対して「優良可」「ABC」といった評価が教員からされるが、

企業研修においては、受講者が評価されることは少ない。
(ロープレやアセスメント研修は別として)

授業で、内容・コンテンツをいかに理解したか、
授業に、積極的に参加したかは、大学授業では重要だけれども、
企業研修ではそれほど重視されていないかも。

もちろん、研修受講者の参加姿勢や理解度は重要であったとしても、
極論すれば「仕事に役立たない研修に熱心に参加し、理解度を高めても・・・」
といった感じ。

つまり、「仕事に役立つ研修」を企画側が用意できたのかという方が
より重要であり、評価は受講者側から、企画者、運営者側に対して
行われることが多い。

(最近は大学授業でも、学生による教員評価はあるようですが)

K.Patrickの「効果測定の4段階」におけるLevel2の「Learning」も、
受講者が理解しやすいよう、研修設計者が作ったかどうかという面のほうが、
重視されていると感じる。

「カークパトリックの4つのレベルの実践」@ASTD 2007
 http://learn-well.com/blogsekine/2007/06/post_31.html


3.長期間 vs 短期間

学生の評価にも関連するが、大学授業は長期間、高頻度であるのに
対して、企業研修は、短期間、低頻度であると言える。

大学授業は、3〜4か月、15回 X 90分 

企業研修は、1〜2日間 数年に1回参加する機会があればいいほど。
(幹部研修は除く)

===

以上、ぱっと思いつく限り「大学授業」と「企業研修」の違いをあげてみました。


先生方のお話しの中で、

「大学院に入るような人は、1mあがることが楽しい人。
 1m登りたい人が、大学院に入ってくる。

 学部生は、1mあがる意欲が低かったり、
 1mの登り方が分からない人。

 だからこそ、学部生の教育においては、
 1cmずつ100段を用意してあげる必要がある。」

「大学院生や教員は、学部生の“わからない”“興味が無い”
 という気持ちが分からない。」

 といった言葉がありました。


「なるほどなー」と思いました。

・教える立場の人は、学ぶ人の「分からない・興味もない」という
  気持ちを忘れてしまう。

・1mあがるために、1cmずつ100段準備してあげる


ただ、後者については、企業教育(集合研修だけでなく、
現場OJTも視野に入れて考えてみると)では、
次のような意見もあるかもしれません。


「1m 自力で登ってくる奴だけ 生き残ればいい」
「1cmで100段 用意してやるなんて、過保護だ」

新人や若手に対する手厚い教育に違和感を覚えるマネジャーや
年長者の方々といった感じでしょうか。


もうひとつ、大学授業では、その先生が「1mあがるために必要であった100段」は
「再現可能性」が高そうですが、

企業で、例えば、その上司が「1mあがるために必要だった100段」は、

・たまたま出会ったその時の上司、先輩
・そのとき、与えられていた仕事
・市場などの外部環境

といった「再現可能性」が低い偶発的な要素が強そうです。

つまり、企業教育において、1mあがるために必要な100段を示すのは、
なかなか難しいのかもしれません。(もちろん示そうとする努力は必要ですが)


===

次に、「大学授業」と「企業研修」の共通点として・・・


●共通点


1.集合形態を重視

文科省顧問の方は

・Classroom teaching は無くならない(質を高める必要はある)
・人間同士の心の触れ合いの重要性

を訴えていました。


2.ネットとの関係を模索

その反面、インターネット上での授業内容の無料公開など、
教室形態以外を模索している様子を感じました。

(東大のMOOC http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20130222/1080950/ )

このあたりは、企業研修が抱える課題と重なるのかもと思いました。


3.もつもの→もたざるもの

大学授業でも、企業研修でも、基本的前提は

知識、技術、経験を「もつ」者(教員、講師)が、
それらを「もたない」者(学生、受講者)に伝えること

と言えそうです。


いくら「導管モデルから対話モデルへ」とは言っても、
そこにはやはり「もつもの→もたざるもの」という前提があるような気がします。

教える側がある程度の正解(1mあがるための100段)をもっていて、
それを直接的に伝えるか、間接的に気づかせることで、学ぶ側に、
その正解を獲得させていく。

大学授業であれば「内容・コンテンツ」をどう伝えていくかが
ありきかもしれませんが、

そもそもその「内容・コンテンツ」が本当に学生に必要なのか
という視点が、今後ますます大事になってくるような気がします。


同じことは、企業研修にも言えて、上司、先輩、研修講師等も
何が正解か分からない、どう変わっていくかもわからない、

そのような状況で「おそらくこれは役立つはず」と信じて、伝えている。

教える側も答えが分からない。


教える側と学ぶ側が、答えややり方を一緒になって模索していく、
作り上げていくような「教育?」が、
今後ますます必要になってくるのかもしれません。

(Engestromの「拡張学習」的な?
 http://learn-well.com/blogsekine/2011/05/post_341.html 

 学習目標や理想像の相互構築?
 http://www.learn-well.com/blogmanabi/2011/11/post_222.html )

その時に、外部の研修講師として何ができるのか、考えていきたいです。

===

貴重な機会を与えて下さった大学の皆さん、ありがとうございました。


2013年02月17日

経営戦略本の古典

やっぱり古典は大事。

(・引用 ○独り言)

===

『企業戦略論 上中下』 J.バーニー

・戦略(Strategy)を「いかに競争に成功するか、
  ということに関して一企業が持つ理論」と定義

 戦略は、「Best Guess」にしか過ぎない。」

・ミッション→目標→戦略→戦術

・SWOTは、戦略セオリーを検討する際に、どのような質問を発すればよいか、」
 ということしか教えてくれない。

・市場分散型業界:参入障壁と規模の経済がほとんど存在しない。
  そのため、無数の小企業が乱立する。

・企業の強みと弱みを分析する VRIOフレームワーク
 Value 経済価値があるか?
 Rarity 希少性があるか?
 Inimitability 模倣困難性は?
 Organization 組織はどう?

・垂直統合 どれを自社独自で取組み、どれを他社に任せるか

・最近の研究では、ポーターの言う「中途半端」の主張とは矛盾する結果が出ている。
 コストリーダーシップと製品差別化の両方を実行することは可能。

・高い不確実性の下では、戦略には柔軟性(Flexibility)が重要。
  予測し得なかった変化が生じた場合、低コストかつ迅速に
  自社の方向性を変化させる能力が重要。

・多角化戦略を実行する上で最も一般的な組織構造は、M型組織 もしくは
 事業部制組織(Multidivisional structure)と呼ばれるもの。

○自社の内部資源に焦点。VRIO分析は重要。

===

『競争の戦略』 M. ポーター

・5つの競争要因:
 1)競争業者 2)新規参入者 3)売り手(供給業者) 4)買い手 5)代替品

・業界とは、互いに代替可能な製品を作っている会社の集団

・3つの基本戦略
  広いターゲット:差別化/コストリーダーシップ
  狭いターゲット:集中

・差別化に成功すると、市場シェアはとれなくなる。

・競争業者の行動を監視できる体制が自社に必要。

・自社にとって好ましい買い手に向けて販売。買い手を選定する。

・「他に信用出来る仕入れ先を持っていない」
 「仕入先の変更に大きなコストがかかる」買い手

 「高品質政策をとっている」「特注品」の買い手

・売上を増やそうとするほど、好ましくない買い手への販売が増える。

・多数乱戦業界:
  参入障壁が低い、規模の経済性/エクスペリエンス曲線がきかない

・人手によるサービスが事業の決め手なら、小企業のほうが効率的。
  例)コンサルタント業界

・製品を絞って専門家する「集中戦略」
 顧客のタイプ、注文のタイプ、特定地域に集中。

 顧客を絞れば、利益率は高くなるが、企業成長の見込みは少なくなる。

・的を絞った戦略には、ある事業をあきらめるという勇気が必要。

・成熟期では、シェア競争が激化し、競争の重点がコストとサービスに移る。
  成熟期の業界では、社員の気持ちに気を配る必要がある。

・参入すべきは、不均衡状態にあり、参入コストが少ない業界。

・垂直統合とは、「作るか、買うか」のディシジョン

・競争戦略を策定する場合、二種類の選択が必要。
 1)コストリーダーシップ戦略をとるか、差別化戦略をとるか
 2)競争範囲を、広くとるか、狭くとるか


○弊社は「集中戦略」
○5つの競争要因で、環境分析。

===

『競争優位の戦略』 M. ポーター

・三つの基本戦略を実践する方法を、本書では説明

・競争優位とは、買い手のために創造できる価値から生まれる。

・競争戦略とは、有利な競争的地位を探すこと。
  競争戦略を選ぶ際は、1)業界の魅力度 2)地位の強さを決める要因 を問う

・競争のルールは、5つの競争要因によって決まる。

・長期にわたって平均以上の業績をあげられる土台となるのが、
  持続力のある競争優位である。

 競争優位を達成するには、3つの基本戦略の一つを選ばなければならない。

・集中戦略の本質は、業界の平均とは異なる狭いターゲットを攻めること。
  意図的に、売上量を制限すること。

・基本戦略に持続力を持たせるには、その戦略の模倣を難しくするような
  障壁を築く必要がある。

・競争優位は、会社における多くの別々の活動から生まれる。
  競争優位の源泉を探るために、会社を戦略的に重要な活動に分解する。

・差別化の本質的基礎となるものは、買い手の価値連鎖(Value Chain)において
  会社がはたす役割なのである。

 自社のみでなく、全体の価値連鎖に自社がどう適合しているのか。

・価値連鎖 9つの基本的活動

・価値活動のコストは、ラーニング(習熟)によって低下する。

・取扱量の平均化 逆の周期に需要を持つ買い手を選ぶ。

・コスト削減の努力は、差別化戦略と無関係な活動に絞らなくてはならない。

・差別化は、会社の価値連鎖から育ってくる。

・習熟した結果、特異性が生まれる。

・買い手のために作る価値として、「買い手のトータルコストを下げる」がある。
  こちらの価値連鎖が、買い手の価値連鎖にインパクトを与える。

・会社が購入するのではなく、デシジョンメーカー個人が購入するのである。

・買い手は、購入後、「立派な選択をした」と、引き続き確信を持ちたがる。

・差別化は、使用基準またはシグナル基準を満たすことで可能になる。

・差別化の持続力は、「買い手がどのくらい長く価値を認めてくれるか」
 「他社がどのくらいの期間、模倣しないか」によって決まる。

・「良い競争相手」と仲良くしながら、「悪い競争業者」への攻撃に集中すべき。

・競争業者がいるから、会社は競争優位を高めることができる。

・業界とは、類似または関連性の強い製品が買い手に売られる市場のこと。

・成功する代替品は、たいがいS字曲線を描く。 よって、予測できる。

・水平戦略を無視して、競争に勝てる会社は、今日ほとんどない。

・事業単位間の相互関係:有形、無形、競争業者。 
  相互関係のコスト:調整、妥協、非柔軟性。

・タテ組織とヨコ組織のバランス

・日本的経営は、相互関係の活用に適している
  日本の会社の武器は、最初低賃金、次に品質と生産性、その次はおそらく相互関係の力

・補完製品:一方が売れると、他方も売れる

・不確実性に対処する最良の方法は、意識してアプローチを選ぶこと。

・リーダーを攻略するために、挑戦者がもつべき3つの条件:
 1)持続的な競争優位 2)他の活動の同等性 3)リーダーの報復に対する妨害

・リーダー攻略法:
 1)価値連鎖の再編成(1つ以上) 
 2)競争分野(業界内集中、統合/脱統合、地理、水平)の幅の再定義
 3)支出の単純増加

・挑戦者の戦略が、リーダーの戦略に矛盾をもたらせば、
 リーダーの報復能力は弱まる( →逆転の競争戦略)

○「価値連鎖」9つの活動のどこに、自社の特異性があるか。
○「買い手の価値連鎖」を意識
○補完製品の一括販売戦略

===

銀行とのつきあい方

修論執筆中は、読むのを我慢してきたビジネス本。

最近は、気持ちよく色々読んでます。やっぱり楽しいですね。

===

『社長は会社を大きくするな』 山本憲明

・一人あたりの粗利は、平均1000万円(売上総利益÷従業員数)
 2000万円を目指す。

・粗利率の高い(原価率)の低い商売を選ぶ

・複数の小さな事業を、並行して進める

・粗利は、4:4:2 (給与:経費:利益)

・綺麗な貸借対照表は、現金がたくさんあって、純資産が多い。
  毎年利益を出して、税金を払い、お金を残すと、そうなる。

・銀行からいつでも借りられるように、まず借入を起こして、
  その借金を地道に返した、という実績を作る。

===

『99%の社長が勘違いしていること』 掘龍市

・銀行の為の事業計画ではなく、お客様も見られる行動計画を作るべき

・金利は、社長の頭を100%お客様のために使う経費(年利2.5%ぐらい)
  中小企業なら月に1000万円もあれば、お金の悩みはなくなる。

・銀行は「今は特に必要ないけれど、何かあった時のために借りておこう」
  と言う会社に貸したがる。

・ビジネスは、お金を回そうとすると、上手くいく。

・中小企業成功の秘訣は、絞り込み、専門家、1番狙い。

===

『小さな会社の社長の戦い方』 井上達也

・会社経営は長期戦。地道にブランドを作っていく。「昔からそこにある」

・成功するために必要なのは、今、お金にならないことをすること。
 「未来に売れるビジネスを、今、作ること」

・「信用」「知識」「お金」の貯金

・無借金経営は危険な賭け。 手持ち資金があり、借入の必要が
 なかったとしても銀行からは必ずお金を借りておくべき。

 銀行もお金を借りてきちんと返し続けてくれた会社なら
 信用出来る会社と見てくれる。

・薄く広く、いくつかの銀行からお金を借りておくべき。

===

『なぜ、いい税理士を顧問にすると、銀行をお金を貸したがるのか』 広瀬元義監修

・お金のある企業が強い会社

・資金繰りが上手くいっている経営者の支払いは、20日締め、
  翌月末払いという40日サイトを基本としている。

・資金繰りをよくしたいなら、逆算方式で「利益」を先に設定。

・都市銀行(メガバンク)と付き合うなら、売上高10億円以上。

・地銀、信金の担当者は、地元に大きな人脈、情報をもっている。

・政府系、地銀、信金、等4つ以上の金融機関と付き合う。

・融資の際の5つの指標
 1)使途:融資されたお金の使い道
 2)財源:借りたお金をどう返していくのか
 3)保全:担保
 4)期間:できるだけ長期(1年以上)で借りる
 5)レート:金利0.25%が一つの単位 

・決算書で重視するのは、B/S:純資産 P/L:営業利益と経常利益

・支店長訪問は、16~19日あたり 朝一番
  着任して最初の半年

・銀行の違う通帳4つ:
 1)売上収入口座 2)運転資金口座 
 3)納税口座(積立)4)投資講座(貯蓄)

・一番現金が残るのは、税金を払っている場合。

===

『おカネを借り続ける経営』小堺桂悦郎 

・無借金経営=自己資本比率100%の経営 ありえない。

・銀行が貸し続けるのは、倒産されたら困るから

・1年の会社経営の結果として、自由に使っていいお金というのは、
 税金を支払った後のお金、つまり税引き後利益だけ。

・土地は、永久に費用となることがない。

・資金繰りがおかしくならないようにするために、
  月商1カ月分くらいを運転資金として借りておく。

・入金と支払いをスムーズにするために借りておくのが運転資金。

・銀行は情報の宝庫。特に不動産情報。

・3行と取引すべき:政府系、信金、地銀。

・資金繰りに困らないコツは、業績好調で、
 少し早いかなという時期に借りておくこと。

・手持ち資金の余裕:月商1カ月分の預金残高。

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『ドラッカー 経営戦略』 和田一男

・製品のリーダーシップを持つとは「市場や顧客のニーズに最も適合している」こと

・小さな分野に特化した企業のほうが、リーダーシップを握ることが多い。

===

『小さな会社の社長がやってはいけない67のルール』 遠山秀幸

・倒産防止共済に加入しておく(毎月の掛け金を損金に算入)

・長寿企業:
 本業からはずれず、社会のニーズに合わせる。
 名とのれん(ブランド、信用)を引き継ぐ

・突然の税務調査に対しては、まず税理士に連絡。

・48の節税対策

・売る前のお世辞よりも、売った後の奉仕が大事。
 商人に好不況はない。いずれにしても儲けなければならない。(松下幸之助)

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これらの本を参考に、銀行とのつきあい方を考え直しました。