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2016年11月30日

2016年秋 東大授業「経営組織論」(6)職場・仕事

2016年11月30日(水)13時〜14時45分

東大授業「経営組織論」(6)職場・仕事 に参加。

『関わりあう職場のマネジメント』 鈴木(2013)

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(・印象に残った点の要約 ○関根の独り言 -授業で出た意見)
===

●序章

・「関わりあう職場」が、支援、勤勉、創意工夫を、職場メンバーに促す

●タマノイ酢の事例

・声のかけあいにより、仕事ぶりを把握する。
・助けられる側から、助ける側へと変わっていこうという意欲。
・導入研修で行動規範を伝え、ジョブローテーションで行動を引き出す。

・導入時研修で感じたこと(周囲の助けや仲間の存在が重要、
 努力次第でできるようになる)が、職場でも同様に感じれられる。

・職場に常にし仕事に慣れていない人がいるので、助けざるを得ない。

・ただ、こういう職場はかなりきついであろう。

●公共哲学

・コミュニタリアリズムでは、自由を多少制限しても、公共性を確保 
 したほうが善い社会であると考える。

 バランス良く社会的な美徳と個人の権利が維持されている社会。

・「下からの公共性」を念頭に置くコミュニティ
 閉鎖的ではなく、開放的なコミュニティ

・社会的絆が失われた状態では、自律的行動がかえって取れなくなる。

・滅私奉公と、滅公奉私は、両者とも公共性をかいている。

・公私二元論の限界は、公私の区別を明確につけることが難しいこと。

・公-公共-私の三元論による「活私開公」

・組織と個人の間に「職場(公共)」を置き、
 その職場をコミュニティ(関わりあう場)にする。

 参考:「公共哲学」本 http://learn-well.com/blogsekine/2016/11/post_480.html


○「民の公共」=「職場」というのは違うのでは?
  職場が「公共」とは、ちょっと考えにくい。

 なぜか?
 1)職場で影響力を持っているのが「個人」(直属長)だから
 2)職場では「公」の意識(世のため、人のため)を
   正直、持ちづらいから(それより数字)


●経営管理論

・コミットメント経営
  それが持つ欠点の一つは、画一性による組織の停滞

・HPWS High Performance Work System
 結果的に、高業績の経営管理(HPWS)とされたのは、従業員の
 コミットメントを高める経営管理手法であった。

  参考:「中小企業HRM勉強会」でも少しHPWSの文献あり。
      http://learn-well.com/blogsekine/2015/06/hrm.html 

・人的資本(Human Capital)
 社会関係資本(Social Capital)
 知的資本(Intellectual Capital)

 組織的社会関係資本(Organizational Social Capital)

・職場をマネジメントの中心におくことで、組織規模の大きさに
 影響されることなく、支援と勤勉、創意工夫のマネジメントが可能に。

●組織行動論

・職場における関わり合いの強さ:
 1)仕事の相互依存性 task interdependence
 2)目標の相互依存性

・支援と勤勉:自発的行動(OCB等)

・創意工夫:進取的行動 Proactive behavior

・何故人は組織の中で、自発的に他者を助け、勤勉に働くのか。
 1)見返りを得るため
 2)強い集団の価値やメンバーシップを持っているため
 3)印象操作、印象管理を狙うため

・仕事の相互依存性が高い職場では、OCBとPBが促進される。

 参考:OCB本
     http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/ocb.html
     http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/ocb_1.html

     AOM2013
     http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/aom_4commitmentocb.html


●分析

・基本仮説

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・階層線形モデリング(HLM)によるクロスレベル分析を行う。

・関わりあいの強い職場ほど、メンバーは「支援行動」「勤勉行動」
 「創意工夫行動」を良くしていた。

●終章

・職場でのマネジメント実践:
 1)相互依存的に個々の仕事を設計する
 2)個人の目標よりも、職場の目標を強調する

・職場において他者とかかわり、よい関係を作ることによって、
 職場の中で自分にできることは何かと考えるようになる。

・役割外行動は、コントロールできないが、マネジメントできる。
 促すものである。

・関わりあう職場マネジメントの重要点:
 1)人員の流動性を確保
 2)異論への寛容性 
  →職場を開放的なコミュニティに

○「人員の流動性」に関しては、マネジャーが異動することのほうが
  多いのでは。「落下傘マネジャー」

・関わりあう職場のネガティブな側面:
 1)監視社会、強制的組織、強いピアプレッシャー
 2)緩んだ共同体、甘えがまん延

・心情反射作用

 仲間に対する責任感。

 職場の仲間と関わりあいながら仕事をすることで、
 自分のできることを探し、行動を起こす。

===

●参考 鈴木先生の本

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 『組織と個人』(2002)
  http://learn-well.com/blogsekine/2009/11/post_301.html

 『自律する組織人』(2007)
  http://learn-well.com/blogsekine/2009/11/post_302.html

===


●中原先生のイントロダクション

−「職場」という中間概念は、経営学ではあまり着目されてこなかった。
  「個人」か「会社」という視点が多い。

−「職場」は訳しづらい。

−Workplaceは、どちらかというと物理的な場所のイメージ。
  Shokubaは、もっとウェットな感じ。

○参考:組織社会化研究では、職場での社会化を、
     Local socialization と呼んでいる。
     http://learn-well.com/blogsekine/2012/04/2012.html

−職場とは、目的を共有し、交流のある社会集団。

  職場とは、責任、目標、方針を共有し、仕事を達成する中で
  実質的な相互作用を行っている課、部、支店などの集団(中原2010)


●クラスでの意見交換

−オフィスの物理的環境も重要かも

−テレワーク、フリーアドレス(席を減らし、コスト削減)
  サテライトオフィス

−自己管理できる人でないと難しい。

−「頭は良いけど、部下がついてこないマネジャー」
  が陥りやすい罠

  →相互依存性・コミュニケーションをコストと見る

−コスト効率で考えると、それぞれの仕事を
  もれなくダブりなく割り振るのが良い。

  仕事の重なりがないよう、非相互依存的に、
  仕事と人をマッチングさせようとする。

−そうなると、M.ウェーバーの「官僚制」が最も
  効率性が良い「縦割」組織になる。

−ただ、上手く回らないのは、
 1)そのように、上手く仕事を割り切れない
 2)役割外行動が必要になる  
   (例:新人に仕事を教えなくてはならない
      ワーママが抜けた分をフォローしなくてはならない)
 3)新しい仕事が降ってくる から

−職場には、支援、勤勉、創意工夫という「光」の面と
  いじめ、ねたみ、反社会的行動といった「闇」の面もある。

  参考:Hazing and bullying in the socialization context @AOM2014
      http://learn-well.com/blogsekine/2014/08/aom_4_socialization_training.html

−マネジャーおろし、えこひいきに見える仕事の与え方、無視。

−そういう状態を起こさないためにも、
  上司の評価軸を伝える、期待をかける、意味づける、
  声をかける、マネジャーが観察する、暇を作らない等が必要では。

−「限られた思いやり」

  「会社は嫌いだけど、職場は好き。」という人はいても
  その逆は少ない。

  職場をヘルシーにすることが、一丁目一番地かも。

===


どうもありがとうございました。


●中原先生のブログ
  「バブル崩壊後、職場からいつの間にか失われた「TOO」とは何か?」
  http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/7152

2016年秋 東大中原ゼミ「Personnel Psychology」(3)

2016年11月30日(水)11時30分〜12時 中原ゼミ@東大に参加。

『The Oxford Handbook of Personnel Psychology』

Ch.15 Selection and Training for Adjustment and Adaptability

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(・要約 −ゼミでの意見)

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●文献要約

・Minnesota Theory of Work Adjustment ミネソタ仕事適応理論(TWA)

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・Adaptability適応力を、採用と教育が可能になる属性としてとらえる。

・Supplementary fit 補足的フィット Complementary fit 補完的フィット

・パフォーマンスの3種:
 1)Task performance タスクパフォーマンス
 2)Contextual performance コンテキストパフォーマンス(例:OCB)
 3)Adaptive performance 適応パフォーマンス

・採用研究により、認知能力がパフォーマンス(特にタスク)と強い相関を
 示すことが明らかになっている。

・Big5の「誠実さ」が、コンテキストパフォーマンスを予測。

・失敗を研修で使うことは効果的。

===

●ゼミでの意見交換

−Adaptive Learningは、例えば、Eラーニングで、
  その人に合わせて出題する問題を変えることもさす。

−経営学では、「適応」を最終指標としてとらえない。
  日本では当たり前のこと。職場に適応できない人はとらない。

−アメリカではJob descriptionの中での仕事になるので、
  そこに書かれていないことを、環境変化に「適応」して
  行うのは珍しいこと。

−だから「適応」も「パフォーマンス」としてとらえてよいのでは
  という文献。

−「仕事の現在の要求=Job description」に合わせる
  というマッチングは、Job-person fitという一対一の考え方。

−「将来の要求に応えられる人=適応できる人」
  変わっていける人を採用しようとするのは、日本では普通の考え方。
  (新卒のポテンシャル採用)

−「認知能力」が、タスク、適応パフォーマンスを予測、
  「誠実性」が、コンテキストパフォーマンスを予測、
  ということなら、どうやって、その二つを見極めて採用するか?

−ワークサンプル(やらせてみて)で判断

−議事録は、その人の理解力と概念化能力を見る上で参考になる

−論理的思考力は「要するに」「何故?」「例えば?」と問うことで
  ある程度見えてくる。

===


どうもありがとうございました。

「公共哲学」本

「公共哲学」本

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『社会とどうかかわるか―公共哲学からのヒント』 山脇(2008)

・社会とのゆがんだかかわり方=滅私奉公、滅公奉私
 社会との理想的なかかわり方=活私開公

・自分と身内や仲間の利益だけを追求する考え、行動、
 ライフスタイルを「滅公奉私」と呼ぶ。

・いじめは犯罪である。

・「君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず。」

・デューイが考えた学校は「絆のある生活」としての民主主義を、
 各自がコミュニケーションを通して学習し体得する場であった。

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『公共哲学とは何か』 山脇(2004)

・「滅公奉私と滅私奉公の共犯関係」

・公私二元論が、現代のリベラリズムが持つ思想

・「政府の公・民の公共・私的領域」の相関三元論

・石田梅岩は、商人を「天下の相(たすけ)」という公的な
 役割を担う「市井の臣」とみなした。

・「学会の業界化」 同業者仲間のピアレビューや、
 ネポティズム(縁者びいき)によって、学問が「私化」されていく。

・デューイの影響を受けた佐藤学の「学びの共同体論」

 対話的実践を組織化するため、チャイム、校内放送、
 全校集会、校長訓話、反省会など、学びに不必要なものを
 すべて廃止し、学校におけるカリキュラムと時間割の変更を必要とする。

・哲学の不在

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2016年11月24日

「経験学習とリーダーシップ」勉強会(2)

2016年11月24日(木) 初雪が舞う中、
東大で、「経験学習とリーダーシップ」勉強会(2)を開催しました。

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http://learn-well.com/blogsekine/2016/09/post_473.html

今回は、第3部、第4部です。

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『経験学習によるリーダーシップ開発:
米国CCLによる次世代リーダー育成のための実践事例』(2014)

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(・本の中で印象に残った部分の要約 −勉強会で出た意見)

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●第3部 人材育成制度 − 経験に基づく能力開発の設計


47〜51は、関根が担当。

レジュメを見る

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●クラスでの意見交換

-外資では、中途向けに、Newcomer welcomeプログラムをやっている所が多い
 ただ日本の新人導入教育の方がオンボーディングのノウハウは多いかも

-ストレス耐性をチェックし、下がっている場合は、マネジャーが支援

-事業部マネジャーの立場から見ると、こういう新リーダーの同化は
 やってほしい。

-自分の今までのマネジメントスタイルでは通用しないということに、
 なかなか気づけない。最初に気付かせたほうがよいかも。

-上司と部下の関係性をコーチが支援。

-キックオフの文化がある会社だと、新リーダーの同化はやりやすいかも

-上が変わったとき、部下は様子見をするので、停滞期間が生まれる。
 もったいないので、こういう新リーダー同化があってもよいのでは。

-コーチや講師がもっているノウハウが、この同化支援に役立つかも。

---

52.

・リーダーには他のリーダーを励ますコーチになってもらいたい。

・優秀なコーチは、内省に優れた人間。

53.

・最大の難題は、部下にふさわしい課題の見分け方。

・「適切な難問」であるかどうかを見極める質問:

 この課題を引き受ければ、部下はリーダーとして成長し続けるのに、
  必要な能力を高めることができるのか?

 この課題は、リーダーとしての部下の長所を活用できるのか?

 部下が最も意欲を示す課題は何か?

54.

・最も能力開発的な話し合いは、正式ルート以外で起きる。

・話し合いの組み立て方としての「GROWモデル」

55.

・業績管理とリーダーシップ開発は、切り離して考えられるものではない。
 二兎を追う文化を創る

・対立状態の解決に利用させる3つの方策:
 1)メタ(一つ上)の立場にたって、目的を探す
 2)一方を選び、他方の短所を減らす
 3)乗り越える提案を探す

56.

・業績管理制度は、リーダーにとって翌年度の業績目標と今後の課題に
 対処するために自己成長の方法を考えるのに適切な機会

・話しあいを二つに分けて行う。

・社員育成優先のために戦う者がいなければ、社員育成は業績によって
 完膚なきまでに打ち負かされてしまう。

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●クラスでの意見交換

-360度評価は、業績管理ではなく、育成目的に使っている企業が多い。

-360度を人事考課で使っている企業も少数ながらある。
 研究では、使わない方が良いという知見が多いが。

-360度をどういう意味、位置づけでやるか。

-目的は「能力開発」と言っても「結局、人事考課に使うんでしょ」と
 疑われるケースもある。

-数字はコントロールできるので「こんなのあてにならない」という
 不信感を持たれている場合もある

-職場評価が高すぎる場合も危うい。
 チームの仲が良くても、業績達成できてないところもある。

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57.

・教室外での学習を促進するトレーニング

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58.

・実際の経験をトレーニングに導入する


59.

・「学習-適用-指導」手法

・マイペースで学習を進められるワークブック。受講者は何度も読み込む。

60.

・相当な量の事前課題を仕上げてもらう。

・SNSで、オンラインプログラムでかけやすい「社会的学習」の内容を
 深める

・事前課題の利用を成功させる7つのヒント
 1)事前課題という言葉を使わない
 2)受講者に負担をかけない
 3)完成日程を提供する(解題が仕上がると期待されるペースを提示)
 4)開講初日にテストを実施
 5)事前課題の理由を伝える
 6)講義で事前課題の成果を利用する
 7)経過ではなく、結果に集中させる

61.

・経験は、2種類のリーダーシップ開発(ひらめきの促進と能力の開発)に
 きわめて有効。

62.

・メンターは、弟子のキャリアアップを支援する
 1)メンターが持つ組織内の影響力を用い弟子を出世させ、保護する
 2)ストレッチ課題、コーチング、フィードバックを与える
 3)個人的な支援や友情を与える

・メンタリングが組織内で起こらない理由

・プログラムの成果として、最終的に達成したい結果は何か

・プログラム受講者用の「出口戦略」を用意すべき。

・メンタリング計画の例:
 1)目標 
 2)予想される課題 & 課題に向けた事前計画
 3)メンターの責任 & 弟子の責任

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●クラスでの意見交換

-「70:20:10の法則」は、ロンバルド社が、200名に話を聞いた結果
 「だいたいこんな数字では」と提示したものなので、学術的裏付けはない

-日本企業の人材開発担当者に聞くと、経験が60〜90%の重要性と出る。
 新人だと、上司の%が高く出る。

-「ナナメの人」をつけるだけでは、メンター任せになってしまう。

-新人向けメンターは、離職防止等、心理社会的支援を期待。
 キャリア的機能のスポンサーまでは期待されていない。

-毎月1万円支給して、新人とメンターが食事に行くよう促している企業もある

-新人だけでなく、メンターを育成するコストもかかる。

-トータルにみると、メンターが育つことで、
 育成コストが下がる可能性はあるかも。

 マネジャーになる前に「他者指導経験」を積ませることで、
 マネジャーになってからの失敗可能性を減らす。

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---

63.

・外側から内側への話し合い

64.

65.

・グローバルビジネスは「適応を要する課題 Adaptive challenge」という
 本質がある。すなわち絶対確実な解決法など存在しない課題ということ。

66.


---

●クラスでの意見交換

-評価を「評価」と受け取ると、組織が止まる。
「改善点」と受け止めてほしいが。

-本書の事例はたいそうなものが多いので、導入しにくい。
 もう少し手軽に現場で導入できるものがあると。

-この項は「経験補充」系かも。第一部は「経験配分」系。
 企業の中の経験だけでは足りないので、経験を追加する。

-企業の中では、Actionは多いが、意図的なLearningが少ないのかも。
 会議等をうまくReflectionの場として使えれば、学びがありそう。

-「質問会議」は使えそう。

-就活という体験をふり返る

 参考:Active Transitionのワークショップ
     http://learn-well.com/blogsekine/2016/10/post_476.html

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13時〜14時 東大の学食で、皆さんと昼食。

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67.

・経営者や役員の地位数の15%を有能な後継候補者グループとして用意しておく

68.

・スターは、周囲よりも素早く指導的役割を習得する傾向がある。

・経験の幅と深さ

・多様な経験を早めに積むようにする

69.

・成功の分析結果を作成

70.

・「最高の仕事と最高の人たち」という手法
 新しいポストを求めている人々に空席ポストを橋渡しする役員参加の研修会

・必要な仕事を割り当てることで、有能な候補者を育成する

71.

・多文化女性(白人以外の女性)は、隠れた宝

---

●クラスでの意見交換

-日本は、人事異動、ローテーションが得意。
 経験はさせられるが、そこから学ばせることは不得手かも。

-良い経験と人材のマッチング

-ただ、マッチングがはたして正しかったのか評価するには、
 その後を追っていく必要があるのでは。

-マッチングが上手くいったのか、その職場の育成が良かったのかが
 見えにくい。

-人事が現場を知らないと、異動、ローテーションのタイミングはつかめない

-「誰が良質な経験が何かを把握しているのか」問題。


===

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===

●第4部 組織 − 経験に基づく能力開発を支えるもの

72.


73.

・「and組織」短期と長期をバランスさせた視点でフレキシブルな方法を
 使って結果をだし、実行力をもったリーダーを生み出す。

 「or組織」長期的なビジョンに対して短期の成果を狙うことで困難が
 生じてどっちつかずになり、結局短期も長期も目標達成できない。

・and型リーダーたちは、計画的に出会いが用意されている職場で能力を
 磨いていく。

74.

・2年以上継続している戦略は成功だとみなされる

・自発的OJDのための5つの設計要素
  戦略性、体系性、簡潔性、伝染性、継続性

75.

76.

・長続きする人事制度の成功要因
 1)組織 2)介入 3)介入リーダー

---

●クラスでの意見交換

-民間企業と学校組織に関して

---

77.

・「成長と仕事は別物」という考え方が染みついている

・日常業務の大半に自らを成長させる機会がある。
 見方を変えれば、日々の仕事は自己啓発に役立つ。

78.

・物語や引用は、感情レベルでリーダーに共感することができる

・キャンベルの「英雄の旅」

79.

・内部労働市場に着目し、学習の効果を見る

・キャリアに対する学習の影響力

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80.

・脱落 derailment

・脱落者の特徴
 1)対人関係の問題 2)チーム指導の難しさ
 3)変化や適応の難しさ 4)事業目的の未達 5)過剰な役割適応

・成功者
 1)業績 2)冷静沈着 3)過ちに対する処理 4)問題の追及
 5)対人関係のあり方

・出世が早すぎると、経験から学ぶ時間が足りなくなる

81.

・人事異動は、リーダーシップ開発手法の一つ。

・ただ、政府高官の異動を阻害する要因が多い。

82.

・人材エコシステム(生態系)

・社員をパートナーに出向させ、所属組織では味わえないような経験をさせる

・組織を越えて、育成機会に触れる

---

●クラスでの意見交換

-ストーリー(物語)を語ることで、自分の考え、感情が整理される
 ストーリーを聞くことで、聞き手は納得度が高まる

-過去の経験、体験談を、ストーリーとして語る

-ストーリーは、自分事、感情、細かい出来事も含まれる
 ストーリーの構成も大事。本人の等身大さが伝わるよう。

-誰が語るかにもよる。

-「しくじり先生」はかなり掘っているからこそ。


===

●結論

・「成長を加速させる方法」
  1)特別仕様(カスタマイゼーション)各人に合わせた内容
  2)統合(インテグレーション)仕事と学習の統合
  3)集中(コンセントレーション)集中して学習する期間

・個人が「経験からの学び方」を学ぶべき

・実務家や研究者がより協力すべき

・「70-20-10の法則」を気にする必要はない。
 経験からの学び方を、リーダーが学ぶことを手助けすることで、
 リーダーシップを開発すればよいのである。

===

●ふり返り

-EBD:日々の仕事こそ能力開発のチャンス。
 起業支援における経験と内省の重要性。

-「ふり返るな!」という組織風土。ふり返ることのうま味が感じられればやる。
 ふり返りが非効率に感じられる。先に進みたくなる。

-「成長につながる経験である」と意味づける重要性。

-「型破りモデル」は参考になった。
 アセスメント結果を評価だけでなく、内省に結び付けたい。
 内省に関して、ぐっとくるのがない。中村俊介の「サッカーノート」が
 一番ぐっと来た。一流スポーツ選手は多くが作っている。

-業績と学習の両立。
伸びる奴は、勝手に経験学習を回している。
等身大のエピソードだと、他者経験から学びやすい。

-「経験配分」「経験吸収」「経験補充」という分け方が参考になった。

-自己紹介でストーリーを語ることで、自分に向き合う

-コーチングは、リフレクションする機会をつくるもの。
 PDCAを回している企業なら、リフレクションもやっているのでは。

-生命感のあるリフレクション。ワークシートだといまいち。

-ActionとExperienceの違い
 グループでのリフレクションの効果もあるのでは。

-安心安全な場で経験を語ることで、個人だけでなく組織での学習につながる

-リーダーシップ開発が、何につながるのか。

-経験学習は「勝ちながら育てる」
 強みベースで試合に出す。我慢も必要。

 1)経験の仕分け(良い経験、いまいちの経験)
 2)いまいちの場合、経験の補充
 3)経験の配分
 4)経験の吸収

 ふり返りの仕方もいろいろあるのでは。
 一人反省系や他者との語りだけではなく。

 アカデミックな知見や事例もふり返りの材料になる。
 
 ふり返るには、目標も必要。
 経験学習モデルは、本人の目標があることが前提では。

 リーダーシップについては、いまいち分からなかった。

===

終了!

(進行役の立教大 舘野先生、今回もありがとうございました。)


終わった後は、東大農学部キャンパスにあるアブルボアで、
自由参加の懇親会を行いました。

皆さん、どうもありがとうございました!

===

●舘野先生のFB
   https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1106938346021880&set=a.175392995843091.33024.100001171746344&type=3&theater 

●菊地さんが教えて下さったサイト

70:20:10 The Right Ratio… or So We All Thought
http://www.ddiworld.com/DDI/media/trend-research/glf2014-findings/702010_glf2014_ddi.pdf

Is 70:20:10 Relevant Today? Or Are We Living in the Past? - Part 1
http://www.ddiworld.com/blog/tmi/march-2015/is-70-20-10-relevant-today-part-1

Is 70:20:10 Relevant Today? Or Are We Living in the Past? - Part 2
http://www.ddiworld.com/blog/tmi/march-2015/is-70-20-10-relevant-today-part-2

The Death of 70:20:10
http://www.ddiworld.com/blog/tmi/april-2015/the-death-of-70-20-10

『しくじり先生』制作陣が語る「過去のしくじりを“愛される話”にする方法」
http://next.rikunabi.com/journal/entry/20151125_1


●吉岡さんが教えて下さったサイト

 http://deakinprime.com/media/47821/002978_dpw_70-20-10wp_v01_fa.pdf


●菊地さんのブログ 「経験学習2.0構想」
  http://dkikuchi.net/%e5%ad%a6%e7%bf%92%e3%83%bb%e6%88%90%e9%95%b7%e7%90%86%e8%ab%96/%e3%80%8c%e7%b5%8c%e9%a8%93%e5%ad%a6%e7%bf%92%e3%82%92%e3%82%b3%e3%82%a2%e3%81%ab%e3%81%97%e3%81%9f%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%80%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%83%e3%83%97%e9%96%8b%e7%99%ba%e3%80%8d%e3%81%ab-2/

2016年11月23日

2016年秋 東大中原ゼミ「Personnel Psychology」(2)

『The Oxford Handbook of Personnel Psychology』

今回は、ときがわでの仕事がある関係で、ゼミは欠席。

(ゼミM2の斉藤さんに、議論の様子を教えて頂きました。
 斉藤さん、ありがとうございました。)


Ch.5 A Personality approach to Entrepreneurship

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(・要約 ○関根の独り言)

===

・パーソナリティー(個人特性)アプローチでは、個人レベルの違いに着目して
 起業家行動を説明する。

・パーソナリティーアプローチへの批判として、起業家は「特殊な社会集団」
 なので、一般的な性格特性では説明できないというものがある。

・本章で提案するフレームワーク

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・一般的性格特性(Big Five)
 「神経症傾向」「外向性」「開放性」「協調性」「誠実性」

 「誠実性」が起業家行動に対して、最も影響があった(Barrick & Mount 1991)

・特殊的性格特性
 「need for achievement 達成欲求」「risk taking リスクテイキング」
 起業家は、そうでない人に比べ、両方を高く持っている。

・モチベーション
 起業家はより活動的で、自主性があった。

・プロセスビュー
 起業家は起業プロセスの中で、変化する課題に対して異なる働きをする。

 事業化前、事業化中、事業化後の3つの段階で、起業家行動は違う。

・「誠実性」「達成欲求」「目標設定」等が、起業家行動に影響している。

●中原先生のFB
   https://www.facebook.com/jun.nakaharajp/posts/10210070464010933

●斉藤さんのブログ
 http://blog.livedoor.jp/mitsuhiro_saito_lab/archives/1062614120.html

===

○「conscientiousness 誠実性」が、起業家行動に影響するというのは納得。

 起業(事業化)=顧客の創造と維持 だとすると、お客さまから信頼を勝ち得、
 仕事を頂き、長く付き合ってもらうためにも、やっぱり「誠実性」が大事。

○組織を率いる経営者と、そうでない経営者の違いは多そう。

  (まず、俺ら零細企業は責任の範囲が、自分と家族、関係者ぐらいだけど、 
   組織を率いる経営者は、背負っている責任の範囲が、けた違い)

  ただ、組織を率いる経営者でも、創業経営者と違い、
  サラリーマン経営者の場合、その多くは起業家とはいいづらいのでは。

  起業家=事業を起こす人=顧客を創りだす だとしたら、
  サラリーマン経営者は、「他の人が、顧客を創りだすのを支援する人」かな?

  どっちかというと、マネージャー(Getting things done through others)に近い?

  だからこそ、研究の視点として、「プロセス」ビューは重要。
  組織の「段階」によって、経営者の行動には違いがありそう。

○自分自身が、起業し、事業を続けている中で、参考にしている本。

  「小さな会社の経営本」
   http://learn-well.com/blogsekine/cat65/cat39/cat94/ 

  

2016年11月15日

2016年秋 東大中原ゼミ「Personnel Psychology」(1)

2016年11月15日(火)午前中@東大

中原研OBとして、ゼミの英語文献輪読に参加させてもらいました。

(いつも無理を聞いて下さりありがとうございます)

今回は、『The Oxford Handbook of Personnel Psychology』です。(人事心理学)

IMG_7325.JPG

http://www.oxfordhandbooks.com/view/10.1093/oxfordhb/9780199234738.001.0001/oxfordhb-9780199234738

今回、第一回目は、私がレジュメ担当です。

「Advances in Training Evaluation Research 研修評価研究の進歩」を読みます。

レジュメを見る

ゼミでの意見交換の内容を差しさわりのない範囲で共有します。

===

-研修評価研究は、かなりやりきられた感がある。

-研修参加者のしゃべった言葉、リアルな語りは、否定できない。
 例「あの研修が、あとからじわじわっときいてきた」

-現場の言葉で伝える。インタビューでの発話。

-研修参加者から口コミが起こるような状態が理想。
 研修提供者側からいくら研修の良さを伝えても説得力はない。

-定量データの示し方は、「記述統計」「%」「棒グラフ」がよいかも。

-重回帰分析の結果を「ランキング」として示す。

-とった研修評価データが、何に使われているのか?

「研修評価データを、○○として活用している企業では、●●が向上」
 といった形で示せるとよいのでは。

-管理職研修の評価を何に置くか
「やばいマネジャーを減らす」なら示しやすいかも。

-研修への過度な期待を調整する必要はあるかも。


●中原先生のFB
https://www.facebook.com/jun.nakaharajp/posts/10210010628275077

●斉藤さんのブログ
http://blog.livedoor.jp/mitsuhiro_saito_lab/archives/1062457158.html

===

どうもありがとうございました。


次回は、「A personality approach to entrepreneurship」です。

起業に関するテーマということで楽しみです。


「経験学習とリーダーシップ」勉強会(1)

2016年11月14日(月)10時〜17時@東大で、
「経験学習とリーダーシップ」勉強会(1)を開催しました。

http://learn-well.com/blogsekine/2016/09/post_473.html

『経験学習によるリーダーシップ開発:
米国CCLによる次世代リーダー育成のための実践事例』(2014)

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(・本の中で印象に残った部分の要約 −勉強会で出た意見)

===

●まえがき

・人材開発分野では、リーダー育成の「70:20:10の法則」が注目されている。
 これは、育成効果の70%は仕事経験、20%は他者との関係(薫陶)、残りの
 10%は研修によるというものである。

 この法則はあるコンサルティング企業(Lombardo & Eichinger 1996)によって
 得られた知見であり、今では一般的な法則として利用されている。

・追加調査の結果、「70:20:10の法則」は万能ではなかった。
 (他人との関係や修羅場の経験は、始めの調査よりスコアが高かった)

・本書は、実際の活用事例を収集。実務に使えるケースを伝えるようにした。

===

今回は、16名の方々(研究者、教員、事業部マネジャー、コーチ、研修講師、
研修プログラム開発者、人材開発担当等)にご参加頂きました。

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===

●第1部 成長を促す経験 −より多くの人に、より意図的に

1.

・Frame braking型破りモデルの5ステップ

2.

・LEIというツールを開発。

・初級レベル、中級レベル、事業部門リーダーレベル、上級エグゼクティブレベル
 を分ける経験の違いがある。

・リーダーが様々なレベルで遭遇する経験を理解することで、心構えができ、次の
 レベルでの難題に対して効果的に対応するのに必要な能力開発の調整ができる

3.

・現場での成長を促すために
 1)仕事を見直す 2)一時的な仕事を引き受ける 3)職場以外で挑戦する

4.

・リーダーシップマップ

5.

・本だけでなく、ポッドキャスト版も作成。

6.

・計画的な水平異動によるキャリア開発を促す。

・専門ではない職務に配置換えになる。

---

●クラスでの意見交換

-「関心の表明化」は、実施している日本企業も多い。
 ただ、イメージギャップ、組織と合わなかった等、問題も発生。

-ラインが優秀な人材を抱え込む。長期的なリーダーシップ開発
 というよりも、短期の業績達成を重視。

-事業部を超えた力を人事がもっていると、水平異動させやすいかも。
 人事は昔強かったが、今は弱い企業が多い?

-「成長する経験」のリストがある。その資源を誰に配分するか
 という資源配分の問題。

 ただ「資源を配分するよ」と言っても、
 「いや、私はいいです」と遠慮する社員もいる。

---

7.

・上級リーダーには、組織横断的な経験に裏打ちされた知識が視点が必要。

・役員能力開発ルートというプログラム。個別対応の柔軟性にとんだ
 マイペース型解決策。

8.

・プロジェクト市場で、特定スキルをもつ社員を探す。

9.

・自然発生的な仕事を能力開発的な視点で見る。

・成功している中核業務に、リーダーシップ能力開発要素を盛り込む。
 ただし、必要以上に盛り込まない。

10.

・イベント企画によるスキル開発。

11.

・社員をシンプルな評価軸で評価。
 1)成長途上社員 2)能力上限社員 3)超優秀社員

12.

・私生活には、リーダーシップを強くする要素が3点ある。
 1)精神的な強さ 2)家族や友人の支え 3)学びの機会

---

●クラスでの意見交換

-限られている「成長する経験」という資源配分を判断できる人は
 現場に近い人のはず。「この経験は、あいつを〜」と。

 現場のマネジャーは、どのくらいこういう概念になじみがあるか。
 成長させるために「ちょっと上の仕事を振っていく」

-本人の能力を育成するという視点で考えている現場マネジャーは、
 2割程度かも。残り8割は危機感はあるけど、やり方がわからない。

-無茶ぶりで結果的に伸びたというパターンが多そう。
 意識的な能力開発は現場では難しいのでは。

-上司が部下を語る言説として
 「できる・できない」「がんばる・がんばらない」が多い。

-成果と成長の両どりを目指すのが経験学習。

-成果は、忙しい人に任せるか、自分でやるかで出せる。

-経験学習でターゲットとすべき人材は? いけてる人、できない人?

 できない人に経験を渡すリスク。危なっかしい。

-イベント(例:地域の祭り、新人合宿研修)による
 リーダーシップ開発。

 イベント(ステークホルダーが多い、相手がある)は、
 裏で走っている人材育成かも。

-スパイシーな経験による学習:マッコール的世界観
 ノーマルな経験学習:コルブ的世界観

---

13.

・ローカルの同僚が準備しているグローバル化の事業構想を研修生が支援。

14.

・ハイポテンシャル人材に職務を6カ月間離職させ、戦略的プロジェクト常勤
 研修生としての機会を与える。

15.

・体系的なジョブローテーションと、個別対応的な能力開発策の組み合わせ

16.

・横断してほしい文化境界を考える。

17.

・ハイポテンシャル人材が、成長市場の開発現場に配置され、コミュニティの
 改善に役立つ彼らの知識とスキルを伝える。

---

●クラスでの意見交換

-大学とPBLで組みたい企業が増えてきている

-地域課題解決PJに参加する人は、自分のリーダーシップ能力を
 開発したいとは考えていない

-できる人は、能力開発に興味がない。

-能力開発分野の人は「Learner」という言葉を使うが、現場の人は
 自分がそう呼ばれると「不完全な人」ととらえる。

---

18.

・10ヶ月間の研修

19.

・予習に万全を期せば、シャドーイングの経験から最大限の効果を引き出せる。
・役員への質問例

20.

・ソーシャルメディアで、毎日5~10分間。楽しい実験と思わせる。

21.

・リーダーの経験をビデオで見ることで代理経験するケースメソッド学習法。

22.

・最高のカリキュラムは、教室内の参加者の経験にあり、
 最高の教師は、参加者自身である。

・MBA的な学習法はここでは適さない。

・逆境時代の仲間とお互いを認め合うこと、自分たちの周りにあるビジネス的
 リーダーシップ的課題について議論する機会を多く作りだすこと、それこそが
 ここでの学習に真に貢献に値すべきこと。

---

●クラスでの意見交換

-本人だけでなく、周りの人のコミットが重要。
 育成コストはかかるし、すぐに結果はでない。

-持っているスキルセットが分散しているほうが異業種交流としてはよい

-企業がお膳立てする経験だけでなく、社員自身が自分で行先を見つけて
 ボランティアするという経験もある。

-学習意欲をどう醸成するか
 「学ぶと楽しい」「学ぶと儲かる」と思ってもらうと変わる。

-営業系だと、研修は遠回り感がある。
 短時間で、すぐ使えるものは、逆に研修より、現場で学べるかも。

-職場にいるなら、仕事以外のことはするなという雰囲気がある。
 
-越境学習している社員は「あいつ、外に出ちゃって」とみられたりする。
「職場では学べないから、外にでるんでしょ」という目で見られることも。

-企業の度量の大きさ、文化が大事かも。

===

13時〜 参加者の皆さんと、東大の学食へ。

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キャンパスは、木々が色づいていました。

===

14時〜


●第2部 リーダー −経験から学ぶための適切な素養

23.

・マインドフルエンゲージメントモデル
・凝り固まった先入観を捨てさせ、改めて学び直させることを支援する。

24.

・PARR(Prepare, Act, Reflect, Review)学習モデル

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・PARRは、当社における「学習の転移」を導くのに最高の手法。
・能力開発における社員とマネジャーの二重責任を正確かつ明確に説明。

25.

・学びのレディネスを評価「GPS・R Goal, People, Stretch, Reflection」

26.

・従業員教育のすべてにおいて「準備段階」「学習段階」「フォローアップ段階」
 の3段階で行うことが徹底。

27.

・教室で成長に役立つことは、
 1)研修参加者に新しい考え方を経験させること
 2)業務に対して新しい行動を促すこと
 3)内省の時間を持たせること
 4)他のリーダーと連携する機会を与えること

・リーダーの学習態度を創り出す機会として、教室形式の研修を利用する

28.

・周囲から恰好悪くみられるのではという心配から、学習を回避する。

---

●クラスでの意見交換

-GPSRを、日本企業で使うとしたら?

 「方向」は答えづらいかも。
 キャリアは明確でないといけないということでもないのでは。

 これを使って、上司と面談するのはきつい。

-経験学習は、基本的に「失敗させて学ばせる」モデル。
 それ以外の学び方もある。

-コチコチではなく、しなやかマインドセットにするには?
 プロセスを評価することが大事では

---

29.

・4つの学習戦術「感情」「行動」「考え方」「他人に相談」

30.

・感情の動き方を観察し、セルフナレーションを行う。

31.

・フィードバックを求める人は、仕事ぶりに創造性があり、
 有能であると評価されている。

32.

・フィードバックを、誰に、いつ、どうやって訊くか
・SBI(Situation, Behavior, Impact)方式で質問

33.

・マイクロフィードバック

---

●クラスでの意見交換

‐フィードバック(FB)は大事だけど、現実には会社の中で弱みは
 見せづらい。

‐PBLでも、SBIの枠組みを使って、フィードバックしている。

‐FBの受け手が、厳しいFBを欲しい時期とそうでない時期がある。

‐色々な人から、色々な種類のFBを受ける

‐怒りの裏には、悲しみ(期待を裏切られた)がある。
 感情の奥のニーズを探る。NVCの考え方。

---

34.

・リーダーシップジャーニー

35.

・アメリカ陸軍が開発した「事後検証プログラム AAR After Action Review」

36.

・足場を固めるための質問
 1)何をしたの? 2)それにどんな意味があるの? 3)次に何をするの?

37.

・「人生の歩み」研修 学習、成長、変化という視点からの経験のふり返り

38.

・学習促進レベル
 1)交流型ファシリテーション 
 2)ソクラテス式問答法型ファシリテーション 
 3)対話型ファシリテーション

39.

・リーダーシップを人に教えられる力 LTPOV

40.

・実行意図 implementation intentions

・もし〜ならば、〜である

41.

・リーダーには、業績達成と経験からの学習という2つの目的を果たすことが
 求められる。

・戦略的な仕事と学習のための、12の質問

---

●クラスでの意見交換

-事実、解釈、アクションプランが、内省の王道のやり方なのかも。

-PDCAと経験学習モデルが似ているので、それに引っ張られる人もいるのでは
 PDCAは事柄のふり返りが中心。経験学習では、感情や視点も振り返るかも

 参考:感情にも着目したALACTモデル
    http://learn-well.com/blogsekine/2014/11/post_427.html

-教師ほど、感情を閉ざすかも。強い自分でいないといけない。
 現場を独りで回す大変さ。

-ストーリーテリングを強要されるのはきついかも。
 フォローとして現場までも「管理されたくない」

-研修で「行動変化の良い言い訳」を作ってもらえるならよいが。

---

42.

・私設顧問団 5名+批判的な2名

43.

・ミシガン大学ロスでの、内省研修

44.

・個人次元の誠実さ:言動の一貫性
 組織的次元の誠実さ:企業全体が共有している価値観
 体制的次元の誠実さ:他の組織と連携して作業

・人はビジネス社会に入れば、もはや一般市民ではなく、別の倫理基準をもつ
 別のプレーヤーになる。

45.

・次世代への恩送り

46.

・電話会議で学習コミュニティを作る

---

●クラスでの意見交換

-バーチャルラウンドテーブルのファシリテーションには、リアルとは
 別のスキルが求められそう。

-バーチャルの場では「安心感」と「緊張感」(さぼり可能なので)が必要

 参考:ZOOM ウェブ会議 http://zoom-japan.net/

 参考:AOM2015での「バーチャルワーク」でのセッション
    http://learn-well.com/blogsekine/2015/08/aom_4virtual_work_intl_hrm_soc.html

-1回対面で会っていれば、オンラインで語るのはやりやすいかも。
 オンラインでの語りは、下記*を参考にステップを踏んで行った。

 *加藤さんの本『自分を立て直す対話』

---

●ふり返り

-「仕事の与え方」の難しさ。2社目を立ち上げたばかりの今の状態だと、
 余裕がなくて、相手の能力開発まで視野に入れた仕事を出せない。

 どちらかというと、その人の既存の強みに期待して、発注している。
 零細企業だと余裕がない時期は、そこまで考えられない。

-部下の能力開発まで責任を負うのは、やはりマネジャーとしては大変。
 業績責任だけで精一杯。

-マネジャーはやっぱり大変。そう考えると、個人が組織を活用して、
 自らの能力開発をはかっていくことが必要。

-マネジャーの意図(能力開発の期待)が、部下には伝わってないこともある

-経験学習では「セットアップ」のモデルがない。

-個人だけではなく、チームとしてのパフォーマンスを上げるような経験学習
 
-経験学習を駆動させるための想いとつながりの重要性。

-周りの人的リソースの活用。その際にオンラインは役立つかも。

-既存の会議を「学びの場」にできるかも。
 忙しい日常の中でも学びはいれられる。

-「感情」に光をあてる

-経験学習では、「成果と学習を両方狙う」勝ちつつ、育てる。
 そうなると、強みベースとなりそうで、弱みを経験を通じて克服する
 というのは難しそう。

 経験学習だけだと、組織や環境のデザインまではカバーできない。

-経験を配分する人が、神のような存在に。

-リーダー経験は転移するのか。
 
 経験学習は現場での学習。ならば現場から離れた所で経験学習を回す
 ようなプロジェクトの意義は? 

===

1日目、終了!皆さん、ありがとうございました。


中原先生のブログ
 http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/7112

菊池さんのブログ
http://dkikuchi.net/%e5%ad%a6%e7%bf%92%e3%83%bb%e6%88%90%e9%95%b7%e7%90%86%e8%ab%96/%e3%80%8c%e7%b5%8c%e9%a8%93%e5%ad%a6%e7%bf%92%e3%82%92%e3%82%b3%e3%82%a2%e3%81%ab%e3%81%97%e3%81%9f%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%80%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%83%e3%83%97%e9%96%8b%e7%99%ba%e3%80%8d%e3%81%ab/


===

次回は、11月24日(木)です。以下を共有します。

第3部 人材育成制度 − 経験に基づく能力開発の設計
第4部 組織 − 経験に基づく能力開発を支えるもの

2016年11月10日

2016年秋 東大授業「経営組織論」(5)社会化と職場学習

2016年11月9日(水)13時〜14時45分

東大授業「経営組織論」(5)社会化と職場学習 に参加。

風が強く、寒い日。冬物のコートを出しました。

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今日は、私が『経営学習論』のレジュメを作成し、発表します。

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レジュメPDFを見る

特別ゲストで、某社人材開発担当のIさん、そして私の1社目の後輩Sさんにも
ご同席頂き、企業側、個人側の観点でお話をしていただきました。

(Iさん、Sさん、ありがとうございました!)

===

●中原先生のイントロダクション

−戦略・目標に向けて、外部から学習を組織化するのが、
  企業におけるdevelopment (発達:自動詞  開発:他動詞)

−人材開発担当は、矛盾だらけ。葛藤する。
  経営者の視点と、学習者の視点。

−「人間」という資源の特質。機械とは違う。
  モチベーションにより、パフォーマンスが変わる。

−経営学習論は、人材開発のGreat theory(統一理論)がなきなか、
  Local theoryの「見取り図」を示したかった。

−経営学の中では、戦略、マーケティング、会計、組織論等がある。
  組織論の中に、人的資源開発(HRD)が含まれる。

  アメリカでは、HRD、ヨーロッパでは、Management Learning。

−教育学の主は、公教育。その後、高等教育の領域が立ち上がった。
  企業教育への関心は薄い。

===

●授業で出た意見

−世話焼きおじさんは減ったかも。
  「隣のお節介おじさん」を意図的に作る動きもある。
  定年再雇用により、シニア人材の活用をはかる。

−新人研修における現場実習の意味づけ。
  どれだけ価値あるものなのかを伝える重要性。

−仕事のおもしろさとチームで働く大切さを最初の仕事で学んだ。

−経験は獲得するもの。内省を促すためにも、先輩OJT担当は必要。

−組織に入ったら、したたかに生きていく必要があるかも。

−自分という個よりも、自分がどの場、環境にいるのかので決まる。

−経営学の中に、構造主義(個人の考えは、集団に影響を受けている)を。

−選べない「最初の配属先の上司」次第という
  「運ゲー」的な部分を変えられないか。

===

皆さん、どうもありがとうございました!

次回(11月30日)は、「職場」についてで、『関わりあう職場のマネジメント』を読みます。

2016年11月04日

『アルバイト・パート 採用・育成入門』 中原・パーソルグループ(2016)

○店長さんによる「職場づくり」が、安定採用、離職防止のカギ。

(・要約 ○関根の独り言)

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===

・人手不足を解消する施策
 1)入口対策:応募数、採用数を増やす
 2)生産性の向上:必要な人員数を減らす
 3)出口対策:離職を防ぐ

・アルバイトの成長ステージ
 1)採用 2)新人 3)中堅 4)ベテラン

・出口対策は、4つのステージを見据えた「職場づくり」が鍵。

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・「職場づくり」ができていないから、人手不足という結果になる。

・「人づて採用」
 1)成長機会がある 2)自分も働き続けたい と思える職場ほど
 人にすすめる

・アルバイトとして働いてみたくなる面接のポイント
 1)リラックスできる雰囲気 
 2)説明の丁寧さ 3)人柄を見ようとする態度

・「面接でやりがいを伝える」とは、
 1)求職者の求めるもの(興味、関心)を聞いたうえで
 2)職場がそれにどう応えていけるかをアピールすること

・リアリティショックが、早期離職の要因となっている。

・面接で意識するべき4つのステップ
 1)信頼作り 2)ヒアリング 3)やりがいの提示 4)自己決定

・新人が長続きする職場づくりの3つの施策
 1)教育担当者をきちんとつける
 2)全体ミーティングの機会を設ける
 3)談話スペースを設ける

・時給は、額より「あがり方」

・長期的な展望が見える働き方ができている人ほど、
 ベテランになったときに、職場に貢献しようという気持ちを持つ。

・店長としての成熟の要点は、人の育成にある。
 店長の仕事の核心は、どれだけ人を育てられるのかにある。

・優秀な店長のマネジメント特性
 1)目標を共有する 2)育成を任せる 3)権限を委譲する

・何歳になろうと、働く意欲を引き出すのは、自分を成長させてくれる
 仕事の存在。

○すごく良い本!

 アルバイト、パートさんの採用が多い某企業の人事部の方に、
 早速プレゼントした。

 この本は、現場の店長さん達を励まし、今後の指針となるはず。

 店長による「職場づくり」が、採用、離職対策、両方にとって重要。
 これはまさに、今、店長さん向け教育で行っていることとつながってくる。

 ぜひ!多くの現場店長さん達に読んでほしい。

===

●参考:ダイヤモンド社の連載記事

 人手不足の時代に本気で考える アルバイト人材育成
  http://diamond.jp/category/s-arbeitpart

2016年11月02日

2016年秋 東大授業「経営組織論」(4)採用

2016年11月2日(水)13時〜14時45分

東大授業「経営組織論」(4)採用 に参加。

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●事前課題本

(・書籍の要約 ○関根の独り言 -授業での意見)

===

ぁ愃陵儚悄拮部泰宏(2016)


・本書では、科学によって導かれた良質な(1)ロジックと
 (2)エビデンスを紹介し、それをもとに(3)自社の採用を見直し、
 再構築するための考え方を届けることを目指す。

・各企業にとっての最適な「解」はその企業が自分自身で導き出すしかない

・企業はなぜ人材を採用するのか?
 1)不足人材の獲得 2)組織の活性化

・採用とは、
 ヾ覿箸量槁犬よび経営戦略実現のため
 ∩反イ篆場を活性化させるために、
  外部から新しい労働力を調達する活動

・日本企業の採用担当者は、意識の上では、採用活動終了後(入社後)
 に顕在化する成果にまで配慮した上で業務を行っているが、実際に
 それらが担当者の責任として問われているわけではない。

・個人が組織に参入し、うまくやっていくために必要なマッチング
 1)期待のマッチング
 2)能力のマッチング 
 3)フィーリングのマッチング

・統計学のメリットは「時間と労力の削減」
  部分(サンプル)から全体(母集団)を推測する

 採用で使われる「母集団」は、正確には「候補者群」である。

・エントリーシートの提出を義務付けるというやり方が登場したのは
 1991年、ソニーがさきがけ。

・1996年に、募集のウェブ化としてリクナビの前身が登場。

・「大規模候補者群仮説」エントリー数が多くなるほど、その中に
 優秀な人材が含まれる割合が多くなるはず。

・募集段階で膨大なコストをかけて集めた候補者群を、膨大なコストを
 かけて削減している。

・日本の採用の問題の構造

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・就職情報サイトによる2つの問題
 1)企業の内部から、採用力の一部が失われた
 2)見えざる情報のギャップが混入した

・ワナウスが提唱したのが「現実路線の採用 realistic recruitment」
 すべての適切な情報をゆがめることなく求職者に対して伝える。

・RJP現実的な職務予告による効果:
 .錺チン効果 ⊆己選抜効果・マッチング効果 コミットメント効果

・現実路線の採用が効かない場合
 1)買い手市場(求職者にとって選択肢が少ない)
 2)競争率が低い(採用側にとって選択肢が少ない)
 3)仕事内容が明確(情報ギャップが存在しない)

・採用において最初に選抜を行うのは、求職者側。

・募集情報はすべて精査されない。求職者側が理解をサボる可能性。

・主観的フィットネスに対して、ポジティブな影響を与えるのは、
 企業側による十分な情報提供と、チャネルの豊富さ、信頼性。

・内定を得た時点での学生の悩みはシンプル
 「どの会社が自分にとって良い会社なのかがわからない。自信がもてない」

・「口づて word of mouth」のような非公式なルートから得た情報に
 基づいて採用した人材は、企業に長期間とどまる可能性が高い。

・採用と育成は、優秀な人材のプールを確保するという目的を共有
 そのために/雄爐魍杏瑤ら採用 ⊃雄爐鯑睇瑤念蘋

・自社の採用基準は、自社で紡ぎだしていくしかない。

・ブラッドフォード(2005)によれば、能力には、
 1)簡単に変化するもの
 2)可変的だが変わりにくいもの
 3)非常に変わりにくいもの がある。

 採用では「変わりにくいもの」「変わりやすいが自社で育成機会の
 ないもの」こそ注目すべき能力。

・構造化面接のほうが、非構造化面接より、将来の業績をより正確に予測

・ワークサンプル(実際の仕事を求職者にやらせる)は、将来の業績を
 予測するもっとも精度の高い手法。

・45社の採用イノベーション事例

 これらの企業では、採用担当と育成担当が兼任になっていることが多い。

・採用力=採用リソースの豊富さ×採用デザイン力

・現場は、ノウハウとそれを裏付けるエビデンスを求めている。

・問いの拡大により、データの活用範囲が広がる。

・面接評価と業績との間には、まったく関係性が見られなかった。

・細分化は知識の生産効率などでは良い面もある。
 (他の領域を気にせず、自らの狭い領域の中で文献をレビューし、
  その領域の研究者に認められれば良いわけなので)

○まさにそう!でも、これを研究者が言うのは勇気いるな。

・ビジネスパーソンにとって「どこにどんな知識があるのかさっぱり
 わからない」状態なのではないだろうか。

○そう!俺も「新人の育成」について分からなかった。
 色々教えてもらう中で「経営学 組織社会化」という領域があるのを知った


参考:The Oxford Handbook of Recruitment 研究会(2013)
   (服部先生も参加)

http://learn-well.com/blogsekine/2013/12/the_oxford_handbook_of_recruit.html

===

ぁ如愼本企業の心理的契約:組織と従業員の見えざる約束』
   服部泰宏(2011・2013)

・心理的契約 Psychological contracts

・心理的契約とは、従業員による知覚現象。

・評価志向研究において、一貫して報告されていることは、組織側に
 よる契約の不履行がかなり頻繁に発生しているということ。

・社会的交換理論と心理的契約の重要な違いは、交換に先立って
 当事者間で相互期待に関する合意があるかどうかである。

・日本企業における心理的契約項目を、質的アプローチで探索した。
 その結果、32種類の具体的な契約内容が見出された。
 うち21が「組織への期待」11が「従業員への期待」であった。

 カテゴライズした結果「賃金」「雇用」「仕事内容」「職場環境」
 「昇進、キャリア」「教育・訓練」「報酬外」「時間・福利」「評価」
 「誠実な対応」という10のカテゴリーが見出された。

・日本企業においても、契約の不履行が頻繁に起こっていた。

○個人よりも、組織のほうが強いってことかな。

・MBA調査:
  組織への期待「魅力的仕事の提供」「支援的関係」「WLB提供」
  「業績基準の評価」
  従業員への期待「人間関係維持」「報酬外業務」「権限受容」
  「誠実な態度」

・Z社調査:
  組織への期待「関係的契約」「取引的契約」
  従業員への期待「誠実な態度」「報酬外業務」「関係維持」

・先行研究同様、調査対象によって抽出される因子が違う。
 知覚する契約内容に相違が観られるのは、組織の種類の相違による。

・所属する業界が同じになると、心理的契約はある程度収斂する。

・組織側による契約不履行が発生していること。そのことが、
 従業員の態度に対してマイナスの影響を与えていた。

・従業員による「期待の自己調整」こそが、頻繁な契約不履行にも
 関わらず、契約関係が維持され続ける理由を説明するもの。

○個人の側が、組織からの仕打ちに対して「仕方ない、そんなもの」
 と諦めるから、居続けられるのかも。

・組織内キャリア転機の減少が、心理的契約の弱体化を招く。


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●「就職活動」に関する小説


 『何者』 (朝井2015)

○映画「シン・ゴジラ」を見にいった時に、予告編で出ていた映画の原作本。
 今の就職活動の様子がわかるかなと思って読んだ。

・就活がつらいものだと言われる理由は2つ:
 1)試験に落ち続けること
 2)自分をたいしたもののように話し続けなくてはならないこと

・就職サイトがオープンする12月1日が近づいてくると、
 自分は就職活動に興味がないちょっと変わった人間です、と
 というアピールをしてくる人が出てくる。

・就職活動において怖いのは、確固たるものさしがないこと。
 ミスが見えないから、その理由がわからない。

・痛くてカッコ悪い姿であがき続けるっていうことを、 
 私達に残された最後の方法を、実行し続けている。

○きついよな〜。

 就活を、「通過儀礼」と捉える向きもあるけど、
 これだけ若者を消耗させる仕組みって、どうなんだろう?

 若者の角をとって丸くし、早く組織社会化(迅速な社会化)するために、
 彼らの自信を打ち砕く「Debasement experiences 価値低下経験」としては
 良いのかもしれないけど、本当にそれでいいのかいな。


 少なくとも、俺は1995年当時、就活してないし
 2020年代に、うちの子供達がしたくなければ、しなくていいと思ってる。

 (この本にあるように、
  1)就活しようとも 2)しまいとも、周りからは色々言われそうだけど)

 別に就活しなくても、有名企業に勤めなくても、
 色々な道、選択肢があることを、身近な若い子達には伝えていきたい。

 それを選ぶかは本人次第だし、おせっかいおじさんになるとしても。

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●11月2日(水)授業の様子

IMG_7296.JPG

東大の銀杏、少し色づき始めてました。

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-人材マネジメントの機能
 1)採用 recruiting ←2010年代から日本での研究が盛んに
 2)育成・社会化 socialization ←1990年〜2000年代
 3)配置 job rotation ←労働経済学、キャリア論で古くから

 海外では、1970年代から研究が続いている

-日本型採用

 メンバーシップ判断「おらの村でやっていけるのか」

 人事部、若い、きらきら系が採用担当

 仕事ができるか?ではなく、

 能力(Trainability 訓練可能性 Learnability 学習可能性)
 があるかどうかで見る。

 その代替指標が、学歴だった。
 「厳しい入試を潜り抜けてきた」忍耐力もある。

 ところが、AO入試、推薦が増えたおかげで、その指標が
 働かなくなってきた。少子化もあり、大学が広き門に。

-ウェブエントリーで、数万人の応募者があるなら、 
 「選抜コスト」が高くなる

-新卒一括採用
 メリット:
  採用育成コストの低減(手間が1回で済む)
  大量採用による失業率の低下
  (真の能力、実力主義採用なら、若年失業率が上がる)
 デメリット:
  配属リスク、再チャンスなし、非即戦力の育成コスト、同質化

-最近では、インターン採用、アルバイト採用
  ≒ ワークサンプル

 文系でも、研究室指定採用が出てきている。

-海外では、事業部のマネジャーが、欠員を、能力・経験重視で採用
 能力を身に着けるコストは、本人が負担。採る企業ではなく。

-Well defined job 良定義職なら、ビッグデータ、AI、
 MOOCS採用ができるかも。

 その分、グローバルな競争に巻き込まれる。

-採用面接での評価と、その後の業績に相関関係は無し。

 若林先生の破壊的な研究。入社後の業績、出世等は、
 最初の上司に影響される。

 上司が出世すれば、その部下だった人も出世する。
 上司のスポンサー(上方影響)効果、メンタリング効果。

-「うまい人事」の人は、
 人事の諸機能(制度、労務、採用、育成、配置)を知っている。

 最初から「人材育成」一本ではない。

-この授業を受けて、「人事・人材開発」に興味をもった。

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今週もありがとうございました。


来週は、私が「経営学習論(中原2012)」のレジュメを担当します。
かなり気合が入ってます(笑)。