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2014年03月17日

『組織論レビュー』

『組織論レビュー』

 組織学会(編)2013年

(・引用/要約 ○関根の独り言)

『組織論レビュー:組織とスタッフのダイナミズム』

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●まえがき

・上質のプレーンヨーグルトのようなレビュー論文。
 素材そのものの上質さが伝わってきて、その旨さがギュッと凝縮。

○うまい例えだなー。

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●国際人的資源管理論における日本企業批判

・海外派遣者の役割:
 1)知識移転 2)コントロール 3)学習

・日本企業は、TCN(Third country national)を活用していない

・日本企業の本国志向型の人的資源管理の問題点(Kopp 1994)

 本国側:
 1)国際経験を持つ人材が不足している
 2)海外で働きたいという人が少ない
 3)帰任者が本国組織に戻ることが難しい

 現地側:
 1)日本人がマネジメントの上位にいるため、優秀な人材を惹きつけられない
 2)本国人が仕事の中枢を担うため、現地従業員の離職率が高くなる
 3)海外派遣者と現地従業員とのコミュニケーション問題
 4)現地従業員が昇進できない

・米国企業における海外派遣者の失敗率の高さ(Kobrin 1988)

・日本企業の国際人的資源管理の特徴:
 1)海外派遣者が多い
 2)TCNが少ない
 3)受け入れ派遣者(日本親会社が海外子会社からの派遣人材を受け入れ)
   が少ない

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●海外派遣帰任者のキャリアマネジメント

・帰任者(Repatriate)

・文化的適応のWカーブ
 (派遣先でのカルチャーショックと帰国時の帰国ショック)

・「ストレス−適応−成長モデル」異文化でストレスを受け、それに対処する
 ことで現地に適応し、それを繰り返すことで個人は成長する

・組織社会化を、内藤(2011)は帰任者適応に応用し、海外派遣帰任者の
 再適応過程が、同一の企業や組織における社会化を再度経ることに着目して
 「組織再社会化」の概念を提示。

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●組織研究の視座からのプロフェッショナル研究レビュー

・Abbott(1988)は、プロフェッション間競争の鍵として、彼らの抽象化能力
 (Abstraction ability)に注目。抽象化能力は社会に存在する具体的問題を
 自らの専門領域に適するように分類、解釈、定義する力であり、この優劣が
 プロフェッションのステイタスや存続可能性を決める。

 Abbottによると、推論こそが純粋にプロフェッショナル的仕事だという。

・知識習得コスト、知識の質の担保、組織間移転の問題。
  組織特殊資産の形成とトレーニング(小池1991)
  教育投資負担をめぐる組織と個人の駆け引き(Cappelli 1999)

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●心理的契約研究の過去・現在・未来

・Schein(1965,1978)によれば、心理的契約は、組織と従業員の関係が開始
 された時点で成立するのではなく、組織社会化の期間を通じて組織と
 従業員とが相互に調整しあう中で、お互いに対する期待を徐々に形成、
 批准させていくものだという。

・Rousseau(1989)が定義する心理的契約とは、組織と従業員の間に
 相互期待に関する合意が成立しているという、従業員の知覚である。

・マーチとサイモン(1958)が主張したように、義務と誘因の交換から、
 組織と人の関係が成り立つととらえている理解が、心理的契約概念の基盤。

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●組織成員のアイデンティフィケーション

・組織アイデンティフィケーションに再び焦点があてられる転換点は、
 Ashforth & Mael(1989)が、社会的アイデンティティ理論および
 自己カテゴリー化理論に依拠し、成員性についての認知と自己概念の結び
 つきから、組織アイデンティフィケーションを捉える枠組みを提示したこと。

・組織からの分離によって自己定義を図る ディスアイデンティフィケーション

・職務関連の様々な変数と組織アイデンティフィケーションとの間に有意な
 関係が認められており、組織成員の組織アイデンティフィケーションが、
 組織に有益な結果をもたらすことが期待される。

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『組織論レビュー:外部環境と経営組織』

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●組織アイデンティティ論の発生と発展

・自分たちらしさ identity of organization

・組織アイデンティティは、組織の構成員による自己認識であるが、組織の
 外部からの影響を受けて形成され、変化する。

・組織アイデンティティ論の展開を決定づけた初期の論文2つ:

 1)Albert & Whetten(1985)
   組織アイデンティティを、中核性、特異性、持続性の3つで規定
 
 2)Ashforth & Mael(1989)
  「我々-彼ら」間の認知的区別を重視する社会的アイデンティティ論を
   組織論に応用

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●ダイナミック・ケイパビリティ

・ダイナミックマネジリアルケイパビリティ:経営者が組織の資源や能力を
 構築し、統合し、再構成する能力。これが異なるので、経営者間の意思決定
 に違いが生じると想定。

・資源の探索(Exploration)と活用(Exploitation)

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●技術の社会的形成

・アクターネットワーク理論に特徴的なのは、ネットワークを構成する
 アクターとして社会的存在(Human actor)も物的存在(Non-human actor)
 も同列に扱う点。

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●資源依存パースペクティブの理論的展開とその評価

・組織間関係を通じて、組織は自らでは生み出すことが困難な知識、行為や
 資源が確保でき、そして自らの慣性の存在が顕在化、意識化されるという
 利点がある(吉田1991、2004)

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●経営組織のコンピューターシミュレーション

・Harrison & Carroll(1991)は、組織文化伝達のプロセスを明らかにするため
 採用、社会化、離職を考慮したシミュレーション分析を行っている。

 その結果、急成長と高離職率が実は文化的安定性を促すことを明らかにした。

 急成長により社会化の影響を受けやすい新人が大量に入社することになるし
 高離職率により社会化の抵抗勢力が退出するので、文化的安定性が増すと
 している。

○面白いなー。確かにそうかも。ただ長く勤めてくれる人がいない中で
 文化の伝承者(新人に伝える人)もきつくないのかな。

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2014年03月16日

『日本のキャリア研究』

『日本のキャリア研究』

 金井 壽宏 (編集), 鈴木 竜太 (編集) 2013年

(・引用/要約 ○関根の独り言)

『日本のキャリア研究:組織人のキャリアダイナミクス』



●まえがき

・現代は組織社会であるので、組織に長くいると、その組織に愛着をもつ
 ようになったり、しがらみを感じるようになったりする。

 組織になじむ組織社会化という側面と共に、同じ組織にいても、自分を
 貫くという個人化(Individuation)という側面もある。

・本書は、組織行動論やキャリア論の知見を基に、日本企業に勤める人々
 のキャリアに関する様々な問題を理解しようとしている。

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●キャリア発達における時間展望

・Gilbert(2006)によれば、人間だけが将来を展望する。時間展望があるので
 また来ぬ将来が不安にもなり緊張もする。同じ理由により夢や希望をもつ。

・パーソナルプロジェクトの階層構造の分析:
 左階梯法:Why なぜそのプロジェクトに従事するのか
 右階梯法:How どのようにしてそのプロジェクトを達成するのか

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●組織と個人のキャリアの関係−日本人の関係性のキャリア論

・キャリアは、他者との関係の中で構築され、他者との関係の中で、
 自身のキャリアを見出していく側面があるのではないか。

・キャリアドリフト:
  自分のキャリアに関する意識や関心が低く、状況に流されている状態。
  キャリアデザインの対語として示された概念(金井2002)

・将来のキャリアの見通しをきちんと持つことが、その組織への愛着や一体感
 へつながるといえよう。また逆に考えれば、組織への愛着や一体感をもつ
 ことで、キャリアの見通しがはっきりしてくるともいえる。

○ここで骨をうずめる覚悟をすれば、将来は見えやすくなるだろうな。

・日本の30代のホワイトカラーにとって、組織との関係がキャリアの状況や
 考え方に影響をもっている。

 長期雇用の傾向が強い日本において、組織との関係がキャリア形成において
 重要な要素である。

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●心理的契約と組織コミットメントの変化

・心理的契約は、時間の経過と共に逓減する。

 継続的コミットメントは、時間の経過と共に増加する。
 加えて、継続的コミットメントは、昇進によって非連続的に上昇する。

 情緒的コミットメントは、時間の経過による影響を受けない。

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●仕事による経験学習とキャリア開発

・ある専門領域での熟達は、領域固有の体制化された知識と、それをいつ
 どのように使うことができるのかの理解であるメタ認知、モデリングや
 類推といった課題や領域にとらわれずに幅広く活用できる一般的な
 方略が相互に組み合わさって獲得され、構成されている。

・時間的展望を持ち、過去から未来を意識しながら経験学習を活用することで
 さらに有効に経験から学ぶことができると主張したい。

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●職務設計がもたらすメンタリング行動

・メンター=より経験を積んだ年長者

・日本人のキャリアの在り方そのものが、メンターのような支援者を必要と
 している。

・教えてくれるコーチやカウンセラーとしてのメンターから、
 相互学習者(Colearners)としてのメンターへの変化。

・仕事の明確性、仕事の相互依存性が、一対多関係を促進する(麓2008)

・内的統制、親和欲求が高い人ほど、メンタリングを受けている。
 
・役割がはっきりするほど、メンタリングを受けやすい。

 仕事がはっきりしている人は、周囲が何をやっているのか、その人が抱えて
 いる悩みをわかってもらいやすい。

・一対多関係は、個人を取り巻く組織や職場によって促される組織的な
 メンタリングということができよう。

○面白い!「仕事の明確性」が、1対多でのメンタリングに影響する。

 新人への周囲からの支援を増やすには、新人がやっている仕事を
 はっきりさせて、周囲が関わりやすくすることなのかも。

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●人材育成方針がもたらす若手従業員への影響

・組織社会化戦術により、従業員はその役割に対し大きく二分される異なった
 反応を示す。

 所与の役割をそのまま引き継ごうという保管的役割反応と、
 既存の役割に何らかの変化をもたらそうとする変革的役割反応。

・意識的な働きかけではない、ある意味で成り行き任せの育成(個別的社会化
 戦術)は、場合によっては放任的なものとなり、成員の態度形成や仕事業績
 の向上には必ずしも効果的ではないと考えられる。

 逆に体系だった意識的な育成(制度的社会化戦術)は、仕事業績の向上に
 資すると思われる。

・誰にどのような権限があるのか等の人間関係にかかわる知識の学習は、
 組織に何らかの変化を起こすうえで有用である。

・パス解析の結果、「文脈的戦術(集団研修)」と
 「内容的戦術(今後のキャリア展望に関する情報の提供)」が、
 「環境学習」と「自己学習」に影響があった。

 「社会的戦術:連続的(役割モデルによるOJT)」は、「環境学習」に
 正の効果を示したが、その影響力は微弱であった。

 「はく奪的戦術」は、内容革新行動、職務業績、組織コミットメントに
 対して、負の効果を示した。

・集団研修の作用として考えられるのは、同期同士の相互作用によって、
 自然発生的に生まれるお互いの比較が、自分の特性を明確に認識させるという
 働きである。

・はく奪的戦術は、ネガティブな成果との関係が示唆される以上、あまり
 積極的にこの戦術を用いるべきではないかもしれない。

・キャリアの初期段階において、自社のキャリアパスをある程度示すこと、
 同期同士での接触を通じた比較によって、各自の強みの理解をはじめとする
 自己学習が促されることが、本研究で示唆された。

○この研究結果も使える!導入研修のあり方のヒントになりそう。

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●上司・同僚・同期による組織社会化プロセス

・Feldman(1977)の調査では、新人の受容感の感受が、平均約2.7か月で、
 有能感の感受の平均が約6か月であったことから、
 受容感(約2.7か月)→重要な情報の獲得→有能感(約6か月)という
 プロセスを提示し、組織への社会化が達成されると主張している。

・重回帰分析の結果「文化的社会化」に正の影響を与えているエージェント
 は、「同期サポート」の主効果のみであった。

 一方「職業的社会化」に影響を与えているエージェントは「上司サポート」
 と「同僚サポート」が「コミュニケーション風土」との交互作用によって
 有意となった。

・職場全体のコミュニケーションを取り合える風土が重要。

・上司とのコミュニケーションが増えるほど、職業的社会化が阻害される 
 という結果。

○面白いねー。どういうこと?

・職業的社会化の程度が高まるほと、離職意思が高まるという結果。

・若年ホワイトカラーの文化的社会化に影響を与える社会化エージェントは、
 同期のみであった。

 お互いの現状やエピソードを素直に話し合える同期との相互作用が、
 組織文化の解釈を促進させていると考えられる。

・コミュニケーションがとりやすい職場風土があり、上司との
 コミュニケーションが増えるほど、若年ホワイトカラーの職業的社会化が
 阻害されるという結果が示された。可能性として

 1)プレーに忙殺されていて、部下の管理に目が行き届いていない
 2)経験の場が少なく、上司の職務遂行能力が低い
 3)そもそも信頼関係が構築されていない
 4)部下への要求水準が高い といった仮説が考えられる

・職業的社会化の程度が高まると、離職意思も高まるという結果。これは、
 若年ホワイトカラーのキャリア志向の高まりを示唆していると考えられる。

 ただ、組織で育てられたという認識を抱く新人は、当該組織への恩返しと
 して、単なる組織への愛着ではなく、組織を背負っていくという意識
 (鈴木2007)を醸成することができるだろう。

○この研究、面白い! 特に「上司とのかかわり」が増えるほど
 「新人の職業的社会化」が果たされないという点。

 ここで挙げられた仮設の実証が、次の研究テーマなんだろうな。

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●管理職への移行におけるトランジション・マネジメント

・新任管理職が直面する諸問題

 管理職務の遂行にまつわる問題:
 1)日常のタスク管理
 2)戦略やビジョンの設定
 3)部下の活用や育成
 4)ネットワークの構築

 心理的な抵抗や障害:
 1)私生活への悪影響
 2)実務から離れる戸惑い
 3)不安
 4)孤独や憂鬱
 5)「管理職」への幻想

・新任管理者のスムーズな移行において、移行前に然るべき経験を積む機会
 があることが望ましい。

・新任管理職が陥りがちな心理状態や落とし穴など、彼らが移行期に直面する
 心理的抵抗や障害の実相についての事前情報を与えることによって、移行に
 際しての心理的レディネスを高め、リアリティショックの緩和につながると
 考えられる。

・新任管理職は、自分の上司に頼ることに抵抗がある。

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●キャリア発達課題がちりばめられたリーダーシップの旅

・持論(Practical theory in use)を編み出すには、経験の場だけでは足りず
 内省と対話と議論、ならびにできつつある持論を理論とすり合わせるための
 研修の場が必要。

・「70−20−10」リーダーシップが身につく場
 70%仕事上の経験 20%接した人との関係や薫陶 10%研修等の座学

・ユングは、45歳以降に真の個性化(Individuation)が始まるとした。

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『日本のキャリア研究:専門技能とキャリアデザイン』


●船舶職員候補生のスキル習得

●看護師のプロフェッションフッド

●芸舞妓のキャリア形成

・キャリア形成における顧客の役割
・顧客という従来の理論では着目されていなかった存在が、キャリア形成に
 積極的な役割を果たしている。

○これはあるよなー。俺自身は、営業担当の時、顧客に育ててもらったと思う。

●ハイテク産業における研究開発者のキャリア・ラダー

・日本のキャリアラダーの特徴は、ミドルエイジ(30代半ば)になるまで
 マネジリアルラダーを昇るかどうかがあいまいにされている点

●アイデンティティを活かすキャリア形成

・Ideal ジョブクラフティング

●ホテルワーカーの職業的コミュニティとキャリア形成

●フリーランスクリエイターのキャリア戦略とコンテンツ産業の構造

・フリーランスクリエイターは、下記構造を見出している
 1)業界の分業構造
 2)プロジェクト単位の契約方式
 3)契約書を交わさない慣行
 4)ICT
 5)業務の労働(知識)集約性

・フリーランスは下記実践をしつつキャリアを構築
 1)仕事のポートフォリオ構成
 2)人的ネットワークの(再)構築
 3)他者との差別化
 4)支援組織の活用
 5)事業形態の組織化
 6)契約の明瞭化
 7)脱下請け

・クライアント側の負担コストの大きさ

●シャイン教授のキャリアと創造的機会主義にもとづくキャリア論

・Planned happenstance「行き当たりバッチリ」

・次の節目に遭遇するまでは、流れの勢いに任せてドリフトする。

・組織社会化は、洗脳などといえばネガティブだが、会社の考えをやや強制的
 になってでも速やかに注入、説得したいという企図には、ポジティブに
 とらえると、新人が組織や仕事にうまく適応してもらうための「支援」で
 あるという側面もある。

・組織の側が信じるものに自信があるのなら、それを成員にしっかり伝えて
 いきたいと願う。そのための組織から個に対する能動的アクションが、
 組織社会化の諸施策である。

・組織社会化とキャリアアンカーというペア概念が興味深いのは、組織が
 自信をもって貫くものと個人が自信をもって貫くもののせめぎあいを、
 概念的にも実践的にも浮かび上がらせるからである。

・個人は組織に入れば組織化されるが、同時に個人は組織に入っても個人化
 (個性化)を断念するわけではない。


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2014年03月10日

「Transfer of Training(研修の転移)研究会」

「Transfer of Training(研修の転移)研究会」

2014年3月6日(木)〜7日(金)@東大駒場


東京大学 中原先生のお声掛けで「Transfer of Training(研修の転移)研究会」
を開催することになりました。

http://www.nakahara-lab.net/blog/2014/01/transfer_of_training.html

研修の効果測定、現場実践促進に関する英語文献の輪読会で、
20名の方(研究者、実務家、学生)にご参加頂きました。

読んだ文献の中で「今後使えるかも!」と思った箇所や、
議論の中で参考になったことを、列挙していきます。

中原先生に選んで頂いた21の文献を、ざっくりと3つの塊に分けています。

A. Training Program 研修プログラム
B. Training Evaluation 研修評価
C. Training Transfer 研修転移

(文献全体像 ↓
 PDFファイルを開く )


(・文献内容 −研究会で出た話 ○関根の独り言)

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0. Overview by Nakahara 2014

・転移に関する認知科学の古典的定義:

 「ある一つのことの学習が、別のことの学習をするのに役立つということ」 
  (Hilgard & Bower 1966)

・転移に関する最近もっとも用いられる定義:

 「学習の転移とは、ある文脈で学習したことを別の新しい文脈で活かすこと
  であり、人が社会に適応して生きていくためには欠かすことができない
  重要な心的機能である」(Byrnes 1966)

・転移研究の歴史:1)形式陶治説 2)同一要素説 3)一般原理説

・転移に関する人的資源研究の観点:

 「研修の中で学んだ知識やスキルを、仕事に役立てること、
  さらには、それらを持続することのこと」(Baldin and Ford 1988)

  Generalization:仕事に役立てること 
  Maintenance効果を持続させること

・転移の難しさ:

 研修で学んだことの60%から90%は仕事には応用されない
 (Phillips and Phillips 2002)

 トレーニング直後には学んだことの62%が仕事に活かされる。
 しかし、6ヶ月たつと44%になり、一年経つと34%になる。
 研修投資の51%は個人の生産性向上、肯定的変化に結びつく。
 47%が組織の肯定的変化にむすびつく(Saks 2002)


・参考ブログ:「学んだこと」が「現場で活かされるため」には何が必要か?」
 http://www.nakahara-lab.net/blog/2014/01/post_2167.html

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A. Training Program


1. Burke & Day 1986

A cumulative study of the effectiveness of managerial training

○関根がレジュメを担当
 (PDFファイルを開く )


・1951年〜1982年の文献をメタ分析

・マネジメント研修は、学習と仕事上のパフォーマンスに
 「moderately effective 中程度の効果」を持つ

・「人間関係」研修は、主観的な学習評価を高める効果があると言ってよい。

・「モチベーション/価値観」研修は客観的な学習評価に非常に効果的であった。
 モチベーションと価値観に変化を促すためのマネジメント研修は、確かに
 モチベーション向上と価値観変化に効果があると言える(但し研究は3つだけ)

・「自己意識」研修は、職場における管理行動の変化に効果的であると言える

・「行動模倣」は、主観的な学習評価を高める効果があると言える。

・「講義」「講義と討議」「講義、討議、ロープレ」は、客観的な学習評価を
 高める効果があると言える。(但しサンプリングエラーも見られる)
 
・「講義」手法は、状況をこえて一般化するのに役立つという効果が出た。
 このような講義手法のポジティブな効果は、講義手法に対する懸念の声
 (Bass & Vaughn 1966他)に一石を投じることになる。

・「リーダーマッチ」は状況をこえて一般化するのに役立つという効果が出た。
 費用対効果で考えても、この手法は今後も使われるべきだ。

・「行動模倣」も、主観的な行動評価を高める効果があると言える。
 この結果は、Social learning theory社会的学習理論(Bandura 1977)の
 実証研究の結果とも整合している。

−このメタ分析では、修正をかけていないので、修正をかけると、
 効果量がより高くでる可能性がある

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2. Colllins & Holton 2004

The effectiveness of managerial leadership development programs: a meta
analysis of studies from 1982-2001

・上記の後、1982〜2001年の論文をメタ分析

・マネジメント研修は、知識学習に効果的。
 SGPPデザイン(単一群プレポストテスト調査)が最も効果的。

・全体として、経営リーダーシップ開発は多様であり、
 効果的なものもあれば、悲惨な結果をもたらすものもあった。

−リーダーシップ研修を「知識テスト」で評価することには違和感がある。
 リーダーシップに必要なのは知識、スキルだけではない。

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3. Powell & Yalkin 2010

Managerial training effectiveness: a meta-analysis 1952-2002

・1952年〜2002年に出された民間企業での
 「マネジメント研修」に関する研究(69)に絞ってメタ分析。

・Burke & Day(1986)と、Collins & Holton(2004)のレビューを基盤に。

・分析の結果、効果性については時代による変化はほとんど見られず、
 効果量は小さかった。期待するほどの効果はないといえる。

 マネジメント研修の効果量は「行動」「成果」に比べて
 「学習」が一貫して大きかった。

○マネジメント研修は、知識獲得(学習)には効く。

・研究の手法として、Kirkpatrickの効果測定4段階を参考にした
 -統制グループありの研修後テスト型(POWC)
 -統制グループありの研修前後テスト型(PPWC)
 -1グループのみの研修前後テスト型(SGPP)を、
 サブグループ化して分析。

・メタ分析の結果、マネジメント研修は期待するほどの効果を
 出していないことが明らかになった。

・1952年から、2002年にかけて、マネジメント研修の効果は
 それほどの向上を果たしていない。

・Kirkpatrickの4段階を踏まえた研究のほうが、
 そうでないものよりもマネジメント研修の効果が若干高まる。

・マネジャーは、研修を通して学習はしているが、
 学んだことを職場で活用していない。

・マネジャーが学んだことを、職場に転移する際に
 難しさが発生している。

○「わかったけど、現場でできない、やってない」という状態かな。

−新任マネジャーには効いているという結果。

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4. Wexley & Nemeroff 1975

Effectiveness of positive reinforcement and goal setting as methods of
management development

・27人のマネジャーを、9人ずつ3つのグループに分ける。

 Group1:研修+事後評価・目標設定
 Group2:研修+事後評価・目標設定・テレコーチング
 Group3:統制群(研修なし)

・研修を行なった2グループは、統制群より、マネジャーの考察力や 総合力測定で大きな効果をしめした。

・テレコーチングは役立たなかった。

−荒い研究。従属変数を上げるための介入としてふさわしくない。
−研修受講者に対する目標設定(現場で〜をしよう)は効果的と言える。
 「気にする、意識する」という効果がありそう。

○研修後の目標設定、自分がどれだけそれらをできているかの
 「事後評価」は効くという結果。これも使えそう。

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5. Tews & Tracey 2008

An empirical examination of posttraining on the job supplements for
enhancing the effectiveness of interpersonal skills training

・研修後の補完(サプリメント)の有効性について検証。
 研修後のセルフコーチングと、フィードバック。

・4つのグループで実験。
 1)室内研修のみ 
 2)室内研修+セルフコーチング
 3)室内研修+フィードバック 
 4)室内研修+セルフコーチング+フィードバック

・セルフコーチング、フィードバックの2つの補完が有効。
 室内研修は相互交流行動に対して有効。

 公的な研修中の相互交流は一つの効果になる(Taylor et al. 2005)

・研修中に使ったワークブックを職場で見直すことも有効。

・研修における知識とスキルは、時が経てば衰える(Arthur et al. 1998)
 Refresher training 再トレーニングが必要。

−何もやらなければ、研修は忘れ去られる。
 ただ、どこまでフォローすればOKなのか。

 研修の守備範囲はどのくらいか? 半年ぐらい?
 Fade out問題もある。どこまで面倒をみればよいのか。

○LWの指導員研修の場合、指導員期間である1年間が一つの目安。
 その間をフォローしていく。

○マネジメント研修においては「知識教育」と「行動模倣」が使えそう。
 研修後では「目標設定」「事後チェック」「ワークブックでのふり返り」

===

B. Training Evaluation 研修評価


6. Alliger et al. 1997

A meta-analysis of the relations among training criteria

・Reaction(反応)を「Affective感情的」と「Utility実用的」と分けて
 34の文献をメタ分析。

・「感情的反応」より「実用的反応」のほうがより「学習」や「成果」に
 関係していた。

・感情としての反応
 「この研修は、楽しかったですか?」顧客としての受講者、口コミの喚起。

・有用性の判断としての反応
 「この研修は、仕事に役立つ内容でしたか?」実用度や役立ち度。

・カークパトリックは行動の変化すべてを「Behavior」としたが、研修の
 結果を行動で示すことと、実際の仕事での行動を明確に分けていない。

 そこで、研修中での行動変化のみをレベル2(学習)にいれた。
 (例:シミュレーション、ロールプレイ)

・実用的反応に対して、受講者は暗黙的に職場環境を考慮して
 回答するのではないか。

−Utilityは、現場を知らないと答えられない。(例:新人では難しい)

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7. Sitzman et al. 2008

A review and meta-analysis of the nomological network of trainee
reactions

・研修参加者の「Reaction反応」に関するレビューとメタ分析の報告。

・インストラクションのスタイルと対人の交互作用が、反応をよく予測する
 変数であった。

 反応は、動機づけや自己効力感の研修前後の変化を有意に予測していた。

・講師のインストラクションスタイルが、immediacy(社会的、心理的距離を
 縮めるようなコミュニケーションスタイル)に特徴づけられたものである
 場合、参加者の反応は良くなる。

・研修前の参加意欲が高い参加者が「この研修、面白い!」と反応すると、
 さらに研修後の意欲や自己効力感が高まる。

・研修内容に満足していると、学習効果も高い。

−「研修面白かったね!」という人は、学習もしている。
−講師に対する距離を近く感じると、反応が良くなる。

・Alliger et al(1997)では、反応の有効性の側面のほうが、結果との関係性が
 示されていたが、本研究で行った追加分析では、反応の「感情面」「有効性」
 に関して2郡間には違いが見られなかった。

○「この研修、楽しい!」「この講師、面白い!(距離が近い)」という
 反応は、学習も促している。嬉しい知見。

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8. Tharenon et al. 2007

A review and critique of research on training and organizational-level
outcomes

・研修は人と組織のパフォーマンスに対しては、ある一定の影響を与えることが
 できるが、利益率など財務的な成果に対して影響を与えることは極めて少ない

・研修に多くの時間を費やしている会社が、必ずしも財務的な成果を得ている
 とは限らない。

−研修評価の視点
 1)個人→組織 (Kirkpatrick 反応→学習→職場活用→成果・ROI)
 2)事業ニーズ→個人パフォーマンス→研修(パフォーマンスコンサル)
 3)個人・組織パフォーマンスの背景にある関係性→介入(組織開発)

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9. Aguinis & Kreiger 2009

Benefits of training and development for individuals and teams,
organizations, and society

・2000年以降のトレーニングと発達に関する研究をレビュー。
・個人、チーム、組織、社会に対するトレーニングの効果に焦点。

・Arthur et al(2003)のメタ分析の結果、
 最も効果的な研修プログラムは、認知的スキルと対人関係スキルの双方を
 含む研修であった。

・Barber(2004)の質的研究の結果、
 OJTは、イノベーションと暗黙知の獲得に効果があった。

・Aragon-Sanchez et al(2003)の量的調査の結果、
 OJTと社内トレーナーが研修をしている企業が有効性と利益にポジティブに関連

・Fowlkes et al(2000)
 経験のある熟達者に対して、研修ニーズのヒアリングをすることが重要。
 
 (例:新人に対してどんな研修が必要か、熟達者に聞く)

・研修効果を最大化するには、経験豊富な熟達者を用いたニーズの測定と、
 受講者の準備と動機づけの2つの方法がある。

・Heimbeck et al(2003)
 失敗の機会を与えられた受講生は、失敗が許されない環境に置かれた受講生
 よりも明らかに高い成果を出した。

・Morgan & Casper(2000)
 研修に対する全体的な好感度と有用性が重要 (→研修の継続受講)

−研修の直接的効果としては「知識獲得」が多い。
 間接的効果としてチームに与える影響が面白い。

 新人を育てることで、周りが育つという間接効果。
 学習する雰囲気のある職場に配属されると、新人が伸びる。

−あえて間接効果を狙う研修もある。
 組織には「効きやすいポイント」がある。

−これをすれば、こういう効果があるという研究が多い。
 Whyを説明するメカニズム、理論、モデルがない。

○研修前の企画段階で、新人が育った姿ともいえる「熟達者」に
 「研修ニーズ」をヒアリングすること。

 研修前の段階で、受講生に準備をさせ、研修参加意欲を高めること。

 この2つが研修効果の最大化につながるというのは、大事な知見。

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10. Chochard & Davoine 2011

Variables influencing the return on investment in management training
programs: a utility analysis of 10 Swiss cases

・マネジメント研修の投資対効果(ROI)を分析。−55%〜1996%の結果。
 すべての研修において何らかの効果が見られた。

 その効果は、研修対象、期間、テーマによって変化した。

・Utility analysis効果分析を用いて、研修を通じて向上したコンピテンシーに
 着目し分析を実施(研修→コンピテンシー→研修効果)

・マネジメント研修の効果は、専門技能や営業研修より低い効果となった。

・評価者研修が、リーダーシップやマネジメント研修に比して、高いROIを 生み出していた。

・短い研修のほうが、ROIは高かった。

・熟練者よりも、新任レベルのマネジャーに対して効果的であった。

−研修によって、従業員価値を上げる、コンピテンシーに値付けをする。
 コンピテンシーが上がると、給料が上がる。

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11. Akrofi, Clarke & Vernon 2011

Validation of a comprehensive executive learning and development measure

・経営陣に対するL&D(学習と能力開発)の評価尺度4次元を開発。

・経営幹部のL&Dでは、インフォーマルで仕事に直結した部分の役割が大きいと
 想定していたが、全体的な視点でみるとフォーマルな学習機会が大きな役割を
 果たしていることが明らかになった。

−新しいことを学んでもらうには、新しいことに対応する力を身につけるには?

○俺は「捨てること」と「結びつけること」かな。
 20代よりも30代での環境変化のほうがきつかった。

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C. Training Transfer 研修転移


12. Baldwin & Ford 1988

transfer of trainig : A review of directions for future research

・1907年〜1987年の研修転移に関するレビュー論文

・転移とは、学習内容の
 1)Generalization 適用、一般化
 2)Maintenance 維持 である。

・転移のモデル

 「受講者の特性」「研修デザイン」「職場環境」が、
 「学習と保持」に影響し、それが「転移(適用と維持)」に影響する。 

・研修デザインにおいては
 1)学習内容の一致性
 2)一般原理の教授
 3)刺激の多様性
 4)実施の条件 を検討。

・Hucqynski & Lewis(1980)は、研修前の上司との会話、研修後の上司の支援が
 最も転移に役立つとした。

・ただ、何を「支援」とするのかの概念の開発は遅れている。
 またどのようなスキルが「上司の支援」によって最も影響するのかも未調査。

−上司にできる最大の支援はジョブアサインメント(仕事の割り当て)
−新人が成長した群とそうでない群をわけて、どんな支援を上司に
 してもらったかを見るのも面白いかも。
−上司の最大の支援は「邪魔しない」ことかもしれない。

−いい意味で「研修慣れ」している受講者は、研修内容をどう職場で活用できる
 か分かっている。研修中の質問も鋭いものが多い。

○転移を促すような働きかけを、なるべく研修中にも盛り込んでいく。


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13. Baldwin, Ford & Blume 2009

Transfer of training 1988-2008: an updated review and agenda for future
research

・1988年〜2008年の研修転移に関するレビュー論文
・転移研究はこの20年間で進歩してきた。

・肯定的、否定的モデルは、記憶の保持と転移に効果的であった(Baldwin 1992)

・研修後の介入に関する研究も増えた:逆戻り予防、自己管理、目標設定、
 セルフトーク、講師による研修後のフォローアップ。
・職場環境は、研修転移の促進剤でもあり障害ともなりうる。
・自己効力感は、転移の重要な変数である。

・Yelon & Ford(1999)は、研修内容を2軸で提示:
 Open skillとClosed skill、管理監督下と自律的。
 このうち、自律的なOpen skillのトレーニングに困難さがある。

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14. Holton, Bates & Ruona 2000

Development of a generalized learning transfer system inventory

・「学習転移システムLTSI」尺度の開発。

・16因子と、「風土」「仕事への有用性」「報酬」の2次因子を提示。

−だいぶ網羅された感はあるが、これ以外の要素もあるのでは?
 例えば、研修内容と受講者の知識水準の合致度など。
−研修直後に、50問以上の質問紙調査を行っている企業もある。
 15問ぐらいがちょうどよいのかもしれないが。

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15. Rouiller & Goldstein 1993

The relationship between organizational transfer climate and positive
transfer of training

・Transfer climate転移風土の概念を説明。

・転移風土は、研修で学習した内容を積極的に職場へと転移させる潜在的な
 促進剤となりうる。

・転移風土の2つの要素:
 1)Situational Cues 状況的きっかけ/状況キュー
 2)Consequences 結果

・研修での学習は、転移に関係し、
 業務での転移行動は、のちの業務パフォーマンスに関係する。

・「状況的きっかけ」「結果」も転移の説明変数になりうる。

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16. Cromwell & Kolb 2004

An examination of work-environment support factors affecting transfer of
supervisory skills training to the workplace

・4つの環境要因
 1)組織の支援
 2)上司の支援
 3)同僚の支援
 4)受講者支援ネットワーク が高い場合、知識スキルの転移が高まった。

・Gregore et al(1998)
 研修に参加する助けをして、戻ってきたら活躍の場を用意することが
 上司の役割。これが研修のインパクトを増やすことにつながる。

・転移がうまくいかない理由:挑戦を恐れる、革新がないなど
 (Gilley et al 2002)

・受講者支援ネットワークは、1か月、3か月、1年の期間では有用性がなかった。

−研修参加前に、報告時間を上司と確保した上で研修に参加させている。
−上司もその研修を受けていると話が早い。
○指導員研修受講者が、管理職になるようになると、一貫した流れになりそう。

−どんな集団を作ると、どんな効果がでるのかは、教育学ではわからない。


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17. Saks & Belcourt 2006

An investigation of training activities and transfer of training in
organizations

・150社の研修担当者への調査から、研修で使用した資料を仕事に活用している
 従業員の割合は、
 1)研修直後:62% 2)半年後:44% 3)1年後:34% であった

・学習転移を容易にすることを目的とした活動は、研修前後よりも、研修中に
 行われていたが、研修前後のほうがより強く転移を促していた。

・研修前の活動:
 1)受講生へのインプットと関与
 2)上司の関与
 3)研修受講ポリシー
 4)受講生の準備状態

・研修中の活動:研修中の活動

・研修後の活動:
 1)上司の支援
 2)組織の支援
 3)評価
 4)説明責任とフィードバック

○研修前後にできそうなことのヒントが多い!
 
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18. Velada et al. 2007

The effects of training design, individual characterics and work
environment on transfer of training

・182名の従業員に縦断的調査を行った結果、
 転移デザイン、自己効力感、研修の保持、フィードバックが、
 研修の転移に関係していたが、上司の支援は関係していなかった。
・既存研究で効果があるとされてきた上司支援が、本研究では その効果を示さなかった。

 本研究では研修後の上司支援(ミーティングやフィードバック)のみに
 着目していたが、研修前や研修中の上司支援に着目すれば、
 違った結果となっていたかもしれない。

○面白い結果。「研修後の上司支援」が、研修転移に効いていない。
 
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19. Burke & Hutchins 2008

A study of best practices in training transfer and proposed model of
transfer

・ASTDの専門家らが考える「学習転移のベストプラクティス」データを収集。

・5つの活動を抽出:
 1)上司によるサポートと強化の実施
 2)コーチングと実践の機会提供
 3)参加を促す双方向の活動の導入
 4)研修後のスキル評価の実施
 5)研修と仕事との関連づけ

−研修の良しあしを、何で測るのか?(学部生からの素朴な質問)

○俺は、関係者の満足度を目指してるかも(受講生、企画者、現場上司)

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20. Lyso, Mjoen &Levin 2011

Using collaborative action learning projects to increase the impact of
management development
・ALがうまくいった事例では
 1)研修参加理由の明確化
 2)直属長の支援
 3)周囲の関与 があった

−ALは幅広い。何がALなのか不明確。
−ALではコンテンツをデザインしにくい。
−ALは教室を否定。仕事の中に学びがある。LearningぽいWork。失敗できる仕事
 レバンスは、アクション、ふり返り、他者の重要性を提示。

−課長になってからの1年間ぐらいのフォローが大事。
 部長による課長へのOJTはほとんどない。
 仕事の割り当て方、目標設定、部下の育て方等、
 部長が課長に教えるべきことは多い。

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21. Saks & Burke 2012

An investigation into the relationship between training evaluation and
the transfer of training

・研修評価を頻繁に行った方が、転移が増すことが明らかになった。

・Kirkpatrick(1994)の4レベルで言うと「行動」レベルの評価だけが、
 転移に効果的。

 レベル1:反応:この研修を受けて良かったですか?
 (アンケートなどの主観的評価)

 レベル2:学習:この研修で何を学びましたか?
 (知識テストなど)

 レベル3:行動:この研修でどんな風に行動が変わりましたか?
 (現場に帰ったあとの質問紙調査、観察など)

 レベル4:成果:この研修で、どんな成果があがりましたか?
 (経営指標の評価など)

・「反応」は「成果」とは無相関であったが「学習」とは相関があった。
 「学習」は「成果」と関連していた。
 最も相関が高かったのは「行動」と「成果」であった。

−評価は研修プログラムの改善よりも、組織内のアカウンタビリティと
 認知の増加という観点で考えるべきかも。
−行動レベルの評価を遅延質問紙で把握することが増えてきている。

−研修目標の明示と、その思い出しを強化すべき(自動メールの活用)
−自己効力感は行動に効くので、これもアンケートで聞いておく。

○2007年のASTDでカークパトリック教授の話を聞いた時の様子:
  http://learn-well.com/blogsekine/2007/06/post_31.html

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以上です。

今回の知見を再度ふり返って、弊社が主に関わっている
「指導員研修の転移」を促進するために、何ができそうかを
別途考えてみます。


ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。

お声掛けくださった中原先生、
進行役の舘野さん、懇親会を準備してくださった保田さん、
場所を提供してくださったKALSのN先生、ありがとうございました。

(2日間、家をあける父ちゃんを快く送り出してくれた家族のみんな、
 ありがとう!)

今回の研究会も、とても楽しかったので、また機会があれば企画したいと思いました。