「HRD 人材開発とは何か?輪読会」 2日目

東大大学院

2015年5月25日(月)10時~15時 @東大
「HRD 人材開発とは何か?輪読会」 2日目、開催です。

★輪読会で意見交換したもの ☆関根の趣味で読んだもの
(・抜粋要約 -意見交換 ○関根の独り言)
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★20 International and Cross-Cultural Perspectives of HRD 326-349
AAhad M. Osman-Gani
・駐在先の文化にいかに上手に適応するかが、グローバルマネジャーの
 成功を規定する
・Expatriate 駐在員の適応が、パフォーマンスの重要な予測となる。
・文化の違いを説明する4つの主要なフレームワーク:
 1)Kluckhohn & Strodtbeckの6次元
 2)Hofstedの4次元
 3)Thompenaarsの7次元
 4)GLOBE研究の9次元
・海外赴任研究では、不確実性の減少が適応の鍵だとされている
・異文化トレーニングの効果は、研究によってまちまちである。
・International employeesは、3種に分けられる:
 1)PCN Parent country national(派遣元の国民)
 2)HCN Host country national(駐在先の国民)
 3)TCN Third country national (第3国の国民)
・駐在先から戻ってきたときに起こる「逆カルチャーショック」
 企業は、Repatriates(元駐在員)から多くを学ぶべき。
・Inpatriation 外国のマネジャーを本国に招く。
・Transpatriate executiveを特徴付ける3つ:
 好奇心、謙遜、柔軟さ
・CQ Cultural Intelligence
・Hofstede(1980)の5つの文化次元が、Cross cultural trainingプログラム
 を設計する際には役立つ。
・高い自己効力感が、よりよい適応につながっている
 (Osman-Gani & Rockstuhl,2009)
○独立起業で上手くいく人の共通点「根拠なき自信」と同じかも。
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★21 Contemporary Career Literature and HRD 353-368
K.S.McDonald and L.M.Hite
・21世紀にはいり、Career Development(CD)に関する興味が再燃。
・HRDにおけるCDの定義は、Simonsen(1997)がよく引用される。
・1990年代半ば以降、目立ち始めた2つのキャリア志向:
 1)Protean 個人が自らのキャリアを作る Hall(1996)
 2)Boundaryless 境界をこえたキャリア Arthur(1994)
・女性のキャリアに関しては「Kaleidoscope Career Model」が提示された。
・「Life design model」は、個人の内省を励まし
 「Adaptability 適応」と「Narratability 物語性?」の促進を目指した。
・McLagan(1989)のHR車輪モデルでは、CDは、HRDの主要機能と提示されたが、
 少しの研究しか行われていない。
・先行研究からCDに関しては、4つの大きなテーマが示されている:
 1)組織支援は、CDに影響を与える
 2)HRDの4つのイニシアチブは、CDに貢献する
   ①メンタリング ②ネットワーキング ③リーダーシップ開発 
   ④柔軟な仕事アレンジ
 3)多様な人たち(性別、人種等)へのCDが、HRDの課題
 4)組織レベル分析が行われてない
・CDに対するニーズと興味が多様化してきた。
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★26 Talent Management as a Strategically Aligned Practice 438-455
Wendy E. A. Ruona
・マッキンゼーの「War for Talent」がタレントマネジメントに火をつけた
・TMは、戦略と連動した実践であり、適切な技術を持つ適切な人々を、
 適切な仕事に、適切なときに得ることである。
・TMの主要な目標は、ベストな従業員をひきつけ、維持し、関わってもらう
 ことである。
・「Talent」は、戦略的に重要な個人あるいは集団と定義できる。
・TMの4つのアプローチ:
・1)High Performers
 
  A、B、Cプレイヤー J.Welch(2003)20-70-10
・2)Leadership Pipeline
  潜在的なマネジャー候補 サクセッションプラン
・3)Pivotal talent pools 軸となる重要なタレント集団
  戦略→重要な役割→A パフォーマーのアサイン  Talentship
・4)Specific talent segments
  1)2)3)以外の集団にも目を当てる 
・TMを、Fads 一時の流行にしないこと。
・TMの倫理的課題。選ばれなかった従業員に対する配慮。 
・VUCAな状況 Volatile, Uncertain, Complex, and Ambiguous
  激しく変動し、不確実で、複雑で不明瞭な状況
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★31 HRD in Smaller Firms: Current Issues, Insights,
   and Future Directions for Research and Practice 526-546
Ciara T. Nolan and Thomas Noel Garavan
・SME(Small and Medium-sized Enterprises)が、企業の99%を占めている
・SMEは、雇用の源である。
・HRDは、SMEでは欠如しているといわれてきた。
・SMEは、Large businesses大企業とは大きく違う。
・公式の研修は、企業規模が小さくなるほど提供されていない。
・Owner-managersオーナー経営者は、外部研修業者を懐疑的にみる。
・SMEにおけるHRDの最も強力な推進者は、オーナー経営者である。
・プロ経営者は、公式でシステマチックなHRDに価値を置くが、
 徒弟制で育ってきたような経営者はそうではない。
・小企業の主要目標は、成長、革新、発展ではなく、生存である(Beaver,2003)
○そう!そうなんだよな~。
・HRDの関心は、日常業務や実践課題に向けられる。
・小企業は、金銭的価値を生み出す活動であるかどうかに、より自覚的である
 (Gray,2004)
・SMEのHRDへの障害:文化、金銭、アクセスと設備、自覚
・研修の実費は、小企業のほうが高くなる。従業員数が少なく、
 研修に参加することで現場不在となる従業員の機会費用が高くつくため。
・大企業のHRD概念「HRDは、こうあるべき」を、小企業に適用している。
 「実際のHRDはこうなっている」
・小企業でのより自然で、非公式なHRDアプローチが見過ごされている。
・小企業の従業員のほうが幸福(高い職務満足、低い離職率、少ない欠勤)
 という調査結果も多い。
 それは、小企業でのインフォーマルなやり方も一因である。
・HRD理論は、小企業の複雑性を説明するのには不十分である。
・小企業を研究する際には
 1)分析アプローチ
 2)複雑リソースベースド視点(Colbert,2007)
 3)戦略的選択論(Child,1997)
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★32 Action Learning: An HRD Tool for Solving Problems,
   Developing Leaders, Building Teams,
   and Transforming Organizations 549-566
Michael J. Marquardt
・ALは、チームメンバーが学びながら問題解決をするプロセスである。
・ALに必要な3つ
 1)コーチまたはファシリテーター
 2)質問と内省
 3)個人、集団、組織レベルでの学習へのコミットメント
・ALのActionに必要な3つ:
 1)緊急で重要な問題
 2)多様性あるグループ
 3)行動を取るに必要な力と責任をグループがもつ
・2種類のAL:
 1)一つの問題 2)複数の問題
・ALは、経営科学、教育学、心理学、グループダイナミクス、社会学、
 オープンシステム、カオス理論、政治学、AI、倫理、生物学、人類学
 といった様々な研究知見をベースにしているから上手くいく
・ALのステージ
・ALには、多様性が必要。
・ALの5つの目的:
 1)問題解決 
 2)リーダーシップ開発
 3)チームビルディング
 4)学習する組織づくり
 5)個人のプロフェッショナルとしての成長と発達
○「ALは良いことづくめ」って感じ・・・
・ALは、1940年代にR.Revansが始めた。
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★35 Employee Engagement and HRD: Exploring the Philosophical
  Underpinnings, Measurement, and Interventions 605-622
Brad Shuck, Kim Nimon, and Drea Zigarmi
・Employee engagement 従業員の熱意ある関与? 
・Engagementの4つの枠組み:
 1)ニーズ・満足アプローチ
 2)燃え尽きの反対
 3)満足・関与アプローチ
 4)多次元アプローチ (認知、感情、行動)
・Engagement測定ツール:MBI-GS、UWES等
・Engagementとは、従業員が彼らの働きは組織にとって重要だという信念に関係
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★38 Certification of HRD Professionals 661-672
Vijay Krishna
・HRDと関連する領域:
  OD、HRM、T&D、Human Performance Management
・Certification 証明、検定、免許 の例:
  PMI、HRCI、ISPI、CPLP(ASTD)
・Certificationは、ビッグビジネス。お金を生み出せる。
・Certification programは、実践。
 University degreeは、理論。
・多くのCertificationは、USで作られている。
・Recertification 免許再認定をどうするか。
・多肢選択型以外のアセスメント手法が必要になる。
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★40 Future Directions for HRD 688-708
Martin B. Kormanik and Thomas J. Shindell
・HRDは、「変化」についてのもの(Stewart & McGoldrick,1996)
・ODの「4段階分析開発モデル」:
 1)現状 2)目標 3)障害 4)行動
・多くのHRDプロフェッショナルは、ASTDのメンバーである。
・Academy of HRDは、1993年設立。
・HRDは、より人間と社会的変化に関するものになってきている。
・HRDに対する様々な挑戦、あるいは障害は、機会にもなりうる。
・4つの課題:
 1)関連性 2)管理、免許 3)技術 4)倫理
・常に関連性をもつ
・研修領域では、他者のものを盗み合っている。引用元は示しながらも。
・オンラインプログラムの開発費を1社からのみ得るのか、
 複数社に分散させるのか。
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分厚かったこの本ともお別れ。
次は、この本に挑みます。
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投稿者:関根雅泰

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