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AOM 5日目 Mentoring + Training & Development メンタリング、研修と開発

2015年8月11日(火)AOM(経営学会)5日目 最終日です。

(・文献要約 ○関根の独り言 −当日でた話)

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Tuesday, Aug 11 2015 8:00AM - 9:30AM
at Hyatt Regency Vancouver in Constable

◎Commitment, Satisfaction, and Embeddedness

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●The Stability of Organizational Commitment

Xiaohong Xu, Texas A&M U.
Stephanie C. Payne, Texas A&M U.
Peng Zhao, Indiana U.
Ann Huffman, Northern Arizona U.

・組織コミットメントの安定性を、78の研究のメタ分析と、
 183のUS軍人の12年分のデータを元に検討。

・OCの安定性については殆ど分かっていない。
 コミットメントは、時間を経るにしたがって変わると
考えられている(Bentein et al.,2005他)

・OCの主要3要素:
 1)Affect-based or attitudinal commitment(AC)情緒的
 2)Behavioral or continuance commitment (CC)功利的
    high personal sacrifice (CC hisac)
low employment alternatives (CC loalt)
 3)Normative commitment(NC)規範的

・Jans(1989)は、オーストラリア軍人のACを調査し、
 ACが勤続年数の長さと負の関係を持つことを明らかにした。
 
 特に、退役間近の数年間のACが低い。

・本研究では、US軍人184名(183名?)を調査。

 結果、ACは時を経るごとに上がっていた。
 CC hisacは、安定し、CC loaltは、上がっていた。

・CCとNCは安定。

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●Antecedents of Organizational and Community Embeddedness:
 Role of Race and Psychological Safety

Barjinder Singh, U. of Houston, Victoria

・辞めた従業員の代わりを採用し教育すると、従業員1人の
 年間給与の50%ぐらいが必要になる(Johnson,1986)

・Organizational embeddedness は、従業員がどのくらいその
 仕事に絡めとられているかの度合であり、従業員が辞めずに
 残る理由にも関係する

・Embeddednessの2つの形:
 1)Organizational(On-the-job)
 2)Community(Off-the-job)

・Attachment theoryを枠組みに、本研究では、Embeddednessの
 先行要因を説明したい。

・アメリカ企業の165のペア(81が上司、84が同僚)が質問紙調査に
 回答。

・結果、社会的支援(POS等)が、Embeddednessには重要。
 心理的安全が、媒介変数となっていた。

 また少数派の民族のほうが、その影響が大きかった

===

●Linkages of POS with affective commitment, OCB and work    

 engagement: A moderated mediation analyses

Upasna A Agarwal, NITIE

・Perceived Organizational Support(POS)が、
 Affective Commitment(AC)を媒介変数とし、
 Psychological contract breach(PCB)を調整変数として、
 OCB等に影響していた。

 図

・インドの9つの病院の看護士 475名に対する質問紙調査。

・Job Demands-Resource theory(JD-R)を基に仮説を設定。

・Psychological contract breach(PCB)とは、心理的契約を
 組織が裏切ったと従業員が感じている状態。

・POS 認識された組織からの支援は、Prosocial 向社会的行動
 を促進する重要な役割を果たす。

・PCBを防ぐためにも、採用時のRJPが重要。

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Tuesday, Aug 11 2015 9:45AM - 11:15AM
at Hyatt Regency Vancouver in Grouse

◎Understanding Mentoring, Its Nature, Antecedents, and Outcomes

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●Moderated Mediation Analysis of External Mentoring and
 Mentor Turnover Intentions

Robert W. Renn, U. of Memphis
Robert Steinbauer, Brock U.
Tong Hyouk Kang, U. of Memphis
Daniel James Detwiler, U. of Memphis
Qing Ma, U. of Memphis

・会社の外で行われるメンタリングプログラムに参加したメンター
 の離職意思を調査。

・メンタリングプログラムのメンターへの効果を探る研究が
 増えてきた(Allen,2007他)

・Spillover effects 各領域で起きたことが他の領域にも影響し
 両方が似てくる(例:仕事と家族領域)

IMG_5588.JPG

 図2

・本研究では、外部でのメンタリング行動が、メンターの仕事上の
 態度や行動にどう影響するのかを検証する。

 図1

・101名のボランティア アメリカの大学のキャリアメンタリング
 8ヶ月間を支援。

 T1で、101名が回答。4k月後のT2で79名が回答。

・結果、全ての仮説が支持された。

・メンタリングをすることのメンターにとっての価値。

・メンターのWork engagementが、社外のメンタリング活動に
 参加することで高まり、それがSpillover effectにより、
 メンターの離職意思の低減につながった。

 その効果は、メンターとプロティジェ関係が満足いくもので、 
 接触回数も多いほど、強まることが明らかになった。

・社外のメンタリング活動にボランティアとして参加したいと
 いうような従業員は、会社にとって貴重な存在のはずである。

 彼らに辞められないようにするためにも、そういう機会を
 大事にすべきである。

○面白いね〜。社外活動(今回は外部のメンタリング)に参加し、
 そこで満足感が得られることが、仕事態度向上にもつながる。

 社外活動でも、特にメンタリングのような、メンティーから
 全人格を問われるような、これまでの仕事への向き合い方を
 内省するような機会となるようなものであれば、その効果が
 高いのかも。

 逆に、参加したがために、離職意思が高まってしまうような
 社外活動はないのかな? 例えば、自己啓発系の勉強会?

○外部の若者と話すことでどんな効果があったのか?
 自身をふり返る機会に、初心を思い出す、刺激を受ける?

○そういえば映画「Run All Night」で、ボクサーの息子は、
 黒人の男の子のメンターをやっていたな。

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●What Transpires During Formal Mentoring? A Multisource Study

Richard Kleine, St. Ambrose U.
Monica L. Forret, St. Ambrose U.
Sherry E. Sullivan, Bowling Green State U.

・公式なメンタリングプログラムの効果を検証。

・これまでのメンタリング研究は、Informalなメンタリング関係
 を対称にしたものが殆どであった。

・3種のメンタリング関係:
 1)伝統的な上下 2)Peer 同僚 3)Reverse 下から上

・公式なメンタリングでは、目的によって、6ヶ月から2年間と
 いう期間が設定される(Eddy et al.,2001他)

・公式なメンタリングプログラムの鍵を握る要素:
 マネジメントによる支援、プログラム目標の設定、対象者の選別と 
 マッチング、両者に対する研修、モニタリングと評価

・アメリカ企業で、公式なメンタリングプログラムに参加した
 746ペアに質問紙調査を実施。(電話での実施)

・結果、メンタリングの内容は、全般的なキャリア開発に
 関するものが多かった。

・メンターのランクが上の場合、キャリアに関する話が多く、
 メンターのランクが下の場合、アセスメントツールの解釈に
 関する話が多かった。

・メンターのランクは、メンタリングの満足度に影響しなかった。

・メンターとのミーティング回数の平均は2回であったが、
 それは満足度に影響しなかった。
 
 頻度を多くする必要はないのかもしれない。

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●Mentoring and Organizational Socialization: Does Mentor's
 Organizational Prototypicality Matter?

Zhenyao Cai, SHU-UTS SILC Business School of Shanghai U.
Luning Wang, Hong Kong U. of Science and Technology

・新人のOrganization based self-esteem(OBSE)にメンタリング
 がどのように影響を及ぼすのかを検証。

・Prototypicality メンターがその会社の特徴を代表している
 ような存在。

・中国のブルーカラーに対する1年間の公式メンタリング
 203ペアの質問紙調査。T1の3週間後に、T2。

・結果、仮説は全て支持された。

 公式なメンターによるメンタリングが、新人のOBSEに正の効果を
 示した。
 
 メンターのPrototypicalityが、メンタリング機能とOBSEの関係を
 調整していた。

・メンターに、組織に対して好ましい態度をとるよう促進すべき。

○面白い。メンターがPrototypicalなほど、新人へのメンタリング
 効果が高まる。

 「あの人って、うちの会社の代表みたいな」典型的な人が、
 メンターになるのがいいってことかな。

 ヘンに斜に構えている人がメンターになると、メンティーにも
 悪い影響を及ぼすって感じかな。

IMG_5590.JPG

−社会化される前の新人が、そのメンターが本当に「Prototypical」
 な人物と判断できるのか?

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●My Mentor, My Self: Antecedents and Outcomes of Perceived  

Similarity in Mentoring Relationships

Melissa Mitchell, U. of Georgia
Lillian Eby, U. of Georgia
Belle Rose Ragins, U. of Wisconsin, Milwaukee

IMG_5589.JPG

−メンターとプロティジェのSimilarityの重要性。

−Attachment securityが、Similarityの先行要因。

−似ていると、Role modelにしやすい。

−82ペアを調査。

−ただ、似ていることでのDown sideもあるはず。

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Tuesday, Aug 11 2015 11:30AM - 1:00PM
at The Fairmont Hotel Vancouver in Cortes Island

◎Employee Reactions to Training and Development

===

●The Relationship Between Perceived Training and Development  
 and Employee Retention

Luke Fletcher, Brighton Business School
Dilys Robinson, Institute for Employment Studies

・Perceived T&Dは、職務満足、従業員の積極的関与、変化への不安
 を媒介して、従業員の留職意思に関連していた。

・Perceived T&D 研修と開発をしてもらっているという認識は、
 Retention辞めずに留まる意思と関係している。
 (Aguinas & Kraiger,2009)

 それは、T&Dが、経営者と従業員の社会的交換関係を強める
 からである(Dysvik & Kuvaas,2008)

・Russell(1980)のCore affectモデルでは、仕事態度を4つに
 分類している。
 
 1)Job satisfaction
 2)Employee engagement 
 3)Emotional exhaustion
 4)Change related anxiety

 図2

・上記4つは、T&Dに対する感情的反応として活用できる

・本研究では、Russellのモデルと、JD-Rモデルを統合して、
 下記仮説を提示したい

img117.jpg

・JD-Rモデルに則って考えると、T&Dは、Job demands に対応する
 Resourcesであるといえる。

・イギリスの7社 1191名に対する質問紙調査。

・結果、Emotional exhaustion以外の3つが、Mediator媒介変数と
 なって、T&Dが、仕事をやめずに留まる意思に影響していた。

・職務満足と積極的な関与のほうが、変化への不安よりも、
 強く媒介していた。

・T&Dというが、TrainingとDevelopmentは分けて考えるべきかも
 しれない。

・Retentionの先行要因は、Pull(肯定的経験とJob resources)
 Turnoverの先行要因は、Push(否定的経験とJob demands)

○「Social exchange theory(Blau 1964)」と
 「Job demands-resources model(Demerouti et al.2001)」
 は、今回読んでいて色々な文献に引用されていた。
 
 日本に帰ったら文献を探して読んでみよう。

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●A Comprehensive Analysis of the Indicators of
  Training Effectiveness

Traci Sitzmann, U. of Colorado Denver
Justin Weinhardt, U. of Calgary

・研修評価の多層フレームワークを提示。

・カークパトリックが唱えた研修評価の4レベルは、理論に
 基づかず、その前提が繰り返し反証されてきた。
 (例:Kraiger,2002の批判)

・研修評価は、理論的に元も開発されていないHRMの領域である。

 ただ、Kraiger, Ford, & Salas(1993)の多次元的学習理論?
 は一つの進歩である。

・本稿では、カークパトリックを超えるために、研修評価の
 多層フレームワークを提示したい。

 このモデルは、Within-person、Between-person、Organizational
 の3つのレベルを分析する。

・これまでの研修評価研究は、Between-personレベルの分析が殆ど。

・4 targets:
 1)Training utilization:
    Enrollment、Attrition rate

 2)Affective effectiveness:
    Course satisfaction、Self-efficacy、Motivation、
    Training reputation

 3)Performance effectiveness
    Learning performance、Human capital 
    Training transfer、Organizational performance

 4)Cost effectiveness

図1

img118.jpg

・オンライン学習において、82~95%の学習者が、ドロップアウト
 していた(Korn & Levitz,2013)

・AttritionというPhysical withdrawalもあれば、
 Psychological withdrawalもある。

・カークパトリックは、満足しなければ学習しないと考えたが、
 これは反証されている。

 満足と学習は、相互に関係している。

・カークパトリックの説は、生徒が楽しみ満足するような
 コース設計をする結果につながってしまった。

・自己効力感は、学習パフォーマンスと研修転移の両方に、
 正の効果を持つことが明らかになっている(Blume et al.,2010他)

・ただ、自己効力感を高めることに焦点をあてすぎた研修は、
 受講者に過剰な自信をもたせ、結果的に失敗につながることもある

・研修の評判は、組織レベルの評価のバロメーターになる。
 Signaling theoryを基にすれば、研修の評判は、従業員の時間を
 割いて参加する価値があることを示すシグナルになりうる。

・Learning performanceとは、経験によって作られた比較的永続的な
 知識または技術の変化である(Weiss,1990)

・Becker(1964)のHuman capital theoryは、研修費用を正当化する
 理論的基盤を提供した。

・研修転移と組織パフォーマンスの間には、太くて黒い線がある
 この2つの関係性は明らかになっていない。

 おそらく従業員の職務パフォーマンスが関係すると考えられるが
 それほど単純ではないだろう。

・18の研修をメタ分析した結果、マネジメント研修は、営業や技術
 研修よりも、低いROIであった
(Marrow, Jarrette, & Rupinski,1997)

 図2 

 図3

・研修評価の専門家達は、カークパトリックがシンポジウムで
 求められて即興的に語った4つのレベルを乗り越えていく必要がある

 そうでなければ、研修評価は未開発な領域のままで終わってしまう
 だろう。

○カークパトリックの4つのレベルに対してかなり批判的。

 実務家にとっては分かりやすくて便利だけど、
 研究者にとっては、理論的でなく、実証できないモデルなんだろう。

IMG_5593.JPG

−この内容なら、論文より、本やコンサルにしたほうが良いのではと
 査読者から言われている。「実践的すぎる」と。

−確かに、研究とするならば、これらの変数のデータをいかに
 とるのか?
 →データを全て取るのは不可能。HRで一部でもとってくれたらと。
  データを取るのは、研修の研究者にとっての課題。

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●Attitude Toward Training: A Measure and Correlates

Marcus Z. Cox, Stephen F. Austin State U.
Gina M. Harden, Stephen F. Austin State U.
Ashley Hall, Stephen F. Austin State U.

・従業員の研修と開発に関する研究の多くは、デザインとデリバリー
 におかれてきた。

 従業員の感情的側面については殆ど探求されていない。

 研修に対する従業員の態度と感情については見過ごされてきた。

・本稿では、Attitude toward training(ATT)尺度を提示したい。

 図2

・ATTの尺度 16項目→11項目 1因子

−ポジティブなATTをもつ従業員に優先的に研修を行ってはどうか
 とHRには提案したい。

===

●Intergenerational Learning in Organizations:
 A Temporal-Dynamic View on Age-Mixed Training Groups

Fabiola Heike Gerpott, Jacobs U. Bremen

・16~19歳の若いメンバーと、41~47歳のベテランが、一緒に研修
 を受けることで、相互に学べる。

 18ヶ月にわたる縦断的、定性的インタビュー調査を実施。

・世代を混合した研修が今後益々必要になる。

図1

・公式で、相互的な、世代混合研修によって、
 何が学ばれ、どのような変化が起こるのかを検討する。

・交換される知識の種類は4つ:
 1)Expert knowledge
 2)Practical(implicit)knowledge
 3)Social knowledge
 4)Meta-cognitive knowledge

・3つのフェーズ:
 1)Familiarization
 2)Assimilation
 3)Detachment

○フォーマルな研修だからこそ、講師が進行役となって、
 世代間の知識交流を促すことができるのかも。

 改めて、公式な研修の価値かもな。

IMG_5592.JPG

−「Intergenerational learning」という名前がいい。
 今後の可能性を感じさせる。

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Tuesday, Aug 11 2015 1:15PM - 2:45PM
at The Fairmont Hotel Vancouver in Galiano Island

◎Implications of Training and Development

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●The Impact of On-the-Job Training on Firm Productivity:
  Employee Skill and Motivation Concerns.

Argyro Avgoustaki, ESCP Europe

IMG_5594.JPG

−先行研究 Bartel,1994,1995、De Grip & Sauemann 2012

−OJT→→Productivity
   ↑Type of Task

−ギリシャの1社のデータ 2005〜2006
 その後、イギリスの会社のデータ 2011を使って分析

−OJTは確かに効果があった。

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●Temporal Effects of Employee Training:
 A Dynamic and Multilevel Perspective

Achim Krausert, Nottingham U. Business School China

・研修影響のタイミングは、その研修が、Learning curve shiftか
 Learning curve accelerationを起こすのかによって違う。

・シフトを起こす研修は、Lag effectとEffect durationが長い。
 加速を起こす研修は、より即効で、影響も一時的。

IMG_5597.JPG

・Learning curve theory(Wright,1936)

−Shiftは、Performanceが高い。Accerelationは、同じ。

−Shiftは、長期、将来。Accerelationは、短期。

−研修を止めることで、Unintendedなラーニングカーブの変化
 (Shift or Accerelation)が起こる可能性がある。

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15時〜 フランス人研究者 Lucasとのミーティング

IMG_5605.JPG

・今、フランス軍での6回の縦断的調査と、
 MassimoとNewcomerの調査を行っている。

・M&A後のResocializationとSocializationの調査も始める。

・Socializationの度合を測るためには、本来は360度調査をすべき。
 (上司、メンター、同僚、本人)

・Expatriateの社会化を研究したい。
 彼らはSubsidiaryのスタッフを指導しながら、
 自らもローカルから社会化される必要がある。

・Virtual Newcomrer socializationも今後研究の必要がある。

・新人のCreativity/Innovationを見たい。
 新人のCreativityがそのまま残るか、社会化の過程で消えるのか。

この新人のCreativityは面白そうなので、今検討中のプロジェクト
に盛り込めたらと考えています。

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5日目、終了!

お疲れ様でした。

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