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2016年02月18日

「The Leadership Capital Index」読書会@立教大

2016年2月18日(木)9時〜17時20分@立教大

「The Leadership Capital Index」読書会に参加してきました。

D.ウルリッチさんの本です。
(『MBAの人材戦略』が有名ですね)

私の理解の範囲で、ポイントだけ書き記しておきます。

(・要約 −研究会で出た意見 ○関根の独り言)

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『リーダーシップ資本指数』

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0.イントロダクション

・リーダーシップを投資家の観点から見る。

・投資に値するかどうかの判断:財務、無形資産、リーダーシップ

・この本は、まだヴァージョン1のたたき台。

−リーダーシップは、個人的要素への着目が多い。
 組織的要素という観点は面白い。

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1章

・投資家はリーダーシップの重要性はわかっているが、
 リーダーシップの全体像をとらえてはいない。

・「船に生じた穴」=お粗末なリーダーシップ

・HRは「投資家たちに、自社のリーダーシップ品質について
 何を認識してもらいたいか?」ということは考えたことが無い

○これ新しいよな〜。HRはCレベルに対して働きかけよ、
 だけでなく、その向こうの投資家も視野に入れる。

・Index は Standard とは異なる。
 スタンダードは、何を期待されているかを定義。
 インデックスは、活動がどの程度効果的に実施されるかを評点。

・リーダーの内面を見るだけでは、効果的なリーダーシップは
 定義できない。

・投資家が評価する際の自信:会社業績、業績好感性、
 リーダーシップの品質。

 リーダーシップの品質は、定義、測定、追跡が難しいと
 投資家は感じている。

−スタンダード(〜できる)とインデックスの違いが
 よく分からない

 ビッグマック指数を見れば、生活水準が分かる。
 それがインデックス。何を見ればよいか。

−リーダーシップをどう評価するか?
  成果を挙げればよいのか?
  違うリーダーシップの形(フォロワーシップ)を評価するのか?

−計画時は、横のリーダーシップ。実行時は、縦のリーダーシップ

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2章

・目指すはガイドライン
 (「リーダーはかくあるべき」という理想像ではない)

・Leadership Capital Index(LCI)

 個人的要素 5つ

 組織的要素 5つ

・LCIが確立されることで得られるメリット:
  リスク回避、ガバナンス確立、CSR、評判

・トリプルボトムライン:Profit, People, Planet

−LCIの妥当性をどう評価するか?

 LCIで投資判断をして、どの程度、成果につながるか?
 予測の妥当性。

 因子分析をして、10要因に分かれるのか?
 ウルリッチさんの頭の中だけの話では。

 10の要素の相対的重要性をどう評価するか?
 重みが違うのでは。業者や文化によっても違うのでは。

−このLCIがどう作られたのかのプロセスがわからない。
 投資家に話を聞き、10要因だして、経営学者に尋ねたぐらい。

−ウルリッチさんが書いた本だから許されるのかも。

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3章 個人の技量

・投資家は、性格がよく健康なリーダーを望んでいる。

・リーダーの個人的技量
 1)過去:経験とパフォーマンス
 2)身体的:風采と活気
 3)感情的:一致性と幸福
 4)社会的:他者を増やし協働する
 5)知的活動:学習の機敏さ、回復力と気骨
 6)モラル:価値観と倫理的判断

・成功しているリーダーは、5:1で、ポジティブ、ネガティブな
 コメントをしている。

−「私はこう思う」というIメッセージと
 「私達は〜」というWeメッセージを使い分ける。

−学術書ではないという位置づけなのかも。

−リーダーとしての過去の実績は、やはり重要。例:王監督の事例

−リーダー達=経営陣

−考え方がアメリカ的。「いい人に見られたい」
 だから、5:1なのかも。

 アメリカ人は「間接的なネガティブフィードバック」を行う。
 フランス人は「直接的なネガティブフィードバック」

−実務的には、リーダーの健康は、やはり大事。
 それをきちんと示してくれるのはありがたい。

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4章 戦略熟達

・関根が和訳を担当。 

 レジュメを見る

・リーダーの戦略熟達
 1)全体的戦略アプローチをもつ
 2)外的要因の理解
 3)未来に向けて独自の位置づけを作る
 4)抱負を行動に変える
 5)従業員と関わりコミュニケートする
 6)戦略プロセスを管理する

−投資家が、企業に訪問して、質問するのは大変そう。
 ベンチャーキャピタリストならできそう。

−トレーダーは、その会社の本質的価値を見て、
 それが市場から評価されて無い(安い)と見たとき、買う。

−小さい会社の経営者は、戦略を立てられないと、つぶれる。
 軍師に任せていたらダメ。

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5章 遂行力

・投資家は、物事を成し遂げるリーダーを求めている。

・リーダーの遂行力
 1)遂行のためのニーズを認識し、創造すること
 2)優先順位に焦点を合わせる
 3)明確な責任を確保する
 4)意思決定とガバナンスを管理する
 5)コミットメントを得るために他者に影響を与える
 6)迅速に適応する

−シリコンバレー的なベンチャー企業を想定していそう。

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6章 人々

1)前向きな考え方と行動のパターン
2)人々を知り信頼する
3)継承の問題に取り組む
4)コーチ、そしてメンターとして
5)優れたコミュニケーションをとる
6)チームを理解し活用する

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7章 リーダーシップ・ブランド

・リーダーシップブランド
 1)顧客適合
 2)戦略適合
 3)ライフサイクル適合
 4)コミュニティ適合
 5)価値適合

−段階によってリーダーシップのとり方は違うという前提

−個人創業者の「着想」が第1段階、
 第5段階の「成熟」で創業者の退任

−これから伸びる会社を見分ける指標になるのかも。

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8章 文化

・文化が大事なのは分かっているが、どう定義し評価すればよいのか
 五里霧中状態。

・文化
 1)ステージ1:ケイパビリティー構築の必要性を認識しているか
 2)ステージ2:ケイパビリティー構築の優先順位を整理しているか
 3)ステージ3:顧客から見たブランドが企業の認識と合致するか
 4)組織内で大切にすべき文化が伝わっているか
 5)従業員の日々の行動が組織文化と合致しているか
 6)組織の業務プロセスが組織文化と合致しているか

−PERが高いなら、市場から文化が評価されていると判断するのは
 乱暴では。

−企業が考える文化(例:ものづくり、職人技へのこだわり)が、
 顧客の期待とずれている場合もありそう。

−変化と顧客志向を是とする「USAバイアス」があるのでは。
 継続性、従業員満足といった対立概念の観点も必要では。
 例)伊那食品工業

−「組織文化が良いと、業績があがる culture → performance」
 「業績が良いから、文化が良くなる performance → culture」
 の可能性もあるのでは。

 Actor-Partner-Interdependence Model (APIM)で、
 相関と因果の違いを見ることができるかも。

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9章 タレントマネジメントプロセス

・関根が和訳。

 レジュメを見る

−アメリカだと、ポジションがあり、人を採用する。

 例)アナリスト いきなり座らせて、SPSS入っているから
         あとは仕事やってね。

−アメリカだといつ仕事に必要な知識、スキルを身につけるのか?
 高等教育(大学)が主。

−Job description 書かれている仕事しかしない。

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10章 パフォーマンス・アカウンタビリティ・プロセス

・パフォーマンス・アカウンタビリティ・プロセス
 1)アカウンタビリティに対する全体的なコミットメント
 2)アカウンタビリティに関する積極的な会話
 3)パフォーマンスを識別する明確な基準
 4)結果にリンクした基準
 5)行動を駆動する報酬システム
 6)パフォーマンスのフォローアップ

−自分が投資できないので、ちょっと距離が遠いかも。

−就職活動中の学生も、こういうメタな情報を知ると
 参考になるかも。

−会話を測定する(例:日立のカード)

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11章 インフォメーション・プロセス

・インフォメーションプロセス
 1)情報に対するコミットメントの維持
 2)パズル解決のための情報活用
 3)謎解きに必要な情報活用
 4)情報の透明な普及
 5)意思決定のための情報活用
 6)境界を越える情報の流れ

・「パズル解決のための情報」と「謎解きのための情報」

−「正しい情報」というより「結果、正しかった」というほうが
 よいのかも。

−元リクルートの藤原さん「ジグソーパズル」「レゴ」

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12章 ワーク・プロセス

・ワークプロセス
 1)パラドックスによるマネジメント
 2)内部−外部
 3)個人的−協働的
 4)集中−分散
 5)固定−柔軟
 6)協働的な職場の創造

・できるリーダーは、パラドックスを認め、向き合う。

・ヒエラルキーの強い組織は、ネットワークされた組織に
 とってかわられるだろう。

−どうやってこういう情報を得ればよいのか。

−内部志向であることを、認めたくない。

−パラドックスがあることに、気づけるかというメタ認知。
 気づいて、自分をコントロールする。

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13章 リーダーシップ資本指標の活用と関連性


・図13.2


・LCIは、4つの方法から導き出された:
  観察、インタビュー、行為と行動、サーベイとレポート

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14章 Q&Aセッション

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●感想

−幅広く網羅されている。
 リーダーシップとは何かが逆に分からなくなるかも。
−研究として「つっこまビリティー」が高い本。刺激を与える出発点となる。
 ルーブリックとして参照できる。
−看護だと投資家というのはかなり遠い存在。
−投資家目線で考えるという発想はなかった。
 リーダーシップも「答えが無い」問いなのかも。
−良い会社とはどういう会社かについてかかれた本。
 リーダーシップを定義していないのが、最大のつっこみ点。
−学校の評価にも参考になる点があった。

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企画、運営して下さった武蔵大学の森永先生、ありがとうございました。

2016年02月14日

「紙芝居」本

小学校の読み聞かせで、去年の秋ぐらいから
はまっている「紙芝居」。

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こんなに色々本が出てたんですね。

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『紙芝居の演じ方 Q&A』

・2つの型:物語完結型と観客参加型

・「マイ紙芝居」を「マイ舞台」で。

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『演じてみよう つくってみよう 紙芝居』

・紙芝居は読むのではなく演じる。

・舞台の最大効果は、小さな額縁の中に、小さな
 世界が創り出されること。

・芝居をするのは、読み手ではなく、絵。

・「穴あき紙芝居」

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『紙しばい だいすき』

・演じ手の自己顕示のために、紙芝居があるのではない

・大げさに演じるより、むしろ自然に心をこめて
 演じれば、充分その世界が観客に届くのが紙芝居。

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『紙芝居 演じ方のコツと基礎理論のテキスト』

・演じ方の基本:声、間、ぬき

・ドラマツルギー(劇作法)として
 世阿弥の「序破急」を紙芝居に応用

・「左に抜かれる」ことを前提にした絵

・紙芝居が世に現れたのは、1930年。

・紙芝居は、子どもの心の展開のテンポに合っている

・「上からゆくな。下からゆくな。対等にいけ。」

・紙芝居演者の人格が端的に出ることを注意すべき。

・紙芝居は、誰かにしてもらわないと楽しめない。

・演じる人の声の中に、子ども達はその人のぬくもり
 を感じる。

・演者は上手下手じゃない。いかに話術があろうとも
 温かい心を失っている人はだめ。

・名古屋柳城短期大学の「紙芝居ネット」
 http://www.kamishibai.net/

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『紙芝居を演じる』

・ゆっくりしたリズムは、子どもが本来もっている
 心や身体のリズムに合っている。

・紙芝居は、演じてはじめて完結するという特性を持つ

・終わり方を大切に(最初の画面に戻さない)

・世界に広がるKAMISHIBAI

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『新・紙芝居全科〜小さな紙芝居の大きな世界』

・映像文化と活字文化の中間文化としての紙芝居

・街頭紙芝居は、子どもが世間の現実を知る
 「のぞき眼鏡」だった。

・成田山貞照寺は、お寺そのものが紙芝居。

・声色は不要。

・紙芝居文化の会
 http://www.geocities.jp/kamishibai/

===

『紙芝居 街角のメディア』

・アメリカは日本占領当初から紙芝居の存在に驚き
 それをKamishibaiと呼んでいた。

・街頭紙芝居は、受け手の反応が短時間に計測できる
 メディアであった。双方向性が鋭く行きかうメディア

・演じ手と観客が一体化しやすい双方向性、対面性の
 構造をもつメディア。

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『紙芝居がやってきた!』

・路地裏の劇場+動く駄菓子屋=紙芝居

・ビンボーとお気楽が裏表になった紙芝居屋

・紙芝居の全体像

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・紙芝居は「人生のキズ」を垣間見せる。
 俗悪だから面白い。

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『おすすめ紙芝居 400冊 こんなときはこの紙芝居を』

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○紙芝居、はまります。


2016年02月08日

コーチング&リーダーシップ開発研究会

2016年2月8日(月)10時〜17時@東大
コーチング&リーダーシップ開発研究会△鮗損棔

今回は自分の担当文献が無いので気楽です。
第2回目の今回も、10本の文献を共有します。

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(・要約 - 研究会で出た意見)

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Executive Coaching: A comprehensive review of the literature

 S. Kampa-Kokesch & M.Anderson (2001)

・エグゼクティブコーチングに関する研究の批判的レビュー。

−60年代末〜70年代初頭「人間性回復運動」と、そのメッカで
 あった米国西海岸のエスリン研究所が果たした役割について
 あまり触れられていない。http://tinyurl.com/gwu52jd
−ヒッピー文化とコーチングの関係
−自分は「そのルーツとは違う」と言いたいコーチもいる
−エグゼクティブコーチは「口が堅くて、聞いてくれて、話もできる」
 そういう人は、銀座のバーのママのよう。
−「弱みをさらけ出せる人が身近にいない」というのが欧米では。
−宗教がもっていた「ざんげを受ける」という機能が
 セラピーや心理療法になっている?
−依頼主であるスポンサーの目線が、Exコーチングにはある。
 それが「人間性回復運動」との違いかも。

===

An investigation of personal learning in mentoring relationships:
content, antecedents, and consequences

M. Lankau & T. Scandura (2002)

・メンタリング関係を測定する尺度を開発。
・メンターの存在とメンター機能は、個人的学習、職務満足、役割あいまいさ、
 離職意志の先行要因となり、離職意志は個人的学習の結果要因であった。

・メンターによる精神支援は、プロティジェの学習に相関がない。

−日本でコーチングが広まりだしたのは、2003年に「クローズアップ現代」
 で、日産自動車で全管理職向けにコーチング研修が行われていると
 放送されたことが一つのきっかけ。
 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_1788.html
−精神支援は、メンターではなく、上司に期待したい。
−誰がメンターになるとよいのか?
 属性が近い人(共通点がある)が良いという研究もある。
 関係性が作りやすい為。

===

Psychological safety and learning behavior in work teams

A. Edmondson (1999)

・製造業での51の職務チームを調査。
・「チームの心理的安全」が、学習行動に関係していたが、
 「チーム効力感」は関係していなかった。

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−文脈的サポートは、組織の風通しの良さや情報共有の度合をさしている
−この文献は、元々組織学習研究から。個人と組織の間の「チーム」を
 分析単位とし、量的調査を行ったのが、この研究の独自性。
−生存不安を高めて、学習不安を低めることで、学習を促進する。
 「このままじゃ死ぬよ」「でもお前なら学べるよ」と。
−日本では表だって、面子をつぶさない代わりに、裏で根回しをする。
−欧米では「人に対して弱みを出すことに抵抗がある」
 だから「心理的安全」が必要。
−職場≠チーム 双方とも定義は「目的が共有され」「対人相互作用あり」
−「もち型」組織=職場 「おにぎり型」組織=チーム
  http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakaharajun/20160209-00054241/
−今は「ピラフ型」組織が増えているかも
−チームに「なっていく」

===

The impact of managerial coaching on learning outcomes
within team context: an analysis

M. Hagen & M. Aguilar (2012)

・プロジェクトの困難さが、チームリーダーの学習成果に最も影響を
 及ぼしていた。

・コーチングの専門技術と、チームエンパワーメントは、メンバーの
 学習成果に最も効果を示した。

・210のシックスシグマチームのメンバー(212名)と
 リーダー(167名)からデータ収集。

−「学んだぞ」と本人が知覚したかどうかを聞いている
−交互作用もありそう。
−Managerial coachingは、日本だと新しさを感じない。
 コーチングによって、部下が学んだといわれても、当たり前のような。
 日本では、一応部下育成も仕事に含まれている。
 アメリカだと部下育成という観点が無いのか?
−Managerial coachingやDevelopmental coachingは、
 「素人(現場の上司)」が行うコーチング
−コーチングの専門家は、コーチングには専門技術が必要で、
 プロフェッショナルであると言いたい。
−アメリカでは、部下の精神疾患をケアする期間を短くする
 目的でコーチングが導入されたという背景もある。
−資格をもっているコーチとそうでないコーチがいる。
 当然、資格を持っている人たちは、それをアピールしたい。
−「俺は独自だ!」と言っているコーチングも、
 「一言でいえば、問いかけることでの学習支援」では。
−2005年の国際カンファランスでも「○○コーチング」が
 たくさんあったが、違いは分かりにくい。
−「ミートソース」「カルボナーラ」と言っても、皆「パスタ」

===

Leadership coaching, leader role-efficacy, and trust in subordinates.
A mixed methods study assessing leadership coaching as a leadership
development tool

G.Ladegard & S. Gjerde (2014)

・2期の探索的研究。6か月のコーチングプログラムを受けた群と受けない群。
・Leader role-efficacy(LRE)と、Leader's trust in subordinates(LTS)は、
 実験群ではあがった。LTSがあがると、離職意志は下がる。

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−リーダーの部下に対する信頼感が上がる理由は?なぜ
−権限委譲=部下への信頼 と捉えているのでは
−部下の離職意志が下がっているというのは、リーダーが
 「部下を信頼しよう」と思っているのは伝わっている。
−日本では、事業部長レベルから、コーチをつけることはあるかも。
−管理職に対するコーチング研修で、部下との関係性が改善される
 という結果は出ている。

===

A personal perspective on professional coaching and the development
of coaching psychology

A. Grant (2006)

・コーチング心理学は、行動科学の応用。
 最近では、学術分野の一つとなってきている。
・2000年にシドニー大学で、コーチング心理学の大学院課程が設置された。

−「コーチング心理学」は、一般的な言葉ではないかも。
−「日本支援対話学会」ではコーチングを学問的に研究 http://adsoj.org/
−「コーチングの全て」「コーチング心理学ハンドブック」という
 2つの本が出ている。
−psychologistだと、不必要に長い時間をかけているように感じられる
 という弊害はある
−Brief セラピーは、より短い期間で関わる。
−クライアントが選んでいるのでは。ビジネス的背景をもつコーチ、
 臨床心理士の背景をもつコーチ。
−心理学の中では「コーチング心理学」とは語られない。
 成人教育の中ならある。

===

The effect of a coaching education program on coaching efficacy

L. Malete & D. Feltz (2000)

・コーチングの有用性に対するコーチング教育の効果を、
 実験計画法(2×2 プレポス+統制・実験群)において測定。
・結果、コーチング教育によって教育されたコーチのほうが、
 有用性を高く評価した。コーチとしての自信がついた。

−コーチング準備教育のバラエティ。
−「動機付け面接 Motivational Interview」もコーチングに近い。
 重い腰をあげられない困難を抱えた人の支援法。
 ミラーが作った。これは資格にはしない。コミュニティーであると。
 (その流れ MINF http://infominf.wix.com/minf )
−国家が管理する(資格付与)のはおかしいのではないか、という
 カウンターカルチャーの側面もある。
−1980年代以降、コミュニティー型が、ビジネス型になってきた。
−資格で守るのか、アマチュアリズムで守っていくのか。
−コーチをどう育てるか?

===

Coach effectiveness training: a cognitive-behavioral approach to
enhancing relationship skills in youth sport coaches

R. Smith, F.Smoll, & B.Curtis (1979)

・リトルリーグのコーチたちが、
 トレーニングプログラムに参加した群(18名)
 と参加しなかった群(13名)に分けられた。

 参加したコーチのほうが、ガイドラインに則った行動が見られ、
 選手から高く評価され、選手はチームへの魅力度をより強く感じていた。

・自尊心の低い子供に対してのほうが、コーチのトレーニングの有無が
 影響していた。

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−自尊心の高低が影響するのは、社会人でもありそう。
−文化の影響は、大人になってからのほうが大きい。
−日本の少年野球のコーチは「怒りまくり」
 コーチング的に接してもらったことはない。
−この研究では「チームが強くなって無い。勝ててない」
−リクルーティングで強い選手を採るのもカギ。
−短期的には勝てても、長期的にはスポーツが嫌いになって 
 やめるケースもある。
−チームの発達段階によって、コーチのやることも違う。
−敵チームのコーチに文句を言わせることで、
 そのチームをバラバラにする。

===

Feedback orientation, feedback culture, and the longitudinal
performance management process

M. London & J. Smither (2002)

・フィードバックを長期的なパフォーマンスマネジメントのプロセスの一つとして
 理論化する。

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−多くの論文を引用し、自分の論点をサポートしようとしている。
ただ、相対する研究を出していないので妥当性は分からない。
−フィードバックは、個人、組織、時間の3要素を加味して検証すべき。
−研修により、コーチング的接し方を知る受講生が増えてくると、
 フィードバック文化も変わってくる。

===

The evaluation of two key leadership development program
components: leadership skills assessment and leadership mentoring

S. Solansky (2010)

・メンターが、コーチング的にふるまうことと、メンティーとの時間を
 とることが、メンティーがオープンに話すこととの間に、正の関係があった
・360度フィードバックの「他者評価」のほうが「自己評価」より高めに出た。

−メンタリングをすれば、同じ効果がでるわけではなく「コーチング的に
 ふるまう」「時間をしっかりとる」ことが大事。
−どんな経験であろうと、目標設定、フィードバック、ふり返りがあれば
 リーダーシッププログラムになるのでは。
 http://www.tate-lab.net/mt/2015/08/1461.html
−就職活動の面接では「自身のリーダーシップ経験を語れ」と言われる。
 実際、働き出すと、リーダーシップ発揮場面は限られる。
−「主体性」とは、会社に入って「主体的に空気を読め!」
 「リーダーシップ」も「リーダーシップを発揮して、言われたことをやれ!」

===

◎参加者の感想

−コーチングを外側から見る良い機会になっている。
−コーチングにヒッピーの流れがあったことが驚き。
−誰にコーチングされるかによっても違いそう。
−資格とコミュニティー。
−皆から意見を引き出すような文献の選び方が素晴らしい。
−企業内で受けた研修と大きく違っていた。
 コーチングの世界は広い。
−人を成長させるのは大変。
−何故コーチが必要になってきたのか、考えたい。
−コーチングは、語学学習と相性がよさそう。
−現場実践にどっぷり浸っているので、視野が広がる。
−全ての論文が「コーチングいいよね」になっている。
 「コーチングが上手くいかない事例」も見ていくべきでは。
−下々へのコーチングについても考えたい。
−コーチングは、WASP文化に反対するもの(カウンターカルチャー)
 と相性が良い。コーチングは「万年野党」
 資格としてきっちりまとめようとするのは、実は矛盾がある。

===

次回、第3回が最終回となります。

今回も素敵な参加者に恵まれ、意見交換も盛り上がっています。
最終回は、懇親会もあるので、そこでじっくり話せるのが楽しみです。

参加された皆さん、今回もありがとうございました!


(朝一番に会場に来て、セッティングをしてくれた斉藤さん、
 時間管理をきちっとしつつ、多様な意見を引き出してくれた舘野さん、
 今回もありがとうございました。)

===


中原先生のブログ 「コーチングとは一体「誰のもの」なのか?」
http://www.nakahara-lab.net/blog/2016/02/post_2556.html

2016年02月06日

「KJ法 研修」を受けてきました。

2016年2月6日(土)13時〜19時@京都


川喜田二郎先生の本を読んだことがきっかけで、
http://learn-well.com/blogsekine/2016/01/post_455.html

KJ法研修(個人1日体験コース)@霧芯館に参加してきました。
http://mushin-kan.jp/contents/globalnavi1183454164734.html

(・研修資料、講義内容 ○関根の独り言)

===

・野外科学=KJ法 

・データをして語らしめる。
 仮説発想であって、仮説検証ではない。統合であって、分析ではない。

・「KJ法を使って分析、分類」はない。

・大→小への分析をしない。 小→大への統合をする。

・主体→客体 上から目線で操作を加える。
 KJ法では、主体と客体が一緒にお風呂に入るような感じ。

・「自分というバイアス込みで、データに語らせたらこうなった」という
 言い方になる。

・取材学:探検ネットで、元ラベル(データ)を出し切る。
     多段ピックアップで、元ラベルを絞る。

・2R累積KJ法:判断、解決策

・個人KJ法と、グループKJ法はやり方が違う。

===

・狭義のKJ法:ラベル作り→グループ編成→図解化→文章化

1.ラベル作り

・1枚に一つの志(全体感を背景とした訴えかけ)

2.グループ編成(統合結果が10束以内になるまで繰り返す)

1)ラベル広げ 

・数回よく読む 分類しない

○裏がすべる紙のほうがやりやすい。ポストイットでは無理。

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2)ラベル集め 

・2~3枚 一匹狼可 ストーリー、因果にしない
 志が近いものをセットにする 

○勝手にストーリーを考えてしまう。分類しそうになる。

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3)表札づくり:核融合法

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▲ーワード(殺し文句)志を「自分はこう感じた」と示す
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・ストーリーを勝手に作らない。足し算にしない。概念的、包括的に
 まとめない。分類しない。自分の意見を主張しない。

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○この表札作りが難しい。2〜3枚を上手く包めるちょうど良い大きさ
 の文章が難しい。つい短くしすぎたり、一部のみカバーする内容に
 なってしまう。先生に指摘されながら何とか書いていく。

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 ここが苦しい。頭が痛くなる。

===

1段階目のグループ編成で、束が12になったので、10束以内になるよう
2段階目のグループ編成に入る。

○2段階目のほうが楽。少しずつ、塊になってくる嬉しさ。
 なんかだんだん見えてくる感じ。

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○でもここで時間切れ。6時間があっという間。疲れた〜。

 並べて構造化し、図解化した後、文章化は、宿題ということに。

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===

○KJ法は、やっぱり深い。

 研究手法として、統計を少し学んだ時のような感じ。
 生半可では身につかない。

 「ポストイットで書いたものを分類する」のはありだけど、
 それを「KJ法」と呼んではいけない。

 KJ法は「下から上へのボトムアップ」「仮説発想」「Abduction」
 「分析ではなく統合」「出た意見を整理する、分類の手法ではない」

 ということを改めて感じました。


 簡単には使えない手法だけど、俺は研究者ではないから
 KJ法を正確に使えるかということよりも、KJ法の考え方である

 「あがってくる声(元ラベルの訴え)に、謙虚に耳を傾ける」 
 「トップダウンで、上から目線で、勝手に分類しない」

 の2つを、まずは意識していくべ。

川喜田先生、ありがとうございました!

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===

余談:

京都での午前中、左京区にある「恵文社」という本屋に行ってきました。

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『街を変える小さな店』 堀部篤史 2013年
http://learn-well.com/blogsekine/2014/05/post_414.html

を読んで、行ってみたいなーと思っていたからです。


入ってすぐに、子供向けの本コーナーがありました。

関東の本屋では見かけない魅力的な本がたくさんあります。

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子供たちへのお土産に何冊か買って帰りました。


(本屋が無いときがわ町に、いつか本屋を創りたい、と
 密かに夢見ています。)

2016年02月05日

「研修開発ラボ 第6期」開催!

2016年2月4日(木)〜5日(金)@渋谷

ダイヤモンド社様主催「研修開発ラボ」 第6期が開催されました。

1日目、パートナー講師の鈴木さんと、参加者の期待を把握します。

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皆さんの「ラボへの期待」を、図にまとめてみます。

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なんとかこれらの期待に応えられるよう2日間を進めていきます。

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研修の効果測定に関しては、先日J.カークパトリックさんから
教わった内容も伝えます。

・Effective Training 効果的な研修 は、L1、L2で測る
・Training Effectiveness 研修の効果 は、L3、L4で測る

http://learn-well.com/blogsekine/2015/10/j4.html


夕方からの懇親会では「手作り」をコンセプトにした美味しい料理と
お酒、デトックスウォーター等が振舞われました。

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お酒も入ってリラックスした状態での「ダジャレPK戦」

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日本だじゃれ活用協会 代表理事でもある 鈴木さんの真骨頂です。
http://www.dajare-zukai.jp/

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2日目、2月に独立された元ソフトバンクの島村さんも参加。

講師ビジョン株式会社
http://blog.livedoor.jp/koushi_vision/

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「社内講師の養成」に関して、参加者からの疑問に答えます。


午前中、研修転移を促すための「研修前後の働きかけ:全体像」を
描きます。

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午後、全体像をふまえた上での「研修」1日間の内容設計に入ります。

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多くの方が、頭から湯気が出るくらい考えています。


その間「中原先生に聞きたいこと」という参加者からの質問に答えようと
資料を作っている中原先生。

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参加者からの全ての質問に答えきった中原先生。お疲れ様でした。

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最後のクロージングでは、ラボで学んだことを元に、

・現場で何をするのか(行動目標)

・でも、実際に現場に戻ると「やらないかもしれない」
 どんな障害がありそうか。それに対しての対策は?(逆戻り予防策)

を考えてもらいました。

今後はメーリングリストで「やると決めたこと、やってますか?」と
フォローしていきます(L3の確認)。


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今回も参加者に恵まれ、楽しい時間となりました。
皆さん、どうもありがとうございました。


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◎参加者から頂戴したメール

●Tさん

研修開発ラボでは貴重なお話を頂き、ありがとうございました。

研修企画という面だけではなく、
講師・事務局の皆様の立ち居振る舞いからも学ぶことが多く、
大変充実した2日間となりました。

タイミングよく明後日から2日間新入社員のフォローアップ研修が
ありますので、取り入れられるところから積極的に実践していきたい
と思います。

またお会い出来る機会を楽しみにしております。

(Tさん、ありがとうございます!)


●Tさんから、その後頂いたメール


昨日、一昨日と新入社員のフォローアップ研修をして参りました。

カリキュラムまでは変更出来なかったのですが、
改めて対象者分析とゴール設定を行い、
受講生に常に意識してもらえるよう前に貼り出しておきました。

研修中も折に触れてゴールを示していたところ、

研修後のアンケートで受講者から
「目指すべきところが明確で、非常にわかりやすかった」
との回答を頂きました。

また、弊社人事部長も非常に気に入ったようで、
「今後の研修では毎回この手法を使ってみよう!」
と申しておりました。

今回は部分的に取り入れてみましたが、
今後は企画の段階からしっかりと実施していきます。

研修開発ラボが改めて有意義な場であったことを実感し、
他の研修メンバーも次回は是非参加したいと熱望しております。

貴重な場を設けてくださり、改めて御礼申し上げます。

(Tさん、嬉しいご報告ありがとうございます!)

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●Mさん

先日は、ありがとうございました。2日間とても勉強になりました。

早速、昨日は社内に向け 『リマインド活動』 始めました。

メンバーの 行動変容 と 定着 に向けて頑張ります!

(Mさん、ありがとうございます!お互いがんばりましょう!)

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◎今後の日程

 第7期 2016年7月5日〜6日
 第8期 2016年10月6日〜7日
 第9期 2017年1月26日〜27日

「自分で研修を企画、設計したい」
「やりっぱなしにならないよう現場実践を支援したい」
「研修の効果測定や転移促進に関する学術知見を得たい」

という方は、ぜひ!ご参加ください。

中原先生をはじめとする講師4人態勢で、
バッチリ皆さんをサポートします。

https://jinzai.diamond.ne.jp/lab/