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「サーベイフィードバックの古典を読む」勉強会(1)

立教大学 中原先生のFBでの一言がきっかけで「サーベイフィードバックの古典を読む」勉強会を、Zoomで開催しました。

前半2回、後半2回の計4回、各回2時間です。

前半の4月7日(火)10時30分〜12時30分は、
『Survey-Guided Development: A Manual for Consultants』の輪読をしました。

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・文献の抜粋要約
- 勉強会で出た意見
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Section I: Theory and Measurement in Survey-Guided Development

Module1: What is Survey-Guided Development?

・Survey-Guided Development(SGD)は、
 1)組織メンバーの能力を開発または向上させるために
 2)組織機能に対する多くの個人の知覚について、質問紙を使って尋ねるもの

・SGDは、組織開発において、3つの要素を見るべきであるという理論に基づいている。それらは「行動」「状況」「介入・活動」である。

・What 組織メンバーは何をして、何をしていないのか?何が問題なのか?
 Why 彼らは、何故それらをして、それらをしていないのか?
 Which どの介入方法が、組織の問題解決につながるのか?

・的確な問題の診断が、組織に変化を起こすために必要である。

・Standard of comparison 比較基準
 1)過去 2)他組織 3)こうあったら 理想像 4)こうあるべき 規範的

・SGDの目標は、的確な情報を提供することによる組織変化の促進である。

・コンサルタントの役割は、Transducer 変換器 である。

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Module2: Using a Standarized Questionnaeire:The Survey of Organizations(Hさん)

・標準化サーベイとは、構成済かつ事前決定済のアンケートを使って、メンバーから組織についての考え方を得ること
・アンケートを作ること自体が組織への考え方と深く結びつく

・質問項目づくり
 1)回答者にとって明確で適切である
 2)仕事における具体的な状況を尋ねている
 3)複数の態度や行動を同時に尋ねない

・基準(平均)の算出
 複数組織の調査結果から、基準となるスコア(多くは平均)を算出し、それと自組織やグループを比較する。多くの人がサーベイに回答するほど、多くの人にとって基準が意味ある値になる

・サーベイ実施の準備
 1)まず組織のリーダーにサーベイの意義を説明
 2)全メンバーに協力してもらえる時間と場所を確保
 3)サーベイの信頼性や回答者の態度を左右する事務説明

-数字と自分の経験を紐づけて、語ってもらうと、同じ数字でもいろいろな解釈が出てくる。
-数字がアンカーとなっているのかも。
-事実、データに戻る。
-「サーベイ疲れ」「暴力的なサーベイ」もある

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Section II: Activities and Concepts at the Work-Group Level

Module3: Understanding Work-Group Data and Preparing Data Displays

・Work Group 職場集団は、一人の同じSupervisor管理監督者にレポートする全ての個人を指す。

・Mean 平均 
・Standard Deviation メンバー間で意見の相違が大きいほど、SDも大きくなる

・集団の機能における「強み」と「弱み」を診断する。

・組織調査においては、5つの領域を見ることが多い
 1)Organizational climate 組織風土
 2)Supervisory leadership 上司のリーダーシップ
 3)Peer leadership 同僚のリーダーシップ
 4)Group process 集団の過程
 5)Satisfaction 満足

・それぞれの要因のCausal chain 原因の連鎖

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・実際と理想の状態の間に、moderate discrepancy 中程度の不一致 があるぐらいが、最もモチベーションを高める。
・コンサルタントは「中程度の不一致」のある領域に、戦略的に目を向けていくべきだ。

・調査データは、職場メンバーに伝わるようシンプルに。多くの情報を一枚のチャートに詰め込みすぎない。

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Module4: Meeting with Work-Group supervisor(Taさん)

・ミーティングの目的
 .如璽燭龍ν
 ▲如璽燭示す問題を提起する
 データフィードバックに上司をコミットさせる
 ぬ簑蠅瞭団蝓Σ魴茲鮃圓Ε錙璽グループMtgを計画する

・ミーティングの流れ
 .漾璽謄ングの開始
 ▲如璽燭離侫ードバック
 6みと弱みを議論する
 ぃ唯遙腓侶弉茵クロージング

-サーベイ対策:上司が「こう回答しろ」とメンバーを誘導。数字が低く出て、対策を打たないといけなくなる事態を避けるため
-上司がサーベイに積極的に参加しない。やっても昇進や事業に関係ないから。
-そのサーベイを使いたい!と思わせないと。

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Module5: Work-Group Feedback Meeting(Teさん)

・ミーティングの流れ
 1)導入 2)意見交換 3)課題抽出と解決 4)締め

・抵抗と向き合う、個人の特定防止、主観的にならない、対立を処理
・コンサルタントが主導権を握らないよう

-アジェンダやゴールが決まっていないミーティングをオンラインでやるのは難しい。
-フィードバックミーティングは、感情にも向き合わないといけない可能性があるから、オンラインでは難しいのでは
-少人数で、進行役が上手くファシリテーションしてくれて、雑談も出るぐらいの、心理的安全性が担保されていれば、オンラインでも可能かも
-コロナ後には、改めて人が集まる意味を再確認することになるだろう

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Section III: Activities and Concepts at the System Level

Module6: Understanding and Presenting Systemic Data(関根)

レジュメを見る

-70年代は、こういうウォーターフロー型の組織だったと思う。だからこそ、サーベイフィードバックが合うのか。
-今のようにフラットな組織であったり、上司やレポートラインが複数ある場合、サーベイフィードバックが効くのか?
-「上司って誰を指してますか?チームって?」という質問が出たりする。
-何を組織と見なすのか、組織の境界はどこまでか、
-調査票を回す範囲が、チームの境界かも。

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Module7: Identifing Systemic Problems

・組織機能における問題とは、特定の行動、ポリシー、状況の存在あるいは欠如による効果的な組織機能の阻害である。

・問題の大きさは、実際と理想の機能の不一致の大きさと、組織機能の重要度の大きさによって決まる。

・システム問題は、
 1)同じ問題が、多くの人々に起こっている
 2)ある集団には、1つの形態だが、他の集団には、別の形態で起こっている
 3)特定の集団にのみ起こっている という状態がある

・システム問題の原因は、次の4つである
 1)情報 2)スキル 3)価値観 4)状況
・情報やスキルの欠如、矛盾する価値観、人々が効果的に行動することを許さない状況によって、組織の問題は引き起こされる。

・どこに問題があるのか、その原因は何か、何からまずは解決していけば良いか。

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Module8: Solving Systemic Problems

・問題解決の責任は、システムリーダーにある。コンサルタントはあくまで変換機の役割を通じて、組織リーダーを支援する。

・問題解決を行うためには
 1)どの領域(例:コミュニケーションの流れ、上司の目標設定)で問題が起こっているのか
 2)問題の原因は何か?
 3)問題は、どこで最初に発生したのか?(トップなのか?事業部リーダーなのか?)
 4)問題は、誰に影響を及ぼしているのか を考えるべき。

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Section IV: Consultant Interventions

Module9: Key Phrase Index: Consultant Skills and Information

・コンサルタントは、いつ、どのような種類の介入方法を使うかを考える。

・組織開発では、診断と変化という2つのフェーズがある。

・データが、何を示していて、何を示していないのかを、明確に伝える。

・コンサルタントは、どこに座るか、最初に話さないようにする、解決策ではなくプロセスを示す、沈黙を最初に破らない、ことを通じて、リーダーではなく、変換機としての役割を果たす。

・組織メンバーからの抵抗にあったら
 1)抵抗されていることを認識する 2)抵抗の原因を特定する 3)抵抗を弱める

・議論においては、Carl Rogersのカウンセリングルールを使う
 「前に話した人の意見と感情を正確に復唱した後に、自分の意見を述べ始める」

・「中程度の不一致」がある領域に、焦点をあてるべきである。

・コンサルタントは、客観的であるべき。職場メンバーから、主観的な意見を求められた時も、データに語らせるようにする。データを通じて、問題に気付かせるのだ。

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参考:「サーベイフィードバック」本 
http://learn-well.com/blogsekine/2020/04/_200402.html

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●講師ビジョン 島村さんから頂戴したメール

関根さん

おはようございます。ブログ拝見しました。

サーベイフィードバックの古典について大変参考になりました。
いくつか感想を記載させていただきますね。

(参考になった点 
Module2: Using a Standarized Questionnaeire:The Survey of Organizations

>サーベイ疲れ

(感想)

経年で変化を見ることは大切だが、ほぼ同じ項目で毎年数字を見ていると慣れてしまい、当事者意識が持ちづらくなる可能性もあると感じます。サーベイ疲れ、サーベイ慣れはどの会社にもある問題ですね。

それには、上司が目的意識をまず持つことが大切なので、以下のModule4が参考になります。

(参考になった点◆
Module4: Meeting with Work-Group supervisor(Taさん)

-サーベイ対策:上司が「こう回答しろ」とメンバーを誘導。数字が低く出て、対策を打たないといけなくなる事態を避けるため
-上司がサーベイに積極的に参加しない。やっても昇進や事業に関係ないから。
-そのサーベイを使いたい!と思わせないと。

(感想)
サーベイの種類にもよりますが、部長レイヤー以上の責任者がどれだけサーベイ結果をよりよくしていくかを真剣に考えているかが課長以下部員にも直接影響してくると思います。責任者クラスの方に強制力を持たせるのはどうかと思いますがある程度、評価との連動を持たせる必要はあると考えます。


(参考になった点)
Module5: Work-Group Feedback Meeting(Teさん)

-フィードバックミーティングは、感情にも向き合わないといけない可能性があるから、オンラインでは難しいのでは
-少人数で、進行役が上手くファシリテーションしてくれて、雑談も出るぐらいの、心理的安全性が担保されていれば、オンラインでも可能かも


(感想)
大人数でオンライン上でサーベイフィードバックと少人数でのオンラインサーベイフィードバックと両方あってもいいのではないかと思いました。それぞれの異なった役割を持たせるのが理想ですね。

確かに感情に向き合うのは、オンライン上でどこまでできるのかむしろ、オンライン上の方が適しているのかを含めて
オンラインでのやり取りを我々はもっと実践しし、研究していく必要があるなと感じます。


(参考になった点ぁ
Section IV: Consultant Interventions
Module9: Key Phrase Index: Consultant Skills and Information

・データが、何を示していて、何を示していないのかを、明確に伝える。
・コンサルタントは、解決策ではなくプロセスを示す、沈黙を最初に破らない、ことを通じて、
リーダーではなく、変換機としての役割を果たす。
・議論においては、Carl Rogersのカウンセリングルールを使う「前に話した人の意見と感情を正確に復唱した後に、自分の意見を述べ始める」
・コンサルタントは、客観的であるべき。職場メンバーから、主観的な意見を求められた時も、データに語らせるようにする。データを通じて、問題に気付かせるのだ。


(感想)
これは、大変学びになる記述でした。上記、コンサルタントのl行動は、わかっていることと、できることの間の差がとても大きいように感じます。多くのコンサルタントが乗り越えるべき課題だと感じます。ある意味、議論のプロセスをロジカルに見ながら、感情を正確に表現するなどロジックと感情を行き来することが求められるので、難易度は高いですが、やりがいがあると思います。

以上、簡単ですが、感想を記載させていただきました。今回もとても参考になるブログでした。いつもありがとうございます。

講師ビジョン株式会社 島村公俊

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講師ビジョン株式会社
代表取締役 島村 公俊
〒135-0063
東京都江東区有明3−7−26
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Mobile.090-6479-6300
Email.shimamura@koushi-vision.co.jp
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(島村さん、こちらこそいつもありがとうございます!)

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●一緒に勉強会に参加した高橋さんのブログ

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