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2020年02月25日

「評価・測定」本_200225

○2冊とも「もっと早く読んでおくべきだった〜」という本です。

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『人事評価の総合科学』(高橋 2010)

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○著者一人とは思えないほどのボリュームと、実証研究の多さ。実務家向けに、研究知見とその適用を分かりやすく示してくれている良著。

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第1部 人事評価の考え方

・評価の仕組みをみれば、組織の価値観が見えてくる。

・欧米の人事研究であれば「人事評価はもっとも研究実績が積みあがっている領域」である。その一方で、わが国における人事評価研究は、著しく少ない。

・人事評価=performance appraisal

・アメリカで生まれた最新の人材評価法に対して「人事考課」という古風な名称が与えられ、1930年代に広められた。

・「あるべき基準 ultimate or conceptual criterion」と、それを実際に評価、観察、測定していく際に使われる「実際の基準 actual criterion」
・重複部分を多くして、基準適切性を高める。基準の「不足部分」と「混入部分」を少なくしていくように、評価要素を工夫していくことが大切。

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・BSCには、あるべき基準と実際の基準との関連性が、はっきりと映し出されれている。
・BSCの4つの視点の内で、もっとも数値化、指標化するのが難しいのが、学習と成長の視点。BSCを総合的に実践するときには、人材の評価が成功の要諦となる。
(参考:「BSC」関連本

・日本の人事考課制度は、成績、情意(態度)、能力考課の3種類から構成。1969年に、日本経済団体連盟が提唱した「能力主義管理」がその大元である。

・Task performanceタスク業績と、Context performanceコンテクスト業績。公社は、役割外行動(例:OCB等)と関連。
(参考:「OCB」関連論文

・絶対評価法と、相対評価法(employee comparisons)。相対評価法は、対象者の業績、能力全般という1次元に限ってみれば評価が安定し、絶対評価法より、信頼性が高い。相対評価法の一つ「強制分布法」は、評価の信頼性が高いことが報告されている。

・人事考課表を作成して評価を行っている組織では、ほとんどの場合、1920年代に開発された「図式評定尺度法」が用いられている。絶対評価の普遍形といえるもの。ただ、心理統計的な観点からは問題が少なくないので、過信すべきではない。

・はじめに人事考課表ありきではなく、職務行動を正しく観察し評価するためにフォーマットを構築していくという本来の目的に立ちかえるべき。

・成果主義多浸透してきた1996年以降に、MBOを導入している企業が多い。成果主義を実践する施策として、MBOが位置付けられてきた。

・MBOの中核をなす理論が「目標設定理論」。目標に関わって4つの要素が重要:1)目標の困難度 2)目標の具体性 3)目標の受容 4)フィードバック

・多面評価法(360度フィードバック)は、行動変容をもたらす効果の大きい人材育成施策である。

・顧客ベースのデータを含みいれることによってはじめ、360度フィードバックと呼べるのであって、上司、同僚、部下等の組織内部構成員で完結させる場合には、せいぜい「270度フィードバック」と呼ばざるを得ない。

・データをフィードバックした後のカウンセリングや、上司の精神的支えが非常に重要。評価プロセスよりも、フィードバックプロセスのほうが大切。多面評価法は、フィードバックセッションを実施することによってはじめて完結する。多面評価法では、フィードバックが命である。

・多面評価法の長所7つと、短所5つ(p111〜117)

・心理測定論の観点でいえば「安定性」「評価者間信頼性」「内的一貫性信頼性」の3つの信頼性のいずれかが確保されていれば、人事評価の結果も、データとして信頼性に足るという判断を下すことができる。

・評価者訓練には「評価誤差訓練」と「評価枠組み訓練」がある。これらにより、評価バイアスの低減と、評価の正確性を向上させていく。

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第2部 人的資源の評価要素

・職務遂行能力(職能)を正確に評価、測定する努力を、企業側が怠り、同一職務への滞留年数の長さを職能向上の代理指標としてため、能力主義の年功的運用という変異的制度に陥ってしまった。能力が、年功にすり替わってしまったのだ。

・コンピテンシーは、高業績と関連し、行動として顕在化する。職務遂行能力にかかわる新しい概念。

・パーソナリティーの類型理論として最も有名なのが、クレッチマー(1955)による「気質類型」である。

・パーソナリティーのBig5(5大因子)理論。Extraversion外向性、Neuroticism神経症傾向、Agreeableness調和性、Conscientiousness誠実性、Openness to experience開放性。我々のパーソナリティー特性が、この5つの特性によってほぼ十分に把握される。人事評価でも、調和性と誠実性(責任感)という性格特性は、評価要素としてもしばしば盛り込まれている。

・血液型性格診断は、科学的には全く根拠がないことが明らかになっている。

・アセスメントセンターでの評価方法では、演習課題の実施と、専門の評価者による行動評価がその基礎となる。

・評価基準を決めるうえで大切なのが、なにをもって公平と考えるかである。4つの原則 1)平等(Equlity) 2)必要性 3)衡平(Equity) 4)努力 の原則に則って、公平な処遇が行われるべき。

・我が国では、能力や頭の良さよりも、努力が尊ばれる土壌がある。その我が国で、努力の評価測定の試みを怠ってきたことは大きな問題である。努力を評価する手法を持たなければ、努力が報われる社会の入り口にも立てないのだ。

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第3部 人事評価の実証研究

・評価者は、人材の欠点を指摘しがちであり、減点評価が無意識に行われている。

・アリストテレスの「知・情・意」(論理性・協調性・活力)は、評価者の認識枠組みに自然に合致するものであった。

・情報公開によって評価の納得性は大きく向上する。
・処遇のための評価ありきではなく、評価結果をフィードバックして、部下の業績向上を目指すパフォーマンスマネジメントが、今後の主流となってくる。

・MBOは、知的水準の高い人にはとりわけ有効な施策であることが明らかになった。

・多面評価法(360度フィードバック)では、自己評価が正確であるほと能力開発に密接に結びつき、その後の成果や業績が高くなる。他者同士(上司と同僚)の間には、評価に高い一致が見られるが、自己評価は、甘くなりがち。
・対象者は、過大評価、適正評価、過小評価に、分類できる。
・過大評価者が、自己認識を下方修正し、行動面で業績を向上させること、また過小評価者が、自己認識を上方修正することは「自己一貫性理論」によって説明できる。他者と自己評価の結果が大きく食い違うことは、認知的不協和状態を引き起こすため、対象者は、他者評価の結果に一貫するよう自己評価を調整していくのだ。
・多面評価法に関しては、高い信頼性が確保されているといえる。

・フィードバックとコーチングの組み合わせは「パフォーマンスマネジメントのための成功の方程式」であり「黄金のコンビ」である。
・上司が効果的なコーチングを実施するにあたっては、360度フィードバックによるデータを活用し、本人に対する自分の印象や評価が、他者の目から見ても正しいことを確認しながら、コーチングを行っていくのが良い。
・能力向上のために、職場仲間の評価を用いたデータのフィードバックは極めて有効であることが明らかになった。

・オリンピック フィギュアスケート競技の評価者は、きわめて高い評価者間信頼性と、極めて高い収束的妥当性を示すことができることが明らかになった。

・成果面での評価を代表するのが、MBO(目標管理制度)であり、能力面での評価を担っているのが、多面評価法(360度フィードバック)であるといえる。
・人を評価するにあたっては、知性、意欲、情緒の3側面から見ていくというのは、わが国においては自然なものの見方だろうし、それが人事評価のデータからも経験的に示されたことは、大きな意義がある。
・人事評価の将来性は2つ。「努力主義人事制度」と「パフォーマンスマネジメント」

・わが社では、どのような人材が大切にされ、どのような行動を良しとするのか。それを最も分かりやすい形で示しているのが、人事評価。評価は、組織の鏡である。

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『組織現象の理論と測定』(野中・加護野 他 初版1978)

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○組織論のレビュー。尺度もあるので、研究者には役立ちそう。

・組織論のパラダイムは、14に整理できる。

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・組織現象の統合的コンティンジェンシーモデル

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・組織現象測定の方法論の多くは、仮説検証型の定量的方法が多いが、仮説づくり型の研究では、定性的方法の採用が不可欠である。

・組織構造研究の最も重要な源泉は、Weberの官僚制論であろう。Weberの議論には、近代社会におけるあらゆるタイプの組織にとって、官僚制が最も合理的かつ効果的な管理機構であるという検証可能な経験的仮説が含意されている。

・McGregor(1960)、Argyris(1964)、Likert(1967)は、官僚制的構造の逆機能を重視し、官僚制的構造の有効性を全面的に否定することによって、参加的、有機的組織構造の普遍的な有効性を主張した。

・「車輪の再発見」と呼ぶ危険性。旧い構成概念に新しい名称を付けたに過ぎない可能性もある。(例:組織風土と、職務満足の関係)

・先行研究では、コンフリクト解消における問題直視の有効性を支持。

・多くのリーダー行動の実証研究は、タスクと人間関係の2次元か、専制的・民主的の単一次元を、リーダーシップの共通次元として示唆してきた。
・低配慮と、高構造は、高い苦情ならびに退職と関係していた。

・LPC(Least Preferred coworker)が高いということは、一番好まない同僚をもより好意的に近くすることを意味する。

・PMサーベイの質問項目 遂行 performance 維持 maintenance p248

・Maslowが提唱した欲求次元の階層性の仮説は、支持されてはいない。組織研究者によって取り上げられ、ミクロレベルの組織現象の説明のためのいわば公理として使用されてきたが、その実証に成功した研究はほとんど存在しない。

・組織機能を整理する際には、Parsons(1960)のAGIL図式が代表的である。

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・インディケーター間に、階層性または因果関係性も存在している。例えば、Likert(1967)の仮説では、モラールという組織成果は、生産性という組織成果の因果的規定因と考えられている。

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・ソシオメトリックスターとして、外部情報源、内部コミュニケーションネットワークの連結機能を果たす少数の「ゲートキーパー」がいることが判明。

・職務満足は、離職率、欠勤率、事故率と負の関係にあるが、生産性との間には、単純な関係はないと結論付けられた。
・Herzberg et al.(1959)の2要因理論をきっかけにした実証研究の結果、満足−不満足は、一本の軸であること、満足の決定因と満足の関係は、種々のコンティンジェンシー変数(モデレーター変数)に条件づけられることが明らかになっている。

・組織論において、初めて体系的に「同一化」を論じたのは、March & Simon(1958)である。彼らは、同一化を組織成員の態度変容のメカニズムないし、プロセスとして取り上げている。
・同一化概念と、ほとんど同じ意味をもつ概念として「コミットメント」がある。
・科学者を調査した結果、組織同一化と組織成果に負の関係があった。これを、Rotondi, Jr.(1975 )は、「組織同一化の逆機能」と呼んだ。

・Greiner(1972)の組織変動の5段階モデル。

・多角化戦略→事業部制 「組織は戦略にしたがう」という命題を導出(Chandler 1962)

・「介入(もしくは変革)」は3つの目的をもつ。1)態度変容 2)行動変革 3)その両方
・介入概念に対する理論的アプローチは極めて少ない。Lewin(1947)と、Schein(1969)のモデルを検討。
・Lewinは「場の力(Field force)のモデル」と「変革のプロセスの3段階」を主唱。「溶解化 unfreezing−変革化 changing−再凍結 refreezing」
・Schein(1969)は、この3段階の変革モデルを更に精緻化し、そのメカニズムを以下のように述べている。

・介入戦略の分類(Hornstein et al. 1971)
 1)データベース戦略 2)個人変革戦略 3)技術、構造変革戦略 4)OD(組織開発)戦略

参考:野中先生の「私の履歴書(16)共同研究 「マネジメントは科学」」
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2020年02月18日

「研修転移」論文(今城さん特集)_200218

リクルートマネジメントソリューションズの今城さんとは、東大での勉強会時代からのお知り合いです。

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今回、2月14日の「コーチング勉強会」で久しぶりにお会いできることになったので、それをきっかけに、今城さんの書いた本や論文を改めて読んでみました。非常に勉強になりました!(今城さん、ありがとうございます!)

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科学性に基づく人的資源管理を進めるために−管理職研修の効果検証を例として−
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsik/24/4/24_2014_036/_pdf

・人事施策は科学的根拠に基づき行われるべきとの考えは、米国では実務家の間で広く受け入れられている。一方、日本の人事の現場はこのような状態とはほど遠いのが現状である。

・RMSが提供する「実践ナビ」と呼ばれる研修後のフォローシステムのデータを分析に利用。

・研修への参加意欲が、研修への評価を向上させる。研修内容が、自分の抱える課題解決に役立つと感じることが、職場に戻ってからの実践意欲を高める。

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・研修直後の実践意欲が高かった人ほど、職場に戻って早いタイミングで実践行動をとっていた。実践を通して、変化を感じた人ほど、実践を継続する可能性が高まっていた。

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・実践ナビのデータは、Kirkpatrickののレベルの検証を行ったものである。上司による部下の行動変容の認知と、部下自身の行動変容の認知の相関は、0.12であった。サンプル数が多いために、有意であるが、値は小さい。
・個人差と環境の相互作用が、結果変数と説明変数の関係性を見えにくくしている。
・上司のパフォーマンス評価を結果変数にすることには問題があるのかもしれない。

・先行研究からは、本人評価と上司を含む他者評価は、それぞれ異なるものを測定している可能性が示唆されている。

・(これまでは)収集しやすい自己評価を用いるか、すでにある人事評価を利用することが多かった。
・(今後は)人事場面での施策の効果を検証する際には(多様な)データ収集が望まれる。

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集合研修における学びの転移プロセスの検討(今城・藤村 2015)
https://www.recruit-ms.co.jp/research/thesis/pdf/2015JPA.pdf

・研修前に期待を高める(有効性の認知)は、研修での学びの促進や研修直後の転移意図を高める。
・研修終了時に実践意向を高めることが、転移促進のキーである。

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・転移促進のためには、学んだ内容が役立つことを、研修前、研修中、そして、研修後に繰り返し認識してもらうことが重要であることが示唆された。

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集合研修の転移に関する実証研究1(今城・佐藤・宮澤 2015)
https://www.recruit-ms.co.jp/research/thesis/pdf/2015JAIOP01.pdf

・転移は、Generalization(学んだことを職場で活用するか)と、Maintenance(実践したことを継続できるか)の2つの要素からなる。
・この2つを分けて扱う。「最初の実践 Generalization」と「その後の実践の継続 Maintenance」

・最初の実践は、部下がいることと、学ぶ意欲が高いことが、有意に後押ししていた。
・最初に実践した人ほど、また、自分に変化が生じていることを実感した人ほど、実践を継続することがわかった。
・研修前からの学びに対する動機の高さは、実践の継続も、実践の結果の効果の実感も、直接高めた。

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・本研究の最も重要な結論は、研修参加前の学ぶ意欲は、最初の実践だけでなく、実践の継続においても比較的大きな影響力をもっていたことである。
 
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集合研修の転移に関する実証研究2(佐藤・今城・宮澤 2015)
https://www.recruit-ms.co.jp/research/thesis/pdf/2015JAIOP02.pdf

・転移で最も重要なのは、研修で学んだことと仕事との関係性を見極め、それを仕事で使おうとする意図である。

・実践目標は、研修での学びの内容と関連して設定される傾向がある。
・実践目標の内「部下」「育成」「コミュニケーション」「権限移譲」「目標」の記述有無が、職場実践の有無と有意な関係にあることが確認された。

・(参加者が)直面する重要な問題の解決につながる実践目標を設定することが、職場での実践につながる。
・管理職2年目以降では、仕事を手放し、部下に任せることが最も取り組むべき課題になる。

・実践目標が、受講者の直面している課題に沿うものであれば、職場実践につながりやすいことを確認した。

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今城さんの博論を元にした書籍『採用面接評価の科学』(今城2016)

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・対人認知の内容は「温かさ」と「有能さ」の2つの側面からなる。
・性格五大因子を、更に2因子にまとめた研究結果からは「外向性」は有能さに、「情緒の安定性」は温かさに関連しており、有能さと温かさの両面が一般に評価されていた。

・欧米の採用面接では、評価したい職務上の行動特徴に関して直接の情報収集ができるのに対して、日本の採用面接では評価したい職務上の行動特徴につながる一般の行動特徴が何かを推論した後、その一般的な行動特徴が学生時代のどのような行動として現れるかの推論を行い、その行動に関する情報収集を行う必要がある。

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・このように職務適合潜在力の評価においては、推論を重ねる必要があるため、結果的に予測精度が低下する可能性が高くなる。

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・当初設定した面接評価内容に関する概念的枠組み

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・再検討を行い改訂した概念的枠組み

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今城さんが、コーチング勉強会で、紹介してくれた文献

『Beyond Levels: Building Value Using Learning and Development Data』(Kraiger & Surface, 2017)
https://trainingindustry.com/magazine/nov-dec-2017/beyond-levels-building-value-using-learning-and-development-data/

・What is of value for whom? 誰にとっての価値なのか?
・主観的な価値判断は、ステークホルダーによってそれぞれ違う。

・2つの質問:
  How well did I do? どのくらい自分は良くできたか?
  How can I do it better? もっと良くするためには?

・L&DにおけるROIを、経営陣が見たがっているというのは、神話である。

・経営陣にとって、最も価値あるデータは、組織が
 −適切なタレントを採用し維持できているか
 −彼らが効果的に仕事をするための準備ができているか
 −経営陣を継げる今と将来の世代を用意できているか という点である。

・評価データが価値を持つのは、ステークホルダーに使われたときだけである。
・常に、2つのシンプルな質問に立ちかえるべきである。

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今城さんがお薦めしてくれたRMS元社長 大沢 武志氏(1993)の『心理学的経営』。絶版だったものを、RMS社員の方々が、PHPさんに依頼し復刊させたとのこと。

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・矛盾に満ちた組織の現実をありのままに理解しようとするところに、心理学的経営を論ずる意味がある。
・心理学的経営の目指すところは「人間を大事にする経営」ということになろう。つまりは「個性」を尊重するという考えにたどり着く。本書では、ユングの性格類型論と、MBTIというパーソナリティーテストを中心に、個性の問題を論じる。

・かつてリクルートは若者が生き生きと仕事をしている「不思議な新人類会社」として注目を浴びた。
・若者を仕事に駆り立てる、内的動機付けにとって最も重要な心理条件3つ:自己有能性、自己決定性、社会的承認性

・「ホーソン実験」に参加した6名の少女たちからなる集団は、自分たちが選ばれた集団であること、新しい試みに参加し、皆から注目されていることを知っており、そのことが彼女たちに、特別の心理的効果をもたらした。それが「ホーソン効果」。

・人間は、自然を破壊していくことによって、周囲からエネルギーを摂ることができる。
・人間という生命体は、無秩序な状態から秩序化された状態を自己組織化する過程で、無秩序を放出し、エントロピーを増大させるという矛盾した存在なのである。

・組織において、管理者が発揮すべきリーダーシップは、2つの要素に集約されると考えて大きな間違いはない。「集団維持機能 Maintenance」と「目標達成機能 Performance」

・何ができるかという「使用価値」と、どういう影響力を醸しだすかという「存在価値」の2軸で、企業人評価を行う。いずれも評価が高い人は「できる奴」使用価値は高く、存在価値に難点がある人を「一匹狼」存在価値は高いが、使用価値が不十分な人を「いい奴」いずれも物足りない人を「ダメな奴」と4分類できる。
・社員一人一人の個性に目を向け、人間としてどこまで尊重できるのかを経営の命題とする人材経営の時代において、存在価値という観点からの発想が重要な意味を帯びてきたのである。

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・問題解決にあたって、4つの機能すべてが駆使されなければならない。
・不得意な機能は、日ごろ使うことがないから発達しない。

○こういう本を、社長が書いてくれているリクルートは、やっぱり強いよな〜。

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今城さん、ありがとうございました! これからも色々教えてください。

●今城さんのFBコメント

ありがとうございます。びっくりするくらいコンパクトに要点がまとまっていて、自分でも参考になります!

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講師ビジョン 島村さんからのメール

関根さん、こんばんは。ブログ拝見しました!

今回、特に参考になったところは、以下の2点です。
>本研究の最も重要な結論は、研修参加前の学ぶ意欲は、最初の実践だけでなく、実践の継続においても比較的大きな影響力をもっていた

今回、最も気になったところは以下の部分です。
>・転移で最も重要なのは、研修で学んだことと仕事との関係性を見極め、それを仕事で使おうとする意図である。

研修参加前の学ぶ意欲は、一般的に上司による介入があると研修転移が促進されると説明されます。この点は、私もそうだなと感じます。

しかし、上司の介入が現実的にできるのかというと、上司自身も仕事に追われてしまう中で、かなり難しい部分もあるのではないかと思うのです。

1つの例としては、事前課題について上司が参加する部下について、事前課題シートに記入するように教育部門から依頼されるという例があります。このアプローチは、上司自身が記入することによって意外と時間が取られてしまうというデメリットがあります。

一方、参加する部下自身が上司にヒアリングする形式で事前課題のアプローチする会社があります。それは、上司自身が記入するのではなく、部下にヒアリングされ、部下自身が記入するので上司の記入負荷は減りますし、部下の学びに対する主体性が求められるので、有用なアプローチだと考えます。

これは、研修前の上司の関わりを、教育部門の側面サポートで部下自らが動いて上司を巻き込むように設計するということです。

このアプローチは、個人的にとても有用だと感じています。育成側に依存せず、部下自身で上司を巻き込み、自ら評価を得て成長に繋げようとするからです。

この際に部下が上司にヒアリングしたり、確認する内容は、研修テーマにおいて、自分の業務上、なぜこの研修を受けたいのか、そして、どう活用したいと思っているのかを記入しそれついて上司の考えを確認することが大切です。

これにより、研修後の実践や継続的な活用が期待できると考えます。

以上、感想です。いつも勉強させていただいております。引き続きよろしくお願いいたします。

2020年02月15日

「コーチング勉強会」@立教大に参加しました。

2020年2月14日(金)10時〜17時30分 国学院大学の斉藤さん(中原研)主催「コーチング勉強会」に参加させて頂きました。

『The Center for Creative Leadership Handbook of Coaching in Organizations』の輪読会です。

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会場の「セントポールズ会館」

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中に入ると、

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いきなりフォーク、ナイフ、スプーンがあります。

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食事をしながらの勉強会となるのでしょうか。さすが、斉藤みっちゃんの企画、一味違います。

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(・文献内容 −勉強会内で出た意見)
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0 IOC(Institute of Coaching)@Boston 年次総会参加報告 佐藤典子さん

・研究者と実践者の橋渡しを、IOCを行っている。(日本では、アカデミックコーチング学会がある。
・コーチングは、サイエンスである。
・スーザン デービット「心の脆弱性」ネガティブな感情の重要性
・PEA(ポジティブ) vs NEA(ネガティブ)な質問で、脳の反応部分が違う
・『Helping Peaple Change』がおすすめ。
・Wellness coaching 予防医学の一環として

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1 The Rise of Coaching in Organizations Mさん

・多くの企業は、内部コーチへの期待を高めている。
・コーチングにおいては、関係性の質が重要。
・内部コーチには、管理職や人事のコーチが含まれる。
・内部コーチを評価する軸の例:コーチイの満足度、行動変容、退職・在籍率、昇進率等

-Leader developing leader 「上が下を育てる」というよりも、「一緒に探求する」ということも必要では。
-上司が言わずに、外部コーチに言わせる。
-すべての人にコーチングは難しいのでは。その人の「あり方」も重要。
 参考:1on1と心理損傷 https://media.moneyforward.com/articles/4108
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2 Assessing Your Organization’s Need for Coaching Yさん

・組織的なコーチング導入を検討するには、まず初めに組織内で、コーチングの置かれた状態とコーチングの使われ方を理解することが必要。
・コーチングが適切なソリューションであるかどうかを判断するためには、対象を特定し、コーチングに求める成果を明確化することが重要。
・組織にコーチングを導入するのが適切な時期であるかどうかを評価する様々なレディネス指標を参照。

-コーチングを嫌う会社もある。「結果がでないじゃん」という人もいる。
-コーチングを受けたことが無い人が、コーチングをするのは難しい。
-コーチング研修を学んだ管理職が、すぐにコーチングスキルを使うと、部下に嫌がられる(誘導的な質問をしたり)

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3 Creating an Integrated Coaching System Aさん

・リーダーシップには、信頼とオープンなコミュニケーションが必要であり、それを実現するための手法が統合的、包括的なコーチングのシステムである。
・統合的コーチングシステムの構成要素として 7 つ:Executive coaching、Mentoring、Peer coaching、HR coaching、 Manager as coach、Digital goal tracking and reminder systems、Team and group coaching
・コーチングを導入して、なにがしたいのか、そのビジョンを明確に示すべき。

-反対派を説得するためにも、小さな成功事例をまず作って、展開してもよいのでは。
-コーチングに反対する理由は、費用、(自分が受けてないので)理解できない
-1オン1の難しさは「良いコーチングを受けた経験がない」人たちであること。
-経営者からは「やって儲かるの?」「面談と何が違うの?」「育成ならやってきたよ」
-「変わりたくない」面倒くさいから、導入したくない。
-コーチングで考えさせるより、自分が教えたほうが早いと思う管理職もいる。

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12時過ぎ、昼食。

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美味しく頂きました。

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4 Evaluating Coaching Interventions Iさん

・コーチングの効果は個別性が高いので検証が難しい。
・現状では、個社に合わせた自己申告式のサーベイがほとんど。
・現状は、(个蠅里△訃霾鷂察ie. 本人やコーチ)▲魁璽船鵐案發農犬犬燭海箸暴乎罎靴討り、結果として生じる変化を扱っていないこと
・Common-method bias:自信家は全てに「良い」と答え、謙遜する人は「できてない」と答える。
・CCLの研究による、エグゼクティブコーチングのプロセスに関する3つの重要な要因;コーチングへのレディネス、上司のサポート、自己認識(Eckardt, 2013)
・ともかく数字にしておくことが重要。

-Value-Based Evaluation Model(Kraiger & Surface, 2018)
 結果を出すのではなく、プロセス改善のために評価を使う。
 2つの質問:上手くできたか?、次に向けて何をやるのか?
参考:Beyond Levels
-相関は、.54あれば、十分高い。
‐評価は、目的による。組織に何を伝えたいのか。

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6 Coaching the Derailing Leader 関根雅泰

レジュメを見る

-できない人は、ずっとできない。
-「脱線」だと、また線路に戻るイメージがある。「転落」リーダーはあるかも。
-異動した人のパフォーマンスが下がりがち。移動前後の面談をしている会社もある。
-プレイヤーからリーダーに上がる環境変化の戸惑いは多い。
-部下育成に熱心でコーチング的な接し方をしていた部長が、統括部長になったら、トップダウン型の指示が多くなり、経営陣を見るようになった。下から見ると「脱線」かもしれないが、上から見ると「レール上」にいる。
-昇格、異動、環境変化に戸惑っている個人には、コーチングが合っているかも。
-人が変わると、力を発揮できない。
-職場環境がガラッと変わり、今までのCapabilityが通用しなくなる。例)英語ができないと、いきなり仕事ができない人になる。

参考:中原先生のブログ 成果が出せない「しくじり管理職」の「脱線」は4つの「どはまりパターン」で引き起こされる!?

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7 Developing High-Potential Leaders Sさん

・HiPosの成長のためには、まずはSenior leadersをメンターに育て上げ、HiPoの直属の上司を、HiPo成長のためのパートナーに育て上げる必要がある。
・リーダー育成には、空間が必要。新しいアイディア、異なるアイディアを出し合い、異なる部署や人が集まり、意味ある議論を可能とし、複雑なチャレンジに対して解を効果的に出せるような場所が必要。

-「Boundary spannning」例:渋谷をつなげる30人
-優秀なリーダーこそ、自分でどうにかすべきという論もある。今はちやほやして、育ててあげる雰囲気。それは、育成投資の対象が変わり、Hiposに投資し、ちやほやしているから?
-日本では、HiPosが、男性リーダーを指していることが多い。
-「養殖」リーダー?お膳立てされたリーダーだと、逆境に弱くなるのでは?
-Retentionのために、HiPosを育成する。

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8 Coaching at the Top Kさん

・経営 Top 層に対する人事部門リーダーによる企業内コーチングに関する解説。
・経営 Top が意図していることと、経営 Top の実際の言動が現場に及ぼす影響との間にはギャップがある。HRが、コーチとして、それに気づかせるべき。
・Marshall Goldsmith の"What Got You Here Won't Get You There (Goldsmith & Reiter, 2007)は、いかにして過度に、または誤って用いられた強みが弱みに転じるかを研究した著書。

-人事は、経営陣をコーチングするほどのデータをもっていないのでは。
-Trust信頼を獲得できるかどうかが、コーチングには重要では。
-経営者が、個人的に助けを求めれば、助けてくれる人がいた。
-人事部が、上位者に対して、コーチングをするのは難しいのでは。
-「鏡」「ビデオ」になれ
-中には入っているけど「周辺にいる人」が、コーチをするのは効果的かも。

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11 Coaching in Context: The Individual in Relation to Organizational Culture Mさん

・coacheeの所属する産業や職業に対し、コーチが精通することでもたらされるメリットはある。逆に、精通することで作られてしまう、coacheeを見る際のレンズのリスクもあるのでは。
・コーチに業界特有の知識が必要かどうかは、コーチングをどう定義するかによると考えられる。よりコンサルティングや指導助言によったコーチングなのか、それともセルフアウェアネスを高め、気づきや新たな視点や行動を得ることで成長を促すことを目的とするコーチングなのか。コンテントベースか、プロセスベースかともいえる。
・産業ごとに、属する人の性格傾向が見られる、ということが分かっている(Schneider, Smith, Taylor, & Fleenor, 1998)

-コーチングで、スーパービジョンは行われている。コーチ同士でフィードバックしたり、クライアントとのやりとりを、録音して、スーパーバイザーに聞いてもらったりすることもある。
-プロセスワークでも、多重関係は難しいと考えている。( https://jpwc.or.jp/ )
-同じ産業での経験がある外部コーチを求められることもある。最初の親和性を求めているからかも。

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14 Mentoring for Leadership Development Mさん

・コーチングとメンタリングは、両方とも関係を重視し、開発的。
・メンタリングは、長期的、キャリア支援、直接的助言を与える。
・メンタリングの影響:人的資本、移動資本、社会的・政治的資本の獲得等
・悪いメンタリング関係につながる恐れもある(例:不一致、質の高い関係を築けない)

-伝統的には、メンターは師弟関係。同じドメインで、中長期に発達支援をしていく。それに対して「発達ネットワーク」や「関係のConstellation星座」は、直線的な師弟関係ではなく、多様な支援者との関係を持つ
-「リバースメンタリング」若者が、年長者に教える。
-コーチングよりも、助言もしてくれるメンタリングのほうが、より教えてもらえてよいという声もあった。コーチは、アドバイスしない。本人に考えさせる。
-押しつけがましいメンターは嫌われる。
-メンティーが、メンターを自発的に選ぶと成功する。人事が強制的にペアにするよりも。

参考:新人育成のためのメンター制度構築のポイント(PDFブック

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16 Team Coaching Kさん

・チームコーチングは、介入先がグループである。
・チームの問題は、間違ったメンバーを選んでいることから始まっている可能性がある。

-タックマンモデルは、タスクとゴールを持つチームには当てはまらない。
-「関係の質」は結果であり、目的におくと、上手くいかない。「言えなくなってしまう」
-チームの見立てを変える。チームワークではなく、チームワーキング。Staticではなく、Dynamicなもの。川ではなく、流れる水を見る。

‐関係によって効果が決まる。与える側の研究は多いが、受け手側の研究は殆どない。

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17 Senior Team Coaching 齊藤  光弘

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18 Transforming Organizations: Coaching and Guiding Senior Teams Mさん

・組織変革とは、そこにあるリーダーシップの形を変化せることである。
・相互依存を促すようなリーダーシップ?

-DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応するとは、何から何に変えるのか。
-「IT人材」「DX人材」「AI人材」という説に対する違和感
-データを集め、分析し、結果を示せる人材?
-コンピテンシーは、潜在的なものなので、変わりにくいのでは。
-求められるコンピテンシーが変わってきているので、人材も入れ替わっている。

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○メモ:「ちやほや育成」「空間づくり」→「陰からそっと見守る星明子がいっぱいモデル」「失敗して帰ってくる場所作り」

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参加者の皆さん、企画して下さった斉藤さん、ありがとうございました!

2020年02月11日

「研修転移」関連論文_200211

立教大学院 中原先生に紹介された「TTM:Transtheoretical model」論文。研修転移にも応用できそう。

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「トランスセオレティカル・モデルにおける行動変容ステージから見た大学生の食生活の実態」(柴・森 2009)

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・TTMは、1)行動変容ステージ 2)意思決定バランス 3)自己効力感 4)変容プロセス の4つの概念からなり、要ともいうべき概念が「行動変容ステージ」である。

・「食生活の改善に着手するつもりはない」と回答した下位の行動変容ステージにある大学生は、実際に、より不適切な食生活を送っていることが、裏付けられた。

・「調理に関する自己効力感」の低さが、「食生活の自立」を阻む一因となっているのかもしれない。

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「トランスセオレティカルモデルの栄養教育への適用に関する研究の動向」(赤松・武見 2007)

・禁煙教育のために開発されたTTMは、理解しやすく、実践的なモデルである。

・欧米で行われたTTMを用いた15の介入研究をレビューした結果、コントロール群よりも、TTMを用いた介入群の方が、効果がみられている。

・TTMは、日本では、行動変容段階モデル、ステージモデル、汎理論的モデルなどの名称で呼ばれ浸透してきている。

・TTMの特徴は、人の行動変容の過程を「準備性 readiness」の視点から考えたということである。

・Prochaskaら(1983)は、人の行動が変わっていく過程には、10の変容過程があることを発見した。

・多くの理論を統合したモデルという意味で、Trans theoretical modelと名付けられた。

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・変容ステージに適した変容プロセスを用いることで、次の変容ステージに進むことができると考えられている。

・準備性に関連した主要な概念が、意思決定バランスと、セルフエフィカシーである。

・意思決定バランスには、行動変容による恩恵(Pros)と負担(Cons)の2つの下位概念が含まれる。

・セルフエフィカシーは、誘惑(temptation)されやすい状況であっても「自分ならできる」という自分自身の能力への確信を意味する

・TTMは、各変容ステージを把握して、準備性に合った教育を行うことが、一番の特徴。

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「行動変容のトランスセオレティカル・モデルに基づく運動アドヒレンス研究の動向」(岡 2000)

・健康の維持、増進に必要とされている運動所要量(週2回以上、運動時間1回30分以上、運動強度「ややきつい」の条件)を満たす「アクティブスポーツ人口」は、13%しかいない。

・介入の効果が最も大きいと考えられる「準備期」の人へのアプローチは、主にセルフエフィカシーを強化することに焦点を当てるべき。

・ここでは、運動セルフエフィカシーとは、「疲れている」「気分がすぐれない」「時間がない」など運動を行うことの障害に直面した時にでも定期的に継続して運動を行うことができる「見込み感」がどの程度あるかということを指している

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○研修では、まずは、参加者を「準備期:1か月以内に行動変容しようと考えている」という状態に持っていくことに注力する。そのために「4)自己の再評価」「5)自己解放」を促す。その際には「意思決定バランス」を考えてもらい、「セルフエフィカシー(自己効力感)」を高められるよう支援する。そのうえで、現場実践につなげるために「6)援助関係の利用」について考えてもらう、という感じかな〜。もう少し考えてみよう。

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講師ビジョンの島村さんから頂戴したメール


関根さん

おはようございます。ブログ拝見しました。

今回のブログは、行動変容までのステップがより細かく示されているのがとても興味深かったです。研修とは違った分野の研究にも同様なものがあり、そこから学んでいくという視点も大変参考になりました。


また、準備期の1ヶ月以内に行動変容をしようと考えているという状態に持っていく点について私もとても大切だと感じました。

たとえば、ある会社で、人事異動で総務から代理店営業に異動になった場合、代理店の社長と商談に直面するシーンがあります。その際に、BS.PL.CFを読めないと、商談がしづらく、営業はみなそれができるみたいな状況があります。

その場合、決算書の読み方研修に出ると、本人は1ヶ月以内に行動変容しようと自ら思いやすいと感じます。代理店営業で社長との商談がまさに目の前にあるからです。

つまり、人事異動、ローテーション時に学ばざるを得ないテーマの研修を企画することは行動変容を起こしやすいものと考えられるなと思いました。


あとは、人事施策と連動した研修も行動変容を起こしやすいと思いました。


とある会社に、新規事業提案制度のようなものがありそれにエントリーすると、プレゼンの予選があります。その1ヶ月前にそのプレゼンのリハーサルに繋がるようなプレゼンスキルアップ研修のようなものを企画すると、1ヶ月後にプレゼンの予選が控えているので、行動変容がたかまりセルフエフィカシーを高めざるを得ないと考えます。

以上、関根さんの投稿から2つの事例が思いつきました!いつも勉強になっています。ありがとうございます。

島村

(島村さん、こちらこそありがとうございます!)

2020年02月04日

「研修転移」本_200204

『Beyond Transfer of Training』(Broad 2005)

○「Beyond」に惹かれる。研修転移の「先」。

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○システム思考を基に、多様な利害関係者を巻き込みながら、
 組織への働きかけを進めていく方法論を提示。

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・Performanceパフォーマンス
 =Behavior行動+Accomplishment達成・成就

・Performersパフォーマーズ:介入の対象者

・Performance Consultantパフォーマンス・コンサルタントが、
 重要なStakeholder利害関係者であることを示すのが本書の狙い。

・Gilbert(1978)を元にしたRummler & Brache(1995)の枠組み。
 複雑なシステム内で、パフォーマンスを支援する要素:

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↓p41と、P171を元にした意訳(パフォーマンス・ギャップ分析に使用)

1.明確なパフォーマンスの定義
   従業員は、自分たちに何を期待されているかわかっているか?

2.必要な資源と支援
   従業員は、期待されていることを行うために必要な
   資源と支援を得られるか?

3.適切な結果
   従業員が、期待されることを行ったら、次に何が起こるのか?

4.適宜の関連あるフィードバック
   従業員は、期待されていることを行えているかどうかを
   どうやって知ることができるのか?

5.個人の能力
   従業員には、期待されていることを行える能力があるのか?

6.必要なスキルと知識
   従業員は、期待されていることを行うためにどんな知識が必要か
   わかっているのか?


・Rummler & Brache(1995)は、パフォーマンス問題の80%は、
 1〜4の職場環境に関係があり、

 15〜20%のパフォーマンス問題は、6のTraining研修で解決でき、

 1%弱が、5の個人の能力に関係していると主張した。

・HPTプロセスと、利害関係者の関与

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・仮に、研修のみ単体が、解決策として提供された場合、低いレベルの
 転移しか起こらないことを明らかにした先行研究の一覧(p82〜84)

・Kirkpatrickの4レベルフレームワーク(1959、1998)において、
 レベルの間には、因果関係があるという前提があった。

 しかし、そこには因果関係はないことが明らかになった(Holton 1996)

・L3は、Effectiveness of Training研修の効果を測るものと考えられて
 きたが、それは、Effectiveness of workplace support職場支援の効果
 を測るものといえる。

・L1の反応を測る研修直後評価において、以下の項目は、
 職務パフォーマンスを支援する情報として有益である:
 −仕事に適応できるという受講者の自信
 −学習を職務パフォーマンスに転移させる受講生の行動計画
 −想定される職場での障害
 −他の利害関係者による研修前と研修中の支援の報告

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