「micro-entrepreneurs ミニ起業家」関連文献_200917

論文

「micro-entrepreneurs ミニ起業家」関連文献_200917
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A REVIEW OF EVIDENCE ON MOBILE USE BY MICRO AND SMALL ENTERPRISES IN DEVELOPING COUNTRIES
JONATHAN DONNER and MARCELA X. ESCOBARI(2010)
・14の研究をレビュー。
・Micro and Small Enterprises(MSEs):従業員50名未満
・MSEの多くは、Informalな事業である。何が、Formalかの基準には疑問符が付くが(Esselaar et al.2007)。
・M.ポーター(1985)のValue chain modelと、Value systemを分析に使用。
・分析の結果、Mobile phoneは、顧客維持に最も多く使われていた。
・Mobile phoneにより、中間業者が不要になったという研究は無かった。また、Mobile phoneが、新規事業の立ち上げにつながったという実証も殆どなかった。
・Mobile phoneは、程度は変えたが、構造は変えなかった。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1002/jid.1717?casa_token=J-fqUxIyj8gAAAAA:S4MrRH6O0UYD2tepKlxRQfYbLPUXIxrLAV12iQGg_SRTcgpPATqQxaQtPveJDs6J-zDLeD14Of0n-mI
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Interest-Free Microfinance to Micro Entrepreneurs in Rural Bangladesh (A study based on an ‘Institutional-Network Approach’)
Mohammed Nurul Alam (2009)
・バングラデシュの地方零細事業者は、潜在的に利益の出るセクターである。
・Garmeen bank グラミン銀行は、バングラデシュでの著名なマイクロ金融機関である。
・Micro-entrepreneursミニ起業家は、地方の失業問題を解決するための重要な役割を担っている。
・彼らは、地方だけでなく、都会の失業者に対しても、仕事機会を作りだす重要な経済的役割を担っているのだ。
・質的調査によって、バングラデシュのミニ起業家に対する無利子のmicrofinanceマイクロ金融の状況を明らかにした。
・Islamic banks と、彼らの顧客であるミニ起業家360名にインタビューを行った。
・Institutional-Network(Alam 2002)の理論的枠組みを使って分析した。
・ミニ起業家は、5名一組のグループとなる。グループリーダーに対して、Islamic Bankのスタッフが研修を行う。
・入ったお金を、宝石等に使わずに、ビジネス投資とするよう教育していった。
・これまでミニ起業家は、仲介業者に搾取されてきたが、Islamic bankは直接融資を行い、彼らを守った。
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Business training and female enterprise start-up,growth, and dynamics: Experimental evidence from Sri Lanka
・Business trainingビジネス研修単体、または補助金との組み合わせが、自営業女性の収入をあげるのか?という問いを検証するため、2つのサンプル集団を基に実験を行った。
・一つは、既に事業を始めている628名の女性(Current business owner)。もう一つは、これから事業を始める628名の女性である(Potential business owner)。
・この2つのサンプルは、それぞれ3つのグループに、ランダムに分けられた。統制群、研修のみ受けた群、研修を受け、かつ補助金がもらえた群。
・補助金(US $129)については、研修最後まで、誰がもらえるのかを伝えずに、研修受講状態を同じにした。
・既に事業をしている女性に関して、ビジネス研修単体では、ビジネス実践には影響があったが、利益には影響がなかった。研修と補助金の組み合わせの場合、短期的なビジネスパフォーマンスの向上につながったが、2年後には無くなっていた。
・これから事業を始める女性の場合、研修と補助金の組み合わせが、事業開始のスピードを速め、長期的な影響を与えた。2年たっても高い利益率とより良いビジネス実践を行っていた。
・ビジネス研修は、これから事業を始める対象者にとってより有益であると言える。
・ビジネス研修は、ILOのSIYBプログラムを使用。
・1977年に東アフリカで開発され、95か国以上、150万人以上が受講。最も活用されている零細事業者向け研修。
・Start and Improve Your Business Programme
 https://www.ilo.org/empent/areas/start-and-improve-your-business/lang–en/index.htm
・実験対象者は、無料で研修(3日~5日間)に参加。
・4回に分けて、サーベイ調査を実施。
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・ビジネス研修によって、新たに自営業を始めた個人(影になっている部分)
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・既に事業をしている女性に対して、研修単体では影響がなかった。
・おそらく、より集中的で費用がかかる1オン1の個別化されたメンタリングやコンサルティングが必要。Valdivia(2011)では、18%の売上増という結果も出ている。
・これから事業を始めようとしている女性に対しては、研修が役立つ。
https://www.econstor.eu/bitstream/10419/67188/1/72754571X.pdf
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○こうやって文献を読んでいくと、自分が知らなかったことを知ることができ、楽しいですね!(SIYBという起業家向け研修の存在を知りませんでした。)
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●講師ビジョン 島村さんからのメール
関根さん
おはようございます。ブログ拝見しました。自分もミニ企業家として活動しているので大変参考になります。
(気になった箇所)
・ミニ起業家は、地方の失業問題を解決するための重要な役割を担っている。
・彼らは、地方だけでなく、都会の失業者に対しても、仕事機会を作りだす重要な経済的役割を担っているのだ。
(感想)
ミニ企業家は、これからの新しい時代の重要な担い手になる地方や地域の問題を解決する役割をになっていくとは、まさに関根さんの仕事(比企起業塾)そのものなのかなと感じました。
私は地域支援で学校での読み聞かせの活動のみですが、誰かに対して仕事機会を作り出す担い手として、意識して活動していきたいと思います。このような変化の時代にこそ、仕事を出す、仕事を作り出すことは忘れないようにしたいところですし、ミニ企業家のあるべき姿だと再認識しました。
(気になった箇所)
・既に事業をしている女性に関して、ビジネス研修単体では、ビジネス実践には影響があったが、利益には影響がなかった。研修と補助金の組み合わせの場合、短期的なビジネスパフォーマンスの向上につながったが、2年後には無くなっていた。
・これから事業を始める女性の場合、研修と補助金の組み合わせが、事業開始のスピードを速め、長期的な影響を与えた。2年たっても高い利益率とより良いビジネス実践を行っていた。
(感想)
研修でいうところの、目的の打ち込みがしっかりされている、研修受講動機が高い人がその効果を享受できるのだと改めて感じました。転移魂が高いということだと思います。
そして、個別のフォローも必要との記載があったように、それは、企業研修でいうところの研修受講後のマネジャーの部下支援に該当すると感じました。
ミニ起業家向けの論文、まさに自分のことそのものなので、いろいろ考えさせられ、とても参考になります。
講師ビジョン 島村
(島村さん、いつもありがとうございます!)

投稿者:関根雅泰

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