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2015年08月20日

カナダ出張 おまけ

2015年8月12日(水)〜

AOM(経営学会)年次大会が終わり、バンクーバー周辺を
観光して回ります。

レンタカーを借りて、バンクーバーの港に向かいます。
フェリーに乗って、ビクトリアへ。(1時間半ぐらい)

そのままホテルに入ります。

===

8月13日(木)

ビクトリアの博物館へ。3階の「先住民の展示」が魅力的です。

IMG_5612.JPG

カナダでは、先住民を「First Nation」と呼びます。
(アメリカでは、「Native American」でした。)

1990年代にアメリカのミシシッピー州に留学していた頃、
大学では、Anthropology人類学を専攻していました。

ミシシッピー河流域で、石器の発掘をしたり、
Reservation(インディアン居留地)に行ったりしていたので、
今でもアメリカ先住民には興味があります。

今回の短い旅行での感覚しかないですが、アメリカよりも
カナダのほうが、先住民の歴史を尊重しているように感じました。

IMG_5669.JPG

本屋で見た子供達向けの本にも「First People」の歴史から
学べるよう配慮したものが多く見られました。

(今は「Indigeneous people」と呼ぶようになっているようです。
 『Indigeneous Peoples of North America』
 https://www.chapters.indigo.ca/en-ca/books/product/9781442603561-item.html?mkwid=sY8paHXlN_dc&pcrid=44154474422&pkw=&pmt=&s_campaign=goo-Shopping_Books&gclid=Cj0KEQjw6cCuBRCh4KrGoJ6LoboBEiQAwzYsdIbaTtx3uvjptGojygLzI9mm-eEHN6IVQL4PuTsMnaoaAlQq8P8HAQ )


午後は「Whale watching」へ。シャチを見ることができました。

夕方、車を走らせ「Butchart Garden」へ。

IMG_5618.JPG

Butchart夫妻が、採石場だったこの土地を、
100年後も観光客が訪れる庭園にしていったそうです。

http://www.butchartgardens.com/jp

===

8月14日(金)

ホテルを出て、ビクトリアから北に向かい、Dankanという
「トーテムポールの町」へ。

IMG_5650.JPG

地図を見ながら、街中にあるトーテムポールを見て回ります。

IMG_5653.JPG

歩いて商店街を見て周り、ついでにお店にも立ち寄ります。
観光客をお店に連れてくる上手いやり方ですね。


そのあとは「森林博物館」へ。

IMG_5663.JPG

林業が盛んだった頃の様子が、写真、模型、道具を使って
再現されています。

昔は当たり前だったものが、今の人には価値ある
観光資源となっている。

これは、同じく林業が盛んだった
ときがわ町にも参考になるかもしれません。


そのまま車を走らせ、Nanaimoという町へ。

===

8月15日(土)


午前中は、地図で見つけたおもちゃ屋へ。

IMG_5664.JPG

ここでは、研修、ワークショップで使えそうな掘り出し物の
ツールがたくさん見つかりました。

IMG_5666.JPG

学校の先生達が、子供達のために使うツールも扱っているお店です。

私達が、初めての日本人客だったそうです。

ウェブサイトでも販売していますが、
日本への船便はまだやったことないとのこと。

http://www.koolandchild.com/

午後、ナナイモの港からフェリーに乗って、
西バンクーバーへ。

港のゲートでチケットを買って、レーンに並んで
フェリーに乗り込むのを待ちます。

ところが、出発時刻になっても、フェリーに乗れません。

「あれ?」と思っていたら、そのままフェリーが行ってしまいました。

周りの人たちは、さも当たり前といった感じで車から降りてきます。
そのまま待合所にい向かいます。

次の出発まで2時間待ちです。


15時出発、夕方、西バンクーバーのHorseshoe Bayに到着。

車を1時間半ぐらい走らせて、2010年冬季オリンピックがあった町、
Whistlerへ。

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8月16日(日)

ウィスラーのホテルにこもって、原稿書き。

IMG_5667.JPG

10月出版予定の「大人相手の教え方」(クロスメディアパブリッシング)

静かで涼しい環境のお陰で、だいぶ進みました。

===

8月17日(月)

朝と午前中は、ホテルで原稿書き。

昼からホテルのそばにあった「Aboriginial Museum」へ。

IMG_5672.JPG

ウィスラー周辺に今も住んでいるインディアンたちが、自分たちの文化を守り、
伝えるために、彼ら主導で作った施設だそうです。

そういえば、このあたりの道路標識は、「英語とインディアンの言葉」が
共に書かれています。

インディアンの言葉を使わせずに、英語に統一してしまった
某国とは違います。

===

8月18日(火)

朝のうちに、原稿書きの続き。

お昼に、ウィスラーを出て、再びバンクーバーへ。


ホテルそばにあった「Tommy Lee Music」で、
缶詰入りのハーモニカを購入。

IMG_5699.JPG

===

8月19日(水)

午後、バンクーバー発、成田へ。


改めて、バンクーバーは良い町でした。

治安もよさそうで、人も親切。
食事(日本食含め)も美味しかったです。

8月中旬という時期もよかったのかもしれませんが、
とてもいい印象が残る町でした。


8月20日(木)

午後、成田着。夕方、自宅戻り。

===


明日(21日)から、通常業務に戻します。

2015年08月12日

AOM(経営学会)2015年次大会 ふり返り

2015年8月7日(金)〜11日(火)@バンクーバー カナダ
で開催されたAOM(経営学会)2015年 年次大会に参加してきました。

今後のために、ふり返りをしておきます。

===

1.文献読み

今年は、30本の文献を読み、参加することができました。
(1本あたり約40pg 6日間 平均5本 最低2本/1日、最大11本/1日)

IMG_5696.JPG

年次大会なので、論文化される前の文章ですが、
集中して英語文献に取り組める貴重な機会になっています。

今回、改めて感じたのが、複数の文献で引用されている
著名論文、理論、モデルがあるということです。

例えば、

「Social exchange theory(Blau 1964)」
「Job demands-resources model(Demerouti et al.2001)」

これらは今後機会を見つけて読んでおこうと思います。

===

2.HRMとビジネスのつながり

今回のAOM参加で、私自身にとって一番インパクトがあったのは、

Dr.Raharsoの「Back in Business: HRM in the Heart of Firm
Performance via Customer Acquisition and Retention」でした。

( 3日目 HRM http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/89_1.html )


まず、彼はHRM(人的資源開発)は次の3つを行うことだと言います。

1)People Recruitment 採用
2)People Retention 保持
3)People Development 開発

これらHRMの効果をいきなり測るのは難しく、Missing Linkは、
「顧客」である、と。

HRM→顧客→業績 

この考えを聞いて、改めて「そうだよな〜」と目が開かされました。

これまで、例えば「研修の効果測定」でいうと、
L4 Result や L5 ROI をいかに測るのか、という議論があります。

研修と業績の間には、様々な変数が絡むから、
実際に「これが研修の効果だ!」と言い切るのは難しいと。

そこに一筋の光明を示したのが、BSCでした。

http://learn-well.com/blogsekine/2015/03/bsc.html

私の理解でざっくり言えば、

学習→内部プロセス→顧客→財務 

という4段階です。

研修で学んだことを活かして、内部プロセスが改善されれば、
顧客価値が増大し、財務にも影響が現れると。


ここでの顧客価値の増大を、よりシンプルに経営者目線で
捉えなおしてくれたのが、Dr.Raharsoの「顧客の獲得と維持」でした。

彼が引用したように、ドラッカーは、ビジネスの目的を
「顧客の創造と維持」であると断じました。

これは自分自身が小さな会社を10年ちょっと経営してきて
「真理だな〜」と感じていることです。

この「顧客の創造と維持」を、HRMの活動と結びつけることができれば
HRMの意義を、経営者に説明しやすくなります。

私自身は、BSCの内部プロセスの部分を

「創って、作って、売る」(三枝・伊丹2008)にすることで、

よりシンプルで分かりやすいつながりを、
示せるのではないかと思っています。

つまり、

HRM(採用、保持、育成)→事業(創って、作って、売る)
→顧客の獲得と維持→財務(売上−費用=利益)

という流れです。

これについては、今後色々な方と意見交換をしながら
もう少し深めていきたいと思います。

===

3.海外研究者とのつながり


2013年のAOMで知り合ったフランス人研究者のLucas、そして
2014年にLucasから紹介されたイタリア人研究者のMassimo とは

今年も会って話すことができました。


二人とは、2016年度にあるプロジェクトを一緒に動かさせたらと
考えています。

彼らとも「長い付き合いにしていこう」と話ができているので、
少なくとも年1回のAOMでは実際に会って関係を深めていけたらと
考えています。

また、今回はオーストラリア人で、Expatriate(海外赴任者)
の研究をしているAnthonyさんとも知り合えました。

少し話をしただけなので、次回のAOMでは機会を見つけて、
彼ともじっくり話ができたらと考えています。


やはり、AOM年次大会は、海外研究者とのつながりを作るために
有効な機会だと感じました。

来年のアナハイム開催にも参加しようと思います。

===

4.その他

・5日間のうち、エネルギーを注ぐのは、4日目、5日目でいいかも。

・事前予習として、参加するセッションの文献は読み込んでおく。

・文献読みは、3日目までに終わらせておく。
 (4日目、5日目は疲れて読めない)

・1日〜3日目 2〜3セッションぐらい。
 4日〜5日目 3〜4セッション 
 合間に、1時間ずつ 海外研究者とのミーティング 
 ぐらいがちょうどいいかも。

・ネットは、ホテル、AOM会場共につながる。

・会場内はやはり寒いので、上着(ジャケット)ありでOK。

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以上、2015年AOM年次大会のふり返りでした。

こういう機会を作れるのもお世話になっているお客様や周囲の方々の
お陰です。どうもありがとうございました。

今回学んだことを、少しでも還元できたらと思います。

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開催前
http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/aom2015.html


バンクーバー到着
http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/post_444.html


1日目 Experiential Exercises, Virtual Organization, and Millennials
http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/aom_1experiential_exercises_vi.html

 
2日目 Network調査に関するミーティング
http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/aom_2.html


3日目 プレジデント講演とHRM
http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/89_1.html


4日目 Virtual work, Int'l HRM, & Socialization
http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/aom_4virtual_work_intl_hrm_soc.html


5日目 Mentoring + Training & Development
http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/aom_5_mentoring_training_development.html


カナダ出張 おまけ
http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/post_445.html

2015年08月11日

AOM 5日目 Mentoring + Training & Development メンタリング、研修と開発

2015年8月11日(火)AOM(経営学会)5日目 最終日です。

(・文献要約 ○関根の独り言 −当日でた話)

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Tuesday, Aug 11 2015 8:00AM - 9:30AM
at Hyatt Regency Vancouver in Constable

◎Commitment, Satisfaction, and Embeddedness

===

●The Stability of Organizational Commitment

Xiaohong Xu, Texas A&M U.
Stephanie C. Payne, Texas A&M U.
Peng Zhao, Indiana U.
Ann Huffman, Northern Arizona U.

・組織コミットメントの安定性を、78の研究のメタ分析と、
 183のUS軍人の12年分のデータを元に検討。

・OCの安定性については殆ど分かっていない。
 コミットメントは、時間を経るにしたがって変わると
考えられている(Bentein et al.,2005他)

・OCの主要3要素:
 1)Affect-based or attitudinal commitment(AC)情緒的
 2)Behavioral or continuance commitment (CC)功利的
    high personal sacrifice (CC hisac)
low employment alternatives (CC loalt)
 3)Normative commitment(NC)規範的

・Jans(1989)は、オーストラリア軍人のACを調査し、
 ACが勤続年数の長さと負の関係を持つことを明らかにした。
 
 特に、退役間近の数年間のACが低い。

・本研究では、US軍人184名(183名?)を調査。

 結果、ACは時を経るごとに上がっていた。
 CC hisacは、安定し、CC loaltは、上がっていた。

・CCとNCは安定。

===

●Antecedents of Organizational and Community Embeddedness:
 Role of Race and Psychological Safety

Barjinder Singh, U. of Houston, Victoria

・辞めた従業員の代わりを採用し教育すると、従業員1人の
 年間給与の50%ぐらいが必要になる(Johnson,1986)

・Organizational embeddedness は、従業員がどのくらいその
 仕事に絡めとられているかの度合であり、従業員が辞めずに
 残る理由にも関係する

・Embeddednessの2つの形:
 1)Organizational(On-the-job)
 2)Community(Off-the-job)

・Attachment theoryを枠組みに、本研究では、Embeddednessの
 先行要因を説明したい。

・アメリカ企業の165のペア(81が上司、84が同僚)が質問紙調査に
 回答。

・結果、社会的支援(POS等)が、Embeddednessには重要。
 心理的安全が、媒介変数となっていた。

 また少数派の民族のほうが、その影響が大きかった

===

●Linkages of POS with affective commitment, OCB and work    

 engagement: A moderated mediation analyses

Upasna A Agarwal, NITIE

・Perceived Organizational Support(POS)が、
 Affective Commitment(AC)を媒介変数とし、
 Psychological contract breach(PCB)を調整変数として、
 OCB等に影響していた。

 図

・インドの9つの病院の看護士 475名に対する質問紙調査。

・Job Demands-Resource theory(JD-R)を基に仮説を設定。

・Psychological contract breach(PCB)とは、心理的契約を
 組織が裏切ったと従業員が感じている状態。

・POS 認識された組織からの支援は、Prosocial 向社会的行動
 を促進する重要な役割を果たす。

・PCBを防ぐためにも、採用時のRJPが重要。

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Tuesday, Aug 11 2015 9:45AM - 11:15AM
at Hyatt Regency Vancouver in Grouse

◎Understanding Mentoring, Its Nature, Antecedents, and Outcomes

===

●Moderated Mediation Analysis of External Mentoring and
 Mentor Turnover Intentions

Robert W. Renn, U. of Memphis
Robert Steinbauer, Brock U.
Tong Hyouk Kang, U. of Memphis
Daniel James Detwiler, U. of Memphis
Qing Ma, U. of Memphis

・会社の外で行われるメンタリングプログラムに参加したメンター
 の離職意思を調査。

・メンタリングプログラムのメンターへの効果を探る研究が
 増えてきた(Allen,2007他)

・Spillover effects 各領域で起きたことが他の領域にも影響し
 両方が似てくる(例:仕事と家族領域)

IMG_5588.JPG

 図2

・本研究では、外部でのメンタリング行動が、メンターの仕事上の
 態度や行動にどう影響するのかを検証する。

 図1

・101名のボランティア アメリカの大学のキャリアメンタリング
 8ヶ月間を支援。

 T1で、101名が回答。4k月後のT2で79名が回答。

・結果、全ての仮説が支持された。

・メンタリングをすることのメンターにとっての価値。

・メンターのWork engagementが、社外のメンタリング活動に
 参加することで高まり、それがSpillover effectにより、
 メンターの離職意思の低減につながった。

 その効果は、メンターとプロティジェ関係が満足いくもので、 
 接触回数も多いほど、強まることが明らかになった。

・社外のメンタリング活動にボランティアとして参加したいと
 いうような従業員は、会社にとって貴重な存在のはずである。

 彼らに辞められないようにするためにも、そういう機会を
 大事にすべきである。

○面白いね〜。社外活動(今回は外部のメンタリング)に参加し、
 そこで満足感が得られることが、仕事態度向上にもつながる。

 社外活動でも、特にメンタリングのような、メンティーから
 全人格を問われるような、これまでの仕事への向き合い方を
 内省するような機会となるようなものであれば、その効果が
 高いのかも。

 逆に、参加したがために、離職意思が高まってしまうような
 社外活動はないのかな? 例えば、自己啓発系の勉強会?

○外部の若者と話すことでどんな効果があったのか?
 自身をふり返る機会に、初心を思い出す、刺激を受ける?

○そういえば映画「Run All Night」で、ボクサーの息子は、
 黒人の男の子のメンターをやっていたな。

===

●What Transpires During Formal Mentoring? A Multisource Study

Richard Kleine, St. Ambrose U.
Monica L. Forret, St. Ambrose U.
Sherry E. Sullivan, Bowling Green State U.

・公式なメンタリングプログラムの効果を検証。

・これまでのメンタリング研究は、Informalなメンタリング関係
 を対称にしたものが殆どであった。

・3種のメンタリング関係:
 1)伝統的な上下 2)Peer 同僚 3)Reverse 下から上

・公式なメンタリングでは、目的によって、6ヶ月から2年間と
 いう期間が設定される(Eddy et al.,2001他)

・公式なメンタリングプログラムの鍵を握る要素:
 マネジメントによる支援、プログラム目標の設定、対象者の選別と 
 マッチング、両者に対する研修、モニタリングと評価

・アメリカ企業で、公式なメンタリングプログラムに参加した
 746ペアに質問紙調査を実施。(電話での実施)

・結果、メンタリングの内容は、全般的なキャリア開発に
 関するものが多かった。

・メンターのランクが上の場合、キャリアに関する話が多く、
 メンターのランクが下の場合、アセスメントツールの解釈に
 関する話が多かった。

・メンターのランクは、メンタリングの満足度に影響しなかった。

・メンターとのミーティング回数の平均は2回であったが、
 それは満足度に影響しなかった。
 
 頻度を多くする必要はないのかもしれない。

===

●Mentoring and Organizational Socialization: Does Mentor's
 Organizational Prototypicality Matter?

Zhenyao Cai, SHU-UTS SILC Business School of Shanghai U.
Luning Wang, Hong Kong U. of Science and Technology

・新人のOrganization based self-esteem(OBSE)にメンタリング
 がどのように影響を及ぼすのかを検証。

・Prototypicality メンターがその会社の特徴を代表している
 ような存在。

・中国のブルーカラーに対する1年間の公式メンタリング
 203ペアの質問紙調査。T1の3週間後に、T2。

・結果、仮説は全て支持された。

 公式なメンターによるメンタリングが、新人のOBSEに正の効果を
 示した。
 
 メンターのPrototypicalityが、メンタリング機能とOBSEの関係を
 調整していた。

・メンターに、組織に対して好ましい態度をとるよう促進すべき。

○面白い。メンターがPrototypicalなほど、新人へのメンタリング
 効果が高まる。

 「あの人って、うちの会社の代表みたいな」典型的な人が、
 メンターになるのがいいってことかな。

 ヘンに斜に構えている人がメンターになると、メンティーにも
 悪い影響を及ぼすって感じかな。

IMG_5590.JPG

−社会化される前の新人が、そのメンターが本当に「Prototypical」
 な人物と判断できるのか?

===

●My Mentor, My Self: Antecedents and Outcomes of Perceived  

Similarity in Mentoring Relationships

Melissa Mitchell, U. of Georgia
Lillian Eby, U. of Georgia
Belle Rose Ragins, U. of Wisconsin, Milwaukee

IMG_5589.JPG

−メンターとプロティジェのSimilarityの重要性。

−Attachment securityが、Similarityの先行要因。

−似ていると、Role modelにしやすい。

−82ペアを調査。

−ただ、似ていることでのDown sideもあるはず。

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Tuesday, Aug 11 2015 11:30AM - 1:00PM
at The Fairmont Hotel Vancouver in Cortes Island

◎Employee Reactions to Training and Development

===

●The Relationship Between Perceived Training and Development  
 and Employee Retention

Luke Fletcher, Brighton Business School
Dilys Robinson, Institute for Employment Studies

・Perceived T&Dは、職務満足、従業員の積極的関与、変化への不安
 を媒介して、従業員の留職意思に関連していた。

・Perceived T&D 研修と開発をしてもらっているという認識は、
 Retention辞めずに留まる意思と関係している。
 (Aguinas & Kraiger,2009)

 それは、T&Dが、経営者と従業員の社会的交換関係を強める
 からである(Dysvik & Kuvaas,2008)

・Russell(1980)のCore affectモデルでは、仕事態度を4つに
 分類している。
 
 1)Job satisfaction
 2)Employee engagement 
 3)Emotional exhaustion
 4)Change related anxiety

 図2

・上記4つは、T&Dに対する感情的反応として活用できる

・本研究では、Russellのモデルと、JD-Rモデルを統合して、
 下記仮説を提示したい

img117.jpg

・JD-Rモデルに則って考えると、T&Dは、Job demands に対応する
 Resourcesであるといえる。

・イギリスの7社 1191名に対する質問紙調査。

・結果、Emotional exhaustion以外の3つが、Mediator媒介変数と
 なって、T&Dが、仕事をやめずに留まる意思に影響していた。

・職務満足と積極的な関与のほうが、変化への不安よりも、
 強く媒介していた。

・T&Dというが、TrainingとDevelopmentは分けて考えるべきかも
 しれない。

・Retentionの先行要因は、Pull(肯定的経験とJob resources)
 Turnoverの先行要因は、Push(否定的経験とJob demands)

○「Social exchange theory(Blau 1964)」と
 「Job demands-resources model(Demerouti et al.2001)」
 は、今回読んでいて色々な文献に引用されていた。
 
 日本に帰ったら文献を探して読んでみよう。

===

●A Comprehensive Analysis of the Indicators of
  Training Effectiveness

Traci Sitzmann, U. of Colorado Denver
Justin Weinhardt, U. of Calgary

・研修評価の多層フレームワークを提示。

・カークパトリックが唱えた研修評価の4レベルは、理論に
 基づかず、その前提が繰り返し反証されてきた。
 (例:Kraiger,2002の批判)

・研修評価は、理論的に元も開発されていないHRMの領域である。

 ただ、Kraiger, Ford, & Salas(1993)の多次元的学習理論?
 は一つの進歩である。

・本稿では、カークパトリックを超えるために、研修評価の
 多層フレームワークを提示したい。

 このモデルは、Within-person、Between-person、Organizational
 の3つのレベルを分析する。

・これまでの研修評価研究は、Between-personレベルの分析が殆ど。

・4 targets:
 1)Training utilization:
    Enrollment、Attrition rate

 2)Affective effectiveness:
    Course satisfaction、Self-efficacy、Motivation、
    Training reputation

 3)Performance effectiveness
    Learning performance、Human capital 
    Training transfer、Organizational performance

 4)Cost effectiveness

図1

img118.jpg

・オンライン学習において、82~95%の学習者が、ドロップアウト
 していた(Korn & Levitz,2013)

・AttritionというPhysical withdrawalもあれば、
 Psychological withdrawalもある。

・カークパトリックは、満足しなければ学習しないと考えたが、
 これは反証されている。

 満足と学習は、相互に関係している。

・カークパトリックの説は、生徒が楽しみ満足するような
 コース設計をする結果につながってしまった。

・自己効力感は、学習パフォーマンスと研修転移の両方に、
 正の効果を持つことが明らかになっている(Blume et al.,2010他)

・ただ、自己効力感を高めることに焦点をあてすぎた研修は、
 受講者に過剰な自信をもたせ、結果的に失敗につながることもある

・研修の評判は、組織レベルの評価のバロメーターになる。
 Signaling theoryを基にすれば、研修の評判は、従業員の時間を
 割いて参加する価値があることを示すシグナルになりうる。

・Learning performanceとは、経験によって作られた比較的永続的な
 知識または技術の変化である(Weiss,1990)

・Becker(1964)のHuman capital theoryは、研修費用を正当化する
 理論的基盤を提供した。

・研修転移と組織パフォーマンスの間には、太くて黒い線がある
 この2つの関係性は明らかになっていない。

 おそらく従業員の職務パフォーマンスが関係すると考えられるが
 それほど単純ではないだろう。

・18の研修をメタ分析した結果、マネジメント研修は、営業や技術
 研修よりも、低いROIであった
(Marrow, Jarrette, & Rupinski,1997)

 図2 

 図3

・研修評価の専門家達は、カークパトリックがシンポジウムで
 求められて即興的に語った4つのレベルを乗り越えていく必要がある

 そうでなければ、研修評価は未開発な領域のままで終わってしまう
 だろう。

○カークパトリックの4つのレベルに対してかなり批判的。

 実務家にとっては分かりやすくて便利だけど、
 研究者にとっては、理論的でなく、実証できないモデルなんだろう。

IMG_5593.JPG

−この内容なら、論文より、本やコンサルにしたほうが良いのではと
 査読者から言われている。「実践的すぎる」と。

−確かに、研究とするならば、これらの変数のデータをいかに
 とるのか?
 →データを全て取るのは不可能。HRで一部でもとってくれたらと。
  データを取るのは、研修の研究者にとっての課題。

===

●Attitude Toward Training: A Measure and Correlates

Marcus Z. Cox, Stephen F. Austin State U.
Gina M. Harden, Stephen F. Austin State U.
Ashley Hall, Stephen F. Austin State U.

・従業員の研修と開発に関する研究の多くは、デザインとデリバリー
 におかれてきた。

 従業員の感情的側面については殆ど探求されていない。

 研修に対する従業員の態度と感情については見過ごされてきた。

・本稿では、Attitude toward training(ATT)尺度を提示したい。

 図2

・ATTの尺度 16項目→11項目 1因子

−ポジティブなATTをもつ従業員に優先的に研修を行ってはどうか
 とHRには提案したい。

===

●Intergenerational Learning in Organizations:
 A Temporal-Dynamic View on Age-Mixed Training Groups

Fabiola Heike Gerpott, Jacobs U. Bremen

・16~19歳の若いメンバーと、41~47歳のベテランが、一緒に研修
 を受けることで、相互に学べる。

 18ヶ月にわたる縦断的、定性的インタビュー調査を実施。

・世代を混合した研修が今後益々必要になる。

図1

・公式で、相互的な、世代混合研修によって、
 何が学ばれ、どのような変化が起こるのかを検討する。

・交換される知識の種類は4つ:
 1)Expert knowledge
 2)Practical(implicit)knowledge
 3)Social knowledge
 4)Meta-cognitive knowledge

・3つのフェーズ:
 1)Familiarization
 2)Assimilation
 3)Detachment

○フォーマルな研修だからこそ、講師が進行役となって、
 世代間の知識交流を促すことができるのかも。

 改めて、公式な研修の価値かもな。

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−「Intergenerational learning」という名前がいい。
 今後の可能性を感じさせる。

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Tuesday, Aug 11 2015 1:15PM - 2:45PM
at The Fairmont Hotel Vancouver in Galiano Island

◎Implications of Training and Development

===

●The Impact of On-the-Job Training on Firm Productivity:
  Employee Skill and Motivation Concerns.

Argyro Avgoustaki, ESCP Europe

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−先行研究 Bartel,1994,1995、De Grip & Sauemann 2012

−OJT→→Productivity
   ↑Type of Task

−ギリシャの1社のデータ 2005〜2006
 その後、イギリスの会社のデータ 2011を使って分析

−OJTは確かに効果があった。

===

●Temporal Effects of Employee Training:
 A Dynamic and Multilevel Perspective

Achim Krausert, Nottingham U. Business School China

・研修影響のタイミングは、その研修が、Learning curve shiftか
 Learning curve accelerationを起こすのかによって違う。

・シフトを起こす研修は、Lag effectとEffect durationが長い。
 加速を起こす研修は、より即効で、影響も一時的。

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・Learning curve theory(Wright,1936)

−Shiftは、Performanceが高い。Accerelationは、同じ。

−Shiftは、長期、将来。Accerelationは、短期。

−研修を止めることで、Unintendedなラーニングカーブの変化
 (Shift or Accerelation)が起こる可能性がある。

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15時〜 フランス人研究者 Lucasとのミーティング

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・今、フランス軍での6回の縦断的調査と、
 MassimoとNewcomerの調査を行っている。

・M&A後のResocializationとSocializationの調査も始める。

・Socializationの度合を測るためには、本来は360度調査をすべき。
 (上司、メンター、同僚、本人)

・Expatriateの社会化を研究したい。
 彼らはSubsidiaryのスタッフを指導しながら、
 自らもローカルから社会化される必要がある。

・Virtual Newcomrer socializationも今後研究の必要がある。

・新人のCreativity/Innovationを見たい。
 新人のCreativityがそのまま残るか、社会化の過程で消えるのか。

この新人のCreativityは面白そうなので、今検討中のプロジェクト
に盛り込めたらと考えています。

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5日目、終了!

お疲れ様でした。

2015年08月10日

AOM 4日目 Virtual work, Int'l HRM, & Socialization ヴァーチャル仕事、国際的HRM、社会化

2015年8月10日(月)

AOM(経営学会)4日目 Paper sessionsが始まります。

朝食後、会場へ。
Exhibit hallで本を物色。

E.Shein先生の『Humble Inquiry』という本と
『HR in the Boardroom』という本を買いました。

子供用コーナーも少しだけあります。

IMG_5579.JPG

そのまま、下記セッションに参加。

(・文献要約 ○関根の独り言 −当日でた話)

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Monday, Aug 10 2015 9:45AM - 11:15AM
at Vancouver Convention Centre in Room 223

◎Socialization in Virtual Work Environments

===

●When Distance is Positive: Exploring Inclusive Language Use
 in Virtual Work

Anders Klitmøller, U. of Southern Denmark

・Virtual work バーチャルワークは、ポジティブな影響を組織に
 及ぼすことを実証。

 676名 オランダ企業 5社の調査結果から。

・バーチャルワークの2つの要素:
 Workplace mobility 移動する仕事場所:身体的に離れた距離
 Distributed work 分散された仕事:心理的に離れた距離

・バーチャルワークは、身体的、対面的な相互作用が無いことによる
 Negative否定的な側面が語られてきた。

 本稿では、Construal level theory 解釈レベル理論? 
 (Henderson, et al.2011他)を基盤に、ポジティブな側面を見る

 上記理論では、何かから距離があることにより、それをより肯定的
 に評価することができるとする。

 個人が身体的、心理的に組織から距離をとることで、組織における
 活動や決断を、より中立的、目標志向的な視点で捉えることが
 できるとする。 

・従属変数は2つ:
  マネジメント層が共通言語を使用していると見る感覚
  従業員が言語多様性に開かれていると見る感覚

・本調査結果から、
 身体的距離があるWorkplace mobiltiyは、従業員をより肯定的に
 心理的距離があるDistributed workは、マネジャーをより肯定的に
 見ることが明らかになった。

・バーチャルワークは、組織内の他者(従業員、マネジャー)を、
 より肯定的に見ることにつながっていた。

○面白い!

 心理的距離があると「まー、マネジャーも大変だしねー」と
 共感的に見て、

 物理的距離があると「他のメンバーも大変だよねー」と見る
 という感じかな。

 組織と距離があることで、組織内部のメンバーを中立的、肯定的に
 見るっていうのはありそう。

−なぜ、ポジティブな結果につながったのか?
 →Construal level theoryで説明できる。

===

●Socializing Remote Workers: Identification and
 Role Innovation at a Distance

Diane E Bailey, The U. of Texas at Austin
Stephanie Layne Dailey, Texas State U.
Paul Leonardi, UC Santa Barbara
Bonnie Nardi, U. of California, Irvine
Eduardo Henrique Diniz, Fundacao Getulio Vargas

IMG_5585.JPG

・Remote workers 遠隔地にいる従業員に対する社会化を調査。
 
 5つのケーススタディー。178名に対するインタビュー結果から
 3つの発見:リモートワークは、

 1)伝統的な社会化目標を避ける
 2)Self-directed learning 自己主導型学習を刺激する
 3)新しいまたは違ったアイデンティフィケーションを誘発する

・組織社会化、実践コミュニティー、仕事の社会学の3領域では、
 前提として学習が、Co-located workers 隣り合って仕事をする人
 の中で起こるとしている。

・社会化では、4つの目標が想定されている:
 1)不確実性減少 2)アイデンティフィケーションの確立
 3)従業員の抱き込み 4)仕事課題のコントロール

 社会化は、Side-by-side process であると見える。

・しかしこの前提は、問題となってきている。
 7%のグローバル従業員は、リモートで働き、過去10年で
 テレコミューティングが、80%増となっている現代においては。

・本稿では、リモート従業員に対して、どのような社会化の方法
 がとられているのかを探索する。

 表(3領域の比較)

img115.jpg

・リモート従業員に対しては、Hands-off approachがとられている。

・本調査による3つの発見:

1)伝統的な社会化目標を避ける

  全ての企業が、社会化戦術を使ってはいない
  何もしないという選択もある

2)Self-directed learning 自己主導型学習を刺激する

  能動的情報探索とは違う自己主導型学習
  主に、タスクについての学習

3)新しいまたは違ったアイデンティフィケーションを誘発する

  距離は(組織に属するという)アイデンティフィケーションを
  弱める。

  リモート従業員は、独立的で、革新的な役割を担っていた

○面白いね〜。遠隔地にいる従業員だからこそ、本社から
 「忘れられている」メリットを活かして「好きにやる」

 本社から無理なコントロールをして、無理やり社会化しようとする
 よりも、あえて手を出さず「現地にお任せ」のほうが上手くいくのかも。

 逆にヘンに手を出すと、現地の反発だけ招いて上手くいかなそう。

−これまでの社会化研究は、Newcomerが、他のWorkerの近くに
 いることが前提だった。

 今回の研究では、Newcomerの集団が、他のWorker集団から離れている
 場合と、Newcomer1人が、他のWorker集団から離れている状況を調査

−どうやって離れている新人を社会化するのか?

 →あえて何もせず現地に任せることで、Role innovationが起こった

○それも社会化結果の一つかもしれないけど・・・・

 日本企業であれば、ある程度、日本のやり方に従ってほしいと
 いう意味での社会化を期待するだろう。
 
 結果として、日本側のコントロールがきかずに、現地任せになる
 ことはあったとしても。

===

●Toward a Theory of Virtual Identity Communication

Sherry M Thatcher, U. of South Carolina
Susan Brown, U. of Arizona
David Wilson, U. of Oklahoma

・Identity communicationに関する今までの理論は、バーチャルな
 仕事環境においては不完全。

 2つの動機を追加した理論モデルを提示したい。

・Identity communicationとは、自己の定義を同僚に伝える行動

・そのような行動をとる動機として5つ:
 1)Self-verification
 2)Self-enhancement
 3)Self-belonging
 4)Self-distinction
 5)Self-efficacy

・これらに2つの動機を追加したい:
 6)Self-creation 自己を創造し表現する
 7)Self-protection 自己(のプライバシー)を防衛する

○Self-creationは、日本で言うところの「もる」かな。

===

●Employee Engagement in a Virtual Work Environment:
 The Case of a Virtual Team Temporary Project

Zeynep Yesim Yalabik, U. of Bath
Niki Panteli, U. of Bath

・バーチャルチームでの3段階におけるエンゲージメントの特徴を
 Eメールの分析による質的調査で探索。

・本稿は、Job Demands-Resources(JD-R)モデルに則っている。

・Bailey et al.(2012)は、バーチャルワークを3つの種類に整理:
 バーチャルチーム、リモート管理、シミュレーション

・エンゲージメントは、3つのカテゴリーに分けられる:
 1)Vigour/physical
 2)Dedication/emotional
 3)Absorption/cognitive

・25人が関わるCaDプロジェクトを調査

・Eメールは、ビジネス活動における最も主要なコミュニケーション
 メディア(Lee & Panteli, 2010他)

・プロジェクトにおける3つのステージ(Zander et al.2013)
 1)Welcoming phase 2)Working phase 3)Wrapping up phase

・1)においては、課題の複雑さと、関与できる時間
 2)においては、締め切りを守ること 
 3)は、タイトな締め切りを守ること が、仕事上の要求

・これまで従業員のエンゲージメントの研究は、よく出来上がった
 大企業のものが中心であった。

 今後は、一時的に作られる組織(バーチャルプロジェクトチーム)
 の研究が求められるだろう。

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Monday, Aug 10 2015 11:30AM - 1:00PM
at Vancouver Convention Centre in Room 007

◎International HRM: Impact of HRM on MNCs

===

このセッションに参加したら、近くの席に座った
オーストラリア人の研究者(Anthony氏)と話ができた。

彼自身は、元々HR部門の人で、Ph.Dをとった後、
大学で仕事をするようになったとのこと。

海外赴任者とローカルスタッフの関係性が上手くいくには、
・海外赴任者が、対等な気持ちでローカルスタッフと付き合うこと
・赴任先のマネジャー(PCNまたはHCN)が支援すること
の2つが大事だという。

面白そうなので、文献をメールで送ってもらうことに。


●Making Cross-cultural Capacity Development Work

Anthony Fee, U. of Technology, Sydney
Helena Heizmann, U. of Technology, Sydney
Sid Gray, The U. of Sydney

アンソニーさんは、日本で大前研一さんの「ビジネスブレークスルー」
の仕事をしたことがあるそう。

===

●Opening the Black Box of Knowledge Transfer in
 International Acquisitions in China: A Stage Model

Abby Jingzi Zhou, The U. of Nottingham Ningbo China
Carl F. Fey, Nottingham U. Business School China
Harun Emre Yildiz, Uppsala U.

・M&A後、外国企業が、ローカル企業に対して、いかに知識転移を
 行うかを実証。

・ここで言うKnowledgeは、Management practicesに関する知識。

・Knowledge transfer知識転移の2つのステージ:
 1)Knowledge exposure 知識の表出?
 2)Practice use 実際の使用?

・Absorptive capacity とは、企業が新しい外部知識の価値を
 理解し、それを同化し、事業で使えるよう適用する能力。

 4つの次元がある:
 Acquisition、Assimilation、Transformation、Exploitation

・HRM実践は、知識転移を促進させると考えられる
 (Lyles & Salk, 1996)

・海外企業を買収した中国企業 181社に対して質問紙調査を実施。
 下記パスモデルを提示。仮説は全て支持された。

 図

−なぜ、TrainingがAssimilationのみに関係すると考えたのか?
 Transformationと関係してもよいのでは?


===

●Managing High-potential Employees in MNCs:
 The Mediating Role of Socialization Mechanisms

Violetta Khoreva, Hanken School of Economics
Edyta Kostanek, Hanken School of Economics
Maarten van Zalk, Örebro U.

・ハイポテンシャル人材を選出すること、彼らの組織同一化を
 図ること、そして社会化メカニズムを通して支援することが、
 彼らタレント人材が、増大するパフォーマンス要求も受け入れる
 ことにつながる。

・11のノルウェーのMNCにおける439名のハイポテンシャル人材に
 質問紙調査を実施。

・Talent Managementの2つの前提:
 1)タレントを持つ従業員は少数で、彼らは他より優れている
 2)全ての従業員は隠れたタレントを持っていて、マネジャーは  
   それを引き出すべき

 本研究では、1)の立場にたつ

・Social exchange theory 社会的交換理論?

 従業員に会社が投資すれば、従業員は恩義を感じ、会社に尽くす
 ようになる。

・下記モデルを検証。

 図

・従業員に対して「あなたは、タレント人材なんですよ」と
 伝えることは重要。

○タレントとして選ばれなかった人達のモチベーションや嫉妬とか
 はどうするのかな。


−この研究では、Socialization→Identificationになっているが、
 その逆もありえるのでは? 理論的には?

−Talentとして宣言することでのDark sideもある。
 Social thingsが起こる。

−トップが替わることで、タレントの評価も変わるのでは。

−タレントの定義は、国や会社によって違うのでは。
 →ロシアでは「カリスマのある人」をタレントと呼んでいた。

===

●Localization, resource exploration, and subsidiary performance

Naoki Ando, Hosei U.

・海外子会社の人事がローカライズ(その国の人たちがマネジメント
 レベルにあがる)されると、パフォーマンス(生産性)が下がる。

 ただ、本社の戦略的資産が海外子会社にあればその影響は緩和
 される。

・Parent Country Nationals PCN 派遣元の国の人(本社)
 Host Country Nationals HCN 派遣先の国の人(海外子会社)

・Localization 本研究では、PCNが、HCNに取って代わられる
 ことを指す。

・海外子会社を持つ日本企業の状況(1999~2007)を資料で調査。
 64カ国、7245のケース。

・結果、Localizationは、海外子会社のパフォーマンスに
 否定的な影響を及ぼしていた。

 海外子会社に対しては、PCNをアサインしたほうが
 パフォーマンス(生産性)に肯定的な影響を及ぼすということ。

○面白いな〜。海外派遣先の国の人が、上にあがっていったほうが、
 よさそうな気がするけど、そうではないってことか。

 そうすると、どれだけ頑張っても上にいけない、と
 派遣先の国の人が思ってしまったら、モチベーションに
 影響しそうだけど、どうなのかな。

−HCNの数だけでなく、割合を見てもよいのでは。

===

安藤先生とは、プレゼン後に挨拶させて頂き、
昼食をご一緒させて頂きました。

−日本では「現地化が望ましい」といわれているがそうとも限らない
 状況(本研究では、Assetの有無)による。

−アメリカ企業では、早い段階から、現地のローカルスタッフを
 トップに置く。日本では、トップを日本から送り込む。

−企業の戦略として「日本のものを現地に移す」のか
 「現地に合ったものを作って売るのか」によってStaffingがかわる

−ミクロ(例:HRM)とマクロ(例:企業パフォーマンス)をつなぐ
 のが、戦略であったり、その国の状況であったりするのでは。

−国際経営の学会としては、Academy of International Businessが
 ある。同時期に、AJBS(日本企業研究)のセッションもある。
 6月下旬に開催。北米→他国→北米。2016年はNew Orleans。

安藤先生は気さくな方で、お話しやすかったです。
(どうもありがとうございました)

===

●Talent Management Practices in an Emerging Market:
 A Comparison between MNEs and Local Firms

Mehmet Demirbag, U. of Strathclyde
Alison J Glaister, Aston U.
Ekrem Tatoglu, Bahcesehir U.

・トルコのローカル企業と、MNEを比較。
 タレントマネジメントの取り組みについて違いが見られた。

・TMは、HRMの一環。

・Institutional theory 機構理論?

 社会の規範的な期待が、組織行動を規定する。

・トルコ企業は、同族経営が多い。
 トルコ人マネジャーは、上意下達の親子関係のような
 コミュニケーションを好む。

・MNE 75社、トルコのローカル企業 126社に対する質問紙調査。

・結果から、MNEのほうが、TMに対して戦術的な意欲をもって
 取り組んでいた。

 また、MNEのほうが、国際的な人事アサインメントを行っていた。

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Monday, Aug 10 2015 1:15PM - 2:45PM
at Vancouver Convention Centre in Room 007

◎International HRM: Expatriates

===

●The Categorization of Expatriates and the Support
 Offered by Host Country Nationals

Shirley C Sonesh, U. of Central Florida
Angelo DeNisi, Tulane U.

・HCNが、海外派遣者を「Out-group」とカテゴリー化するのは、
 海外派遣者の自民族中心主義とデモグラフィーの違いによる
 ものであった。
 
 ただ、このカテゴリー化は、社会化の1次元にのみ影響を
 及ぼしていた。

・Expatriate assignment 海外派遣者のアサインにより、
 Transfer of Knowledge知識転移が起こる。

 本社から、海外子会社への。

・知識転移は、海外子会社から、本社へのものもある。

 その際は、HCNによる支援が必要であり、それによって
 知識交換という海外派遣者アサインのゴールが達成される。

・つまり、海外派遣者の成功には、HCNが重要な役割を果たしている

・文化的、民族的共通点は、海外派遣者をIn-groupと見なすことに
 つながる。

・65組の海外派遣者とHCNのデータ。

・結果、HCNによるカテゴリー化は、海外派遣者のEthnocentismと、
 文化的、民族的違いによって行われることが明らかになった。

○海外派遣者は、ローカルの人たちと仲良く(In-group)しなければ
 成功(知識の交換)はおぼつかない、ということかな。

 Malaysiaで出会った日本人派遣者Gさんは、まさにローカル
 スタッフのIn-groupになっていたよな〜。

===

●Pushing Expatriates out of their Comfort Zone:
 The Role of Organizational Cultural Intelligence

Emily David, Zayed U.
Sabrina D Volpone, U. of New Mexico

・Organizational cultural intelligence (CQ)が高いほど、
 海外派遣者の組織コミットメントは高まり、離職意思は減少する。
 
 また、海外派遣者が派遣先の国HCのFamiliarity親密度が高いほど
 上記関係が促される。

・海外派遣者の離職率の高さは、そのコストの大きさからも問題で
 ある。

・適切な海外派遣者の選別と訓練は重要だが、それでは個人変数
 のみの着目となる。

 本研究では、組織変数(組織文化知能)と派遣先の国の特徴に
 焦点をあてる。

・Organizational cultural intelligence(組織CQ)
 組織が、多様な文化に対して効果的に運営できる能力。

・34カ国 109名の海外派遣者に対する縦断調査。
 T1の6ヶ月後に、T2。

・結果、高い組織CQが、海外派遣者の高い組織コミットメントと
 低い離職意思につながっていた。

・また、海外派遣者が派遣先の国に対して親密度が高い
 (例:自国の製品がある、服、音楽、レストランチェーンがある)
 ほど、上記関係が促進される。

○組織の文化能力って面白いな。確かに、海外派遣に慣れていて、
 ある程度、どの国に行っても上手くやれる会社と送でない会社ってありそう。

 Y社様なんかは、組織CQが高そう。古くから海外派遣をしている
 企業は、組織CQが高くなるのかな。

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Monday, Aug 10 2015 4:45PM - 6:15PM
at Hyatt Regency Vancouver in Brighton

◎Career Transitions

===

●Newcomer idea emergence: An inductive study of sharing  

outsider ideas while becoming an insider

Spencer Harrison, Boston College
David M. Sluss, Georgia Institute of Technology

・いかに新人が持つ知識やアイデアを組織に活かすかを定性的に調査。

・社会化は、新人にも、組織にも両方にとってメリットがある。
 March(1991)は、組織のリニューアルというメリットがあるとした。

・だが、新人が変化の源であるという視点は、これまでの社会化
 研究では殆ど扱われてこなかった。

・社会化は、組織の外部者から内部者への移行と定義される
 (Bauer et al.,2007)

・Ashforth et al.(2007)は、24の適応変数を整理したが、
 その全てが「個人の変化」に焦点をあてたものであった。

 新人による「組織の変化」に焦点をあてていない。

・Moonshot社(仮称)の従業員にインタビュー、GTAでモデル化。
 3ヶ月に一度、4回にわたる1年間の調査。

img116.jpg

・新人のアイデアが生まれる/活かされるプロセス

 1)新人のアイデアの種類
 2)新人のメタ能力:我慢、好奇心、謙遜
 3)職場の状況
 4)関係のカプセル化?:守る、ゴーストライティング、
             データ発見、プロトタイプ
 5)文化的調査?
 6)結果:アイデア発生と新人の適応、内部者への刺激

・新人の能動性といっても、新人が組織のことを学習するという
 能動性。
 
 本研究では、新人がアイデアを持ってきて、組織に統合するという
 点に着目。

・社会化は、組織全体というよりも、職場というTribal部族単位
 で起こっている。

○新人が外部目線だからこそ持っているアイデアを組織のために
 活かす。(組織個人化に近い?

 そのためには、新人自身にできることもあるけど、
 やはり職場の影響が大きい。

 となると、職場の長であるマネジャー次第ということ
 になっちゃうのかな。

 同じ職場でも長がかわると、ガラッとかわる。

IMG_5586.JPG

−組織からの矢印が、Socialization等、
 個人からの矢印は、Personalization、Individualizationと
 言われてきた。

 新人が内部者になると同時に、外部のアイデアも紹介する。

 新人を受け入れる内部者の役割が大きい。
 新人が良いアイデアを持っているだけではダメ。

 組織を変えた新人が、最も組織化されていた。

===

●Leaders’ Resources and Newcomer Socialization:
 The Importance of Delegation

Markku Jokisaari, U. of Turku
Jukka Vuori, Finnish Institute of Occupational Health

・上司のPOSが高いと、上司は新人に権限委譲を行い、
 それが社会化を促すことを実証。

・新人の社会化に、上司が重要な役割を果たすと言われてきた
 (Ashforth, Sluss, & Harrison, 2007)。

・本研究では、上司のDelegation権限委譲という行動に着目した。

・Perceived Organizational Support(POS)知覚された組織の支援
 が高ければ、上司はそのお返しに、新人も支援するはず。

・入社3ヶ月後の新人とその上司 110ペア。フィンランドの3組織。
 定量的調査を実施。

・結果、上司のPOSの高さが、権限委譲に関係し、
 権限委譲は、新人の社会化(役割の明確化、組織知識、職務満足)
 に影響していた。

 上司の新人間のLMXが低くても、POSが高ければ、
 上司は新人を支援する

・組織は上司に対するPOSに手をかけるべき。
 現場の上司と新人のLMXはコントロールしにくいため。

○組織が、現場の上司を支援し、それを上司も感じてくれていたら
 新人の社会化を支援してくれる。

 では、どんな支援をすれば、現場のマネジャーのPOSが高まるのか。

 現場から見たら、本社の「小さな親切、大きなお世話」ではなく
 
 「会社も、結構手助けしてくれてるなー。
  よっしゃ、いっちょう新人の面倒をみてやるか」

 と意気に感じてくれるのか・・・。

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4日目、終了!

2015年08月09日

AOM 3日目 プレジデント講演(研究と教育のバランス)と、HRMがいかに事業に貢献するか

2015年8月9日(日)AOM(経営学会)3日目 

朝のうちに文献読み。

朝食後、会場に向かいます。
まずは、AOMプレジデントの講演です。

IMG_5565.JPG

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9時30分〜

●Presidential address

IMG_5566.JPG

 (以下、私の理解の範囲です)

・Teacher、Educatorとしての役割が益々重要になる。

・社会やビジネスは、Change と Challengeに向き合っている。

・これらの変化や課題に対応できる人材を育成する必要がある。

・AOMは、今後よりTeaching activityに力を入れていく。

・例えば一昨年から始めたTeaching & Learning conferenceのような

○この内容を、会場で入力している時に、昨日会ったMassimoが
 声をかけてきました。

 彼は、別のミーティングがあって、Presidential addressは
 聞かなかったそうですが、ツイッターで、参加者の発言を
 見ていたようです。

 https://twitter.com/cltucci/status/630424913896189952 

 Massimoいわく

 「確かに、Researchのほうが上に見られるけど、
  Teachingは、社会に影響を与えられる。

  研究者は、教育者であることに誇りを持つべき。」

===

10時〜

●AOM 2016 年次大会について

・Anaheim CAで開催 August 5-9

・テーマは「Making Organizations Meaningful」

http://aom.org/Meetings/annualmeeting/2016/AOM-2016-Theme--Making-Organizations-Meaningful.aspx

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10時15分〜 別会場のホテルへ向かいます。

IMG_5570.JPG

今回は、コンベンションセンターを中心に、徒歩で7~8分で
各会場を回れます。

天気も心地よく、歩くにはちょうどいいです。

===

(・文献要約 ○関根の独り言 −当日でた話)

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Sunday, Aug 9 2015 1:00PM - 2:30PM
at The Fairmont Hotel Vancouver in Garibaldi

◎Macro Perspectives to HRM

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●A Matter of Business: A Multiple Actors Model of
 Global Talent Management

Karin A. King, London School of Economics

・戦略的タレントマネジメント(STM)の概念的枠組みを提示

 Actor(参加者)の役割に着目

・タレントとは、A players、High potentials

・Top management:タレント戦略と環境

 Line management:タレント実践

 HR:タレントシステム

 従業員(タレント自身):タレント経験

−会社の売上を5%伸ばすために、TMのどの部分に注力すればよいのか
 経営陣からのそういった質問に答えられるのか?

−従業員がTalentとして選ばれるのを嫌がったら?
 本人もポテンシャルがあると認められたのは嬉しくても、
 エクストラなことが増えるなら遠慮する人も出てくるのでは

−業界によって違うのでは? 例:IT、エネルギー業界

−Inclusive 全ての人にタレントがある という考え方は、
 本稿ではしていない

===

●Back in Business: HRM in the Heart of Firm Performance via  
  Customer Acquisition and Retention

Andreas Pazi Raharso, Organizational Analytics
Moses Lemuel, Hay Group


・顧客の獲得と維持に影響を及ぼすHRに焦点を当てる
 アプローチを提言

・Ram Charan(2014)は「CEOたちは、HRに失望している」と
 述べている。ほとんどのHRは、内部のみ注力する過程志向の
 ジェネラリストであり、ビジネス(事業)に関する知識が
 欠如していると。

・会社戦略において金融市場の重要性が増してきている

・研究者が、企業が「すべきこと」と言っていることと、
 実際に、企業が「していること」には違いがある。

 例えば、HRMで最も基盤的な研究結果である3つ
 1)intelligence知性は、performanceパフォーマンスと関係する
 2)目標設定が、効果的なモチベーションにつながる
 3)personality 性格が、パフォーマンスと関係する
   は、1%ぐらいの実践家向け記事でしか扱われていない
   (Kaufman,2012)

○このKaufman(2012)、読んでみよう。

・このギャップには3つの理由があるといわれている(Kaufman,2012)

 1)知識ギャップ(実践家が、研究知見を知らない)
 2)行動ギャップ(実践家が、研究知見を適用しない)
 3)興味ギャップ(研究者の扱うテーマが実践家の興味と関係ない)

・ただ、他に3つほどギャップの理由があるのではないか
 (Kaufman,2012)

 1)HRM研究の理論、知見、適用には、
   重大な欠陥や不正確さがあるから
 2)HRM研究は、広すぎて、形が無く、
   実践家が行動できるレベルの指針を提示していないから
 3)HRM研究が、実践家に価値を提供するようなテーマを
   取り扱っていないから

○これ厳しいね〜。

・Kaufman(2012)は、30年間で最も基本となるHRM研究知見6つの内
 5つは、マイクロレベルで、心理学的であり、ひとつのみ
 戦略レベルに関係しているとした。

・HRM研究の知見は、戦略、事業パートナーの役割へのつながり
 が非常に少ない

・HRは、トップマネジメントの信頼を勝ち得なければならない。

・本稿では、Kaplan & Norton(1992)と同じように、無形の資産
 に着目する。

 Kaplan & Norton(1996)は、
 1)顧客満足 2)内部ビジネスプロセスの効率化
 3)組織知識 4)イノベーション を使い、
 会社のパフォーマンスをおった

・本稿では、より直接的に無形の資産が、財務パフォーマンスに
 影響することを示したい

・P.Druckerは「ビジネスの目的は、顧客の創造と維持」であるとし
 会社の持続性と利益性は、顧客をいかに扱うかにあるとした
 (Stern,2011)

・顧客の創造と維持が、HRMと財務パフォーマンスをつなぐ橋となる

○シンプルでいいねー!確かにそうだよね。

・そのために、HRができることは3つ:
 1)People Recruitment 採用
 2)People Retention 保持
 3)People Development 開発

○特に、顧客の創造と維持ができるだけの「人材の採用」は、
 これからカギになるかも。

 必要なだけの人材がとれない、というのがすでに顕在化している。

 HRの企業戦略における重要性は、人口減少化の日本では、
 特に増してきそう。

・株主価値4つのうち、HRは「量と価格による収入増大」
 「直接、間接費用削減」「企業の強みへの期待」に貢献できる。

○このDiscussion paper面白かったなー。参加が楽しみ。
 人事コンサルのHay groupの人が共同執筆者。

IMG_5574.JPG

−以下、スピーカーのDr.Raharsoの話

 (インドネシア出身、10年前にPh.D 
  Organizational Analytics社の創始者、元Hay group
  http://organizational-analytics.com/about-us/ ) 


「HRなんていらない」ということで、シンガポールのある会社は、
 給与関係を、財務において、HRをなくした。

 シェル石油のCEOに対して、HR担当が話をすると、
 「So what?」の繰り返し。HRは事業を分かっていない。

 HRM→Financial→Firm performance でHRは説明しようとするが、
 大事なことが抜けている

 それは、Customer。全てのビジネスは、顧客がいなければ終わり。

 HRM→Customer→Financial→Firm performance となる。

 本稿のコアアイデアはシンプル。
 Customerを入れてないから、HRはダメ。

 CMOも、HRの手助けが必要。従業員がいなければ始まらない。

−以下、参加者からの質問と、Dr.Raharsoからの回答

−自分もHRだが、確かに顧客を忘れてしまっていることはあるかも。
 ただ、内部顧客ということで従業員に接している。

 また先ほどのモデルには、CompensationとCommunicationが
 入っていなかったが、HRの仕事として重要では?

 →確かに、Communicationはいれてなかった

−顧客が考えにくいPublic sectorの場合は?

 →(他の参加者)自分も公的機関にいるが、確かに顧客獲得
  というよりも、Save moneyという観点ならこのモデルを理解できる

−製造業のように、顧客が見えにくい場合は?

−どうやってこのモデルを実践にあてはめればよいのか?

○この辺の問いは、BSCに対しても、きっと同じように出たのだろう。
 
 BSCは、公的機関も自分達の状況に合うように工夫している例が
 多くある。

 http://learn-well.com/blogsekine/2015/03/bsc.html 
 

−顧客を介さず、HRがコスト削減に直接貢献できることもあるのでは?

○これをやってしまうと、長期的な人材開発というHRの存在価値が
 なくなるのでは。日本の新卒採用縮小のように、人を採らないこと
 でコスト削減はできるが、目に見えにくいダメージが後々襲ってくる

−Cost of capitalという観点からも、HRは説明できるようになるべき

−HRが顧客を忘れないようにするためにどうしたら?

 →HR施策を打つときに、常に問いかける
  「これをやることで、顧客にどんな影響が?
   これは、顧客の獲得と維持に、どうつながるのか?」

○この人の話、面白い!この考え方に出会えただけでも、
 今年AOMにきた価値があった。

 確かにそう!ドラッカーの言う「事業の目的は顧客の創造と維持」

 うちも小さな会社だから、常に「顧客の獲得と維持」を考えてきた。
 そうでないと、潰れちゃうから。

 この感覚は、大きな組織で、中の仕事を中心にやっていると
 忘れてしまうのかも。

 「そもそも何のためにこの仕事をしているのか?」

 事業会社にいるからには「顧客の創造と維持の為にこの会社はある」
 という存在意義を折を見て思い出す必要があるのかも。

 顧客の創造と維持ができないなら、
 その会社は存在できなくなるのだから。

 
===

●Strategic Human Resource Management Research
 in the United States:A Failing Grade After 30 years?

Kaufman(2012)

・SHRMの研究は、グレードで言えば、DかF評価。
 経済学の枠組みを活用すべき。

・3つの基準
 1)科学的か 2)行動できるか 3)歴史的には

・HR研究による6つの基礎的な知見

・これらの知見のうち、5つはマイクロ、個人、心理学的。
 ひとつのみ、戦略に関係する

・ただ、そのひとつも「HR実践は、組織の成果に重要である」
 というのみ。つまり「HRは大事」としか言っていない。

・最もよく引用される文献 Huselid(1995)
  High Performance Work Practices HPWSを提示

○これ読んでみよう!

・HR実践と企業パフォーマンスの関係を説明する理論的より所は
 RBVである。

・HRMの理論では、下記状況が説明できない。
 経済学ならできる。


○ここまだ理解不足。経済学の知識が必要かも。

・因果を説明できる理論が必要。

・経済学の枠組みを、HRM研究は活用してみてはどうか。

・SHHRM研究は、組織の内部に着目していて、外部次元(経済、
 産業/従業員関係、マクロ社会学)に目を向けてない

・SHRM研究の問題点は、過剰な専門化にある

・SHRM研究では、1920年代から始まり、1980年代に戦略的HRMが
 生まれたとしているが、それは間違い。

・NCR、フォード、スタンダード石油の事例を見るだけでも、
 経営陣がHRと共に、戦略レベルでHRを実践し、いわゆるHPWSを
 実現している。

・HRMの変革ポイントは、1920年代の外部労働市場依存から、
 内部労働市場重視に変わったところ。

○面白かったなー。この文献。
 出た当時は、きっと議論が巻き起こったんだろうな。

===

●The Impact of Human Resource Management Practices on
 Turnover, Productivity, and Corporate Financial Performance

Huselid, M. (1995) Academy of Management Journal

・HPWP実践は、離職率、生産性、財務パフォーマンスに影響を
 及ぼしていた。アメリカの968社に対する調査。

・High Performance Work Practicesは、US department of Labor
 が、1993年に提示?

・HPWP実践を、13項目に整理。二つの因子に。
 1)従業員のスキルと組織の構造
 2)従業員のモチベーション

・HPWPに投資することは、離職率を下げ、生産性をあげ、
 企業の財務パフォーマンスもあげる。


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Sunday, Aug 9 2015 2:45PM - 4:15PM
at The Fairmont Hotel Vancouver in Tweedsmuir

◎Managing the HR System

===

●How HR systems Can Work Better: the Moderating Effect of
 HR Content and HR Process

Eugene Son, Rutgers U.

・HRの内容と、HRのシステムが、Organizational climate組織風土?
 とイノベーションパフォーマンスを説明。

 韓国での4回の縦断的調査を元に。

・強いHRシステムの特徴
 1)Distinctiveness 特有性
 2)Consistency 一貫性
 3)Consensus 合意

・HRの内容は、従業員がHRチームの正統性を認め、信頼していると、
 肯定的な影響をもたらすといえる。

○これはそうだろうなー。人事が社内で信頼を勝ち得ていれば、
 そこがやることに、従業員は文句を言わない。

・社内での評判やパワーが、HRにとっては重要。

===

●Studying the HRM System: The Impact of Employment Models
 on HRM Policies and Practices

Maximilian Abele, U. of Munich
Julian Suess, U. of Munich

・経営者がもつ「Employment model」が、HRMシステムの構造と
 設計に、いかに影響するかを調査。殆ど影響していないという結果

・5 employment model(経営者が考える従業員マネジメントの方法)
 (Baron, Hannan, & Burton, 1999他)

 1)Bureaucratic 官僚
 2)Engineering 技術?
 3)Star 英雄
 4)Autocracy 独裁
 5)Commitment 愛着

・ドイツのSME313社を調査

・従業員モデルと首尾一貫したHRMシステムは殆ど存在しなかった

○理論的には「こうかな」と考えられていたけど、
 実証したらそうではなかった、ということかな。
 

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3日目、終了!


明日からいよいよ本番のPaper sessionの開幕です。

2015年08月08日

AOM 2日目 Network調査に関するミーティング

2015年8月8日(土)AOM(経営学会)2日目です。

今日は、ワークショップに参加しないので、
文献読みに注力します。

9時〜

2件、ミーティングを入れているので、
会場に向かいます。

(実は、1件入っていると思っていたセッションの日付を
 間違っていて、行ってみたらやってませんでした(泣))


11時〜

R社のNさん、Iさんとランチミーティング。


13時〜

いったんホテルに戻って文献読み。

夕方から会うイタリア人研究者Massimoが指導した学生さんの
文献を読む。

===

●On Core-Periphery Effects of Formal Structure and Informal  
  Networks on Employees’ Innovativeness.

Daniela Iubatti, IESE Business School
Massimo Maoret, IESE Business School

・インフォーマルネットワークでコアな位置にいて、
 フォーマルな組織でもコアなユニットにいる個人が、
 よりイノベーション(製品数)を行っていた。

・Informal networkは、Formal structureの中に埋め込まれている

・インフォーマルネットワークではコアな存在であったとしても
 組織の辺境で仕事をしている個人がいたり、逆に
 インフォーマルでは辺境だが、組織ではコア部門にいる人もいる。

・Innovative starsは、フォーマル、インフォーマル双方のコアに
 いる個人である。

・辺境にいる人物は、外部とのつながりを持ち、違った考え方をする

・R&Dの研究者と技術者245名に調査。
 Network surveyによるソシオグラムデータを得た。

・結果、フォーマルとインフォーマル双方でコアな位置にいる
 個人がよりイノベーションを行っていた。

 フォーマルにコアにいれば、パワーがあり、資源動員を図りやすい。
 インフォーマルにコアにいれば、同僚達から正統性を認められる。

 フォーマルとインフォーマルはどちらかではなく、両方が
 補完しあっている。

○面白いねー。でも辺境じゃなくて、コアなんだ。

 イノベーションの「資源動員」の観点だと、確かに「組織のコア」
 にいる人のほうが、資源を動かしやすい。

 http://learn-well.com/blogsekine/2014/01/post_403.html

 独創的な発想は、外部との接点がある辺境のほうがよさそうだけど、
 この研究だと、そういう結果にはならなかったんだ。

===

17時〜

再度、会場に向かい、イタリア人研究者のMassimoとのミーティング。

彼の研究チームが開発した「Network Survey」のツールを、
日本企業でどのように活用できるかを話し合います。

http://learn-well.com/blogsekine/2014/08/network_survey.html

弊社の専門分野である「新人と先輩(メンター)」の関係性に
おいて、ネットワーク調査を進める方向で話が進んでいます。

現時点では、下記のような案を考えています。

===

・メンターと新人双方に「ネットワーク調査」を行う

・T1(メンタリング関係開始時)とT2(約1年後)の縦断的調査

・メンターは、新人を「ダシ」に、周囲との接点を作ることで
 自身のネットワーク(人脈)を広げる

・約1年後のメンターのネットワークの広がり、構造の変化を見る。

 (より多様な人との接点が増えた、クローズドからオープンな
  ネットワークに変化した、等)

・新人は「性格」「メンターとの関係性」「メンターによる働きかけ」
 等から、1年後のネットワークに違いが出るはず。

・従属変数として、新人は「組織社会化(適応度合)」
 「業務能力向上」等をおく

 メンターは「イノベーション」「報酬」等との関係を見る。

===

ここは、トライアル調査にご協力くださるお客様と相談しながら、
変数を決めていけたらと思います。

Massimo自身も乗り気で

・メンターと新人のペアでデータを取れたらありがたい

・日本でのネットワーク調査の件数が少ないので、貴重

とのことでした。

IMG_5553.JPG

お客様のお役に立ち、研究者にとっても興味深い研究と
なるのであれば、私にとっても嬉しいです。

2016年春以降に、調査をスタートできたらと考えています。

===

2日目、終了!


(今日は文献読みがかなり進みました。1日で11本。
 ざっと読みだと、1本あたり15分+要約入力15分=30分 

 集中して何本も読んでいると、スピードが上がるものですね。)

2015年08月07日

AOM 1日目 Experiential Exercises, Virtual Organization, and Millennials 経験学習ゲーム、ヴァーチャル組織、2000年代の若者

2015年8月7日(金)10時〜

シャトルバスで、ホテルを出て、AOM(経営学会)年次大会の会場である
Vancouver Convention Centerに向かいます。

IMG_5536.JPG

1日目は、Professional Development Workshopsです。
90分〜120分ぐらいのセッションがいくつかあります。

ディスカッション付きで苦手ですが、面白そうなのが
いくつかあったので、がんばって参加します。

IMG_5537.JPG

VCC西館。

入り口そばで、名札やバッグの受け取り。今年は、黄緑です。
このバッグを持っている人は、AOM参加者ということで、街中でも目立ちます。

IMG_5539.JPG

(・スピーカーの講話と参加者の意見 ○関根の独り言)

===

Friday, Aug 7 2015 10:45AM - 12:15PM
at Vancouver Convention Centre in Room 109

●Flexible use of experiential exercises to meet
 learning needs across disciplines and theories

・2つのゲームを紹介 1)Tower Building 2)Lego Man

・Tower buildingは、紙を使い、限られた時間で、4~6人の
 チームで、対抗戦を行う。2人がオブザーバーになる。

 「一番高い塔を作る」という課題であれば、勝敗基準が明確
 「最も独自性のある塔を作る」という課題のときは、基準が曖昧。

・シンプルなゲームでも、Debriefingふり返りを工夫すると
 様々な学びがある。

 「どんな質問をするとよいのか?」という参加者の質問に対して
 「It depends 状況による」とスピーカーが答えたら

 「いつもそう言われるのよね」との反応。

 別の人から「1つでいいから、今までで最も記憶に残る質問例を」
 と、更なる突込み。

 別のスピーカーが「私は3つの質問をしている:
 1)何を学んだ? 2)グループのプロセスはどうだった?
 3)どうやって仕事に適用できる?」

○参加者が皆、先生たち(教授)だから、よく喋るし、質問も厳しい。
 スピーカー、やりづらいだろうな〜。

・Legoゲームの体験(マニュアルももらった)

IMG_5545.JPG

○このゲーム。面白い!色々つかえそう。FCCもこんな感じだろう。

 チームメンバーに恵まれ「作るの上手!手先が器用!」とか
 乗せられて、気持ちよく参加してしまった。

 このゲームで
 −伝達の難しさ −役割分担の大事さ −PDCAの意義
 −メンバー間の関与度合(エンゲージメント)の差 
 −動機づけ 等を 考えてもらうことができそう。

===

VCC東館へ移動。

IMG_5548.JPG

===

Friday, Aug 7 2015 12:15PM - 1:45PM
at Vancouver Convention Centre in Room 003

●Virtual Organizations: New Approaches to Managing
 and Sharing Knowledge across Borders

・インドのWIPROのChief Learning Officer
 MOOCを使った教育

・ITの知識と技術はすぐに陳腐化する。
 Learn, then Do ではなく、Doing & Learning 

・Virtual ethnography + email questionnaires + video interview

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別会場へ移動。途中で、軽く昼食。

===

Friday, Aug 7 2015 2:30PM - 4:30PM
at Hyatt Regency Vancouver in Prince of Wales

●Engaging Millennials for Ethical Leadership

・今回のセッションでは「Kids these days(最近の若いやつは)」
 といった話をしない。

 Millennialsに関する話の多くは、ネガティブなもの。

・Generation 世代というラベルは不正確。
 世代の違いというより、彼らが単に「若い」だけでは。

 特定の時期に、どんな出来事、経験をしたかは影響するだろうが。

・Deloitteの調査(2015)Mind the Gap
 Millennialsは、社員の成長と社会への貢献を重視。

 http://www2.deloitte.com/global/en/pages/about-deloitte/articles/millennialsurvey.html

○これは日本でも一緒かも。特に、311の東日本大震災以降。


・スピーカーの1人(Jesica)の本

 Engaging Millennials for Ethical Leadership

 そこに書いたMillennialsへの対応として
 −多様な世代が混在する職場
 −メンタリング
 −仕事の意味と目的の明示 等がある

・Ethicsを教えるカリキュラムがなかった。
 それを開発したのが、Mary Gentile「Giving Voice to Values」

 Nomadic Learningと共に、オンライン学習ツールを作った。
 http://nomadic.fm/ProgDetailGivingVoiceToValues.html

○MBAホルダー達のGreedy(強欲さ)の反省として、Ethicsを
 学生達に教える必要が出てきたということかな。

 これは、若いうちに教えるのも大事かもしれないけど、
 既存の企業の経営陣こそおさえておくべきこと。

 某社の不正会計もそうだよな。

===

1日目終了!

2015年08月06日

カナダ バンクーバー到着

2015年8月6日(木) 

17時30分 成田空港発 バンクーバー行きの飛行機。


約9時間で、到着。

IMG_5524.JPG

空港から、電車に乗って、中心街の駅へ。
そこからタクシーで、ホテルへ移動。

荷物を置いて、近くにある海岸へ遊びに。

IMG_5527.JPG

巨人!?

IMG_5609.JPG

カナダのお札を両替したとき、「においをかいでみてね」と言われました。

メープルの甘い香り!


AOM(米国経営学会)年次大会2015に参加してきます!

2015年8月7日(金)〜11日(火)まで、カナダ バンクーバーで
開催されるAOM:Academy of Management 経営学会の年次大会に
参加することにしました。

 http://aom.org/annualmeeting/

今年で、3年目となります。

 2013年度
  http://learn-well.com/blogsekine/cat65/cat41/aom_2013/

 2014年度
  http://learn-well.com/blogsekine/cat65/cat41/aom_2014/


今回もオンラインプログラムを使って、自分の興味あるテーマを検索します。 
http://aom.org/annualmeeting/program/

今年は、

・Mentoring メンタリング
・Socialization 社会化
・Training & Development 研修と開発
・International HRM 国際的な人的資源管理

といったテーマのセッションに参加してきます。


事前に文献(PDF)がダウンロードできるので、
まずはそれらを読み込みます。

約30本。この機会を活かして、一気に読みます。


また、一昨年知り合ったフランス人とイタリア人研究者とも、

http://learn-well.com/blogsekine/2013/10/post_389.html
http://learn-well.com/blogsekine/2014/08/network_survey.html

「向こうで会おう」とアポが取れているので、楽しみです。


今日(8月6日)ときがわ町を出て、成田経由、
バンクーバーに向かいます。