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2020年08月26日

「研修転移〜研修で学んだことを実践につなげるために」という研修を実施しました。

ラーンウェル代表の関根です。

2020年8月26日(水)13時〜16時30分、東京都市町村職員研修所主催「研修担当者研修」オンライン版を実施しました。

公務員の方向けの研修になるので、元公務員で、今年の4月に独立した「まなびしごとLAB」の風間さんと、二人で登壇しました。

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差しさわりの無い範囲で当日の様子を共有します。

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まずは、事前課題として「研修評価と転移」に関する動画を見て頂き、
http://learn-well.com/blogsekine/2021/07/post_532.html
大きく2つの質問に答えて頂きました。

Q.動画から学んだことを、どのように業務に活かせると思いますか?

Q.研修を受講するにあたっての、今の問題意識をお書きください。

それぞれについて「ウェブ掲載OK」の許諾を頂いた方の意見を共有します(ありがとうございます!)

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Q.動画から学んだことを、どのように業務に活かせると思いますか?

・以前にも別の研修でカートパトリックの研修評価4レベルの話を少しだけ聞いたことがありました。しかし、細かく学んだことがなかったので、今回このテーマの研修を受講できてよかったです。今年度、研修報告の修正を検討しているところだったので、研修転移の考え方を参考に新たな様式を検討したいと思います。

・当市では、Q2でも触れたとおり、研修受講前に研修受講に当たっての心構えや意気込みなどを記載するシートがある。研修受講前の職場でのやり取りに焦点を当てたものであることを改めて理解した。受講生へは、その意図や趣旨を周知したうえで取り組んでもらうと、移転マトリックスの重要性も理解できると感じた。
・現在実施している報告書に付随するアンケートも、表現を変える等して効果的なものにしていきたい。

・これまでも、所属職員に対し、研修機会の提供はするものの、その後のアフターフォローのようなものは実施していなかった。まずは、今回の動画から学んだように、一定期間後の本人やその上司への聞き取り調査等を実施し、その後の研修の在り方に対する参考にしていきたいと思う。

・受講者の満足度が高い低いということだけにとらわれず、視野を広く、長く持とうと思った。

・研修転移の促進について、研修を現場と類似させることや、仕事環境に即したものにすることが必要であると学ぶことができたので、研修担当者として、他部署の状況や業務への理解を深めていかなければならないと感じています。新人という立場であること、現時点ではあまり研修運営に携わっていないことから、まずは今まで自身が受けてきた研修の内容を振り返りながら、研修で得た知識を活かして日々の業務に当たることで、研修の有効な受け方、活かし方を実践していきたいと思います。

・概ねテーマの意味は理解できたので、あとは当日の研修でどこまで具体に落とし込めるかが業務に活かせるかどうかになると思います。

・研修を受講してもらうところまでは業務でも丁寧に行ってきました。しかし、その研修がその後の職員の業務にどのような影響を与え、成果につながるのかまで分析し、その後の研修に反映することの重要性をわかっていませんでした。今後は、研修後の受講報告書の分析などに活かしていきたいと思います。

・今後のアンケートの取り方や見方、研修の組み立て方に活かせると思いました。

・研修評価の考え方や手法に関しては、実際の研修カリキュラムを検討する上でも活かせると思いました。また、研修を転移させるという視点は、仕事の現場でも役立てられるような研修を企画していく上で活かされると思います。

・研修直後アンケートの見直し(有用度、関連度、自己効力感、講師評価の項目)
・受講者の特徴・研修デザイン・仕事環境を考慮したカリキュラム検討
・研修前後の関わり方(研修転移の促進)
・行動・成果を測るアプローチの検討

・感想用紙で「満足度」を重視していたが、研修転移には繋がらない、ということ。「有用度」や「関連度」「自己効力度」が高い研修の方が「満足度」が高い研修よりいい研修であること。自己効力度について、「できる」「やる」というのは両方必要。「やる」については研修企画が大事であること。また「自己効力度を高めることが研修のゴールである」という言葉は印象に残った。アンケートについても、集計するだけではなく、「できた」「できなかった」という人に対して深堀をしていくと、より良い研修が作れると思うので、今後活用していければいいと思った。

・日々、同じように実施している研修の実施や、実施後の分析について、反応、学習、行動、成果の4個の項目に分類して、考え直すきっかけになる。

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Q.研修を受講するにあたっての、今の問題意識をお書きください。

・現在はどの部署も繁忙となっているため、人材育成にかける時間や研修の事前学習、事後の振り返りにかける時間がとれないとよく言われます。研修だけでなく、人材育成施策全てに言えることですが、より効果的に研修効果を高めるための施策を考える参考としたいと思います。

・研修受講前と受講後に、職場(管理職)との関わりをどう持てるか
・やりとりの際には負担感だけが強くなり過ぎないように自然なやりとりができるとよい
・入庁1年目から11年目までは毎年研修があるので、重複感があるという声が一定数ある。今後、統合や廃止の可能性も0ではないが、発展的に継続するには、研修転移という視点をどれだけ加えられるか考えながら受講したい。

・効果測定等がほとんど実施できていない状態であるため、早急に体制を確立する必要がある。また、多くの職員においては、研修の重要性が十分認識されていないという現実があるため、職員の意識改革ができるような試みも必要であると感じている。

・各課で業務が多忙となり、研修に行きたくても行けない、また部下を研修に出している余裕がないという上司が増えていて、短い時間や日数で効果的に人材育成に寄与する研修を組み立てることが非常に難しいと感じている。
 感染症拡大により、特に都心部で実施される研修参加への不安等もあり、自宅や普段の勤務場所で受講できるオンライン研修の選択肢を充実させていく必要があると感じている。研修転移の観点からオンライン研修と集合研修でどのような違いが生じるのか、またオンライン研修の実施方法として、集合研修と同等又は高い効果が期待できる実施方法など、知る機会となればよいと思う。

・新人であることとコロナウイルス感染症の影響で研修の機会自体が年度当初ほとんどなかったことで、研修運営の経験はほとんどありませんが、今回の研修を今後の業務にいかせるようにしていきたいと思います。

・研修移転は移転先の仕事内容に対して、どう効くのか、何に効くのかが具体的に見えないと分かりにくいのではないかという問題意識を感じています。

・必要な研修を、対象の職員に受講してもらうことをゴールととらえてしまっている自分の意識が問題であると思います。研修の受講はスタートであり、研修結果によりどのような行動が現われたのか分析し、より良い研修となるようその結果を反映していくのだという意識を持たなければならないと思います。今回の研修で、行動の分析、また次の研修へいかに反映していくのかの手法を学びたいと思います。

・研修後のインタビューの実践をいかに少ない事務負担で実行できるか学ぶヒントを得られればと思っております。

・これまで「効果的な研修」であれば良しとしているところがありましたが、研修後に研修で学んだことが本当に実践されているのか?持続しているのか?どれだけ効果あったのか?といったところまで目を向けていきたいと思いました。そのようなことから、実際に今ある研修を「やりっぱなし」にしないためには、具体的にどのようにすれば良いか?を考えていく必要があると思います。

・自己効力感を高める研修設計の方法や、研修前後の効果的な関わり方について具体的に学びたいです。

・感想用紙のアンケートの内容について、「満足度」が高いものをよし、とするのではなく、「有用度」や「自己効力度」を見ていき、「できる」「やれる」ような研修内容を企画できればと思う。現時点では、研修終了後のアンケートを見るのみ、となっているが、今後その後の追跡調査のようなものができれば、「この研修を受講するとこのような意識変化が持て、このように現場に活かすことができる」など、研修の魅力を伝えていけるのではないかと思う。

・市町村の共同研究所で業務を行っていることもあり、研修直後に市役所等に戻り、実際にどのような効果が出せるかまで、研修転移を見越してのカリキュラムの検討をできていない面があると考えている。

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研修当日は、下記内容を行いました。

1.オープニング(導入)

 ・事前課題の共有
 ・意見交換「職場実践を促す際の苦労と工夫」

2.転移を促す研修設計

 ・研修の目的とは?
 ・研修設計の基本
 ・研修の目標
 ・逆戻り予防策

3.クロージング(結び)

 ・研修のふり返り
 ・逆戻り予防策の立案

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参加者は、35名+オブザーバー5名+事務局1名=41名

Zoomでのオンライン研修が初めてという方々が、9割でした。

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研修最後に、自己効力感を訊くアンケートを取りました。

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終了後、事後課題にご協力頂いています。参加者の皆さんの現場実践に期待します!

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(企画して下さったAさん、ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。)

2020年08月22日

社会構成主義に関する本

○社会構成主義に関する本

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『他者と働く』宇田川元一(2019)

・見えない問題、向き合うのが難しい問題、技術で一方的に解決ができない問題である「適応課題」をいかに解くか、それが「対話」

・対話とは、「新しい関係性を構築すること」

・お互いにわかり合えていないことを認めることこそが、対話にとって不可欠。

・ナラティブ(Narrative)とは物語、つまりその語りを生み出す「解釈の枠組み」のこと。

・それぞれの立場におけるナラティブ(一般常識)がある。

・一度ひいた目で周りを見渡して初めて、分かりあえない人々との間に、大きな溝があることに気づく。

・相手にも空いてなりの何か事業があるのかな、見えている景色が違うのかなと、想像してみる。

・相手の埋め込まれている関係性を理解する

・色々な問題や困難に直面するほど強くなる性質のことを、反脆弱性という。

・日常の言葉を交わす会話を通じて、私たちは現実を創り出している。
・言葉を変えることで、現実を変えることができるのではないか。これがナラティブアプローチの哲学的意義。

・相手を問題のある存在ではなく、別のナラティブの中で意味のある存在として認める。

・立場の弱い側は、いくらでも人のせいにして、逃げ道がある。

・人が育つというのは、その人が携わる仕事において、主人公になること。

○これ、いい言葉!

・部下が仕事のナラティブにおいて、主人公になれるよう助けるのが、上司の役割。

・戦わなくて良い状況、つまり「新しい関係性」を作る。

・職場の内外に「相棒」を見つけておくことが大切。

・組織のメタファー「機械」「有機体」「頭脳」に共通するのは、働く一人一人は、組織を構成する部分であり、中心的な存在ではないということ。


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『あなたへの社会構成主義』K.J.ガーゲン(2004)

・経験主義:あらゆる知識の源は、経験であるという哲学の考え方

・脱構築主義者のデリダは、言語とは、差異のシステムであると考えた。

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・認定される疾患の種類が増えるにつれて、精神衛生の専門家の数も増えている。

・言語は、世界をありのままに写し取るものではない。

・社会構成主義者は、自省Reflexivity:自分が持っている前提を疑問視し「明らかだ」とされているものを疑い、現実を見る別の枠組みを受入れ、様々な立場を考慮して物事に取り組む姿勢を、非常に大切だと考える。

・何が科学的真実であるかは、科学者コミュニティーによって決定される。

・現実の構成に対する考察の立場:
 
 Radical Constructivism 急進的心理的構成主義 レヴィ・ストロース
 Constuctivism 心理的構成主義 ピアジェ
 Social constuctivism 社会−心理的構成主義 ヴィゴツキー
 Social constuctionism 社会構成主義 ガーゲン
 Sociological constructionism 社会学的構成主義 ジール

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・メタファーに操られると、自分たちが取りうる手立てをたった一つに減らしてしまう。

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・統計は人々を黙らせる装置ともなりうる。

・典型的な実証研究は、価値中立性というオーラをまとい、道徳的、政治的なものとはまったく無縁であるかのように見せかけている。

・社会構成主義では、何よりも「自省」と「解放」を目指している。

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・言説を通して、自分たちの世界を創り出しているとしたら「いかに話すか」「いかに書くか」ということが、とても重要な意味をおびる。

・発達心理学者は、人間を「機械」か「花」かというメタファーで捉えてきた。

・記憶は、共同体の中に「配分される」

・感情とは、個人の心の所有物ではなく、関係のもつ特性。

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・言葉は、それ自体、一つの社会的実践。

・お互いに理解するということは、一緒に滑らかなダンスをするのと同じ。行為を調和させること。

・対立の基盤が、対話を通して現れてくるならば、対話こそが、対立に満ちた現実を扱う最も有効な手段となる。

・自らのよって立つ位置を反省するということは、異なる声を受け入れること。

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・社会構成主義のセラピストは、クライアントが自分の問題そのものについて語るよりも、その問題の解決について語ることのほうが、有効な場合が多いと主張。

・伝統的な学校教育は「栄養士モデル」知は「よい食べ物」であり、生徒は栄養を与えられる者。生徒はからの容器と考える。フレイレによる主張を、社会構成主義は支持する。

・栄養士モデルでは、教師は「対話(ダイアローグ)」よりも「独語(モノローグ)」というスタイルを好む。

・伝統的な学問に多くみられるように「神」の視点に立つことをやめ、研究の中で、著者という血の通った人間の存在を明確にしようとする。

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・ロマンス小説を、女性は意外な読み方をしていた。別の視点から、ドラマを見ることができる。

・私たちは、みなプロデューサーであると同時い犠牲者でもある。

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・ある生活形式を、私たちに押し付けることはできない。

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・「社会的な構成の産物である」という言葉で対話を終わらせず、新たな対話の可能性を開くものとして用いることで、社会構成主義の主張が意義を持つ。

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『社会構成主義の理論と実践』K.J.ガーゲン(2004)

・我々は何を信頼できるというのか。デカルトは、私が疑っていること、このことだけは疑いようがないのではないか、と。Cogito ergo sum われ思う、ゆえに我あり。

・しかし、デカルトはいかなる根拠で、懐疑のプロセスは、外界とは独立して外界を写す、個人の心の活動と言えるのだろうか。Communicamus ergo sum 言説あり、ゆえに我あり、と言い換えるべき。

・基礎づけ主義に変わるポストモダンに共通するのは、言語が関心の中心であること。我々がいかなる方法を用いて世界についての知識をもとうとも、それは本質的に言語的構成の産物なのである。

・「知識は個人の頭の中にある」という観念こそが、各種制度の存立根拠となっている。

・伝統的な心理学は、行動主義(経験主義)に回帰することもできないだろうし、認知主義(合理主義)の方向でのさらなる発展も難しい。

・意味の四角形
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・20世紀の大部分において、心理学の学会を支配したのは、行動主義のクラスターであった。その後、認知主義が主流になった。

・科学的知識の哲学は、ポスト経験主義の段階に入っている。科学を根本的に合理的なものとみなそうとする試みは、おおむね消滅している。

・刺激→反応とうい因果関係の連鎖という考え方も崩壊した。

・経験主義も合理主義も「頭の中の知識」という概念を自明視している。それに対して、社会構成主義は、知識が共同的関係の産物であることを主張する。

・認知主義の隆盛は、コンピューターとの連携によるものである。コンピューターは、認知理論のメタファーであり、技術的な検証を支えてもいる。

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・心理学以外の学問領域では、既にいくつかの知的変革が起こっている。これらの知的変革は「頭の中の知識」の代案「知識は社会関係の中にある」を共通のテーマにしている。

・ポストモダンでは、ワード(言葉)とワールド(現実世界)の正確な結びつきにこだわったりしない。

・中立的とはいえない科学的記述は、女性を再生産工場と見る男性側のメタファーの産物。

・なぜ、言説が、内的存在(思考、意図、構造など)の外的表現であると仮定しなければならないのか。

・西洋的認識論の歴史はすべて「鏡としての心」という不幸なメタファーから生じている。

・「言語は事実を運ぶ」という伝統的な言語観に対する批判。

・科学理論の価値は、何よりも予測力にある。予測力に優れた理論が、良い理論。

・社会構成主義は、自らの研究者としてのコミットメントを私的感情と切り離したり、事実と価値を区別しようとするのではなく、研究者としての全人的表現を求める。

○まさに、これを体現して書いていたのが「あなたへの〜」だな〜。

・科学の価値中立性など、空想に過ぎない。

・セラピスト、カウンセラー、組織コンサルタント、教育者らは、研究者よりも、文化に対してはるかに多くの影響力を持っている。学者の難解な著作よりも、日常の人間関係に深く直接的に入り込む。彼らは文化を変容させる大きな潜在力を持っているのだ。

○これ勇気づけられる分、気を付けないと。

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・社会構成主義のルーツは、イデオロギー批判、文芸論的、修辞学論的批判、科学の社会的批判にさかのぼることができる。

・ピアジェ(1954)の発生的認識論は構成主義とよばれ、その主な理論的主張は、個人(の頭の中の知識)が現実を構成するという点にある。

・社会−心理的構成主義は、個人より社会を重視する。

・西洋医学は優れているように見えるだけ。科学の使徒は、より強力な征服者であり、彼らが他の文化の担い手を著しく抑圧したからである。

・社会構成主義は「真実」を主張しないがゆえに、他の選択肢を排除したりしない。

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・ダーウィンによれば、様々な生物種は、ホッブズの言う「万人の万人に対する闘争
」の状態にある。だから、人間という種が生き残るためには、他の動物よりも適応的でなくてはならない。

・「道徳的行為」を保証する手段は、社会化と教育をおいてほかにない。すなわち「道徳的行為」を、個人にすりこむことだ。

・社会構成主義は、人々の異質性を所与とした上で「人々が互いに満足できる状況をもたらす関係性はいかなるものか」を問う。

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・心理学は、総じて認知革命を課題評価しており「悪しき革命からおりる」ことができなかった。

・経験主義は、知識の「生成」と「応用」を区別してきた。社会構成主義の認識論から言うと、この「知る人」「使う人」という区別は意味をなさない。

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・社会構成主義は、社会生活の自省的分析を要請する。

・精神疾患の語彙は、武器に似ている。その存在自体が、攻撃対象を作り出す。その帰結として「理想的でない」個人は「治療プログラム」に送り込まれる。

・宗教や芸術ではなく、科学の一員であることを主張することによって、心理学の専門的言説は、物理学や化学と同じレトリカルな重みを得ることができる。

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・客観性の概念は、巨大なレトリックの力を持っている。客観的であることは、適応と密接に結びついている。客観性は、レトリカルな営みの一つに過ぎない。

・機械的自己の概念は、著者の主張に権威を与えるレトリックを生み出す前提として機能していることがわかる。

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・社会構成主義というメタ理論と緊密な関係にある理論は「関係性理論」である。関係性理論では、自己概念としての「自己についての語り(Narrative)」に注目する。

・物語は、人生の現実を作り上げる手段となる。

・物語の構造
 1)価値ある終点を明確にする
 2)終点にとっての関連事象を選択する
 3)事象を並べる
 4)同一性を安定させる
 5)因果の連鎖を作る
 6)区切りを示す

・語りの形式
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・社会構成主義では、アイデンティティを「個人の心の達成」ではなく「関係性による達成」として捉える。

・アイデンティティは、他者に依存した不安定な関係に乗っかっているようなもの。

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・個人主義の影響下で育まれた「自分第一」という態度。「自分が勝てばいいのだ」

・社会的交換理論は、継時的な関係性のパターンを問題としているが、その根底には「利得最大化」という個人的方略の存在が前提とされている。

・社会構成主義の目的は、既存の行為パターンに、新たな選択肢を生成することにある。すなわち、自然を明らかにするから、自然を豊かにすることへの移行がある。

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・モダニズムの観点では、セラピストは、疾患を見つけ、それを除去しようと試みる。これが、診断と治療の過程である。

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・M.バフチン(1981)は、文化における言語のパターンに2つの主な傾向を見出している:求心化と遠心化

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●参考:

「ダイアローグ」http://learn-well.com/blogsekine/2009/02/post_218.html 

「デジタル教材の教育学」http://learn-well.com/blogsekine/2011/05/post_342.html

「Dialogic Organizational Development」http://learn-well.com/blogsekine/2015/12/dialogic_organization_developm.html

2020年08月13日

Scaffolding(スキャホ)関連文献5

○Scaffolding(スキャホ)関連文献5(下記書籍内スキャフォルディングに関連しそうな章のみ)

THE CAMBRIDGE HANDBOOK OF THE LEARNING SCIENCES (SECOND EDITION)
R. Keith Sawyer 編著(2014)

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○この本のFirst edition(2006)は「学習科学ハンドブック」として邦訳が出ている。

・・・と、改めて、アマゾンを見たら、なんと第2版も邦訳されていた!しかも3分冊で読みやすそう。 ま、いっか。


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1. Introduction: The New Science of Learning

Sawyer,K.

・学習科学は、教育と学習を研究する分野横断型の領域であり、1991年に生まれた。

・今の学校は、科学的に検証されておらず、常識的な前提を基に設計されている。

・伝統的な学校への見方は、Instructionism(Papert,1993)と呼ばれる。
・これは現代のイノベーション経済においては、アナクロニズムである。

・学習者を、からの容器と考え、そこに満たされるのを待っている存在と見る。

・学習科学において、生徒は、実際の活動に近い活動をする際に、深い知識を学ぶと考える。

・Situativity状況論?では、知識は学習者の頭の中にあるのではなく、環境内の人々やツール、そして活動を通じて、知識を得ると考える。

・論理的実証主義と行動主義が、伝統的な教室実践に結びつき、instructionist 指導的アプローチが、教育に広まっていった。

・Epistemology認識論では、実験、試行錯誤、仮説検証、討論、議論が、科学には必要と考える。
・科学的知識は、状況下で実践され、協働的に生成されると考える。

・生徒は、空の容器として、教室に入ってくるわけではなく、半分ぐらい形作られたアイデアと世界に対する誤った理解を持っている。
・学習科学は、Constructivism構成主義に基盤を置いている。

・効果的なスキャフォルディングは、prompts(俳優にセリフを思い出させる)カンペと、ヒントを提供し、学習者自身が自分で出来るよう手助けする。
・徐々に、スキャフォルディングは、消え去っていく。

・コンピューターの使用は、学習科学を基盤にしたものではない。教員は、これまでの指導的教室に、コンピューターをのせただけだ(Cuban 2001)

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2. Foundations of the Learning Sciences

Nathan,M.J. & Sawyer, R.K.

・学習科学は、研究と実践の橋渡しを目指している。

・Cognitive science認知科学は、認知心理学とコンピューターサイエンスの分野横断型の領域で、認知を、コンピューターになぞらえて理解しようとする。

・J.ピアジェが創設したConstructivism構成主義では、スキーマと呼ばれるメンタル構造が、学習に影響すると考える。

・MeadやVygotskyのようなSocial constructivist社会構成主義者は、知識は言語使用といった社会的相互作用によってつくられると考える。

・PragmatistプラグマティストのJ.デューイは、子供中心の教育を提唱し、inquiry探求を重視した。

・学習者が意味と知識の構成に活発に関与している程、学習がより効果的なものとなる。

・認知主義と構成主義では、学習を個人レベルでとらえる。
・埋め込まれた、状況論的学習では、学習は、社会文化的文脈に絡められたものととらえる。

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3. Scaffolding

Reiser,B.J. & Tabak,I.

・スキャフォルディングの中心となる考えは、より知識のある他者と学習者との間で、Work仕事が共有されるという点である。

・ZPDは、学習者一人の現状の能力では届かないが、適切な支援があれば達成可能なタスク領域であり、それを通じて学習者個人の能力を広げていくものである。

・Tutorチューターは、徐々にガイダンスを減らしていき、スキャフォルディングのFading外しを行う。(足場かけ外し)

・スキャフォルディングの機能:
1)スキャフォルディングは、課題要素を単純化する
2)スキャフォルディングは、プロセスを管理可能にする
3)スキャフォルディングは、欲求不満とリスクを減らし、興味を維持させる
4)スキャフォルディングは、学習者の関心を集中させる
5)スキャフォルディングは、学習者の説明と内省を促す
6)スキャフォルディングは、文脈内での実践による学習を可能にする

・Guzdial(1994)は、ソフトウェアによるスキャフォルディングを提唱した。

・Puntambekar & Kolodner(2005)は、Distributed Scaffolding(分散スキャホ)を提唱。スキャフォルディングが、教員、生徒同士、活動構造、機材、コンピュータなど複数の学習環境に埋め込まれていると考えた。

・スキャフォルディングの難しさは、適切な支援と、適切な足場外しの実践である。
・Hypermediation複数仲介?や、Over-scripting書きすぎ?のリスク(教えすぎ)
・学習者の能力を誤って診断してしまう。

・Advance organizer先行オーガナイザーは、次に教わる知識を受け取りやすくするための概念的スキャフォルディングである。

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4. Metacognition

・メタ認知は、個人のマインドの内容と過程について考えることである。

・認知心理学者は、3種の知識について検討してきた:
1)Declarative宣言的知識
2)Procedural手続き的知識 ノウハウ
3)Conditional状況的?知識 いつ、なぜ、上記2つの知識を使うべきかの知識

・実際の学習環境において、何がメタ認知のきっかけとなるのか?

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6. Cognitive Apprenticeship

Collins,A. & Kapur, M.

・歴史上のほとんどの期間、教育と学習は、徒弟制を基盤としてきた。
・近年になって、学校が、徒弟制を代替するようになった。
・現代の巨大な学校制度において、徒弟制を使うことが不可能になった。

・Lave(1988)は、伝統的な徒弟制において、学習が社会的、機能的文脈に埋め込まれており、学習者、観察、指導、練習を通じて、学習しているとした。
・師匠は、徐々に完全に離れていった。

・伝統的徒弟制をアップデートした概念として「Cognitive apprenticeship認知的徒弟制」がある(Brown, Collins, & Duguid, 1989他)
・身体的なスキルではなく、認知的スキルに焦点を当てる。
・学習者の頭の中の認知プロセスは見えない。

・認知的徒弟制では、多くの違う状況でも使えるよう汎用的知識を強調する。
・領域固有の知識は、専門家にとって必要だが、それだけでは十分ではない。

・6つの指導手法の内、モデリング、コーチング、スキャフォルディングは、伝統的徒弟制の核である。
・Articulation and Reflection 明確化?と内省。そして、Exploration探索という3つの手法。

・スキャフォルディングには、Suggestion提案?、Help助け、Cue cardヒントカード、Short skis短いスキーなどがある。

・Situated learning状況的学習の課題は、文脈から外れた学校での課題とは違う。

・子ども達は、彼らが尊敬している人が、読み書きをしているなら、読み書きを学ぼうとする。
・彼らがなりたい人に、彼らはなっていく。
・Identityは、深い学習の中心である。

・Learning communityでは、各自が、誰がどの問題に関連する知識を持っているのかを知っている。
・伝統的な学校では、各個人が、同じ知識を、同じ時に持つことを強調している。
・Instructionismでは、個人がカリキュラム内の知識を、頭の中にもつことを目標としている。

・スキャフォルディングの一つとして、複雑なタアスクの全体構造を示すというものがある。
・コンピューターは、個別指導的支援により、スキャフォルディングを提供することができる。

・科学におけるArticulationを促す優れた手法として、日本で開発されたItakuraメソッドがある(Hatano & Inagaki,1991)。

・生産的な失敗を促す学習設計

・内省とは、自身のパフォーマンスを、他と比べる行為である。

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●講師ビジョンの島村さんからのメール

関根さん

おはようございます。ブログ拝見しました。

スキャフォルディングを一つ学ぶにも深く探求していくとあらたな発見が毎回あります。今回は、以下の点が特に学びになりました。

(学びになった点)
・Tutorチューターは、徐々にガイダンスを減らしていき、スキャフォルディングのFading外しを行う。(足場かけ外し)

・スキャフォルディングの機能:
1)スキャフォルディングは、課題要素を単純化する
2)スキャフォルディングは、プロセスを管理可能にする
3)スキャフォルディングは、欲求不満とリスクを減らし、興味を維持させる
4)スキャフォルディングは、学習者の関心を集中させる
5)スキャフォルディングは、学習者の説明と内省を促す
6)スキャフォルディングは、文脈内での実践による学習を可能にする

(感想)
やはり指導者側は、足場かけ外しが難しいなと感じます。それは、本人に失敗させたくないという気持ちが働きますし、指導者側もその失敗をフォローする余裕がない時があると思うからです。ですので、忙しかったり、余裕がないと足場かけ外しを急いだり、いつまでも外せなかったりするなと感じます。

その改善策としては、5)の説明と内省を繰り返すことだと思います。説明させると理解度がわかるので足場かけ外しの勇気が湧きますし、また内省させて一人で出来そうかの判断もつくからです。

足場かけ外しには、指導者主体のコミュニケーションから学習者主体のコミュニケーションに変えていくことで上手く機能するのだと改めて感じました。

いつもブログを読ませて頂き、思考がアップデートされています。ありがとうございます。

講師ビジョン 島村

(こちらこそいつもありがとうございます!)


2020年08月11日

Scaffolding(スキャホ)関連論文4

○Scaffolding(スキャホ)関連論文4。三宅なほみ先生が、編著者。この論文を読むために、Kindleを買うことになった(買ってよかった!)

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SCAFFOLDING: A SPECIAL ISSUE OF THE JOURNAL OF THE LEARNING SCIENCES (ENGLISH EDITION)

Elizabeth A. Davis、 Naomi Miyake(2004)

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Explorations of Scaffolding in Complex Classroom Systems

・Collins & Brownら(1989、1991)が、スキャフォルディングとフェーディングという概念を、cognitive apprenticeship 認知的徒弟制に入れ込んだ。

・Stone (1998) は、スキャフォルディングの4つの特徴を提示した。
1)タスクと支援の種類
2)学習者の現状に関する慎重な診断
3)支援の種類の幅
4)一時的、いずれは消え去る

・子供達だけでなく、生涯学習者(例:教員)も、スキャフォルディングから得られる便益がある。

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Scaffolding complex learning: The mechanisms of structuring and problematizing student work

Reiser, B.J.(2004)

・Scaffoldingは、認知的徒弟制における重要戦略であり、生徒が、知識あるメンターや教師の導きによって、複雑な問題解決における自身の責任や当事者意識を増すことで学ぶことである(Collins, Brown, & Newman, 1989)

・Scaffoldingは、伝統的に、教師やより知識ある友人が、学習者一人では到達できなかった問題解決や課題達成を支援するプロセスであると説明されてきた。
・この概念は、ヴィゴツキー(1978)のZPD Zone of Proximal Development 発達の最近接領域と関連付けられてきた。

・今(2004年当時)Scaffoldingは、教育設計に多く使われている。
・学習者を支援するソフトウェアツールも、Scaffoldingの一つである。
・技術ツールは、Scaffolding機能のいくつかを提供している。

・Scaffoldingのメカニズムは2つ:Structure構造化と、Problematize問題化である。
・構造化によって、複雑性が減り、学習しやすくなる。ただし、手助けしすぎると、自分で出来なくなる。そこで、問題に気付かせることも必要になる。
・両者は補完的であり、かつテンションもある。そこにはバランスが必要である。

・ソフトウェアツールによるScaffoldingで、構造化と問題化を行うことで、学習者を支援できる。

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Synergy: A Complement to Emerging Patterns of Distributed Scaffolding

Tabak,I. (2004)

・three complementary patterns of distributed scaffolding: 分散されたスキャフォルディングの3種類:
1)differentiated scaffolds 異なる足場
2)redundant scaffolds, 繰り返しの足場
3)synergistic scaffolds 相乗効果のある足場

・Differentiated scaffolds
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・Redundant scaffolds
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・synergistic scaffolds
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・ソフトウェアと教員による分散的スキャフォルディングが、協調していた。

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A Scaffolding Design Framework for Software to Support Science Inquiry

Quintana,C. & Reiser,B.J.,et al.(2004)

・スキャフォルディングツールを設計するための理論的枠組みを、この領域はまだ提供できていない。

・ソフトウェアは、スキャフォルディングの3つの役割を提供できる:
学習者とのコミュニケーション、学習者へのコーチング、学習者の内省促進

・スキャフォルディングのガイドライン(1〜7)と、それに対応した戦略を提示する。

・問題解決状況において、初心者には見えないが、専門家には意味あるパターンが見えている。

・ガイドラインに則ったソフトウェアの例示。

・ヒントを提供する専門家のガイダンスが、知的チュータリングシステムの核であった。

・本稿では、ソフトウェアに埋め込まれたスキャフォルディングのみに着目した。

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Scaffolding Analysis: Extending the Scaffolding Metaphor to Learning Artifacts

Sherin,B. Reiser,B,& Edelson,D.(2004)

・当初、スキャフォルディングは、より専門家の個人による1対1の指導時の支援を意味していた。

・スキャフォルディングの分析を行う際には、2つの状況を比較する必要がある。
1)scaffolded situation 足場架けされた状況 2)base situation 元の状況

・子供が理解し始めたら、チューターは支援を減らしていく。子供が難しさを感じた時だけ、介入する。

・支援なしでは、達成不可能 というのが、スキャフォルディングを行う前提。

・スキャフォルディングの重要な要素は、Fading 消えていくことである。

・スキャフォルディングの機能
  Woodsら(1976)Stone(1993)は、6つ。
  Greenfield(1984)は、5つを提示。

・分析のスキーマ
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The Social and Technological Dimensions of Scaffolding and Related Theoretical Concepts for Learning, Education, and Human Activity

Pea,R.D.(2004)

・スキャフォルディングは、その意味が広がり過ぎた。

・私は、ブルーナーの研究室で、博士課程の学生だった。

・ヴィゴツキーは「心理学のモーツァルト」と呼ばれた。

・スキャフォルディングのWhat,Why,How

・Fadingの概念は、Collins, Brown, & Newman(1989)で、最初に提示された。

・スキャフォルディングのHow:1)Channeling and focusing 2)Modeling

・フェイディングを伴うスキャフォルディングは、成人教育においても有効。

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●参考:三宅なほみ先生の本

「学習科学とテクノロジ」
http://learn-well.com/blogsekine/2009/06/post_253.html

「インターネットの子供たち」
http://learn-well.com/blogsekine/2009/10/post_282.html

東大MOOC「Interactive Teaching」第2週(三宅先生へのインタビューあり)
http://learn-well.com/blogsekine/2014/11/moocinteractive_teaching2.html

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●講師ビジョンの島村さんから頂戴したメール

関根さん

おはようございます。
こちらも拝見させて頂きました。

(学びになった点)
・子供が理解し始めたら、チューターは支援を減らしていく。子供が難しさを感じた時だけ、介入する。
・支援なしでは、達成不可能というのが、スキャフォルディングを行う前提。

(感想)
スキャフォルディングを行う前提の考え方が参考になります。

職場では、新人以外は、支援なしでまずは一人でやってよという雰囲気がある会社が意外と多いです。指導者側にそこまでの余裕がないからです。いまは特にコロナ関連の突発的な対応に追われている方もいるようです。

ですので、そもそも部下に与えた仕事ついて、支援なしで、達成可能なのかどうかの見極めをそもそもしっかりと行うことからスタートすることが大切だとあらためて感じました。

そうすることで、スキャフォルディングがより現場で根付いていくのだと感じます。支援なしで達成可能かどうか、そして、支援が必要な場合、どのような支援が必要か、このような基本をしっかりと守ることがやはり大切だなと思います。

スキャフォルディングは、学べば学ぶほど深いなと感じます。無意識にやっていることを言語化するとスッキリしますね。

いつもありがとうございます。

講師ビジョン 島村

(こちらこそいつもありがとうございます!)


2020年08月06日

Scaffolding(スキャホ)関連論文3

○Scaffoldingスキャフォルディング(スキャホ)関連論文3

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Tools for scaffolding students in a complex learning environment: What have we gained and what have we missed?

Puntambekar,S. & Hubscher, R. (2005)

・Scaffoldingは、教室での学習を支援する多様な形態を呼称する言葉として使われてきた。
 しかし、スキャフォルディングの重要な特質を欠いたものも含まれてしまっている。
・on-going diagnosis 継続的な診断、calibrated support 目盛り付きの支援? fading消え去る といったスキャフォルディングの重要な特徴が無視されてしまっている。

・スキャフォルディングは、ソビエトの心理学者 L.ヴィゴツキーの研究と結び付けられた。
・ヴィゴツキーは、認知発達における社会的交流の重要性を強調した。子供や初心者は、大人や能力ある仲間といることで学ぶと考えた。

・スキャフォルディングは、不要となれば、すぐに外せるような支援のことを指す。
・学習者は、支援が外された後は、自立して活動ができるようになる。

・成功するスキャフォルディングでは、活動のゴールを共有している。

・継続的な診断によって、目盛り付きの次第に変化するような支援を提供できる。
・スキャフォルディングは、対話的で、双方向の指導方法である。

・ソフトウェアツールも、スキャフォルディング手法と言われているが、これらはスキャフォルディングの重要な特質を満たしているのだろうか。

・スキャフォルディングという概念の進化

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・良いスキャフォルディングは、学習者が、それまで支援されてきたプロセスを、自分のものと出来た時に、消え去るものである。

https://compassproject.net/Sadhana/teaching/711readings/Puntambekar.pdf

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Scaffolding, software and scenarios: Applying Bruner's learning theory to energy scenario development with the public

Upham,P.(2013)

・J.ブルーナーは、ヴィゴツキーから強い影響を受けている。

・効果的なスキャフォルディングの5つの基準を、Applebee(1986)が、提示している:
1)学習に対する生徒のオーナーシップ
2)指導課題の適切さ:生徒の現状を基に、新しい学習が起こるような難易度
3)構造化された学習環境:自然な流れと、課題達成のための戦略を提示する
4)責任の共有
5)コントロール度の移転:徐々に学習者に責任が移っていく

・ソフトウェアでの3種類のスキャフォルディング:
1)支援的スキャフォルディング:例示や次やることのヒント。不要になったらボタンで消せる。
2)受動的スキャフォルディング:ヘルプボタンを押すことで、支援を要求する。
3)内省的スキャフォルディング:生徒が文章を入力することで、課題をふり返る。

・スキャフォルディングを支援する Artefacts 人工物
・ソフトウェアは、効果的なスキャフォルディングの5つの基準を満たしているものもある。

http://eprints.whiterose.ac.uk/78032/18/Upham%20Carney%20Klapper%20TFSCb_with_coversheet.pdf

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Vygotsky, scaffolding, and the role of theory in writing center work

Nordlof,J.(2014)

・Directive 直接的 or Indirective 間接的? tutoring指導の議論がある。
・J.Brooks(1991)の「Minimalist Tutoring」は、Non-directive 非直接的な指導である。

・Social construction theory 社会構成理論では、知識は仲間内での合意の中で、権威を獲得していくアイデアであると考える。
・社会構成主義は、仲間の中でいかに知識が創造されるかの説明にはなるが、仲間が、同等の関係でない場合の説明は難しい。

・ヴィゴツキーのZPDは、同等の関係でない場合の説明に使える。
・スキャフォルディングは構造を提供するが、一時的なものである。

・Cromley & Azevedo(2005)は、認知的スキャフォルディングと動機的スキャフォルディングの2つを提唱した。

・チューターは、今後は「直接的か、間接的か?」を問うのではなく、この生徒にとってのZPDは何か?生徒を伸ばすための適切なスキャフォルディングは何か?を考えた方がよい。

https://pdfs.semanticscholar.org/2011/171e303fb8a0fa27b755bbee1a39cb40adf8.pdf

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●講師ビジョン 島村さんからのメール

関根さん

おはようございます。いつもブログを拝見しています。
最近は、スキャフォルディングという言葉がだんだんと自分の中で馴染んできました。

スキャフォルディングは、ゴールを共有し、何ができて、何ができていないのかをより詳細に把握することでより的確なスキャフォができるなと感じます。その活動を通じて、相手に自分のものと出来たとどう思わせるかがやはり大切で、そこには継続的な承認や質問、フィードバックなどが必要になると思います。自分のものと出来たかどうかは、本人がやればできるという感覚であり、その感覚を手に入れていくことは、徐々に指導者から本人に責任が移動していくことなので、入りつに向けた成長の証とも言えると思います。

スキャフォを通じて、相手に仕事に対する責任や圧倒的な当事者意識をいかに持たせられるかがやはり大切だと思いました。自分自身の活動のなかでも足場かけを少し意識していきたいと思います。

いつもわかりやすいブログをありがとうございます。

講師ビジョン 島村

(こちらこそいつもありがとうございます!)

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