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OD 組織開発に関する文献

ODNJに参加するにあたり、ざっと目を通した文献です。

『組織開発(OD)とは何か?』

 中村和彦 2007年

http://ci.nii.ac.jp/els/110008721331.pdf?id=ART0009796182&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1409476304&cp=

・日本ではかつて(1970年代)「ODブーム」があった。
 しかし現在では「OD」という用語は用いられず、「組織変革」という
 用語のほうが多く用いられている。

・組織開発を一言で表すならば、組織の効果性を高めることを目的と
 した実践

・組織開発の源:
 1)ラボラトリートレーニング K.レビン
 2)サーベイフィードバック R.リッカート
 3)社会技術的アプローチ 英国タビストック研究所

・組織開発の源は、Tグループを用いたラボラトリー・トレーニング。
 K.レビンらが、1948年に行ったワークショップがきっかけ。

・サーベイフィードバックの手法は、
 1)マッキンゼータイプの一方向的情報提供
 2)クライエント中心のNTL流

・1970年代以降 ODの第2世代、ODの多元化期

 介入方法の4種:(Cummings & Worley 2005)
 1)人間関係のプロセスへの介入
 2)技術・構造的介入
 3)人的資源管理による介入
 4)ストラテジック介入

・組織開発は、ソフト要因を対象。組織変革は、ハード要因。
 (亀田1987)

・協働的な関係性を築くためのキーワードに、Use of selfがある。
 
 他者に効果を与えるために、コンサルタント自身の観察、価値観、
 感情に基づいて動いていくことである。

・変化の道具として自分自身の感性(プロセスの観察、自身に生じて
 いる感情、価値観など)を使っていく。

○これはさらっと書いてあるけど、結構重いぞ。

 そのコンサルによって、選ぶやり方は変わるし結果も変わってくる。
 コンサル自身が発達していかないと、他者の支援はできない。

・組織開発とは、(中村先生の定義)

 アクションリサーチやシステム理論を含めた行動科学の知見や手法
 を用い、ヒューマニスティックな価値観に基づきながら、組織の
 効果性を高めることを目標として実施される。組織内のプロセスや
 組織文化などの人的要因を含めた組織の諸次元に対して、協働的な
 関係性を通して働きかけていく、計画的、長期的、体系的な実践である。

・人間関係のプロセスに介入していく組織開発型コンサルティングは、
 米国に比べて日本では少ない(中村2006)

・日本企業にとって有効な方法は、企業内に内部ODコンサルタントを
 養成することであろう。

○その価値を、経営陣にいかに認めさせるか。
 
 「それをやるのは、職場の長の仕事だろう。
  それができてないのは、職場の長の責任だ。」

 と考える経営陣も多いのでは。

===

●大学1年春学期におけるラボラトリー方式の体験学習の効果
  〜体験から学ぶ力の影響〜

 中村和彦 2013年

・ラボラトリー方式の体験学習を実施した実験群では、統制群に比べて
 「自己発見動機」が有意に上昇することが明らかになった。

・Experiential Learning Using the Laboratory Method:ELLMには
 1)非構成的な体験(Tグループ)
 2)構成的な体験 がある

・レビン派が用いていた体験学習のEIAHE'モデルは、
 Kolb(1984)の経験学習のサイクルモデルの基になっている。

・ジョハリの窓(Luft 1963)は、Tグループでの学び方を図示すること 
 を目的に作られた。

・本研究により、ELLMを通して自分自身の行動や影響などについて
 気づこうとする動機づけが高まることが実証された。

===

●研修デザインのための研究ノート
  〜体験学習をブラックボックスとして生かすために〜

  野々口奈央 2007年

  https://www.ic.nanzan-u.ac.jp/NINKAN/kanko/pdf/bulletin06/03_01.pdf

・研修にはブラックボックスが含まれていると感じる。

・ファシリテーターは、直接的に学習者にコントロールをかけるので
 はなく、ブラックボックスをブラックボックスとしてきちんと成立
 させることがその役割となる。

○これ面白い!確かにそうかも。

 IDで言う研修ゴールもあるけれど、参加者によって、研修を受けて
 「ささるポイント」「学びになる点」は違う。

 それは参加者自身の違いにもよるけれど、あえて研修ではその部分を
 ブラックボックスとして残しておくのはありなのかも。

 
・リーダーや管理職は、「いまここ」から「これからあそこで」に
 目が向きやすい。

・「学んだことを活かしなさい」というメッセージではなく、
 「あなたの中には既にそのエネルギーがある」という思いのほうが
 伝わりやすいし、受け入れられやすいように思う。

○これも確かに!こう言われたほうが、俺はうれしいかも。

・「そもそもここで得たと感じることを現場で使うかどうか、という
 こと自体にも、あなたには選択する権利がある。」

○これも大事だなー。企業内研修や研修の転移で考えると、研修で
 学んだことを、現場で使うのは当然、みたいに考えがちだな。

===

●戦略パートナー/チェンジ・エージェントとしての人事部が取り組む組織開発

  中村和彦・金井壽宏・大谷友樹・平野光俊 2014年

  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaas/27/1/27_61/_pdf

・チェンジマネジメントは、経済的な価値。
 組織開発は、人間尊重のヒューマニスティックな価値を尊重。

・「ヒューマンプロセスへの働きかけ」がすっぽり抜けているのでは。
 ここにODの可能性があるのでは。

・チャールズ・マンツのセルフリーダーシップが、ODに近い。

・人事部には、文化の擁護者という役割もある。

・ヤマト運輸でのOD:小集団活動、オフサイトミーティング

・情報の非対称性への対応
 (SDが地域・顧客の情報を持つ。
  上司はSDの活動をモニタリングできない。)

 →成果主義のような金銭的なインセンティブではなく、
   社是・社訓への同一化によりモチベーション向上をはかる。

・多様な人材への対応
 (古株社員と新規採用がごっちゃの時期。)

 →集団で生じる差別、コミュニケーションの障害を防ぐために、
  上位次元の集団目標(社訓)に働く人々を同一化させる。


===

●ゲシュタルト組織開発とは何か

   中村和彦 2012年?

  https://www.ic.nanzan-u.ac.jp/NINKAN/kanko/pdf/bulletin11/03_03.pdf

・ゲシュタルトODjは、日本ではほとんど知られていない。

・ODは、研究領域というよりも、実践のための理論と手法の
 セットまたは集合体。

・ODの古典的定義は「行動科学の知識を用いた
 組織のプロセスに対する計画的な働きかけ」(Beckhard 1969)

・ゲシュタルト療法とODを統合したのは、Lewinの弟子である
 R.Wallenであった。(Nevis 2004)

・ゲシュタルトODのバイブルは、Nevis(1987)の
 『Organizational consulting:A gestalt approach』である。

・ゲシュタルトODの中心は「気づき(Awareness)」である。

・Use of self は、Nevis(1987)で提唱された考え方。
 コンサルタント自身の「いまここ」での体験を道具として使っていく。

・変革への抵抗に関しても洞察がなされているのが、
 ゲシュタルトODの特徴。

・ゲシュタルトODでは、定型的な手法は明示されていない。
 OD実践者の気づきの力、Use of selfの向上など、OD実践者としての
 ありかた(Being)のレベルに焦点があてられる。

○実践者自身のあり方が求められる。
 「他者に変革・開発を促すに値する自身なのか」を常に自省しないと。

 自分も気をつけよう。

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