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AOM 3日目 プレジデント講演(研究と教育のバランス)と、HRMがいかに事業に貢献するか

2015年8月9日(日)AOM(経営学会)3日目 

朝のうちに文献読み。

朝食後、会場に向かいます。
まずは、AOMプレジデントの講演です。

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9時30分〜

●Presidential address

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 (以下、私の理解の範囲です)

・Teacher、Educatorとしての役割が益々重要になる。

・社会やビジネスは、Change と Challengeに向き合っている。

・これらの変化や課題に対応できる人材を育成する必要がある。

・AOMは、今後よりTeaching activityに力を入れていく。

・例えば一昨年から始めたTeaching & Learning conferenceのような

○この内容を、会場で入力している時に、昨日会ったMassimoが
 声をかけてきました。

 彼は、別のミーティングがあって、Presidential addressは
 聞かなかったそうですが、ツイッターで、参加者の発言を
 見ていたようです。

 https://twitter.com/cltucci/status/630424913896189952 

 Massimoいわく

 「確かに、Researchのほうが上に見られるけど、
  Teachingは、社会に影響を与えられる。

  研究者は、教育者であることに誇りを持つべき。」

===

10時〜

●AOM 2016 年次大会について

・Anaheim CAで開催 August 5-9

・テーマは「Making Organizations Meaningful」

http://aom.org/Meetings/annualmeeting/2016/AOM-2016-Theme--Making-Organizations-Meaningful.aspx

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10時15分〜 別会場のホテルへ向かいます。

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今回は、コンベンションセンターを中心に、徒歩で7~8分で
各会場を回れます。

天気も心地よく、歩くにはちょうどいいです。

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(・文献要約 ○関根の独り言 −当日でた話)

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Sunday, Aug 9 2015 1:00PM - 2:30PM
at The Fairmont Hotel Vancouver in Garibaldi

◎Macro Perspectives to HRM

===

●A Matter of Business: A Multiple Actors Model of
 Global Talent Management

Karin A. King, London School of Economics

・戦略的タレントマネジメント(STM)の概念的枠組みを提示

 Actor(参加者)の役割に着目

・タレントとは、A players、High potentials

・Top management:タレント戦略と環境

 Line management:タレント実践

 HR:タレントシステム

 従業員(タレント自身):タレント経験

−会社の売上を5%伸ばすために、TMのどの部分に注力すればよいのか
 経営陣からのそういった質問に答えられるのか?

−従業員がTalentとして選ばれるのを嫌がったら?
 本人もポテンシャルがあると認められたのは嬉しくても、
 エクストラなことが増えるなら遠慮する人も出てくるのでは

−業界によって違うのでは? 例:IT、エネルギー業界

−Inclusive 全ての人にタレントがある という考え方は、
 本稿ではしていない

===

●Back in Business: HRM in the Heart of Firm Performance via  
  Customer Acquisition and Retention

Andreas Pazi Raharso, Organizational Analytics
Moses Lemuel, Hay Group


・顧客の獲得と維持に影響を及ぼすHRに焦点を当てる
 アプローチを提言

・Ram Charan(2014)は「CEOたちは、HRに失望している」と
 述べている。ほとんどのHRは、内部のみ注力する過程志向の
 ジェネラリストであり、ビジネス(事業)に関する知識が
 欠如していると。

・会社戦略において金融市場の重要性が増してきている

・研究者が、企業が「すべきこと」と言っていることと、
 実際に、企業が「していること」には違いがある。

 例えば、HRMで最も基盤的な研究結果である3つ
 1)intelligence知性は、performanceパフォーマンスと関係する
 2)目標設定が、効果的なモチベーションにつながる
 3)personality 性格が、パフォーマンスと関係する
   は、1%ぐらいの実践家向け記事でしか扱われていない
   (Kaufman,2012)

○このKaufman(2012)、読んでみよう。

・このギャップには3つの理由があるといわれている(Kaufman,2012)

 1)知識ギャップ(実践家が、研究知見を知らない)
 2)行動ギャップ(実践家が、研究知見を適用しない)
 3)興味ギャップ(研究者の扱うテーマが実践家の興味と関係ない)

・ただ、他に3つほどギャップの理由があるのではないか
 (Kaufman,2012)

 1)HRM研究の理論、知見、適用には、
   重大な欠陥や不正確さがあるから
 2)HRM研究は、広すぎて、形が無く、
   実践家が行動できるレベルの指針を提示していないから
 3)HRM研究が、実践家に価値を提供するようなテーマを
   取り扱っていないから

○これ厳しいね〜。

・Kaufman(2012)は、30年間で最も基本となるHRM研究知見6つの内
 5つは、マイクロレベルで、心理学的であり、ひとつのみ
 戦略レベルに関係しているとした。

・HRM研究の知見は、戦略、事業パートナーの役割へのつながり
 が非常に少ない

・HRは、トップマネジメントの信頼を勝ち得なければならない。

・本稿では、Kaplan & Norton(1992)と同じように、無形の資産
 に着目する。

 Kaplan & Norton(1996)は、
 1)顧客満足 2)内部ビジネスプロセスの効率化
 3)組織知識 4)イノベーション を使い、
 会社のパフォーマンスをおった

・本稿では、より直接的に無形の資産が、財務パフォーマンスに
 影響することを示したい

・P.Druckerは「ビジネスの目的は、顧客の創造と維持」であるとし
 会社の持続性と利益性は、顧客をいかに扱うかにあるとした
 (Stern,2011)

・顧客の創造と維持が、HRMと財務パフォーマンスをつなぐ橋となる

○シンプルでいいねー!確かにそうだよね。

・そのために、HRができることは3つ:
 1)People Recruitment 採用
 2)People Retention 保持
 3)People Development 開発

○特に、顧客の創造と維持ができるだけの「人材の採用」は、
 これからカギになるかも。

 必要なだけの人材がとれない、というのがすでに顕在化している。

 HRの企業戦略における重要性は、人口減少化の日本では、
 特に増してきそう。

・株主価値4つのうち、HRは「量と価格による収入増大」
 「直接、間接費用削減」「企業の強みへの期待」に貢献できる。

○このDiscussion paper面白かったなー。参加が楽しみ。
 人事コンサルのHay groupの人が共同執筆者。

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−以下、スピーカーのDr.Raharsoの話

 (インドネシア出身、10年前にPh.D 
  Organizational Analytics社の創始者、元Hay group
  http://organizational-analytics.com/about-us/ ) 


「HRなんていらない」ということで、シンガポールのある会社は、
 給与関係を、財務において、HRをなくした。

 シェル石油のCEOに対して、HR担当が話をすると、
 「So what?」の繰り返し。HRは事業を分かっていない。

 HRM→Financial→Firm performance でHRは説明しようとするが、
 大事なことが抜けている

 それは、Customer。全てのビジネスは、顧客がいなければ終わり。

 HRM→Customer→Financial→Firm performance となる。

 本稿のコアアイデアはシンプル。
 Customerを入れてないから、HRはダメ。

 CMOも、HRの手助けが必要。従業員がいなければ始まらない。

−以下、参加者からの質問と、Dr.Raharsoからの回答

−自分もHRだが、確かに顧客を忘れてしまっていることはあるかも。
 ただ、内部顧客ということで従業員に接している。

 また先ほどのモデルには、CompensationとCommunicationが
 入っていなかったが、HRの仕事として重要では?

 →確かに、Communicationはいれてなかった

−顧客が考えにくいPublic sectorの場合は?

 →(他の参加者)自分も公的機関にいるが、確かに顧客獲得
  というよりも、Save moneyという観点ならこのモデルを理解できる

−製造業のように、顧客が見えにくい場合は?

−どうやってこのモデルを実践にあてはめればよいのか?

○この辺の問いは、BSCに対しても、きっと同じように出たのだろう。
 
 BSCは、公的機関も自分達の状況に合うように工夫している例が
 多くある。

 http://learn-well.com/blogsekine/2015/03/bsc.html 
 

−顧客を介さず、HRがコスト削減に直接貢献できることもあるのでは?

○これをやってしまうと、長期的な人材開発というHRの存在価値が
 なくなるのでは。日本の新卒採用縮小のように、人を採らないこと
 でコスト削減はできるが、目に見えにくいダメージが後々襲ってくる

−Cost of capitalという観点からも、HRは説明できるようになるべき

−HRが顧客を忘れないようにするためにどうしたら?

 →HR施策を打つときに、常に問いかける
  「これをやることで、顧客にどんな影響が?
   これは、顧客の獲得と維持に、どうつながるのか?」

○この人の話、面白い!この考え方に出会えただけでも、
 今年AOMにきた価値があった。

 確かにそう!ドラッカーの言う「事業の目的は顧客の創造と維持」

 うちも小さな会社だから、常に「顧客の獲得と維持」を考えてきた。
 そうでないと、潰れちゃうから。

 この感覚は、大きな組織で、中の仕事を中心にやっていると
 忘れてしまうのかも。

 「そもそも何のためにこの仕事をしているのか?」

 事業会社にいるからには「顧客の創造と維持の為にこの会社はある」
 という存在意義を折を見て思い出す必要があるのかも。

 顧客の創造と維持ができないなら、
 その会社は存在できなくなるのだから。

 
===

●Strategic Human Resource Management Research
 in the United States:A Failing Grade After 30 years?

Kaufman(2012)

・SHRMの研究は、グレードで言えば、DかF評価。
 経済学の枠組みを活用すべき。

・3つの基準
 1)科学的か 2)行動できるか 3)歴史的には

・HR研究による6つの基礎的な知見

・これらの知見のうち、5つはマイクロ、個人、心理学的。
 ひとつのみ、戦略に関係する

・ただ、そのひとつも「HR実践は、組織の成果に重要である」
 というのみ。つまり「HRは大事」としか言っていない。

・最もよく引用される文献 Huselid(1995)
  High Performance Work Practices HPWSを提示

○これ読んでみよう!

・HR実践と企業パフォーマンスの関係を説明する理論的より所は
 RBVである。

・HRMの理論では、下記状況が説明できない。
 経済学ならできる。


○ここまだ理解不足。経済学の知識が必要かも。

・因果を説明できる理論が必要。

・経済学の枠組みを、HRM研究は活用してみてはどうか。

・SHHRM研究は、組織の内部に着目していて、外部次元(経済、
 産業/従業員関係、マクロ社会学)に目を向けてない

・SHRM研究の問題点は、過剰な専門化にある

・SHRM研究では、1920年代から始まり、1980年代に戦略的HRMが
 生まれたとしているが、それは間違い。

・NCR、フォード、スタンダード石油の事例を見るだけでも、
 経営陣がHRと共に、戦略レベルでHRを実践し、いわゆるHPWSを
 実現している。

・HRMの変革ポイントは、1920年代の外部労働市場依存から、
 内部労働市場重視に変わったところ。

○面白かったなー。この文献。
 出た当時は、きっと議論が巻き起こったんだろうな。

===

●The Impact of Human Resource Management Practices on
 Turnover, Productivity, and Corporate Financial Performance

Huselid, M. (1995) Academy of Management Journal

・HPWP実践は、離職率、生産性、財務パフォーマンスに影響を
 及ぼしていた。アメリカの968社に対する調査。

・High Performance Work Practicesは、US department of Labor
 が、1993年に提示?

・HPWP実践を、13項目に整理。二つの因子に。
 1)従業員のスキルと組織の構造
 2)従業員のモチベーション

・HPWPに投資することは、離職率を下げ、生産性をあげ、
 企業の財務パフォーマンスもあげる。


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Sunday, Aug 9 2015 2:45PM - 4:15PM
at The Fairmont Hotel Vancouver in Tweedsmuir

◎Managing the HR System

===

●How HR systems Can Work Better: the Moderating Effect of
 HR Content and HR Process

Eugene Son, Rutgers U.

・HRの内容と、HRのシステムが、Organizational climate組織風土?
 とイノベーションパフォーマンスを説明。

 韓国での4回の縦断的調査を元に。

・強いHRシステムの特徴
 1)Distinctiveness 特有性
 2)Consistency 一貫性
 3)Consensus 合意

・HRの内容は、従業員がHRチームの正統性を認め、信頼していると、
 肯定的な影響をもたらすといえる。

○これはそうだろうなー。人事が社内で信頼を勝ち得ていれば、
 そこがやることに、従業員は文句を言わない。

・社内での評判やパワーが、HRにとっては重要。

===

●Studying the HRM System: The Impact of Employment Models
 on HRM Policies and Practices

Maximilian Abele, U. of Munich
Julian Suess, U. of Munich

・経営者がもつ「Employment model」が、HRMシステムの構造と
 設計に、いかに影響するかを調査。殆ど影響していないという結果

・5 employment model(経営者が考える従業員マネジメントの方法)
 (Baron, Hannan, & Burton, 1999他)

 1)Bureaucratic 官僚
 2)Engineering 技術?
 3)Star 英雄
 4)Autocracy 独裁
 5)Commitment 愛着

・ドイツのSME313社を調査

・従業員モデルと首尾一貫したHRMシステムは殆ど存在しなかった

○理論的には「こうかな」と考えられていたけど、
 実証したらそうではなかった、ということかな。
 

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3日目、終了!


明日からいよいよ本番のPaper sessionの開幕です。

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