« 2016年秋 東大中原ゼミ「Personnel Psychology」(3) | メイン | 2016年秋 東大授業「経営組織論」(7)管理職育成 »

2016年秋 東大授業「経営組織論」(6)職場・仕事

2016年11月30日(水)13時〜14時45分

東大授業「経営組織論」(6)職場・仕事 に参加。

『関わりあう職場のマネジメント』 鈴木(2013)

IMG_7359.JPG

(・印象に残った点の要約 ○関根の独り言 -授業で出た意見)
===

●序章

・「関わりあう職場」が、支援、勤勉、創意工夫を、職場メンバーに促す

●タマノイ酢の事例

・声のかけあいにより、仕事ぶりを把握する。
・助けられる側から、助ける側へと変わっていこうという意欲。
・導入研修で行動規範を伝え、ジョブローテーションで行動を引き出す。

・導入時研修で感じたこと(周囲の助けや仲間の存在が重要、
 努力次第でできるようになる)が、職場でも同様に感じれられる。

・職場に常にし仕事に慣れていない人がいるので、助けざるを得ない。

・ただ、こういう職場はかなりきついであろう。

●公共哲学

・コミュニタリアリズムでは、自由を多少制限しても、公共性を確保 
 したほうが善い社会であると考える。

 バランス良く社会的な美徳と個人の権利が維持されている社会。

・「下からの公共性」を念頭に置くコミュニティ
 閉鎖的ではなく、開放的なコミュニティ

・社会的絆が失われた状態では、自律的行動がかえって取れなくなる。

・滅私奉公と、滅公奉私は、両者とも公共性をかいている。

・公私二元論の限界は、公私の区別を明確につけることが難しいこと。

・公-公共-私の三元論による「活私開公」

・組織と個人の間に「職場(公共)」を置き、
 その職場をコミュニティ(関わりあう場)にする。

 参考:「公共哲学」本 http://learn-well.com/blogsekine/2016/11/post_480.html


○「民の公共」=「職場」というのは違うのでは?
  職場が「公共」とは、ちょっと考えにくい。

 なぜか?
 1)職場で影響力を持っているのが「個人」(直属長)だから
 2)職場では「公」の意識(世のため、人のため)を
   正直、持ちづらいから(それより数字)


●経営管理論

・コミットメント経営
  それが持つ欠点の一つは、画一性による組織の停滞

・HPWS High Performance Work System
 結果的に、高業績の経営管理(HPWS)とされたのは、従業員の
 コミットメントを高める経営管理手法であった。

  参考:「中小企業HRM勉強会」でも少しHPWSの文献あり。
      http://learn-well.com/blogsekine/2015/06/hrm.html 

・人的資本(Human Capital)
 社会関係資本(Social Capital)
 知的資本(Intellectual Capital)

 組織的社会関係資本(Organizational Social Capital)

・職場をマネジメントの中心におくことで、組織規模の大きさに
 影響されることなく、支援と勤勉、創意工夫のマネジメントが可能に。

●組織行動論

・職場における関わり合いの強さ:
 1)仕事の相互依存性 task interdependence
 2)目標の相互依存性

・支援と勤勉:自発的行動(OCB等)

・創意工夫:進取的行動 Proactive behavior

・何故人は組織の中で、自発的に他者を助け、勤勉に働くのか。
 1)見返りを得るため
 2)強い集団の価値やメンバーシップを持っているため
 3)印象操作、印象管理を狙うため

・仕事の相互依存性が高い職場では、OCBとPBが促進される。

 参考:OCB本
     http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/ocb.html
     http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/ocb_1.html

     AOM2013
     http://learn-well.com/blogsekine/2013/08/aom_4commitmentocb.html


●分析

・基本仮説

img256.jpg

・階層線形モデリング(HLM)によるクロスレベル分析を行う。

・関わりあいの強い職場ほど、メンバーは「支援行動」「勤勉行動」
 「創意工夫行動」を良くしていた。

●終章

・職場でのマネジメント実践:
 1)相互依存的に個々の仕事を設計する
 2)個人の目標よりも、職場の目標を強調する

・職場において他者とかかわり、よい関係を作ることによって、
 職場の中で自分にできることは何かと考えるようになる。

・役割外行動は、コントロールできないが、マネジメントできる。
 促すものである。

・関わりあう職場マネジメントの重要点:
 1)人員の流動性を確保
 2)異論への寛容性 
  →職場を開放的なコミュニティに

○「人員の流動性」に関しては、マネジャーが異動することのほうが
  多いのでは。「落下傘マネジャー」

・関わりあう職場のネガティブな側面:
 1)監視社会、強制的組織、強いピアプレッシャー
 2)緩んだ共同体、甘えがまん延

・心情反射作用

 仲間に対する責任感。

 職場の仲間と関わりあいながら仕事をすることで、
 自分のできることを探し、行動を起こす。

===

●参考 鈴木先生の本

IMG_7360.JPG

 『組織と個人』(2002)
  http://learn-well.com/blogsekine/2009/11/post_301.html

 『自律する組織人』(2007)
  http://learn-well.com/blogsekine/2009/11/post_302.html

===


●中原先生のイントロダクション

−「職場」という中間概念は、経営学ではあまり着目されてこなかった。
  「個人」か「会社」という視点が多い。

−「職場」は訳しづらい。

−Workplaceは、どちらかというと物理的な場所のイメージ。
  Shokubaは、もっとウェットな感じ。

○参考:組織社会化研究では、職場での社会化を、
     Local socialization と呼んでいる。
     http://learn-well.com/blogsekine/2012/04/2012.html

−職場とは、目的を共有し、交流のある社会集団。

  職場とは、責任、目標、方針を共有し、仕事を達成する中で
  実質的な相互作用を行っている課、部、支店などの集団(中原2010)


●クラスでの意見交換

−オフィスの物理的環境も重要かも

−テレワーク、フリーアドレス(席を減らし、コスト削減)
  サテライトオフィス

−自己管理できる人でないと難しい。

−「頭は良いけど、部下がついてこないマネジャー」
  が陥りやすい罠

  →相互依存性・コミュニケーションをコストと見る

−コスト効率で考えると、それぞれの仕事を
  もれなくダブりなく割り振るのが良い。

  仕事の重なりがないよう、非相互依存的に、
  仕事と人をマッチングさせようとする。

−そうなると、M.ウェーバーの「官僚制」が最も
  効率性が良い「縦割」組織になる。

−ただ、上手く回らないのは、
 1)そのように、上手く仕事を割り切れない
 2)役割外行動が必要になる  
   (例:新人に仕事を教えなくてはならない
      ワーママが抜けた分をフォローしなくてはならない)
 3)新しい仕事が降ってくる から

−職場には、支援、勤勉、創意工夫という「光」の面と
  いじめ、ねたみ、反社会的行動といった「闇」の面もある。

  参考:Hazing and bullying in the socialization context @AOM2014
      http://learn-well.com/blogsekine/2014/08/aom_4_socialization_training.html

−マネジャーおろし、えこひいきに見える仕事の与え方、無視。

−そういう状態を起こさないためにも、
  上司の評価軸を伝える、期待をかける、意味づける、
  声をかける、マネジャーが観察する、暇を作らない等が必要では。

−「限られた思いやり」

  「会社は嫌いだけど、職場は好き。」という人はいても
  その逆は少ない。

  職場をヘルシーにすることが、一丁目一番地かも。

===


どうもありがとうございました。


●中原先生のブログ
  「バブル崩壊後、職場からいつの間にか失われた「TOO」とは何か?」
  http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/7152

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://learn-well.com/xbitmtop/mt-tb.cgi/1301

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)