« AOM (米国経営学会) 5日目 「Organizational Socialization」 | メイン | OCB 組織市民行動 »

AOM (米国経営学会)2013 参加ふり返り

今回初めてAOM(米国経営学会)@オーランド FL に参加しました。

全体をふり返って感じたことを記録に残しておきます。

===

1.外国人研究者が多い


私が参加したのは、OB組織行動論のセッションが多かったのですが、
発表者の多くは、アメリカ人以外の研究者でした。

Ph.D(博士号)取得を目指す留学生や、
アメリカの大学で教えている外国人研究者達です。

プレゼンでは「ちょっとアクセントは違うけど・・・」と謙遜しながらも、
流暢な英語で発表と質疑応答をします。すごいです。

参加者にも外国人が多く、そのため、私の下手な英語でも
何となく話しやすい雰囲気がありました。

現時点でのAOM側データでは、参加者は約8400名、88の国々からの参加です。
アメリカ人は約4000名の参加ですから、半数以上は外国人だったようです。

アジア系で目立ったのはやはり中国の方々で、発表も多かったです。
参加者数も284名。日本人(28名)の約10倍です。(トップも中国の方ですし)


外国人の目線であることと、今回のテーマが「Capitalism in Question」
ということで、アメリカ(大きくは西側)での研究や施策に懐疑的な
内容も多かったようです。

私が参加したセッションでも、研究サンプルにアジア圏の企業を使ったもの
が多かったり、文化の違いに留意すべきだという発表もありました。

===

2.OCB:組織市民行動に関心と期待が集まっている?


最初、私は「Organizational Socialization組織社会化」や「Newcomer新人」
でセッションの検索をかけたのですが、そこにひっかっかたのは、
「OCB:組織市民行動」でした。

それもあって、OCBのセッションに多く参加することになったのですが、
参加してみると、OCBに対する関心と期待の高さを感じました。

(セッション数は全部で1661もあり、その中で、たまたまOCBに多く参加
 したので、そう感じたということもありますが・・・)

2日目の「OB組織行動の研究者とのグループ討議」でも、
OCBは「Prosocial、Helping、Proactivity」の中で扱われていました。

(他のテーマは、Leadership、Motivation等、OBの主流とも言えるものです。)

911以降、Positive Organizational Scholarshipに注目が集まり始めたように
ポジティブで、利他的な観点もあるOCBに、研究者の関心と期待が集まって
いるのかもしれません。

それは、今回のテーマであるCapitalism in Questionと共に考えた場合、
Greedy貪欲で利己的とも見られる資本主義の中に
「助け合いの精神もあるんだよ」ということで、OCBに注目が
集まったのかもしれません。

私自身のテーマで言えば、研修内で指導員に対して

「新人育成を指導員1人で行わず、周囲の協力を得て下さい」

と言うのは、いわば周囲のOCBを期待しての発言となります。

では、どうすれば、周囲のOCBを促すことができるのか?
このあたりは、別の機会にじっくり考えてみたいと思います。

===

3.より精緻な研究


今回良く使われていたのが、Multiple sources of Data多様なデータでした。

Self-report本人の自己知覚データのみのSingle sourceでは、
研究としての信頼性に疑問符がつくということのようです。

Journal論文誌に載せたいならば、多様なデータ(本人、周囲、上司評価等)
そして、Longitudinal縦断的調査の方がよいとのことでした。

そういう意味ではより精緻で信頼性の高い研究知見が、今後生み出されて
くるのかと思います。


その反面、発表を聞きながら「これは、実際にどう活かすのだろう?」
あるいは「誰が、この知見を必要とするのか?」といった素朴な疑問を
持ってしまう研究もありました。

特に、「経営学会」であれば、研究のあて先は「経営」であるはずで、
経営に資する研究でないと、存在価値が無いのではないかと思ってしまい
ました。

「学会」という閉ざされた世界で生き残っていくことだけ考えるのであれば、
そこで認められるために精緻な研究は必要かもしれませんが、現場で使える
Practical実践的な研究とはかけ離れていくのではないかと思いました。


これは、自分が研究者ではないからそう感じるのかと思っていたら、

最終日に知り合ったフランス人の若手研究者が、
同じようなことを言っていました。

彼曰く

「基礎研究的なものも大事だが、経営学であれば実践につながる研究が必要。
 その割合が現状低い。」

「せっかくの役立つ知見も、論文の海の中に埋もれてしまう。
 現場には届いていない。」

「経営学者が、狭い範囲で研究を極めていくほど、経営者の役に立たなくなる。
 経営者は、幅広い領域(マーケティング、会計、開発等)を考えないと
 いけないから。」

我が意を得たり!という感じです。

学術の世界と現場の世界をつなぐ重要性を、改めて感じた学会参加でした。

===

以上、今回のAOMに参加して感じたことをまとめました。

来年は、8月1日〜5日に、ペンシルバニア州のフィラデルフィアで
開催されます。

来年も都合をつけて参加しようと思います。

===

下記は、今回のAOM参加に関するブログ記事です。


参加前
http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/academy_of_management.html

宿題(POSの本読み)
http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/positive_organizational_schola.html

1日目
http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/aom_20131.html

2日目
http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/aom_2_ob.html

3日目
http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/aom_3_lmxocb.html

4日目
http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/aom_4commitmentocb.html

5日目
http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/aom_5_organizational_socializa.html

===

今回このような海外出張の機会を得ることができたのも、
お世話になっている方々のお陰です。本当にありがとうございました。

自分が得たことを少しずつでも還元していけたらと思っています。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://learn-well.com/xbitmtop/mt-tb.cgi/1085

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)