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2014年夏学期 「経営学習論」

2014年夏学期、東大中原先生の授業「経営学習論」に
時折参加させて頂きました。

(文献選びにご協力したこともあり、無理を聞いて頂きました。
 先生、どうもありがとうございます。)

 http://www.nakahara-lab.net/blog/2014/04/2014_ojt.html


読んだ文献と、差しさわりのない範囲で、
クラス内でどんな話が出たかを共有します。

(・文献要約 −話し合いで出たこと ○関根の独り言)

===

●5月14日

 Support, Undermining, and Newcomer Socialization:
 Fitting in During the First 90 Days.

  Kammeyer-Mueller, J., Runenstein, A. and Song, Z.(2013)

・同僚と上司による新人の支援は、最初の90日間で減少していく。
 初期の支援と嫌悪が、90日後の成果に強い影響を及ぼしていた。

 新人の能動的行動は、支援と成果の媒介変数となっており、
 上司の嫌悪は、高い離職率と関係していた。

・これまでの組織社会化研究では「組織」と「新人」に焦点が当てられてきた。

 「Supervisors上司」や「Co-workers同僚」は、新人が能動性を発揮し
 情報を探索する際の「情報源」としてしか捉えられていない。

 しかし「Insiders内部者」は、適応を支援したり、あるいは逆に適応を
 難しくする存在ともなる。

 また「Time時間」も組織社会化において解決されていない問題である。

・本研究で着目するのは、
 1)上司のみならず同僚の支援
 2)新人の適応を妨げる上司や同僚の「Destructive behaviors破壊的行動」
 3)「Hedonic tone快楽調?(ポジティブな雰囲気、幸福感等)」と
   「Proactive behaviors能動的行動(職場に適応しようとする)」
   (↑雰囲気や感情に着目する)

・Social support 社会的支援
 Social undermining 特定個人に対する怒り、嫌悪、批判

・3ヶ月間の縦断的調査を実施 264名が14回の調査に参加。10の仮説を検証。

・「社会的支援」と「社会的嫌悪」が、新人の「快楽調」と「能動的行動」
 にどのように関係し、またそれらが組織社会化の結果変数にどのような
 影響を及ぼすのかを検証。

・新人の能動性は、最初の社会的環境が肯定的で、かつ社会的支援が
 継続して得られるときに発揮されやすい。

○新人個人の性格として「能動的」であるかというよりも、
 能動性を発揮しやすい環境であるかが大事、ということかな。

 
・最初に何が起こるか、第一印象は新人にとって非常に重要。
 第一印象で、新人はその職場全体の社会的環境を判断する。

・新人は社会的支援を継続的に必要とする。

・従来の研究は、上司の影響に焦点をあててきたが、本研究により
 同僚の支援や嫌悪が新人に影響を及ぼしていることが明らかになった。

・新人の最初の1週間がその後の適応に大きな影響を及ぼしている。

・最初の3カ月間の新人適応を調査した結果、初期の上司と同僚による支援の
 程度が、新人のポジティブな雰囲気と能動性を高め、支援の変化はそれら
 2つに影響を及ぼすことが明らかになった。

−組織社会化研究 1970年代から
 2000年代に大ブーム 人材の多様化 どうまとめていくあ

−デュルケーム「教育は、方法的な社会化」

−社会化=染める Schein 洗脳研究 →変わらない軸がある→キャリアアンカー

−業種により手離れ時期は違うかも

−丁寧な指導を解除する予告があったほうが、新人は心の準備ができるかも
−2年目で、いきなりスパルタはきつい

===

●6月25日

 Advances in leader and leadership development:
  A review of 25 years of research and theory

  Day, D. V., Fleenor, J. W., Atwater, L. E.
  and Sturm, R. E. and Mckee, R. (2014)

・LeaderとLeadership開発は分けて考えるべき。

・intra-personal(リーダー個人の内面)と 
 inter-personal(リーダーと他の人との関係)

・360度フィードバックは、組織が開放的、参加型、信頼し合える文化を
 もつならば成功する。

○俺は、自分の子どもに「リーダー」になってほしいかな。
 「リーダーシップ」は発揮してほしいかもしれないけど。

「リーダーシップ開発研究は数が限られる」
https://twitter.com/nakaharajun/status/481679435494871040

「2種類のリーダーシップ開発研究」
https://twitter.com/nakaharajun/status/481683120165363712

「リーダーシップ開発≒組織開発」
https://twitter.com/nakaharajun/status/481683170627047424

===

●7月9日

 A Methodological Review of Research on Leadership Development and
Social Capital: Is there a cause and effect relationship?

  Lawrence J. Van De Valk and Mark A.Constas. (2011).


・LDPへの参加と、SCの因果関係を検証。

 先行研究7つからは、明瞭な因果関係が示されなかった。

・LDPを通じて培われたSCは、プログラム終了と共に失われる(Fredericks 2003他)

・Shadish et al.(2002)因果関係があるとみなすために必要な条件:
 1)原因が結果に先立つ
 2)原因が結果と共変する
 3)代替可能な説明が難しい

・Maxwell(2004)は、規則的な因果関係モデルに依存するのではなく、
 質的な評価の可能性を提唱。

−Leader 個人的資質 Leadership 社会的現象
−Leadership 1)Performance 2)Maintenance 

−Social Capital 信頼、互恵性、ネットワーク

−リーダーを選定する時点で、ランダムにならない。
−比較統制群を作るのが、企業研究の場合、難しい。
 準実験となる。

−妥当性の判断は、学会による。

−Rigor(厳密さ)とRelevant(関連性)
−Schon 高地をさまようか、沼地をさまようか

「低地の沼沢地帯」
https://twitter.com/nakaharajun/status/469017832878260225

「実践家の選択」
https://twitter.com/nakaharajun/status/469017877014925312


○研究者ならどちらかを選ぶことになるだろうけど、
 ビジネスなら、この間をつなぐ役割があるかも。


「高地か沼沢か」
https://twitter.com/nakaharajun/status/486843316378816512

「ORを避け、Andの可能性にかける」
https://twitter.com/nakaharajun/status/486845665725526016

「プロフェッショナルとは」
https://twitter.com/nakaharajun/status/486843845238620160

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●7月16日

 Leadership development in organization

  Maybey. C.(2013)

・リーダーシップ開発研究は、4つのディスコース(前提、枠組み?)に
 整理できる

 1)機能主義的(研究の大半はこれ)
 2)解釈主義的
 3)対話的
 4)批判的

「4つの言説」
https://twitter.com/nakaharajun/status/489291758103040000

・コンピテンシー、360度サーベイ、タレントマネジメントは、
 すべて機能主義的な考え方に基づいている。

・解釈主義では、リーダーシップを社会的に
 構成されたものとしてとらえる。

・対話的では、社会的、文化的状況に着目する。
 ポストモダン。

・批判的。フランクフルト学派を参考に。

○よくわからない。読んでいて、頭が閉じる。

 ただ「この研究は、〜という考え方に基づいている」と
 ひいて見るために、大事なのかも。

-ディスコース(言説)とは、
 暗黙の前提、理解の枠組み、意味付けの仕方

-その時に、支配的なものの考え方にからめとられている
 例)近代 構造主義 社会集団/属性により認識が異なる

-自分が依拠しているディスコースは何かは意外と気づけない

-ディスコース 4つぐらいのものの見方がある

-機能主義=実証主義 量的研究 法則定位学

 Input→ ・・・ →Output 説明・予測が得意

 社会的コンテキストは見ない 

-解釈学的アプローチ=文脈主義 質的研究
 
 1990年代に流行った 

 解釈主義:個人 対話的:間人

-批判主義 文脈の政治的妥当性 あばいていく 
 例)フレイレ 抑圧、意識化、解放 
   ランカスター大学

-研究の積分性 積み上げていく 
 量的研究でも積分性があるとは言い切れない

===

今年も刺激的でした。中原先生、ありがとうございます。

そして時折飛び入り参加するおじさんを温かく迎え入れて下さった
授業参加者の皆さん、ありがとうございました。


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