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2015年05月26日

7月28日有料セミナーを開催することにしました。

2015年7月28日(火)10時〜13時@池袋 


子供の夏休み期間に合わせて、職業体験も兼ねた
有料セミナーを開催することにしました。


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 新卒採用数100名規模の企業内教育担当者向け

 「新人育成のためのメンター制度構築のポイント」

 〜組織社会化・OJT・研修転移研究の知見を基に〜

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http://www.learn-well.com/blogmanabi/2015/05/728.html

次女(小4)長男(年長)次男(赤ちゃん)妻(専務)の4人で受付をします。

(本当は、長女(中1)にも参加してもらいたいのですが、
 部活のスケジュール次第です。準備は手伝ってもらいます。)


今まで使っていた会場「こどもの城」がないのが痛いです。

http://papa888.exblog.jp/19626055/

受付後、おとうちゃんのセミナーを聞いても面白くないので、
どこかに遊びに行ってもらい、その後合流します。


赤ちゃん含め、子供たちが遊べる場所。
夏休みで暑い中、涼める場所。
しかも、セミナー会場の近く・・・


色々探してみたら、一つありました。


 板橋区立教育科学館
  http://www.itbs-sem.jp/index.html


ここなら、数時間はもちそうです。

この場所の近くということで、セミナー会場を探しました。


池袋 アットビジネスセンター
 http://abc-kaigishitsu.com/ikebukuro/annex804.html

初めて使う会場ですが、ウェブで調べた感じは良さそうです。


会場コストは、

・部屋代 4時間 29,080円
・プロジェクター代 10,800円
・スクリーン代 5,400円

合計 45,280円

少なくとも、この会場費は、稼ぎたいです。

(その他のコストは、今回換算しません。)


今回設定した参加費 4,320円で、

10名なら赤字、11名以上なら黒字になります。

(お弁当代1,080円は実費ご負担をお願いする予定)


黒字分から、奥さんと子供達に利益を分配します。

お父ちゃんの仕事としては、

・11名以上の参加者を募ること(広告宣伝費は使わずに)

・ご参加くださった方々に満足頂ける内容を準備すること

に注力します。


子供達には、

・集客の様子を伝える

・セミナー資料作成の準備を手伝わせる

・当日受付を担当、お金のやり取りを体感

させようと思っています。


どうなるか不安もありますが、やってみます。

2015年05月25日

「HRD 人材開発とは何か?輪読会」 2日目

2015年5月25日(月)10時〜15時 @東大

「HRD 人材開発とは何か?輪読会」 2日目、開催です。

★輪読会で意見交換したもの ☆関根の趣味で読んだもの

(・抜粋要約 -意見交換 ○関根の独り言)

===

★20 International and Cross-Cultural Perspectives of HRD 326-349

AAhad M. Osman-Gani

・駐在先の文化にいかに上手に適応するかが、グローバルマネジャーの
 成功を規定する

・Expatriate 駐在員の適応が、パフォーマンスの重要な予測となる。

・文化の違いを説明する4つの主要なフレームワーク:

 1)Kluckhohn & Strodtbeckの6次元
 2)Hofstedの4次元
 3)Thompenaarsの7次元
 4)GLOBE研究の9次元

・海外赴任研究では、不確実性の減少が適応の鍵だとされている

・異文化トレーニングの効果は、研究によってまちまちである。

・International employeesは、3種に分けられる:
 1)PCN Parent country national(派遣元の国民)
 2)HCN Host country national(駐在先の国民)
 3)TCN Third country national (第3国の国民)

・駐在先から戻ってきたときに起こる「逆カルチャーショック」

 企業は、Repatriates(元駐在員)から多くを学ぶべき。

・Inpatriation 外国のマネジャーを本国に招く。

・Transpatriate executiveを特徴付ける3つ:
 好奇心、謙遜、柔軟さ

・CQ Cultural Intelligence

・Hofstede(1980)の5つの文化次元が、Cross cultural trainingプログラム
 を設計する際には役立つ。

・高い自己効力感が、よりよい適応につながっている
 (Osman-Gani & Rockstuhl,2009)

○独立起業で上手くいく人の共通点「根拠なき自信」と同じかも。

===

★21 Contemporary Career Literature and HRD 353-368

K.S.McDonald and L.M.Hite

・21世紀にはいり、Career Development(CD)に関する興味が再燃。

・HRDにおけるCDの定義は、Simonsen(1997)がよく引用される。

・1990年代半ば以降、目立ち始めた2つのキャリア志向:
 1)Protean 個人が自らのキャリアを作る Hall(1996)
 2)Boundaryless 境界をこえたキャリア Arthur(1994)

・女性のキャリアに関しては「Kaleidoscope Career Model」が提示された。

・「Life design model」は、個人の内省を励まし
 「Adaptability 適応」と「Narratability 物語性?」の促進を目指した。

・McLagan(1989)のHR車輪モデルでは、CDは、HRDの主要機能と提示されたが、
 少しの研究しか行われていない。

・先行研究からCDに関しては、4つの大きなテーマが示されている:

 1)組織支援は、CDに影響を与える
 2)HRDの4つのイニシアチブは、CDに貢献する
   .瓮鵐織螢鵐亜´▲優奪肇錙璽ング リーダーシップ開発 
   そ斉陲併纏アレンジ

 3)多様な人たち(性別、人種等)へのCDが、HRDの課題
 4)組織レベル分析が行われてない

・CDに対するニーズと興味が多様化してきた。

===

★26 Talent Management as a Strategically Aligned Practice 438-455

Wendy E. A. Ruona

・マッキンゼーの「War for Talent」がタレントマネジメントに火をつけた

・TMは、戦略と連動した実践であり、適切な技術を持つ適切な人々を、
 適切な仕事に、適切なときに得ることである。

・TMの主要な目標は、ベストな従業員をひきつけ、維持し、関わってもらう
 ことである。

・「Talent」は、戦略的に重要な個人あるいは集団と定義できる。

・TMの4つのアプローチ:

・1)High Performers
 
  A、B、Cプレイヤー J.Welch(2003)20−70−10

・2)Leadership Pipeline

  潜在的なマネジャー候補 サクセッションプラン

・3)Pivotal talent pools 軸となる重要なタレント集団

  戦略→重要な役割→A パフォーマーのアサイン  Talentship

・4)Specific talent segments

  1)2)3)以外の集団にも目を当てる 

・TMを、Fads 一時の流行にしないこと。

・TMの倫理的課題。選ばれなかった従業員に対する配慮。 

・VUCAな状況 Volatile, Uncertain, Complex, and Ambiguous
  激しく変動し、不確実で、複雑で不明瞭な状況

===

★31 HRD in Smaller Firms: Current Issues, Insights,
   and Future Directions for Research and Practice 526-546

Ciara T. Nolan and Thomas Noel Garavan

・SME(Small and Medium-sized Enterprises)が、企業の99%を占めている

・SMEは、雇用の源である。

・HRDは、SMEでは欠如しているといわれてきた。

・SMEは、Large businesses大企業とは大きく違う。

・公式の研修は、企業規模が小さくなるほど提供されていない。

・Owner-managersオーナー経営者は、外部研修業者を懐疑的にみる。

・SMEにおけるHRDの最も強力な推進者は、オーナー経営者である。

・プロ経営者は、公式でシステマチックなHRDに価値を置くが、
 徒弟制で育ってきたような経営者はそうではない。

・小企業の主要目標は、成長、革新、発展ではなく、生存である(Beaver,2003)

○そう!そうなんだよな〜。

・HRDの関心は、日常業務や実践課題に向けられる。

・小企業は、金銭的価値を生み出す活動であるかどうかに、より自覚的である
 (Gray,2004)

・SMEのHRDへの障害:文化、金銭、アクセスと設備、自覚

・研修の実費は、小企業のほうが高くなる。従業員数が少なく、
 研修に参加することで現場不在となる従業員の機会費用が高くつくため。

・大企業のHRD概念「HRDは、こうあるべき」を、小企業に適用している。

 「実際のHRDはこうなっている」

・小企業でのより自然で、非公式なHRDアプローチが見過ごされている。

・小企業の従業員のほうが幸福(高い職務満足、低い離職率、少ない欠勤)
 という調査結果も多い。

 それは、小企業でのインフォーマルなやり方も一因である。

・HRD理論は、小企業の複雑性を説明するのには不十分である。

・小企業を研究する際には
 1)分析アプローチ
 2)複雑リソースベースド視点(Colbert,2007)
 3)戦略的選択論(Child,1997)

===

★32 Action Learning: An HRD Tool for Solving Problems,
   Developing Leaders, Building Teams,
   and Transforming Organizations 549-566

Michael J. Marquardt

・ALは、チームメンバーが学びながら問題解決をするプロセスである。

・ALに必要な3つ
 1)コーチまたはファシリテーター
 2)質問と内省
 3)個人、集団、組織レベルでの学習へのコミットメント

・ALのActionに必要な3つ:
 1)緊急で重要な問題
 2)多様性あるグループ
 3)行動を取るに必要な力と責任をグループがもつ

・2種類のAL:
 1)一つの問題 2)複数の問題

・ALは、経営科学、教育学、心理学、グループダイナミクス、社会学、
 オープンシステム、カオス理論、政治学、AI、倫理、生物学、人類学
 といった様々な研究知見をベースにしているから上手くいく

・ALのステージ

・ALには、多様性が必要。

・ALの5つの目的:
 1)問題解決 
 2)リーダーシップ開発
 3)チームビルディング
 4)学習する組織づくり
 5)個人のプロフェッショナルとしての成長と発達

○「ALは良いことづくめ」って感じ・・・

・ALは、1940年代にR.Revansが始めた。

===

★35 Employee Engagement and HRD: Exploring the Philosophical
  Underpinnings, Measurement, and Interventions 605-622

Brad Shuck, Kim Nimon, and Drea Zigarmi

・Employee engagement 従業員の熱意ある関与? 

・Engagementの4つの枠組み:
 1)ニーズ・満足アプローチ
 2)燃え尽きの反対
 3)満足・関与アプローチ
 4)多次元アプローチ (認知、感情、行動)

・Engagement測定ツール:MBI-GS、UWES等

・Engagementとは、従業員が彼らの働きは組織にとって重要だという信念に関係

===

★38 Certification of HRD Professionals 661-672

Vijay Krishna

・HRDと関連する領域:
  OD、HRM、T&D、Human Performance Management

・Certification 証明、検定、免許 の例:
  PMI、HRCI、ISPI、CPLP(ASTD)

・Certificationは、ビッグビジネス。お金を生み出せる。

・Certification programは、実践。
 University degreeは、理論。

・多くのCertificationは、USで作られている。

・Recertification 免許再認定をどうするか。

・多肢選択型以外のアセスメント手法が必要になる。


===

★40 Future Directions for HRD 688-708

Martin B. Kormanik and Thomas J. Shindell

・HRDは、「変化」についてのもの(Stewart & McGoldrick,1996)

・ODの「4段階分析開発モデル」:
 1)現状 2)目標 3)障害 4)行動

・多くのHRDプロフェッショナルは、ASTDのメンバーである。

・Academy of HRDは、1993年設立。

・HRDは、より人間と社会的変化に関するものになってきている。

・HRDに対する様々な挑戦、あるいは障害は、機会にもなりうる。

・4つの課題:
 1)関連性 2)管理、免許 3)技術 4)倫理

・常に関連性をもつ

・研修領域では、他者のものを盗み合っている。引用元は示しながらも。

・オンラインプログラムの開発費を1社からのみ得るのか、
 複数社に分散させるのか。

===

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分厚かったこの本ともお別れ。

次は、この本に挑みます。

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2015年05月12日

「HRD 人材開発とは何か?輪読会」 1日目

2015年5月11日(月)10時〜15時

新緑がまぶしい東大本郷キャンパスで、

「HRD 人材開発とは何か?輪読会」1日目が開催されました。

http://learn-well.com/blogsekine/2015/03/hrd.html

IMG_5164.JPG

まずは、中原先生による「人的資源開発論(HRD)のオーバービュー」です。

===

■ HRDの定義

・統一的な定義はない

・HRD的な定義:「個人の知識・スキル・能力を増強するプロセス」
         Habison, F. and Myers, C.A.(1964)

・HRM的な定義:「組織戦略・目的達成のために必要なスキル、能力、
         コンピテンシーを同定し、これらの獲得のために
         従業員が学習するプロセスを促進・支援すること」 
         Hall, D.(1984)

■ 歴史的起源

・HRDは、実践としては有史以来、継続

  親子による技術継承(労働=生活)

  中世にギルド(職人達による組合)発達
   組合員とその子どもに対して教育を提供

  徒弟制(労働と生活の未分化)
   19世紀までは、公式な学校制度がなく、徒弟の形で教育(属性原理)
 
  近代に労働と生活の分化、学校教育の創設
   メリトクラシー(業績原理)の発展。学校内では職業教育は禁忌。

  1890年代—工場内学校の発展

  第二次世界大戦中・戦後の工業製品の大量生産に呼応するための
  工場労働者の確保

・HRDは、労働経済学的な周縁、経営学的周辺、応用心理学的辺境の狭間

・1990年代にAcademy of Human Resource Development設立。
  学問としては、25年ぐらいの歴史しか持たない。

■ 学問としてのHRDの課題

・アイデンティティロスト

  「介入内容と介入対象の拡張」 HRD、OD、CD
  個人レベルから、集団、組織への拡張。

  概念拡張による定義の更新

  「人的資源開発とは、長期的仕事に関連する個人・グループ・組織レベルの
   学習能力を高める」Watkins, K. E.(1990)

  「個人・チーム・業務プロセス・組織システムの生産性を改善・開発させる
   プロセスであり、教育訓練・組織開発・キャリア開発を含むもの」
   Swanson, R.A. and HoltonIII, E.F.(2010)

  学問としてはどうなのか? 「実務に役立てばい〜んじゃない」でいいのか?

・パフォーマンス指標の問題

  パフォーマンス指標:Financial outcomes, HRM outcomes(離職率等)

  今の組織で評価されるパフォーマンスも先々はわからない。

  「個人の学習」「組織のパフォーマンス」という2軸。

・実践現場への知見の還元

  論文は成立するが、実務には役立たない。


■ 意見交換の中で

-HRDでは、「システム理論」(Input→Process→Output)を導入しようと
 している。

 これは教育工学が、1970年代にOptimizationとして
 やろうとして失敗したこと。

-産業組織心理学では、Trainingに関する論文が増えてきている。

-心理学では「個人の学習」は少なくとも担保しようとする。


===


以下、書籍『Handbook of Human Resource Development』の抜粋要約です。


★輪読会で意見交換したもの ☆関根の趣味で読んだもの

(・抜粋要約 -意見交換 ○関根の独り言)


===

☆1 Psychological Foundations of HRD 3-20

Thomas G. Reio, Jr., and Laura C. Batista

・HRD領域で重要な4つの心理学理論を概観する

・1)Behavioral 行動主義

 観察可能な行動の変化に焦点をあてる

 HRDで最も使われている2つの理論:

 Operant conditioning(Skinner) オペラント条件づけ

  報酬と罰を通じた強化による学習

 Social learning(Bandura) 社会的学習 

  モデルを観察することによる学習

・2)Humanistic 人間主義

 C.Rogers(1951他)、A.Maslow(1970)が、著名
 
 Ryan & Deci(2000)の自己決定モチベーション論

 M.Knowles(1990)の成人学習論

 Seligman & Csikszentmihalyi(2000)のポジティブ心理学

・3)Gestalt ゲシュタルト主義

 認知、知覚に焦点をあてる

 Lewin(1958)の経験学習 Unfreezing,Moving,Refreezing
 
 Kolbの経験学習サイクル

・4)Developmental 発達主義

 Piaget(1952)の脳成熟による認知発達 発達が学習の前

 Vygotsky(1978)の社会文化論 文脈や環境の重要性 ZPD 学習が発達の前

 情報処理論

・社会的、感情的発達

 Bowlby(1988)のアタッチメント

 Erikson(1968他)の心理社会的発達

 Arnett(2000)のEmerging adulthood論

・心理学は、HRDの実践において有効な理論的基盤である。

・心理学は歴史的に、個人の研究に焦点をあててきた。

===

☆2 System Theory and HRD 21-39

Ronald L. Jacobs

・システム論とHRDとの関係

・システム論の目標は、物事を説明することである。

・システムの基本要素:

 インプット→プロセス→アウトプット 

  →フィードバック/フィードフォワード→

・System:Systemic  Systems: Systematic

・HRD Process:

Assess/Analyze → Design/Implement → Evaluate/Improve

↑Change Management

・すべてのHRDプログラムは、システムである。

 Jacobs(2003)の構造的OJTもシステムである。

 (参考:Jacobs(2003)の本 
http://learn-well.com/blogsekine/2014/07/ojt_5.html )

・Schein(1998)は、HRD実践における3つのコンサルティング志向を提示:
  Product、Prescriptive、Process

・Performance consultingは、システムアプローチを使う。

・McLagan(1989)のHRホイール

  HRDは「研修と発達」「組織開発」「キャリア開発」の3つが仕事。

○改めて「Developmet」の訳に困る。

 Training & Development 研修と発達、研修と開発、研修開発?
 Organizational Development 組織開発、組織発達?
 Career Development キャリア開発、キャリア発達?

 金井先生の本に書かれていたと思うけど、「開発=他人にされる」
 「発達=自らしていく」ようなイメージがある。

 けど、個人と組織だと、またニュアンスが違うし、難しいね〜。

・HRD領域におけるシステム論の重要性を説いたのが本稿。

===

★3 Adult Learning Theory and Application in HRD 40-61

Victoria J. Marsick, Aliki Nicolaides, and Karen E. Watkins

・M.Knowls(1976)のAndragogyを再解釈し、今の職場学習にあったものに
 再構築する必要がある。

・Knowlsは、成人を成熟した、自己主導型学習者であると考えた。

・Adult development theoryが、成人学習論を補完した。
 Drago-Severson(2009)のWays of Knowing

・学習と発達の相互関係は、「経験から学ぶ」とも関係する。

・J.Dewey(1938)の著作が、D.Kolb(1984)の経験学習サイクル、
 Argyrs & Schon(1978)のアクションサイエンスの基となっている。

・Schonは、Reflection-in-actionとReflection-on-action を区別した。

・Mezirow(1991)は、変容的学習を提示。

・これらのモデルの中で、経験は、何か「外にあるもの」として
 捉えられてきた。

・Fenwick(2000)は、Constructivist構造主義者?(Deweyを基にした
 経験学習論)と、Behaviorist行動主義者、そして派生したBanduraの
 社会的学習論が、職場学習においては主要な理論であるとした。

・Complexity theory 複雑論? 我々は、我々が相互交流するシステムとの
 関係性の中で学習する

-Complexity theoryは研究アプローチ。「こうなるはずだ」とシミュレーション
 して、そうならない時の原因を考えていく。

・Argyris & SchonのModel2は、学習を支援する環境づくりに焦点をあてる。

・Meyer(1982)は、2種類の組織学習があるとした:
 1)Resilience 2)Retention

・March(1991)も、2種類の組織学習を提示した:
 1)Exploration  2)Exploitation

・個人学習と組織学習を橋渡しするのが「Group集団」である。

・HRDが活用できる「経験から学ぶ(個人、集団、組織レベル)」
 3つのアプローチ:

 1)非公式で偶発的な学習 Marsick & Watkins(1990)

-1990年代から、Formal trainingへのアンチテーゼとして発展。

 2)協働的発達行動探索? Torbert(2003) トリプルループ学習

-ハーバード大 R.キーガンの一派。
 個人のメンタルモデルを壊す。問いが重要。

 3)学習文化の創造 Watkins & Marsick(1997) 学習する組織モデル

・HRDは、個人、集団、組織レベルでの経験学習に焦点を当てるべき。

===

★4 Management and Leadership in HRD 62-79

Marshall Sashkin

・20世紀の前、リーダーシップは、性質や役割と見られてきた。

・最近の研究者は、効果的なリーダーは、生まれるものでも、
 作られるものでもないと考えている。

 効果的なリーダーシップは、適切な発達経験と個人の性質、潜在性が
 組み合わさって生まれるものである。

・Smithら(1984)は、宗教家のリーダーシップと成果の間に、統計的
 有意な関係があることを明らかにした。

・リーダーシップのあり方は、組織成果に多大な影響を及ぼすといえる。

・1940年代以降、マネジメント行動は2つの集約されてきた:
 1)課題行動 2)関係行動

・P.Drucker とW.Bennisは「マネジャーは正しくことを行い、
 リーダーは正しいことを行う」とした。

・Stogdill(1948)は、どれかひとつの個人特性がリーダーシップに結びついて
 いるわけではないが、いくつかの特性の塊が関係しているとした。

 この研究によりPersonalityアプローチは終わり、学習アプローチが盛んに
 なった。

・特定のリーダー行動と技術は学習できるとし、2つの行動が取り上げられた:
 1)課題 2)関係

・Blake & Mouton(1964)は、Managerial Grid を提示。

・Hersey & Blanchard(1969他)は、Situational Leadership を提示。

・Houseは、Path-Goal theoryを、研修プログラムにはしなかったが、
 シンプルな「状況的」アドバイスを残した。

 経験が浅い従業員の場合、上司は指示を与え、よく監督するという
 課題行動をとるべきとし、

 経験豊富な従業員の場合、上司は励まし、指示を最小限するという 
 関係行動をとるべきとした。

・状況的リーダーシップは、1980年代〜1990年代において最も人気ある
 リーダーシップ研修となった。

・Blanchard は「1分間マネジャー」を上梓。

・ただ、状況的リーダーシップの有効性は実証されていない。

・1970年代後半、カリスマ的リーダーシップが取り上げられるようになり、
 後年、変容的リーダーシップと呼ばれるようになった。

・Bass & Bass(2009)は、Transformational leadershipの4つの要素を提示:
 カリスマ、動機鼓舞、知的刺激、個別配慮

 Full-Range Leadership Theoryと呼ばれている。

・Kouzes & Posner(1987他)は、Leadership Practice Inventoryとして
 5つのリーダー行動を提示した。

 彼らが開発した研修プログラムは、下位、中位のマネジメント層に
 多く使われた。

・CCLでは、仕事を通じた経験(特定の性質を持つ)が効果的な
 リーダーシップ開発に重要であるとした。

・CCLのWilsonら(2011)は、リーダーシップ開発は下記割合が最も効果的
 であるとした:
 70% 挑戦的な仕事 
 20% 発達関係(メンタリング、コーチング)
 10% 公式の研修

・モダン主義者は、リーダーシップを、特定の行動(原因)が、
 特定の成果(結果)を生み出すとした。

 ポストモダン主義者は、Equifinality等結果性という概念を重視する。

・リーダーシップは、メンバー間に分散されている。
 Pearce(2003)は、水平的なリーダーシップ関係と呼んだ。

・エグゼクティブの失敗研究では、特定のパーソナリティーがその要因と
 なっていた:

 他者と協調できない、ナルシシズム、行動を起こせない、
 失敗から立ち直れない、約束したことを守れない

 こういう性質を持つ人をリーダーにしてはいけない。

・2つの個人性質の重要性:決心、支援

・監督職や下位レベルのマネジャーにとって研修から得られる効果はある。
 シニアレベルにとっては、発達的な仕事アサインとコーチング支援が必要。


-トレンドは、Shared leadership。

 Followershipを高めるのも大事だが、独裁制への懸念もある。

-1990年代、大学にリーダーシップ教育が導入されたときは、
 クーゼスとポスナーのエリート主義でないリーダーシップが参考にされた

-ALは、学生のリーダーシップを活用した授業といえる。

-コッターの「Management」と「Leadership」の違いに対して、
 ミンツバーグは異を唱えた。

-「駄目要因」は、1980年代にDerailment(脱線)研究として行われた。
 当時は「適応」がカギで、失敗することが、Railを外れることになった。

 今は、Railそのものが途切れている。

-環境変化に対して学びなおせるかがカギでは。

-リーダーシップが社会現象化している。
 そうなるとどう開発してよいのかわからない。

-統計分析でリーダーシップを研究するのはどうなのか?
 統計は平均を見るもの。リーダーは平均的なのか?

-Authentic leadershipは、モラルを重視。そうすると個人要因が重要になる。

■中原先生のブログ「回帰するリーダーシップ研究の最前線!? :
          どんなリーダー個人が成果を残すのか?」

 http://www.nakahara-lab.net/blog/2015/05/post_2409.html

===

★5 Organizational Culture and HRD:
 The Roots, the Landscape, and the Future 80-93

Maria Plakhotnik

・人類学者たちの間でも「文化」の定義は合意されていない。

・「組織文化」は「ここでどうやるか」に関するものと表現される。

・ホーソン研究から、ビジネス人類学が生まれた。

・組織文化研究は、次の2つを基盤としてきた:
 1)Malinowski(1944)の機能主義
 2)Radcliffe-Brown(1952)の機能−構成主義?

・1980年代の最も影響力があった組織文化研究は、E.Scheinのものである

 Scheinは、組織文化を理解するためには、3つのレベルの分析が必要と
 考えた:人工物、価値、前提

・Hatch(2006)は、組織文化研究を4つの時期に分けた:
 クラシカル、モダン、象徴ー解釈、ポストモダン

・Martin(1985,2002)は、組織文化の概念化において3つの視点をもつべきと
 した:統合、差異、分割

・多くのHRD研究者は、組織文化を共有された価値、信念、実践とみる。

・今後のHRDには次の課題がある:
 1)Talent Management 
 2)異なる世代の人々
 3)ワークライフバランス
 4)ヴァーチャルHRD

-スタバの組織文化は「ホスピタリティ」
 この基準に沿って指導ができるようになると、時給が40円あがる。
 店長が評価。

-国の文化とHRMの研究はある

-シャインは心理学から。本稿は文化人類学の観点。

-ギデオン・クンダ『Engineering Culture 洗脳するマネジメント』
 作られた文化。文化は良いものとは限らない。

-文化はどこから? 過去の成功体験からでは。

-文化=Sensemaking 

-「うちの会社」というときの「うち」がどこを指しているか。
  うちのチーム、課、部、会社等。

-同じような組織でも文化は違う。自治体でも。
 民間よりも、トップによる違いは大きいかも。トップの裁量が大きい。

===

☆11 Expertise Through the HRD Lens:
  Research Trends and Implications 183-200

Robin S. Grenier and Marie-Line Germain

・Expertise専門家は、特定内容知識と手続き知識をもつと定義されている。

・HRDでは、Traits & skills 資質と技術、および数年にわたる経験が、   

Expertiseを定義すると考えられている。

・専門家は、客観的な特徴と主観的な特徴をもつ

・客観的な特徴は「獲得された専門性」(Greiner & Kehrhahn,2008)と近い。

 専門家は、初心者と違うやり方で問題を解決する。
 彼らは、問題を深く、本質的に捉える。

・専門家は生まれながらのものではなく、作られるものである。

・Expert levelでどのような学習が行われているのかは明らかにされていない

・Dreyfus & Dreyfus(1986)の5段階モデル:
 Novice, Advanced beginner, Competent, Proficient, Expert。

・専門性を測る標準的なツールは無いが、4つを紹介したい:
 1)Spencer & Spencer Technical scale 4次元
 2)SVT, IVT, & PIT tests
 3)CWS Index of Performance データから
 4)GEM 他者評価 18項目

・Expertise Redelopment 専門性の再開発が必要になっている。

 3つの段階:依存、自律、卓越

・Transactive memory theory(Wegner,1995)は、メンバーの専門性を
 上手く活かせれば組織の効率性を高められるとする。

 専門家の相互交流は、知識の転移を促している(Sie & Yakhlef,2009)

・リーダーシップを発揮する専門家の4つの特徴:
 知的能力、自己確信、断固たる決意、社会性

・権威と社会的パワーに対する服従。1960年代のMilgramの研究。
 専門家は、人々の判断に影響を与えることができる。

・いくつかの問い:
 1)専門性は学習できるのか?
 2)専門性の資質と技術は、教えることができるのか?

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★13 Workplace Learning 215-227

Rob Poell

・1990年代以降は、Workplace Learning(WPL)は、HRDの主要なトピックと
 なってきた。

・1980年代には、研修転移研究において、職場の重要性が示されてきた。

・本稿では、Actor視点を入れて、WPLに関する過去20年を振返る。

・S.Billett(2004)は、WPLを、状況に埋め込まれた仕事活動における
 学習者の参加であるとした。

・Work-related learning と Work-based learningは区別されるべき。

・Constructivist構成主義者は、次の3つの種類の学習活動を区別して考える:

 1)偶然起こった学習 incidental
 2)自己開始学習 self-initiated
 3)公式な環境下での学習 formal setting

・V.Marsick(1987)が、WPLに関する書籍を出した。
 
 Lave & Wenger(1991)の状況学習を経て、
 WPLは1990年代のバズワードとなった

・Sfard(1998)が、学習を獲得と参加メタファーで表現した。

・本稿の著者は、WPLを「介入」とは捉えていない。

 WPLとして紹介されているものの多くは「Workplace training」である。

 この概念の誤解が問題を巻き起こしている。

・De Jongら(2001)は、Workplace trainingを4つのモデルとして提示
 している:

 1)Job instruction 職務指導
 2)Apprenticeship 徒弟制
 3)Inquiry 質問
 4)Self-evaluation 自己評価

・WPLは、常に良い、肯定的で、促されるべきものとして捉えられてきた。

・従業員は、マネジャーやHRD実践者と同じような戦略的アクターである。

・HRD実践者は、職場で起こることに少しの影響力しか持ち合わせていない。
 まず最初にすべきことは、職場に足場を作ることではないか。

・HRDは、鍵となるステークホルダー達とチームとなっていくべきである。

-研修は多く行われているが、現場で実践されていない。
 これは転移の問題。

-WPLは介入ではないと、本稿では主張されているが、
 そうすると、日々の仕事との区別がつけにくくなる。

-WPLがバズワードにならないよう。

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☆24 Coaching 402-424

Cynthia Hunter Roman

・組織コーチングの2つの実践形態:
 1)Executive Coaching
 2)Workplace Coaching

・1)は、外部のプロコーチが実施。
 2)は、内部のコーチ(Mgt、HR、L&D)が実施。

・コーチングモデルは、3つから7つのステップと
 なっているものが多い。

・組織コーチが基盤としている理論は4つに分類される:
 1)Adult Development
 2)Cognitive/Behavioral Psychology
 3)Ontology
 4)Positive Psychology

・1)Adult development

 Kegan(1994)の5段階 

 Adult development理論に基づくコーチは、
 より複雑な思考を促そうとする。

・2)Cognitive/Behavioral Psychology

 思考、感情、行動のリンクを重視

 スキナーの3段階行動訓練法が、その後の行動モデルに
 大きな影響を与えた。

 最も有名な行動コーチングモデルが「GROWモデル」
 Goal, Reality, Options, Wrap-Up.

 コーチング技術としての「ソクラテス的質問」
 
 Agyris(1983)の「アクションサイエンス」は、コーチングや
 メンタリングに大きな影響を与えた。

 メンタルモデルの表出化する際に役立つのが「推論の梯子」

・3)Ontology

 F.Floresが、Ontological coachingという名称を使用。
 
 Maturanaの理論では「The Observer観察者」という存在がカギ。
 言語が、現実を形作る。

・4)Positive Psychology

 伝統的な心理学が、病気の人々を対象としていたのに対し、
 ポジティブ心理学は、普通の人々の生活向上を目指した。

 肯定的な感情の効果。幸福。

・コーチングの今後:

 1)コーチング以外の介入手法との差異
   
   OD実践者の80%は、Schein(1969)のプロセスコンサルティング法を使用。

 2)コーチングの評価

 3)文化の違い

   コーチングモデルに、文化面を統合していく必要性。

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★25 Mentoring: Perpetuated on a Myth? 425-437

Paul W. Combs

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 和訳レジュメは関根が担当。 
 
 「メンタリング」和約レジュメを開く


-Mentorメントルは、メンターの役割を果たしていない。
 Athenaが、イタコのように、Mentorの身体を借りて、テレマコスを指導。

-日本だと、メンターというと、メンタル面、精神面での支援者をさし、
 OJTトレーナーというと、ビジネス面、業務面での支援者をさすことが多い。

-クラムは、メンターを「キャリア面」「心理社会面」での支援とした。
 http://learn-well.com/blogsekine/2009/02/post_217.html

-メンタリングのほうが、OJTよりも定義がバラバラ。

-外資系人事 メンターとメンティーのマッチングはするが、
 その後は本人達に任せる。

 非公式なランチ。3か月ぐらいやったら後は本人任せ。

-メンターになっていないのは寂しい。リーダーがリーダーを育てる。

-経営者候補にメンターをつける。
 「あなた、優秀だから、そろそろメンターを」

-某自治体でも、新人80名に対して、今年からメンターをつけている。

-日本の場合、メンターはいらないかも。
 これまでの仕事経験の中で、会社の中で相談できる人を作っている。

 今の上司が駄目なら、前の上司に相談するとか。

-新人はそういう人がいないので、最初にメンターをつけるのは良いのかも。

-組織で出世する人は、引っ張り上げてくれるメンターがいるもの。

-派閥も関係してくる。

-経営者は、経営者のメンターが必要。

-従業員ではわからないことはある。
 経営者になってみないとわからないこともある。

-2代目経営者「怖くはあるけど、恐ろしくはない」
 初代創業者「怖くはないけど、恐ろしかった」

 こう言われて気づいた経営者もいた。

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以上で、1日目が終了!

2日目(5月25日)も楽しみです。

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