東大MOOC「Interactive Teaching」第3週

授業

今回は、金曜日の夜、日曜日の朝と、自宅で受講しました。
動画はやはり重いので、外出先より自宅での受講のほうが
ストレスが少なくいいですね。

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(・講義内容 ○関根の独り言)

Week3 学習の科学
●モチベーション(1)
・モチベーションとは、望ましい状態や結果に達するために人が行う
 個人的な投資(Maehr & Meyer, 1997)
・モチベーションは、学生が行う学習行動の方向、強度、持続性、
 質に影響を及ぼす。
・モチベーションに関する理論は多いが、ここではモチベーション理解の
 枠組みとして、目標の主観的価値、予期、環境を取り上げる。
・「自転車に乗れる」価値
○「自転車に乗れる」というのはあくまで考える材料だけど・・・
 
 うちの子供たちを見ていると、自転車に関しては、子供たちが勝手に
 乗りたがったから、外発的動機づけは不要だったかな。
 おそらく、子供たち自身が、他の友達が自転車に乗っている様子を
 見たり、話を聞いて、本人が乗りたくなったのかも。
 あと、うちは3人子供がいるから、上の子を見て、
 下の子も乗りたがるというのはある。
 そう考えると、教えて側が「価値」を示すというよりも、
 教わる側が、勝手に「価値」を見出している感じ。
 ヴィゴツキーのZPD(Zone of Proximal Development)にちなんで
 「あこがれの最近接領域」という概念があったけど、それに近いかも。
 「自分もあんな風になりたい!」という内発的モチベーションが、
 うちの子供たちの自転車に関してはあったかも。
・3種類の価値:達成、内発的、道具的

●モチベーション(2)
・予期とは、目標や結果に対して「自分は達成できる」という自分なりの
 予測
・2つの予期:ポジティブな結果予測、効力予測
・予期という信念を持てるかどうか。
○自己効力感に近いかな。
・協力的環境であると感じられることにより、価値、予測との相互作用に
 よってモチベーションが強化される。
・教授者にできること:
 1)学生が高い価値を見いだせるよう、目標や活動を定め示す。
 2)学生の予期(自己効力感)を高める
 3)モチベーションを支える協力的な環境を創り出す。

●熟達への道
・熟達とは、特定の分野における高度な能力の獲得
・無意識的無能→意識的無能→意識的有能→無意識的有能
 (Ambrose, et al. 2010)
・無意識的有能=熟達者
・「いちいちの説明」が苦手なのが、専門家の盲点。
○できる人は、できない人の状態、気持ちが分からない。
 あるいは、その状態であったことを忘れてしまう。
 だから、上手く教えられない。
・バラバラのスキルを統合するための練習のデザインを組み込み。

●練習とフィードバック
・効果的な練習とは:
 1)具体的な目標 2)適切なレベルのチャレンジ 3)十分な練習量
・フィードバックとは、ある行動について与えられるその現状および
 将来の指針となる情報
・効果の高いフィードバック:
 1)特に学んでほしいことにフォーカスする
 2)学生がFBを活用する可能性が最も高いタイミングと頻度で与える
 3)FBに続く練習の機会と連動させる
・フィードバックは、一般に早いほど、頻繁であるほど良いが、
 学習の目標によっては、そうでないときもある。

●部分スキルへの分解
・部分的スキルの特定→スキルの統合→スキルを適時に使えるようにする

●スキル 導入編2:伝わる喋り方
・発声と滑舌が明瞭なナレーターや俳優は、毎日数時間の訓練を
 1年ほど行っている。
・教員はそこまでする必要はなく、正しく美しく話すというより、
 伝わる話し方を意識する。
・伝わったかどうかは、「相手の反応を見る」ことでわかる。
・後ろ向きの講義では、相手の反応が見れない。
・「伝わっている?」等、相手の反応を聴く。
・書き言葉と話し言葉の違い。
・「声を飛ばす」
・声に方向性をつける。特定の人、クラス全体、カメラの向こう。
・発想は発声につながる。どこに声を届けたいのかを考える。
・「間をとる」
・沈黙は最初とても不安。それが「あー」とか「えー」につながる。
・早口を防ぐためにも「口の形、縦に大きく開ける」ことを意識する。
○これいいな!俺も早口になりがちだから、やってみよう。
・声はすぐに良くなるものではない。気づき、改善していく。

●ストーリー(1)栄養学を教える:一歩一歩学びを作る 渋谷まさと先生
・噛み砕いて、イメージがわくように授業を。
・「一歩ずつ、一歩ずつ」コンセプト
・「わからないとは言わせない」
・もしわからなかったら、どこがわからなかったかを教えてもらう。
 一歩ずつならそれができる。
・シェアリンググループ
・教員の知識だけでなく、学生の意見、疑問、感想が
 教育の現場では重要。
・先輩が引っかかった所を、後輩が引っかからないようにする。
・教員では、学生が引っかかる所がわかりにくい。
・わからないとは言わないけど、学生が困った空気を出している。
 それをキャッチするアンテナを教員が持つ。
・研究者の多くは、分からない人のことが分からない。
・1メートルの階段を100段にして、細かく切って、誰もがつまずかないで
 登っていけるようにしたい。
・「先生ごっこ」で、学生さん達が教えあう。
・教員が自分が作ったコンテンツを「これ見て」と喋れるのは楽しい。
・ALであっても、コンテンツはしっかりと作ってある。
・教えるべき内容については、洗練して分かりやすく伝える。
・ALにおける問題発見や課題探求を行うには、基礎的な知識が必要。
・お膳だてのできたアクティブラーニング
・教育とは、おもてなし。
 なるべく分かりやすく伝えたい、という気持ち。
・「分からないのは君が悪い」というのはおもてなしの心ではない。
○「教育はおもてなし」っていいなー。

●ストーリー(2)学びの転換:
 プロジェクトからパッションへ 上田信行先生
・同志社女子大学での実践
・パッションということを大事に。何かに向かって一生懸命やる。
・「プレイフルラーニング」をキーワードに。
・経験をして、その経験について考えることで学びが成立する
・一番大事なのは、抽象化する、モデル化する能力
 
・活動がどういう構造になっているのか、なぜその構造を使っているのか
・活動して、抽象化・モデル化して、応用して使えるようにする。
・PBLやサービスラーニングでは経験重視、まず現場に出ろ!といった
 意見も多い。
・自分の考えだけで意味づけしていくと偏りがあるので、広い世界の
 例えば先端の教育の考え方と結びつけていく。そこが大学の面白さ。
・パッションの持ち方も一様ではない。
・最初、ちょっといやだな、意味がわからなくても、とにかくやると
 何かが絶対にある。だから現場に行きなさい、と。
・やることに意味があると学生が思った瞬間、モチベーションが上がる。
・横を見てると、サボっている学生が気になる。
 プロジェクトという前を向くように、三項関係を作る。
・人間は、ステージ、舞台で成長する。
・ステージが上がると、オーディエンスが多様になっていく。
・オーディエンスに合わせて、その人の為に何ができるかを考えると
 モチベーションが上がる。
・ラーニング1.0:学校型の学び
      2.0:工房型、ワークショップ、プロジェクト型
      3.0:ラブ、パフォーマンス、オーディエンスに喜んでもらう
・自分の為よりも、誰かの為なら頑張れる。
・誰かを喜ばせるとか、誰かのために何かを作ろうとすると、
 いいアイデアが浮かぶ
・Give your partner a good time
○全脳思考、Future Mappingの発想も一緒。やっぱり大事だよな~。
・教員自身が楽しむ。学生を巻き込む。
・憧れの人に近寄る。自分の授業を通じて、憧れに手が届くように。
・PBL=Passion based learning
○「相手を喜ばせる」学びっていいなー。
 学びっていうと自分の為(獲得)ってイメージあるけど、誰かの為の学び。
 幸い、俺がやっている講師業だと、それができるかも。
 参加者に喜んでもらう(学び、楽しんでもらう)ために、
 自分自身が学び、伝えていく。「おもてなし」の心でって感じかなー。
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第3回目も楽しかったです!ありがとうございました。

投稿者:関根雅泰

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