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2015年10月30日

「フィードバック研究会」を実施!

2015年10月29日(木)@東大 

「フィードバック研究会」(1)を実施しました。


(「フィードバック研究会」開催のお知らせ
  http://learn-well.com/blogsekine/2015/09/post_446.html )

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(・文献要約 -研究会で出た意見 ○関根の独り言)

===

−フィードバック(以下Fb)研究は古くからある。
 スポーツ、組織論、学習プランニング等、領域も幅広い。

 Fbに関する日本での文献は少ない。

 「耳に痛いことをどう言うか?」という質問を最近多く受ける。
 企業では、Fbというと「結果通知」である。

===

Sadler(1989)

 Formative assement and the design of instructional systems.

・形成的評価:学生の能力を向上させるためにアウトプットの質を評価
 総括的評価:認定、受身的。

・Fbは、外的情報源。自己モニターは、内的情報源。

・ギャップに作用しないFbは、Fbにあらず。(成績通知≠Fb)

・学習者主体のFbに、つぎの3つが必要:
 1)目指すべきスタンダード、目標レベルの概念を学生が持つ
 2)学生が、自身の実際、現状のレベルを、目標と比較する
 3)学生が、ギャップを埋めるための行動をと売る

・1970年代〜 評価といえば総括的評価
 1980年代〜 形成的評価研究の萌芽

・Fbから自己モニターへ

−アメリカの大学と日本の大学での評価の違いは?
 形成的評価は行われているのか?
−卒論は、日本独自の文化。知的探求として大きな意味がある。

−他人から言われないと分からないこともある。

−自己モニタリングできるようにするために、どうするか?
  メタ認知に関する知識を与え、体験させる。
  Fbした後、そのプロセスを振り替えさせる。
  自己モニタリングをコーチとしてアシストする。
   (自分にどうフィードバックする?等)

===

Sadler(2010)

 Beyond Feedback: developing student capability
 in complex appraisal.

・教師から学生へのFbは、効果的な学びを促進する一手法であるが、
 学生がその内容をきちんと理解できないと効果が薄い。

・解決策として提案したいのは、学生も教師と同じ評価体験をする
 「ピア評価」である。

・評価技術の習得のために、次の3つが必要:
 1)Task compliance タスクの仕様の明確化
 2)Quality 品質
 3)Criteria 評価尺度

・形成的評価は、学生を「自ら学ぶ人」になることを後押しする。

−Sadlerは、教師のFbから、学生による自己モニタリング、
 そして、学生同士のピア評価をすべきという主張になってきた。

−ピア評価することで、評価基準が分かってくる。

−ペアでやると、辛らつな評価をするピアも出る。
 3人ぐらいでやるといいかも。

−ピア評価がルーブリックに基づいているかを、教員がモニタリングする
 Fbの仕方そのものについて、Fbする(受けた人、第三者)

−Fbされて「ありがとうございます!」という学生よりも、
 Fbされたことに対して「自分は〜という意図で書いたんですが、
 書きなおします」という学生のほうが、レポートの質が上がる。

−国をまたいで業務のピアレビューを行う。本音の議論ができていた。

−多面調査によるFbに対して、行動変容する人と、その場を取り繕う
 ような反応をする人がいる。

−Fbする側が、ピア評価することで、自己評価もできるようになる。 

===

Kluger & DeNisi(1996)

 The effects of feedback interventions on performance:
A historical review, a meta-analysis, and a preliminary
feedback intervention theory.


・メタ分析の結果、FIは、平均的にはパフォーマンスを向上させるが、
 1/3以上のケースにおいて、パフォーマンスを減少させていた。

・FIは常にパフォーマンスを向上させると、広く信じられてきた。

・FIの効果は一定ではない。プラスマイナス両方向がある。

・本研究では、Feedback Intervention Theory(FIT)を提示したい。

・Feedback Interventions(FIs)は、外部のエージェントによる
 Task performance 課題達成に対する情報提供の行動である。

・Ammons(1956)のレビューでは、彼の結論と矛盾する研究については
 触れていない。

 このレビューにより、矛盾する結果があるにもかかわらず、
 FIは学習とモチベーション双方を向上させるという結論が流布された

 Ammons(1956)のレビューは、現在もFIの効果的な影響を実証するもの
 として引用されている。

・我々は、評価基準を満たす論文131に対してメタ分析を行った。

・効果量は、0.41であり、FIはパフォーマンスに肯定的な影響を及ぼす
 とは言える。

 しかし、38%の効果は、否定的なものでもあった。

・FITにおける4つの仮説を提示。

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・ソーンダイクの効果の法則(1913)に従えば
 肯定的、否定的フィードバック、両方がパフォーマンスを高めるはず

・ギャップが大きいほど、覚醒の程度が増す(Kluger et al. 1984)
 感情価と覚醒の程度は、パフォーマンスに影響する。

・Moderator analysis 調整変数の分析により、4つの仮説は
 ある程度支持された

・メタタスクへ注意を向けるようなFIは、パフォーマンスへの
 影響が弱まった。

 タスクへ注意を向けるFIは、パフォーマンスへの影響が強まった。

・ほめる(Praise)もやる気をそぐこと(Discouraging)も、
 共にメタタスクへの注目を高めると考えられ、結果的にFIの影響
 は弱まった。

・単純なタスクのほうが、複雑なものよりも、FIの効果が出やすい。

・正しい解決策(Correct solution)というFbは効果があった。
 変化(Verocity)に関するFbも効果があった。

・運動(Physical task)に関するFbは、マイナスの効果。

・FIは、もろ刃の剣である。

○雑誌「人材教育」(15年9月)でも、この研究は取り上げられていた。
 以下、柳澤さおり教授の記事(p.35)から引用。

 「成果を高めるFBの効果について幅広い研究のレビューを行った
  クリューガーとデニシは、人間の“自己”(能力や性格特性など)に
  注意を向けさせるような(ネガティブ)FBは、成果に対する効果を
  減少させるのに対し、取り組む”課題”に注意を向けさせるFBは
  成果に対する効果を増加させることを明らかにしている。」


−効果量0.4は低いが、それはメタへの注意を向けるものも含まれている

−メタにあげずに、タスクに注意を向けるようFbする。
 ただ、もっと上にあがらせたいときは、メタにあげるのも効果がある。

−仮説の5は、個人差なので、今回の研究では取り上げてない

===

Kluger & DeNisi(1998)

 Feedback interventions:
 toward the understanding of a double-edged sword.

・Feedback Intervention(FI)とは、Task performance 課題達成?に
 関して情報を提供することである。

・Kluger & DeNisi(1996)は、1/3の事例においては、FIが
 パフォーマンスを低めていることを明らかにした。

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・失敗に関する情報(ネガティブFI)と
 成功に関する情報(ポジティブFI)
 に異なる効果があるかは実証されていない。

・FIがいかに働くかについては明らかにされていない。

・FIが常にパフォーマンスを向上させると信じられているのは、
 二人の研究者の影響がある。Thorndike(1913)とAmmons(1956)。

・Thorndike(1927)の Law of effect 効果の法則

・Ammons(1956)の Knowledge of results (KR) 結果の知識
 KRは、学習とモチベーションを向上させると考えられた。

・「フィードバックのパフォーマンスに対する肯定的影響は、
  心理学の最も受け入れられている原則の一つである」という
 言われ方すらされている。

・行動主義(Thorndike 1927)も、報酬と罰は、同じように学習を促す
 と考えている。

・肯定的なフィードバックを受けた人々のパフォーマンスが減退し、
 否定的なフィードバックを受けた人々のパフォーマンスが向上する
 という状況もある(例:Podsakoff & Farh 1989)

○これ、俺が読む文献だ。

・FIの効果は、タスクの種類によって違うと考えられる
 (Kluger & DeNisi 1996)

・FIは、諸刃の剣となりうる。

・現時点で、実践家に伝えられるアドバイスとしては、
 「FIは、目標設定と共に行うべき」という点だ。

・事前に設定された目標があれば、注意はタスクに向かうが、
 それがない状態でのFIは、セルフに注意が向く恐れがある。

○設定した目標があるなら、それに対してフィードバックできるが、
 目標がない状態でフィードバックしようとすると、下手すると
 個人、人格攻撃になるってことかな。

−メタレベルとタスクレベルを分ける。

−BeingとDoingを分けてFbする。

−自己効力感が高い人は、失敗をFbされても、人格攻撃と受け取らず
 切り分けられる。

−受け手がどう捉えているかを、Fbする側が観察しながら調整する

−ドゥエックのモデルによって、受け取り方が変わるのでは。

 (参考:「やればできる!の研究 能力を開花させるマインドセットの力」   
     http://learn-well.com/blogsekine/2009/09/post_275.html )

−Fbの目的(例:改善)が相手に伝わってないと、
 ただ言われているだけと受け取ってしまうかも。

−研究で色々言われると、実際のFbがしづらくなる。

−条件がはまらないと、Fbの効果が出ない。
 下手すると、Fbによる否定的効果となってしまう。

−「〜に関するFb」と設定して研究したほうが良いかも。

−評価面談と日々のFbは目的が違う。

−上司がタスクに関してFbしたにも関わらず、
 部下はセルフに関してFbされたと感じて落ち込むケースもある。

−現場のコーチは、ポジティブとネガティブ両方伝えることで、
 ニュートラルに持っていこうとする。

−感情的にFbしてくれる上司のほうが望ましいという研究をしている
 人もいる。タスクは向上しないけど、やる気をださせる。

−Fbする人が二人いるとよいのでは。

===

Podsakoff & Farh(1989)

 Effects of feedback sign and credibility on
 goal setting and task performance.

・関根が担当 

 レジュメを見る


−Fbする人との関係性によるという意見もある

−変数が多すぎて、結局どうやってFbすればよいか分からない。

−タスクの種類によって、効果的なFbの仕方が変わる。

−目標が明確であるかないかによって違うのでは。

−ポジティブとネガティブで使い分けはしていないかも。
 
−褒める、叱るよりも、正確な情報を伝えることを、Fbでは重視。

−目標に近づいていればポジティブ。離れているならネガティブ。

===

Conger & Toegel(2002)

 Action learning and multi-rater feedback as leadership
development interventions: popular but poorly deployed.

・リーダーシップ開発の手法として、アクションラーニングと、
 多面評価がある。

・この2つは、よく使われているが、上手く使われていない。

・ALが上手くいかない理由は
 1)一度きりの学習経験になっている
 2)プロジェクトとリーダーシップ開発のつながりの弱さ
 3)内省的学習をする機会が少ない
 4)チームでの問題解決や学習を強調することへの制約
 5)プロジェクト成果へのフォローアップへの欠如

・正しい自己認識は、効果的なリーダーシップの発揮につながるが、
 自己評価はあてにならないことが多い。

・多面評価の面白さは、評価結果が、周囲の要求や価値基準によって
 異なるという点にある。正しい、間違っているということではなく
 全てが有用な情報。

・他者評価と不一致が起こったとき、マネジャーは次の行動をとる
 1)きちんと努力して、行動を変える
 2)他者から見える部分のみ、ふるまい方を変える 
 3)自分の行動の理由を説明し、正当性を訴える
 4)不満が出ていることに背を向ける

・匿名で評価結果が集計されるため、正直な回答が得られる。

・多面評価は効果が高いが、センシティブである。

・多面評価の最も利用される目的は、能力開発である。
 しかし、人事考課と組み合わせると、能力開発の効果にネガティブな
 影響を与えることがある。

・評価に用いると、自分の肯定的な部分だけに目を向け、自分の現状を
 ふり返ろうとしなくなる。

・多面評価の目的が、評価であった場合、自己と他者との間に
 食い違いがあると、マネジャーは、自分の見せ方を変える
 (戦略的自己呈示)というテクニックを使うことがある。

・行動を変えるよりも、自己呈示のほうが楽。

・一石二鳥を狙おうとする企業があるが、能力開発と評価をを同時に
 狙おうとすると、能力開発を妨げたり、情報をゆがめたり、
 モチベーションの低下につながるため、避けたほうがよい。

・自己レベルに介入されたとき、マネジャーはアイデンティティの
 危機に陥る。リーダーシップ開発とするためにはタスクレベルでの
 かかわりをすることが望ましい。

−実証されていないので「俺はこう思う」という経験則が多い。

−ALは、1回限りではなく、2~3回まわせるほうが良いというのは同意。
 実際、やるのは大変だけど。

−多面評価を人事考課に使うべきではない。

−オープンクエスチョンを入れるのはよさそう。

−行動変容を促す多面評価(形成的評価)を、
 人事考課(総括的評価)で使うのは間違いでは。

===

Thach(2002)

 The Impact of Executive Coaching and 360 Feedback
 on Leadership Effectiveness.

・コーチング(360度フィードバック含む)は、リーダーシップの
 育成に効果がある。

 281名を対象に、6ヶ月間。リーダーシップ効果を60%増加させた。

・コーチングのステップは、3~6が多いが、次の3つを含むものが多い。
 1)契約 2)データ収集 3)コーチング

・360度フィードバックのフォローとして、個人コーチングが行われる。
 それは、評価よりも、成長を目的としているから。

・360度は、評価目的になりすぎないよう注意。

・自分で改善したい行動のみを取り上げた「ミニ360度」を、
 6ヶ月後に実施。

−360度の後のコーチングや、評価した人たちとの接点を増やすことが
 行動変容につなげるために重要。

−360度評価とコーチングのセットは、対人関係に関する行動には
 効果がある。しかし、効果は短期的になりやすい。

 ビジョンや戦略作成は、360度ではやりにくい。

−部下に、自分の360度結果を示すことで、本音の話はできるかも。

−「続けられるか心配だ」という人ほど、何とか続けようとする。

−マネジャーはスーパーマンではない。
 他の人が、指導部分をサポートしてもよいのでは。

−評価者が、コーチングすること自体どうなのか。

−評価目的か、成長目的か

−「あいつ、できるけど、人がついてこないよね」

===

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●1日目を終えて皆さんの感想

−フィードバック=結果通知 となってしまっているから、
 言葉を変える必要がある。

−自分の感情をコントロールしてフィードバックすることが大事では。

−どうFbすればよいかは、状況、課題、相手による。

−「こういうFbが、良いFbだ」というものは無いんだ。

−送り手と、受け手の関係性

−Fbはツール。上手く使えるよう、理解を深める必要がある。

−「Fbする」というより「何でもFbだと思える」人材の育成

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●中原先生のブログ

 フィードバックとは「傷口に塩を塗り込むこと」ではない!?
  http://www.nakahara-lab.net/blog/2015/10/post_2501.html 

●舘野さんのブログ

 どのようなフィードバックを返すのがよいのか?
  フィードバック研究会に参加してきました
  http://www.tate-lab.net/mt/2015/11/1491.html

●松下さんのブログ

 研修フォローアップに対する一考察
  http://mattun.hatenablog.com/entry/2015/11/02/002321

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1日目、ご参加下さった皆さん、ありがとうございました!

2日目(11月16日)も楽しみにしています。

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↓ 以下、2回目

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2015年11月16日(月)10時〜17時@東大 「フィードバック研究会(2)」

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秋晴れのいい天気です。


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Walker & Bucley(1972)

 Effects of Reinforcement, Punishment, and Feedback
 upon Academic Response Rate.

・子供のパフォーマンスに対するrewards and punishment 報酬と罰の
 効果に関する研究は多数ある

・罰と否定的なフィードバックが、子供の学習とパフォーマンスを加速
 させるという研究も存在する。

・しかし、報酬と罰を組み合わせた効果についての研究は少ない。

・2人の子供(実験と統制)に対する実験。

・結果から、より多くのフィードバックが、正解と間違いに対して
 行われたほうが、より効率的な学習とパフォーマンスにつながること
 が明らかになった。

・正のフィードバック(正解!)+正の強化(1ポイントプラス!)
 を一緒に適用したほうが、より効果的。

−同じような実験を1、2、3回目と繰り返すことで、
 「次はこうしてみよう!」とドライブがかかる。

 このようなモチベーションの変化を、行動分析学では
 あまり留意しない。

−オンライン学習では、このような知見を参考にシステムが
 作られている。

−行動主義、フィードバック、引用が多い、ということで、
 選んだら出た文献。

−昔の行動主義では、典型的な研究。動物実験をそのまま人間に適用。

−行動主義では、認知等、目に見えないものを科学として扱わない。

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Deci, Koestner, & Ryan(1999)

A meta-analytic review of experiments examining the effects of
extrinsic rewards on intrinsic motivation.

・外的報酬が、内的動機にどう影響するかを検証。128文献をメタ分析。

・その結果、外的報酬は、内発的動機付けをはっきり抑制する。

・ポジティブフィードバック(言語報酬)は、内発的動機付けを促進する

・物的報酬の抑制効果:子ども>大学生

・ポジティブフィードバックの抑制効果:子ども<大学生

・内発的動機付け:興味を喚起する課題に、自分の興味、好奇心、
 達成感に触発されて、取り組み際の動機づけ

・外的報酬は、内発的動機付けを抑制する効果があると、
 Deci(1971)が問題提起。

・3種類の立場:
 1)動機付けアプローチ Cognitive Evaluation Theory
 2)帰属論的アプローチ Lepper(1981)
 3)行動論的アプローチ Scott(1975)

・コントロールと自己決定

−行動論者は、内発的動機付けなど無いとしている。

−自己決定の認知が重要。「自分で決めている」という感じ。

−相手が「コントロールされている」と感じる
 ポジティブフィードバックもある。

−フィードバックは、相手本位。相手がどう捉えるかが大事。

−自分が頑張ったのに、物的報酬が与えられなかったとき、
 大きなネガティブ効果がでた。

−内発的動機づけを、どう育てていくのか

−外発的動機付けを行うと、その行動を継続しなくなる。

−仕事や学習は、内発的動機付けのみでは行けないのでは。

−「食うために仕事をする」のはある。

−「興味のある課題」「興味の無い課題」と分けられないのでは。

−最初は興味がなくても、はじめると、興味が出てくるものもある。
 最初は、外発的動機付けから始まっても。

−日本の研究では「親が設定した課題のほうが、子どもが継続する」

−人間関係が良いと、コミュニティーの中で設定された課題を、
 自身のものと内発的にとらえる。

○今ちょうど、中1長女の期末試験の勉強を一緒に見ているので、
 色々考えさせられるな〜。

===

Amorose & Horn(2000)

Intrinsic motivation: relationship with collegiate
athletes' gender, scholarship status, and perceptions
of their coaches' behavior.

・CET認知的評価理論(Deci & Ryan 1980, 1985)によれば、
 外的報酬が、本人の内発的動機付けにプラスとなるかマイナスとなるか
 は、本人がその報酬に対してどのような受け取り方をしているかによる

 自分の能力が評価されているから、報酬がもらえる:プラス影響
 報酬が自分の行動をコントロールしている:マイナス影響

・386人の大学生 スポーツ選手に対する質問紙調査

・奨学金をもらっている学生のほうが、内発的動機付けが高かった。

・コーチの指導スタイルが民主的で、選手のパフォーマンスに対して
 頻繁にほめ、勇気づけ、情報を与える場合、選手の内発的動機が上がる

・特に、女子選手にとっては、民主的スタイルがより重要。
 女子選手に対しては、コーチからの懲罰的コメントが内発的動機を
 下げる要因としてもより大きく働く。


−内発的動機付けを、自己申告で測れるのか?
 パフォーマンスの変化を見てもよいのでは。

−「何も言われなくても、行動を続けている」ことを、
 内発的動機づけとみなしている。

 例:練習日でないのに、練習しに来ている。

−それも「次の試合に勝ちたいから来ている」ということもある。

−親が、数千万円投資してきたという背景もある。
 責任感、ここではおりられないということもあるのでは。

 内発的動機付けと、くくってしまうのも・・・

−内発的動機付けだけで、動いている活動は大人には無いのでは。
 色々な想いや動機があるのでは。

−内発的動機付けの説明力は、この研究では、16%ほど。

−IT業界だと、オープンソースで、無償で作る人たちもいる。

−外発的動機付けが悪いわけではない。

===

Rai & Singh(2013)

A study of mediating variables of the relationship between
360 feedback and employee performance.

・360度フィードバックを行っているインドの4つの企業を調査。
 198の回答。

・360度を導入していない2社と、
 評価制度としても導入している2社の比較。

・5つの仮説を検証。支持された。

 1)360度フィードバックは、従業員のパフォーマンスに
   肯定的な影響を持つ

 2)対人コミュニケーションが、上記関係に完全な媒介効果を持つ。

 3)LMXの質は、上記関係に少しの媒介効果を持つ。

 4)仕事生活の質は、上記関係に完全な媒介効果を持つ。

 5)組織支援の認識は、上記関係に少しの媒介効果を持つ。

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・本研究により、360度フィードバックと
 従業員パフォーマンスの関係が実証された。

・本研究対象企業では、360度が、
 能力開発と人事考課双方の目的に使用されていた。

 この結果から、360度フィードバックは、能力開発にプラスして、
 人事考課のシステムとしての活用できる可能性がある。

 これは先行研究で言われてきたこと(360度は能力開発目的のみで
 使用すべき)とは違う結果である。

 おそらく、360度が透明性のある状態で、信頼と解放感ある雰囲気の中で
 行われた場合、従業員は建設的批判と欠点を受け入れるのかもしれない。

・「対人コミュニケーション」「LMXの質」「仕事生活の質」
 「組織支援の認識」の4つを、360度フィードバックの効果を最大化する
  ためにも組織は配慮すべき

−論文的には疑問点も多い。

−360度によって業績が上がったというよりも、
 業績が良いから360度を入れられているのでは。

−「マネジャーの行動」というような違うパスがあるのでは。

−病んでいる組織に、360度を行うと、低い評価をつける。陰口的。

−360度の高い組織と低い組織。変化率を見てもよいのでは。

−業績は、景気に影響を受けている。
 それが、360度の回答結果にも影響を。

−満足度と業績の関係は、サービス業においてはある。

−長い目で見ると、組織の風通しのよさが大事。
 倒れそうなときに、歯止めになる。

−HRのアウトカムとして、逆境時の対応みたいなものを考えてもいいかも

−離職率、採用費、教育費は、HRのアウトカムとしては有効。

−Financial outcomeと、HRの関係を求める問いは、そのものが
 「どうやれば儲かる?」と聞いているぐらい、的外れなのかも。

===

Horn(1985)

 Coache's feedback and changes in children's perceptions
 of their physical competence.

・コーチの行動が、子供の能力認識に影響を与えている。

・Harter(1981)は、大人のフィードバックにより、子供は自身の能力を
 評価すると考え、Model of competence motivationを提示した。

・コーチの行動を、9つに分類し、子供の能力認識への影響を分析。

・結果、練習時のいくつかのコーチ行動が影響していた。
 試合のときのコーチの行動は影響していなかった。

・Harter(1981)のモデルを実証。

・子供の成功に対する、コーチの反応は、否定的な影響を及ぼした。

 不適切なPraiseほめ方は、子供に対して低い期待値を設定するのかも。

・チーム内の高い能力を持つ子供達に対してよりも、
 低い能力の子供たちに対して、Reinforcement強化が使われ、
 ミスへの罰は使われていなかった

・プレイヤーの違いによって、コーチが与えるフィードバックは違っていた

○「できていない子」には、自信をつけさせるためにも誉めて、
 「できている子」には、あえてあまり誉めないってことかな。

===

De Luque & Sommer(2000)

 The impact of culture on feedback-seeking behavior:
An integrated model and propositions.

・フィードバック探索行動に対する組織文化の影響を考察し、
 仮説モデルを提示する。

・4つの文化的行動様式
 1)仕事特定または全人格的
 2)曖昧さへの耐性
 3)個人主義、集団主義
 4)権力志向

・Feedback seekingには3つのコストが存在する
 1)Effort cost 探すコスト
 2)Face cost 自分のメンツを失うコスト
 3)Inference cost 解釈するコスト


−フィードバックを自ら求めに行く人は少ないのでは。

−組織社会化の能動性の発揮もこれに近いのでは

−自分を立て直すために、フィードバックを求める人は少ないのでは

−やった後「どうだった?」「何が悪かったか教えて」という人もいる
 成長欲求が高い、聞いたことを治せる自信がある。

−正解が分からない仕事をしている人ほど、フィードバックを求めるかも
 例)営業、企画など。

−誰が適切なことを言ってくれるか。誰から言われるかが大事。

−得られたフィードバックを、捨て去ることも大事では。
 信じなくても良いフィードバックもある。聞き流す。

−研究へのフィードバックもそうかも。

−相手もわかってないで言っているということをわかってないと、
 きつい。学校では先生が答えを知っている。

−フィードバックの取捨選択ができる人は、経験も判断材料かも。
 (就活時代の経験で、新卒時代の苦労を乗り越える)

−誰にフィードバックを求めたらよいかを、目利きに聞く


===

Nadler(1979)

 The effects of feedback on task group behavior:
 A review of the experimental research.

・フィードバックのきっかけと動機づけ効果に関する実験研究を
 レビューし、理論モデルを構築。

−個人へのフィードバックとグループの中にいる個人へのフィードバック
 は異なるというのはありそう。

−「あなたのグループはここがいい、ここがだめですよ」と言われる。

−会社、組織に対するフィードバックも、グループに対する 
 フィードバックと言えるのでは。

−グループの場合、そのリーダーへ責が負わされることが多い。

−研修講師には「うちの会社どうですか?うちのグループは?」等
 聞かれ、フィードバックを求められることも多い。

===

Butler & Winne(1995)

 Feedback and self-regulated learning: A theoretical synthesis.

・自己調整学習は、下記スキルを使いながら、タスクに取り組むスタイル
 1)目標設定 2)適切な方略を選ぶ 3)モニターする

・学習する過程の中で、どのように自己調整していったのかをモデル化

img134.jpg

−自己調整学習では、3つのモデルが使われている。
 Zimmermanが一番引用される。2番目がこのモデル。

−勉強法においても、目標を明確にすることが重要。

−公文式は、ミニテストで、形成的評価を行っている。

−タスクが明確であれば分割はできるが、
 そうでない場合は難しいかも。

===

Hattie & Timperley(2007)

 The Power of Feedback.

・フィードバックは、以下3つの問いで表現できる
 1)Where am I going? Feed Up
 2)How am I going? Feed back
 3)Where to next? Feed forward

・フィードバックの4つのレベル
 1)タスク 2)プロセス 3)自己調整 4)自己

img135.jpg

・自己レベルへのフィードバックは影響力が弱い。


−学習目標+自己効力感+自己調整=能力向上 では。

−ゴール設定時点で間違っていることもあるのでは。

−仕事では、やればやるほどゴールが現れる。

−学校を使った研究では、効果量effect sizeが出やすいかも。

−仕事ができる上司と仕事ができる部下は、あうんの呼吸で
 やっている。これは自己調整では。

−組織から与えられた目標とは関係なく、自分で勝手に目標を
 設定する。特に、できる営業は。

 それができない人には、マネジャーの関与が必要。

−与えられた目標は、自分のものにしにくいのかも。
 目標設定理論によると。

−「現状で満足している人」を、次のステップに上げるのは難しい。

−「自分で勝手にやるもんだ」と思ってるマネジャーは、
 そうでない人たちへの関与が難しい。できない人の気持ちが分からない?

−目標を立てて、それに向かって行動していくということを、
 学んでいない学生さんも多い。

−目的地にいけない、いきたくない人に、どうフィードバックするか。

−ゴールは現実的には、あいまいもことしている。

===

●2日目を終えての感想

−フィードバックという言葉とは違うものなのかも。

−過去の情報を伝えて、未来につなげるのが、フィードバック。
 それに関わる変数が多いから、こうすればよいというのが難しい。

−コーチングの中にフィードバックも含まれるのでは。

−フィードバックは複雑。今も明らかになっていない。
 思考の転換が必要では。

 フィードバックには、ネガティブなイメージが強い。
 未来につなげるためには、明るい言葉が必要かも。

−あけてはいけない箱をあけてしまった。
 見ないほうがよいと思いつつ、見てよかった。

−フィードバックには、情報としての機能。モチベーションの機能があるが
 「相手からの評価を受けている」という側面があまり見られていない。

 評価的な機能がないのでは。相手が人であるからこその関係の重要性も。

−もやっと思っていたことが研究されている。
 「これはやってはダメ」というあたりがつけられるかも。

−フィードバックは、方法ではなく、現象であった。状況による。

−道程が見えない曖昧な世界。目標が見えない中、どうFBするか。
 
−常にFBが起こっている。

−「分からない」と分かったことがたくさんできた。

−フィードバックは「相手あってのこと」

  (する側から見た)受け取る相手
  (される側から見た)言ってくれる相手

===

●中原先生のブログ
  
  「ごくごく自然にフィードバックを行える組織」と「いくら研修しても1ミリも実行されない組織」!?
  http://www.nakahara-lab.net/blog/2015/11/post_2512.html 

===

皆さん、ありがとうございました!

===

●参考:「360度フィードバックに関する文献」
       http://learn-well.com/blogsekine/2015/11/360.html

2015年10月24日

J.カークパトリック氏の「4段階評価法セミナー」

2015年10月22日(木)〜23日(金)

J.カークパトリック氏の「4段階評価法セミナー」@品川に参加。

http://www01.uhd.co.jp/kp-seminar/index.html

今後のために、印象に残った点を記録しておきます。

===

(・テキスト/講義内容 ○関根の独り言)


●事前課題

・Effective training 効果的な研修 は、L1、L2で評価
 Training effectiveness 研修の効果 は、L3、L4で評価。

・セミナー受講前の上司との打ち合わせ

 1)参加目的 2)職場で活かしたいこと
 3)職場での活用法 4)上司の期待(職場に持ち帰ってほしいこと)

○これいいね〜。「上司インタビュー」にも入れ込めそう。

===

●1日目

・何故、評価するのか?

 →研修の品質向上、研修の価値提示(受講者、経営陣)

・Old model: L1→L2→L3→L4
 New model: L4→L3→L2→L1

○これいいね!逆にするだけで、大きく違う!

・L1とL2には強い関係性。L3とL4には強い関係性。
 L2とL3のつながりは弱い。「知る」と「やる」の差が大きい。

 ここに橋をかける。L&Dとビジネスの間をつなぐ。

○これは、Weber(2014)の主張と重なる。
  現場実践(転移)は、現場の責任だけでなく、L&Dの責任。

  http://learn-well.com/blogsekine/2015/02/turning_learning_into_action.html

・L4「成果」は、業績ではなく、
 ROE:Return on Expectation 期待に対する成果。

○この「ROE」っていいね〜。であれば、トップが何を成果として
 期待しているのかを合意するのが大事。

○ただ、中堅企業なら経営陣と直接、研修に関して話ができるけど、
 大企業だと、話せて部長クラス。

・L4は、Strategic bridges 戦略的な橋 を必要とする。

・Flag 旗である長期目標にむけて、Leading indicators先行指標を置く。
 先行指標には、Internal内部 と External外部 がある。

IMG_5833.JPG

○参加者の身体を使って、最終ゴール(旗)に向けて、
 先行指標を表現。 これ上手いね〜。


○弊社の「メンター研修」「OJT指導員研修」で考えるなら、先行指標は
 「組織社会化(適応)」「組織コミットメント」「離職率」等かな。

 ↑

 このあたりを同じくセミナーに参加していた田中淳子さんと議論。

 (田中さんもブログに書いてくれてました。
    http://blogs.itmedia.co.jp/tanakalajunko/2015/10/4120151022.html )

 −新人に対するトップのROEは何か?
 −3年で「一人前」としたときの「一人前」を
  きちんと定義している企業は少ない。
 −仮に「メンター」になることが「一人前」だとするならば、
  メンターの要件を定義する必要があるかも。
 
 と話していたら、ジムさんも加わってくれ

 −Newcomerなら、初期(3~6ヶ月)のContribution貢献と、
  Retention維持 を、先行指標としてもいいのでは。
 −新人が取る資格(製薬、IT、金融)も、組織への貢献と考え、
  それを先行指標とするのはいいかも。

・L3行動では2つ:
 Critical Behaviors 重要な行動 
 Required Drivers 必要な推進力(Support と Accountability)

○このCBが「L4成果につながる行動」。

 メンターやOJT指導員で言えば、先行研究の「会話」「協力」「委任」行動かな。
 それらが、L4の新人の「適応」に影響。

 「適応」に影響する新人自身の行動は「評価情報の探索」がまず一つ。
 他に何がありそうか、先行研究を確認しておこう。


・Competencyは、L3ではなく、L2。行動ではない。

○ここで参加者から質問があり、盛り上がる。ジムさんの回答を聞く限り
 Competencyは人事用語。経営陣は興味が無いってことかな。

・L3は、Tactical bridges 戦術的な橋を必要とする。

・Brinkerhoff(2006)の書籍を引用。
 L4から考えて、研修前(25%)研修中(25%)研修後(50%)の資源を
 傾けた場合、研修後の活用が85%となったデータ。

○この本、読んでみよう。

・L4から考えることで、研修をイベントではなく、パッケージとして
 作ることができる。

・Required drivers 必要な推進力としてのサポートとアカウンタビリティ

○弊社の「OJT指導員研修」で言えば、サポートは
 「マネジャーへの説明会」「上司インタビュー」
 「復習用資料(テキストと副読本)」「フォロー研修」

 研修フォローシステムを使っての「リマインダーメール」
 「アンケート調査」「1年後レポート」かな。
 
 参加者が研修受講後、現場で困ったときに、対策を検索できたり、
 質問、相談できるようなサポートをしていってもいいかも。

○研修で「重要な行動L3」を学んだ後、その行動を現場で実践するには
 「行動の開始、維持、修正」が必要になる。

 研修で学んだ行動を、現場で実践しない理由としては
 
 −実践しようという気にならなかった(研修直後の反応:転移意欲等)
 −実践しようと思ったけど、帰ったら忘れた
 − 〃 実践する機会がなかった(活用機会)
 − 〃 実践することへの気恥ずかしさ(急に行動を変える違和感)
 −実践したけど、上手くいかなかった(から止めた)
 −実践して、上手くいった(から続けた)

 このあたりで、現場でのほかの人による支援や指導が必要になるのかも。
 「こうやって実践したらいいんだよ」と導いてくれるような。

===

●2日目

・「L2学習」は、知識、スキル、態度に加えて
 Confidence自信とCommitmentコミットメントを加えた。

○Confidenceは、Self-efficacy自己効力感に近いかも。

・研修中に「何故、研修内容の現場活用に自信がもてないのか」を
 Pull Up the Chair 参加者に向き合って椅子に座って聞く。

○これは確かに大事。研修中、特に後半に「学習内容の現場実践」について
 聞き、かつ「そうは言っても現場だと実践が難しいですよね。」と、
 Relapse Prevention逆戻り予防を打つのは重要だし、効果は実証されている。
 
 ただ、研修中よりも、本来は研修前の段階で、手を打っておくべきこともある。

 参加者が「これなら現場で活用できそう」と研修終了時に思ってもらえるよう
 現場に働きかけをしておき、Transfer Design転移設計しておくことが必要では。

 研修中に解決できることは少ない。

・Confidence自信は、回顧的に「研修前と後」の自信度合いを聞く。

○これいいね!Critical behaviorsができるようになることを研修中の学習目標
 とし、それらが「できる!」と自信を持って言える状態になるかを問う。

 これは「OJT指導員研修」「メンター研修」でもできそう。

 例)相手の立場に立てる、新人の話に耳を傾けることができる、
   新人に仕事を与えることができる、
   新人の良い点・改善点を適切に伝えられる、
   周囲の協力を得られる

・L2学習は、正直嫌い。アメリカではLearningが山のてっぺんに来る。
 CLOもそうだし。しかし、本来の山のてっぺんの旗は、L4。

===

・「L1反応」 トム・クルーズ主演の映画の1シーンを見る。
 「おまえは、真実の重みに耐えられない」というセリフ。

・L1の目的は、L2につなげること。

○ここは疑問。L1反応が、L2学習には影響しないという先行研究も多い。

 Holton(1996) The Flawed Four-Level Evaluation Model

 「研修の転移 研究会」
  http://learn-well.com/blogsekine/2014/03/transfer_of_training.html

 『Transfer of Learning in Organizations』
  http://learn-well.com/blogsekine/2015/01/transfer_of_learning_in_organi.html 


○今回の「New Kirkpatrick model」の良さは、L4から始まっていること。

 そして、その中でもL3のCritical behaviorsが、研修という手段で
 目指す目標としては適切だと思う。

 そう考えると、何がCritical behaviorsなのかを学ぶ(L2)は大事。

 だけれども、L1の反応はどうか。

 L4から見ていくことで、L3とL2まではつながるけど、L1は要らなくなったのでは。

 あるいは、L4,L3,L2と、L1は全く性質が違うものと考えたほうがよいのでは。
 (L1は、学習というよりも、マーケティングの側面が強い)

 ということを、Jimさんに聞いたら
 「いや、やはりL1を、Watchすることは大事」とのこと。

 確かにそうだし、外部研修ベンダーの弊社として、もちろんL1は大事にしたいけど
 本来の「効果測定」としては熟考が必要かも。

 (前述したHolton 1996では、研修の効果として「L1反応」はふさわしくないと
  断じている)

・L1を測定するためには、研修中の「Instuructor observation講師による観察」が
 大事。その際は、客観的指標は無くても、主観的なものでもOK。

○これ面白い!確かに研修中の講師は、参加者の反応を肌で感じながら、
 研修内容、運営方法を微調整している。この行為そのものがL1の測定という
 考えはなかった。

===

●昼食

 参加者のお一人(Nさん)の声掛けで、皆で一緒に昼食を取ることに。
 Jimさんと一緒のテーブルに、Sさん、Uさんと同席。色々話せた。

 「私が社長、妻が専務、子供達4人がメンバー」という弊社の話をしたら、
 「小さい研修会社が生き残るために、どうしてるの?」という質問を受けた。
 こういう話は大好きなので熱く語る。

 Jimさんは、Atlantaのそばに住んでいるそう。

 2007年にアトランタで開催されたASTDで、お父さん(Donaldさん)の
 講演を聞いたことがあるという話をしたら喜んでいた。

 http://learn-well.com/blogsekine/2007/06/post_31.html

 Jimさんは、自然が好きなようで
 「東京の北にある埼玉ときがわには、美しい川と山があるから、今度きて」
 と誘った。ぜひ、日本のRural town田舎町を体感してほしい。

 https://www.facebook.com/tokigawaclub

IMG_5835.JPG

 Jimさんの本 『Transferring Learning to Behavior』にサインをしてもらいました。

 http://learn-well.com/blogsekine/2015/02/transferring_learning_to_behav.html


 この本は、Jimさんの銀行時代の苦労話、BSCとの結びつけ、L3がMissing Link 
 と、魅力的な内容です。

 この本を読んでいたので、ぜひJimさんに会いたいと思っていました。

===

●午後

・L1からL4までが入った「ハイブリッド」な質問項目。

○これらの項目は非常に参考になる。

 ただ、これだけ取ったデータをどう活用するか。

 まず、L4(最終目標、先行指標)と、L3(Critical behaviors)の明確化は必要。

 仮に、L4を従属変数とし、これに影響を及ぼす独立変数として、
 L3を設定するのはありそう。

 仮説として設定したL3が本当にL4に影響していたのか、データを分析し
 経営陣に示すのは、まず最初のデータ活用法としてすべきこと。
 
 次に、研修の品質向上(Formative evaluation)として、毎回研修実施時に
 データをとるのは、まあ良しとしても、マンネリ化しそう。 
 (いつも取っているから、今回も取る、みたいな感じで)

 これらはどちらかというと「研修企画、設計、運営者」にとって有用な情報。
 
 ただ、参加者にとって有用な情報もあるのでは。

 例えば、弊社の「メンター」「OJT指導員」研修では「次年度の候補者」にとって
 有用な情報となるようデータを取っている。
 
 「実際、メンターをやってみて苦労したことは?」
 「上手くいった工夫は?」
 「次年度のメンターにアドバイスするとしたら?」

===

●テーマに基づくグループディスカッションと、
 それに対するJimさんの回答

・管理者を、研修企画、設計に巻き込むために

 →Bright Lights(優秀で協力的な人)を早めに巻き込み、進捗を報告する。

・経営陣に、研修の意義を納得してもらうために

 →勇気をもって、経営陣と話す。

○この時のグループディスカッションで色々考えるヒントをもらえた。

 −経営陣のROEは、L4に近いL3のことがある。
  (例:雰囲気の良さ、元気に生き生き働いてほしい)
 −長期的な人材育成、階層別研修、理念浸透 を 投資として見てもらいたい。
 −研修がどこに位置づくかを、経営者になじみの言葉で説明できれば。

 −「経営に関することは、経営コンサルの仕事であって、
   研修ベンダーの仕事ではないでしょ」と言われる。

○ここは大事。お客様が変わってきているなら、研修ベンダーも変化すべき。

 「経営に資する研修」という意識が増してきているなら、それに応えるために、
 例えば、経営コンサルと組むのもあり。
 (独立前に、そういうコラボもあったし、今も小規模だけど続けてる)

===

○自分なりのまとめ

 −L4(ROE)を、ステークホルダー(トップ)と合意
 −L4(ROE)に至る先行指標(L4)を設定
 −L4先行指標に影響を及ぼすCritical Behaviors(L3)を特定

 −L3の現場実践が促されるようSupportとAccountabilityを検討

  (研修企画、設計段階からの現場マネジャー:Bright lightsの
   巻き込みと進捗報告)

 −L2では、参加者がConfidenceをもてるよう支援
 −L1は、研修直後よりも、研修中を重視。

===

終了! 色々考えるきっかけをもらえる楽しいセミナーでした。

IMG_8213.JPG

 なんといっても、Jimさんの懐の深さに惚れました。


 貴重な機会を作って下さった皆さん、このセミナーを紹介して下さったYさん、
 一緒に参加された皆さん、どうもありがとうございました。
 
 (2日間、「楽しんできて」と、送り出してくれた専務、ありがとうございました。)

===

後日、こういうCertification認定も届きました。嬉しいものですね。

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2015年10月12日

雑誌語録 2015年10月

雑誌語録 2015年10月

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『DHBR 2015.11』

機械学習、ディープラーニング

・学習とは何か。その根幹は「分ける」という作業。

 分ける作業とは「イエス」か「ノー」で答えられる問題に変換すること。

---

・法人営業では、平均5.4人が、公式に署名する必要あり。

・顧客組織内の意思決定者達を、互いに結び付けることが営業の仕事。

===

『DHRB 2015.10』

・レッドオーシャンでは「誠実」な企業が生き残る

・自分達のビジョンに則っていれば、レッドオーシャンさえも、
 ブルーオーシャンにすることができる。

 ジェイアイエヌ 代表取締役社長 田中仁氏

---

・BTFにより、経営者の教訓、体験談を、認知心理学として、
 科学的に分析できるところまでたどり着く可能性。

===

『DHRB 2015.8』

・ソリューション営業からチャレンジャー営業へのシフトも、中身は同じ。

===

「マネジメントは主婦の料理。今いるメンバーを最大限に生かす」
 
 森川亮氏 (日経ビジネスアソシエ 2015.11)

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2015年10月11日

研修講師向けの本

研修講師向けの本。


(・要約 ○関根の独り言)

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『研修・セミナー講師が企業・研修会社から選ばれる力』 原佳弘 2015

・先生業は、問題点や課題を周りから指摘されにくい立場。

・外部講師のメリット:
 1)問題点の客観視、第三者視点
 2)社内講師より、受講生が真摯に内容を受け取れる
 3)他社、他業界の事例など、刺激となる情報がある

・講師業では「誰が語るか」と「共感されること」が重要

・鮮度を維持する工夫が必要。

・閉鎖的チャネル。直接講師に依頼される仕事しか受けない。

○講師は、Mustで読むべき本。
 この業界で、生き残り、長く仕事を続けていく為に。

○「直接営業できる講師」の強みを再確認。

===

『研修講師養成講座』 真田茂人 2015

・受講者は、現実への応用を研究する研究員。講師は、研究支援者。

・講師にとって最も重要なスキルは「いかに受講者を巻き込むか」

・良貨は悪貨をひきあげる

・席がえのテクニック 意図的に見せないやり方

○このやり方まで書いている本は初めてかも。

・研修ビジネスは参入障壁は低いが、拡大が難しい。

・「ピン」と「研修会社」のハイブリッドがお勧め。

○ただ、研修会社と組めば組むほど、ピンはしづらくなる。
 (直接営業できる先が減ることと、営業活動に回す時間を取れなくなる)

===

『プロ研修講師の教える技術』 寺沢俊哉 2011

・教える際は、相手を「お客さん」にさせず、「参加者」に。

・教えるというのは、相手の人生の時間を奪う、罪深い行為。

・教え上手のレシピ

 1)タイトル 2)趣旨・理由 3)アフター 4)ビフォー
 5)環境 6)内容 7)ツール

○これいいね〜。研修企画も、これでできる。

・リハーサルに3倍時間をかける。

===

『誰でもまねできる人気講師のすごい教え方』 多田健次 2010

・「最初の一分」をとことん練習する。

・場を和ますだけでなく、場を引き締める努力も必要。
 「簡単行動」「こあせり」を活用。

・いい講義は、講師と生徒の共同作業によって作られる。

○講師初心者にお薦め。内容が具体的で丁寧。

===

2015年10月09日

2015年7月〜9月の活動

2015年10月9日(金)

お世話になっている皆さまにお送りした近況報告メールの一部です。

===

いつもお世話になっております。ラーンウェルの関根です。

三連休前の金曜日、いかがお過ごしでしょうか?


私のほうは、おかげさまで元気に過ごしております。

11月発売予定の書籍「オトナ相手の教え方」のゲラチェックの締切が
本日のため、バタバタしながら出版社の方とやり取りをしています。


さて、本日は、以前からお世話になっている皆さまと、最近ご縁を頂き
名刺交換をさせて頂いた方々に、近況報告も兼ねてメールをお送りいたします。

今回も長文ですので、お時間のあるときにご高覧頂けましたら幸いです。

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【前回の近況報告メール】

前回は、2015年7月3日(金)に、4月〜6月の活動についてご報告しました。

http://learn-well.com/blogsekine/2015/07/201546.html

お忙しい中ご返信下さった皆さん、ありがとうございました。

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【近況報告】


今回は、2015年7月〜9月の活動について、
ブログへのリンクを中心にご報告します。

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1.仕事


●自社セミナー「メンター制度構築のポイント」を実施

  http://www.learn-well.com/blogmanabi/2015/07/post_240.html

  (ご参加下さった皆さん、ありがとうございました!)


●お笑い芸人モクレンによる「リフレッシュ&リフレクション」

 「メンターの本音」
  http://www.learn-well.com/blogmanabi/2015/07/post_241.html


===

毎年、8月はインプットのために、研修を入れず、
あえて売上ゼロの状態を作っています。

(でもやっぱりゼロは、翌月の入金無しってことですから、きついですね(苦笑))


今年も「AOM」に参加したり、書籍(『大全』と『オトナ相手の教え方』)
を執筆したりと、充実した3か月となりました。


その分、研修日数は少なかったので、第3四半期の売上は、目標に対して
72.5%の達成でした。残念ですが、仕方ないです。

第4四半期(10月〜12月)は、今期の売上よりも、来期に向けての活動として、
お客様訪問に力を入れます。


=================================

2.研究


●書籍『人材開発研究大全』の2章を執筆

 東大の中原先生からのご依頼で「インテレクチャルな枕」としても使える
 分厚い本『大全』の2章を担当することになりました。

  http://www.nakahara-lab.net/blog/2015/06/post_2429.html

 「OJT指導員による新卒社員の組織社会化」
 「研修転移研究の現在」

 5月から書き始めて、9月末の締め切りに何とか間に合いました。
 これから修正が入ると思いますが、まずは一段落です。

 これまで学んできた研究知見や企業での実践をまとめることができました。
 他の方の章も含め、2016年3月の発売が楽しみな本です。


●東大「経営学習論 HRD」に参加

  http://learn-well.com/blogsekine/2015/07/hrd_2.html

●AOM(経営学会)2015年次大会@バンクーバーに参加

  http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/aom2015_1.html


=================================

3.地域


●ときがわ町「移住交流会」@神田フネ 

  http://tokigawa-machi.seesaa.net/article/423453497.html

●第1回「ときがわスキマ旅」

  http://tokigawa-machi.seesaa.net/article/426837020.html

 (お陰さまで、好評だったので、第2回も続けて、11月末に開催します。
  http://tokigawa-machi.seesaa.net/article/427399889.html?1444357057 )


●ときがわファン倶楽部 (Facebookページ)

  https://www.facebook.com/tokigawaclub


●ときがわ町公民館運営審議会 委員会

  4月から町の「公民館の図書室」活用について検討する委員会に
  参加させてもらっています。

  少しでも町の方々(特に子育て世帯)にとって使いやすい場になるよう、
  行政の方と一緒に考えていけたらと思っています。


===

趣味の地域活動は、やっぱり楽しいですね〜。

関わる町の人たちは魅力的ですし、
東京からのユニークな人たちとの接点も増えてます。

ときがわ町を舞台に、多くの方と、
いろいろ面白いことをやっていきたいと思っています。


=================================

4.家族


●虫ゲット!

  http://tokigawa-machi.seesaa.net/article/422160936.html


●川遊びと防災講義

  http://tokigawa-machi.seesaa.net/article/422921900.html


●とうちゃんズ from 東京

  http://tokigawa-machi.seesaa.net/article/422998214.html


●子どもの職業体験@自社セミナー

  http://learn-well.com/blogsekine/2015/07/post_441.html


赤ちゃん(次男 7か月)のいる生活に、子どもたちもだいぶ慣れたようです。

長女(中1)は、やっぱり頼りになりますし、
次女(小4)は、お風呂上りに着替えさせたりしてくれます。

長男(年長)の扱いは荒っぽいですが、いい遊び相手になりそうです。


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【今後の主な予定】(10月〜12月)


●各社様での「OJT」「メンター」「マネジャー」向け研修


●ジム・カークパトリック氏「4段階評価法セミナー」に参加 10月22日〜23日

  http://www01.uhd.co.jp/kp-seminar/index.html


●「フィードバック研究会」@東大 10月29日&11月16日

  http://learn-well.com/blogsekine/2015/09/post_446.html


●新刊「オトナ相手の教え方」(クロスメディア・パブリッシング)

 6月から執筆していた「オトナ相手の教え方」が、
 11月上旬にいよいよ発売されます。

 出版社は、処女作『教え上手になる!』を出して下さった
 クロスメディアパブリッシングさんです。

  http://www.cm-publishing.co.jp/

 (小早川さん、中山さん、小泉さんをはじめとする皆さん、ありがとうございます!)

 10月31日ぐらいから、都内の大型書店に並び始めると思いますので、
 もし目にとまったら、ご購入を検討頂けましたら幸いです。

 現場OJTで苦労している教え手の方に読んでほしい本です。

 今までの「教え方」に関する本では、あまり触れられてこなかった部分に
 力を入れて書いています。


●研修開発ラボ@ダイヤモンド社

 11月26日(木)〜27日(金)9時30分〜17時30分

  https://jinzai.diamond.ne.jp/lab/


●第2回ときがわスキマ旅 11月29日(日)〜30日(月)

  http://tokigawa-machi.seesaa.net/article/427399889.html?1444357057

===

今年は、赤ちゃん(7か月)もいて大変なので、11月に2年続けて訪問していた
「アジア出張」は、いったん中止にしようと思います。

(Kさん、Sさんをはじめとする皆さん、今年はお邪魔できなくて、すみません。)

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【次回報告】

次回は、10〜12月の活動について12月下旬か1月上旬くらいに、
皆さん宛て近況報告メールをお送りできたらと考えています。

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以上です。長文にお付き合い下さりありがとうございました。

これからも時折こういったメールでの近況報告やご案内を送らせて
頂けましたら幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

2015年10月02日

ランチェスター経営 竹田先生のセミナー

2015年10月2日(金)13時30分〜16時45分@品川

パートナー講師のHaさんと一緒に、竹田陽一先生の
「ランチェスター経営セミナー」に参加してきました。

竹田先生の「ランチェスター弱者必勝の戦略」
を、会社員時代に読んで以来、

営業として、経営者としてよりどころにしてきたのは、
ランチェスター弱者の戦略でした。

(ランチェスター関連の本
  http://learn-well.com/blogsekine/2013/06/post_386.html )


2005年、独立した年に、NPOキープラネットさんの企画で
竹田先生のセミナーに初めて参加し、本にサインをしてもらいました。

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あれから10年、何とかやってこられたのも竹田先生をはじめ、
お世話になったお客様、ご支援下さった方々のお陰です。

そんな自身の経験と想いもあり、独立した方々には
ランチェスター戦略を勉強するよう薦めてきました。

それが、個人事業主や零細企業が生き残る為に不可欠だと思っているからです。

===

今日のセミナーでも、多くの学びがありました。

・純利益に相関があるのは、粗利益額と
 生産資産額(固定資産+棚卸資産÷人数)

・粗利が多くないと、純利益は大きくならない。
 (いくら経費の節約をしても限界がある)

・粗利益率(%)と、純利益の相関は低い。

・資金を使う社長ほど、リスクもあるので、よく勉強している。
 資金を使わない社長であれば、より戦略を勉強しないと。

・基礎研究を続けるべき。
 (弊社の場合は、文献の読み込み、まとめ、フィールドでの実践かな)

・お客、競合、仕入先、自社 の真ん中で経営を考える。

・目標があれば、長時間労働でも疲れない。
 資金繰りとか悩みがあると、社長はころっといく。

・お金を生まないものは、お金をかけない。

・集中するために、何かを捨てる。

・戦術=能率、戦略=効果

・競合よりも、お客様のことだけ考える。

・競合から何か言われ始めたら、勝っているということ。

・批判する人は、お客さまにはならない。

・気分良く話せる人を、お客様にすべき。自分の性格に合うかは大事。

===

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ランチェスターのロゴが入ったシャツを自慢する竹田先生。


今回も本にサインをしてもらいました。

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今回のセミナーは『The Lanchester Strategy for Management』
出版記念も兼ねてのものでした。

このランチェスター英語版は、海外の小企業経営者にとって、
貴重な一冊になると思います。

竹田先生もおっしゃっていましたが、海外(主にアメリカ)のビジネス書は、
大企業向けが中心です。

SMEs(Small and Medium sized Enterprises)という分野はありますが、
 https://en.wikipedia.org/wiki/Small_and_medium-sized_enterprises

ほとんど実態は分かっていないのが現状のようです。

(参考:東大でのSMEs(中小企業)のHRMに関する研究会
 http://learn-well.com/blogsekine/2015/06/hrm.html )


あえて、海外のビジネス書で「小さい会社」向けの本をあげるとしたら

『Small Giants』
『隠れたチャンピオン企業』
『良い戦略、悪い戦略』
http://learn-well.com/blogsekine/2015/10/post_447.html

あとは、
『フォーカス』A.ライズ
『ポジショニング戦略』A.ライズ、J.トラウト
『リ・ポジショニング戦略』J.トラウト
『トレードオフ』K.メイニー
『本業再強化の戦略』C.ズック、J.アレン
『コア事業進化論』C.ズック

ぐらいでしょうか。


今回、英語版が出たことで、ランチェスター氏の故郷、イギリスから
ヨーロッパ全域、そしてアメリカ圏へ、ランチェスター戦略の考え方が
広がることを願います。

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竹田先生、ありがとうございました。


(一緒に参加したパートナー講師 林さんのブログ
 http://blog.livedoor.jp/kensyuhayashi/archives/1041689805.html )

海外の「小さい会社」向け経営本

ランチェスター戦略の匂いがする海外の経営本。

『Small Giants 事業拡大以上の価値を見出した14の企業』
  B.バーリンガム 2008年

・営利的な目的に加えて、別の非営利的な優先事項をもっている。
 
 その仕事で優れた存在になること、働きやすい環境を作ること、
 顧客にサービスを提供し、サプライヤーと優れた関係性を築くこと、
 生活とビジネスを置く地域に貢献し、自分の生き方に結びつく優れた道を
 見つけること。

 このような目的にも興味を持つ企業を「小さな巨人」と呼ぶ。

・注目した企業は、いずれも「人間的な規模」のサイズで経営。
 組織内の全員が互いに知りあい、CEOが新入社員の面接に当たることができる
 ぐらいのサイズ。

・株式非公開を維持し、成長以外の目標を設置することを選んだ場合、
 見返りに「コントロール」と「時間」が得られる。この二つの組み合わせ
 は「自由」を手にするに等しい。

○これ!これを得たいがために、独立して小規模にとどめているのかも。
 もちろん、大規模にするだけの能力がないのもあるけど。

・小さくても一流で、収益性のあるビジネスを行うことはできる。
 事業を拡大しないという決断。

・あえて他が選ばないような道を選べば、絶大な見返りが得られるかも。

・優れた企業には、優れた人材が必要だが、彼らに成長の余地を与えなければ
 人材を惹きつけることもできないし、維持することもできない。

・従業員のための新たな機会を創出しつつ、社風を維持するという
 「管理された拡大」を行うことが解決策となる。

・必死になって規模の小ささを維持。

・顧客との距離が近いビジネスでなくなると、その会社は次第に勢いを失う

・社風が見込み客の目にも魅力的に映る。

・SGは、いずれも顧客密着型の企業。

・企業、従業員、顧客、業者の間での「持ちつ持たれつの感覚」
 1)一貫した誠実さ 2)プロ意識 3)人間的な結びつき 

・企業人生のどこかで、成長を追求したいという強い誘惑を感じるはず。

 成長は「退屈」を紛らわす。
 薄れ始めた興奮を取り戻すために「成長」したくなる。

 SGは、その落とし穴を回避。彼らを救っているのは「情熱」。

・ドイツのミッテルシュタント(中小企業)は、ドイツ経済のバックボーン


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『隠れたチャンピオン企業』 H.サイモン 2009年

・ドイツの中堅企業と日本のそれとの違いは「直販」

・日本の輸出実績を上げる為にすべきことは、大企業ではなく、
 中堅企業を成長させること。

・経営陣の世間的な注目度が低いほど、その企業は長期的に成功する。
・無名のままでいる努力
・メディアに取り上げられないことで、自社の事業に専念しやすい。

・大変の隠れたチャンピオンは、市場や顧客の間で、非常に強いブランド名を
 確立している。

・ビジョンには裏付けが必要。市場、財務、従業員、経営能力などの手段を
 検証。この宿題が終わった後で、ようやく野心的なビジョンを発表できる

・市場は狭く。バリューチェーンを深く。
・狭く定義した市場で、包括的で深い製品群を提供することに専念。

・自社が重要人物になれるニッチ市場を支配する。

・特化して隠れた存在となり、市場を小さく保とうする。

・製品と顧客に関してシンプルな構造をとる。

・隠れたチャンピオン企業は、集中とグローバル志向を結び付けている
・戦略の柱 1)狭く絞り込む集中 2)グローバルMktg
・狭いニッチ市場に集中し、世界中に展開。

・狭い市場でさえも、グローバル規模ではかなりのボリュームになる

・品質に関して最も要求が厳しい顧客がいるのは、ドイツ語圏と日本。

・顧客と極めて近しい関係。直販中心。
・隠れたチャンピオンの顧客は非常に要求が多い。

・最も重要で、最も要求の厳しい顧客を惹きつけ維持することによって、
 企業は初めて世界市場のリーダーとなれる

・顧客ニーズと自社の能力が組み合わさってのイノベーション

・最も模倣しにくく、最も持続性のある競争優位は、従業員の資質や
 価値システムに根差したもの

・隠れたチャンピオンにとって、最もチャンスがあるのは、特定大学に
 採用を集中させること。

・隠れたチャンピオンの経営者は、基本的価値観では権威型、実行面では
 協調型のスタイルをとっている

・顧客との顕密な関係は、自動的に競争優位となる。最高の顧客は、
 業績を上げるための推進力となる。

・日本のグローバル企業の候補は、消費財と医療サービス。

・隠れたチャンピオンになるためには、ターゲットに向かって首尾一貫した
 方法で、持久力をもちつつ、小さなことを少しだけ上手く行い、それを
 たくさん積み重ねていけばよい。

○市場を狭く定義し、深く商品、サービスを提供する。
 「あの分野に関しては、LWが一番、商品、サービスが充実している」

 顧客と直接接し、厳しい要求に応えていく。
 「LWはうちの会社のことを一番よくわかってくれ、要望に対応してくれる」

 こういう評価をお客様から頂けるよう頑張ろう。

 グローバルに展開するかはわからないけど、アジアには広げていきたいな。

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『良い戦略、悪い戦略』 R.P.ルメルト 2012

・良い戦略は、単純かつ明快。

・打つ手の効果が一気に高まるようなポイントを見極め、
 そこに狙いを絞り、手持ちのリソースと行動を集中する。

・リーダーの仕事は、効果的にがんばれる状況を
 作り出すことであり、努力する価値のある戦略を立てること。

・ポジティブシンキングの源流は、プロテスタント流の
 個人主義にある。

・足場を固めて選択肢を増やす。

・これと決めたことを長期にわたり一貫してやり続ける。
  それが容易にまねのできないリソースを築き上げる。

・同じ業界にいながら違うルールでゲームする。

・持続的な成功を収めている企業には、まずだいたいは
  良い戦略がある。

・戦略の要諦はフォーカスにあるが、多くの大企業は、
  リソースをフォーカスできない。

・どんなとき、どんなところで優位にたてるのか。

・変化のうねりがやってくるときには、戦略がものをいう。

・戦略とは、仮説である。

・バーチャル賢人会議。師匠ならこんなときどう言うだろうか。

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あとは、

『フォーカス』A.ライズ
『ポジショニング戦略』A.ライズ、J.トラウト
『リ・ポジショニング戦略』J.トラウト
『トレードオフ』K.メイニー
『本業再強化の戦略』C.ズック、J.アレン
『コア事業進化論』C.ズック

ぐらいでしょうか。

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