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AOM (米国経営学会) 4日目 「CommitmentとOCB」

2013年8月12日(月)AOM 4日目スタート!

今日は朝8時からのセッションに参加。

今日参加するのは、

・Organizational Commitment 組織コミットメント
・OCB:組織市民行動 に関するセッションが中心です。

(・文献要約 講演内容 ○関根の独り言)

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8時〜9時30分 @Dolphine Resort Europe2

『Commitment: Types, Antecedents, and Consequences』

今回はプロジェクターでのプレゼンあり、
椅子は教室形式。こっちの方が安心して聴講できる。ふ〜。

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●How Expatriates Influence the Organizational Commitment of
Host Country Nationals

・外国人マネジャーは、現地スタッフの組織コミットメントにどのような
 影響を及ぼすのか。

・中国にあるドイツの会社で調査。ドイツ人マネジャーと中国人従業員。

・外国人マネジャーの存在は、現地スタッフの組織コミットメントを 
  低下させていた。特に、現地スタッフの役職が高い場合に顕著。

 しかし、現地スタッフがより「個人主義」で「金銭第一主義」であった
 場合、その低下は軽減される。

○つまり、現地スタッフが、より西洋的(個人主義で金銭第一主義)で、
 外国人マネジャーの価値観に近いほど、組織コミットメントが
 下がりにくいということかな。

○現地スタッフが、いかに外国人マネジャーに合わせるかということに
 なるかもしれないけど、外国人マネジャーが現地スタッフに合わせようと
 することも必要。

 セッションに参加していた中国の人は、自分の上司がドイツ人だったとの
 こと。上司が少しでも、中国語を「ニーハオ」とかしゃべろうとしてくれる
 とそれだけで気持が近くなったと語っていた。きっとそうだろうなー。

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●Contagion of Organizational Commitment in the Context of
Contradeictory Influences

・組織コミットメントの高い人と低い人に囲まれて仕事をしている時、
 その本人は誰の考え方に最も影響を受けるのか。

・自分と同じ仕事をし、その組織に長く勤めていて、友達関係にある人の
 態度や意見に最も強く影響を受けることが明らかになった。

・人種や性別の影響は関係なかった。

○面白いけど、この知見をどう組織側は活用したらよいのかな。

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●A Mindset of Obligation: Exploring a Normative Commitment Orientation
beyond the Workplace

・Normative Commitment Orientation(NCO)という尺度の開発。

・組織コミットメントの3種類:
 1)Affective 情緒的 They want to
 2)Continuance 功利的 They have to
 3)Normative 規範的 They ought to

・このうち、Normative commitmentは、Affectiveと重なるのではないかとして
 あまり研究でも重視されてこなかった。

・しかし、仕事以外でも「規範的コミットメント」をもつ人がいるのでは
 ないか。例)結婚生活、友人との関係。

・規範的コミットメントの高い人は、組織を辞めない。

・それらを測る尺度を開発する。

・本研究で開発した尺度NCOにより、全人的な「規範的コミットメント」の
 測定が可能になる。

○規範的コミットメントの高い人ばかりの組織も「義務感」の強い
 真面目な人ばかりで、ちょっと息苦しそう。
 
 またそういう人ほど、燃え尽きそう(Burn out)。

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●Relationship of Personality to Organizational Commitment:
A Meta-Analysis

・PesonalityのBig5と、コミットメント3種の関係を分析。

・どのような性格の人が、どのようなコミットメントを持ちやすいのか。

・6項目、8項目どちらの組織コミットメントの尺度を使うかで結果に
 違いがでている。

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セッションの最後に、参加者の1人から
「2014 Conference on Commitment」の案内があった。

http://fisher.osu.edu/~klein_12/Commitment.htm

「組織コミットメント」に特化した会だそう。

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午後のセッションに向けて、4本の文献を読む。

今回AOMに参加して、英語文献を読むスピードは速くなったかも。

ざっと読みだけど、1日に8本ぐらい読んでいる。
(約20ページの文献に、約30分かかる)

やっぱりこういう環境に身を置くことは大事。

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地下一階では、出展社Exhibitionがありました。

130812c.JPG

何冊か本を購入。

(今日が最終日ということで安く売ってました)

130812d.JPG

左側2冊は、Training研修に関するもの。
右側のマンガは、Daniel Pink氏のキャリア本です。

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15時〜16時30分 @Dolphine Resort Oceanic1

『Organizational Citizenship Behavior:
  New Perspectives on the "Good Soldier"』


こちらもプロジェクターによる教室形式で、ほっと一安心。

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●A Need to Belong as a Driver of Newcomer Organizational
Citizenship Behavior

・Need to Belong(Baumeister & Leary 1995)所属欲求?がOCBを行う理由。

・OCBを行うということは、自分の仕事が滞るというコストが発生する。
 にもかかわらず、何故個人がOCBを行うのか、その理由はわかっていない。

・新人は「自分は受け入れられているのか?Am I accepted?」を気にしている
 (Miller & Jablin 1991)

・OCB:The Good Soldier Syndrome(Organ 1998)

・Impression Management 印象管理?は、ネガティブにも受け取られる。

・Relational Value 関係価値?
 自分は「付き合うだけの価値がある人間である」とアピールする

 OCBを行うことで、周囲に好かれ、チームメンバーとして認められるように
 なる。つまり、新人の関係価値が上がるということ。

・本研究は概念モデルの提示まで。実証研究は今後。

○松本(2003)は、新人による「雑用」を「教えてもらうための対価」
 としている。ここで取り上げられているOCBはこれにも近いかも。

 http://learn-well.com/blogsekine/2012/07/post_370.html

 あと、中原先生との雑談で出た「新人の早朝出勤」も、
 IM 印象管理の一つであり、関係価値を高めているのかも。

 http://www.nakahara-lab.net/blog/2013/07/post_2062.html

○新人には「所属欲求」があり、それを満たすために、
 「自分はメンバーとして付き合うに足る人間である」ことを、
 「関係価値」の向上を通じて示す。そのために、OCBを行う。

 という、新人側が、OCBをしたくなる理由は分かった。

 では、新人を受けいれる周囲が、OCBを行う理由は何か?

 自分の研究に引きつけて言うと、新人の面倒を見る「指導員」以外の
 他者が、新人指導を手伝う(OCB)を行う理由は何か?

 ここはもう少し考えたい。


===

●Combined Effects of Job Satisfaction and Impression Management
on OCB and Job Performance

・自身の能力不足を感じている人ほど、IM 印象管理を行う。

 周囲からIM 印象管理を行っていると見られる人ほど、
 上司から、その人のパフォーマンスに関する評価が低い。

 Job satisfaction職務満足は、職務パフォーマンスとOCBに正の効果を示した。
 特に、IM印象管理が低いほど、上記の関係が強く示された。

・職務満足とパフォーマンスの関係については様々な議論がなされてきた。

 Organ(1977)はパフォーマンスに「Extra role behaviors(役割外行動)」
 が含まれていないので、職務満足とパフォーマンスの関係が出づらいとした

 職務満足の高い人は、役割外行動もいれた場合、パフォーマンスが高くなると。

・しかし上記もまだ弱い関係である。そこには媒介要因があるのではないか。
 それがおそらく、IM印象管理。

・アメリカや西側諸国のようにIndividualistic culture 個人主義的文化では
 IM印象管理は効果があるかもしれないが、パキスタンやアジアのように、
 Collectivistic culture 集団主義的文化では、IM印象管理は好ましいもの
 とは受け入れられないのかもしれない。

・北アメリカで得られた知見を、そのまま集団主義的なアジア諸国で
 実践しない方が良い。


○「能力に自信がない人ほど、印象管理をしやすい」ということは、
 もしかすると、新人ほど(そしてプライドが高い人ほど)、
 「自分をより良く見せよう、大きく見せよう」としてしまうのかも。

 そして、それは他人には見抜かれていて、結局は能力の低さを、
 更にさらしてしまうことにつながるのかも。 

○職務満足は自己評価。印象管理は他者評価。OCBとパフォーマンスは上司評価
 ということで、3者からのデータを取っているところがすごい。

 これからの研究は、自己知覚データだけでなく、このくらいやらないと
 だめなのかもね。

○これまで西側の研究で得られてきた知見、東側(アジア)では合わない
 かもしれないとのこと。

 確かにそうかもしれないけど、そしたらすべて「文化による」で
 終わっちゃうのでは。

 せっかくの研究知見も「自分の国には合わない」となったらもったいない。

 西側の知見を参考に、自国に当てはめて考えてみるのが必要なのかも。
 (西側の知見をうのみにせずに)

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●Short and Long-term Effects of Relational Ambivalence with
Managers on Employee Citizenship Behavior

・上司に対するAmbivalence反対感情は、短期的にはOCBに正の効果を示し
 長期的には負の効果を示す。

・既存研究では、上司と部下との関係を「High or Low quality高質か低質」
 と2分法で捉えている。その前提は、部下の上司に対する態度は、
 固定的で変化しないものという考え方。

・しかし現実には、上司に対してはポジティブ(好意)と
 ネガティブ(嫌悪)、両方の感情をもつであろう。

・本研究は、このようなAmbivalence反対感情に着目した最初となるだろう。

・上司との関係がポジティブなものであると、従業員はOCBをする
 モチベーションが高まる。

・上司に対する反対感情が、短期的にはOCBを行わせるのは、部下が
 上司が良い方向に変わってくれるのではないかという期待があるから。

 部下がOCBをすることで、上司が自分を認め、関係がポジティブなものと
 なることを期待。

・長期的には、反対感情がOCBを行わせなくなるのは、部下が反対感情の
 バランスをとれるようになることと、OCBをしなくても必要な資源を
 手に入れたからと考えられる。

○部下が「上司の変化を期待しなくなった、あきらめたから」っていうのも
 あるのかも。


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●Constructive Organizational Culture and Organizational Citizenship
Behaviors: A Configurational View

・建設的な組織文化は、OCBの3行動:組織支援、自主性の発揮、
 創造的パフォーマンスに関連している。


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同じ時間帯に違う部屋でやっていたのが、

『The Self, Scandal and Swearing:
Research on the Dark Side of the Organization』

です。途中でこちらの会場に移動します。

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●The Dark Side of Socialization: A Longitudinal Investigation
of Newcomer Alcohol Use

・Informal Socialization非公式な社会化によって
 1)サボることを覚えたり 
 2)長時間労働となったり
 3)顧客と過剰な飲食をしたり といったことを先輩から学んでしまう

・Veterans先輩とClients顧客のNorms規範が
 Perfomance Motivesパフォーマンスの動機づけに影響し、
 Behaviors行動(付き合いでお酒を飲む)につながる。

・新人は先輩の行動を観察し、Sensemaking「これが大事なんだ」と納得する

・非公式な社会化を見過ごしたままにしておくのは組織にとって危険。

○今年のAOMで数少ない「Organizational Socialization組織社会化」に
 直結したセッション。使われている言葉に馴染みがあるのが嬉しい。

○先輩からの非公式な社会化により、新人がお酒につきあうようになり、
  人によっては過剰なアルコール摂取につながっているとのこと。

○発表者の中国人教授の方に、論文をメールで頂くことに。

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16時30分ごろ終了。

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