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起業文献他_201008

○立教大学院 中原ゼミで紹介してもらった文献

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「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 〜人材版 伊藤レポート」

経済産業省(2020年)

・リモートワークができる企業とそうでない企業との間で、5倍以上の応募者数の違いが生まれている。

・CHROには、人材戦略を、従業員や投資家に積極的に、発信・対話する役割が重要となる。

・人材は、これまで「人的資源 Human Resource」と捉えられ、投じる資金も費用(コスト)と見られてきた。
・今後は、人材を「人的資本 Human Capital」として捉え、投じる資金は、価値創造に向けた投資と見るべきである。

・人材マネジメントの課題として「人材戦略と経営戦略が紐づいていない」という回答が一番多く、3割を超える。

・これから求められる雇用コミュニティは、メンバーの出入りがあるオープンなコミュニティ

・人材戦略に求められる「3つの視点」と「5つの共通要素」
・3つの視点
 1)経営戦略と人材戦略の連動
 2)As is - To be ギャップの定量把握
 3)企業文化への定着(人材戦略のアウトカム)
・5つの共通要素
 1)動的な人材ポートフォリオ(適材適所、適時適量)
 2)知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
 3)リスキル・学び直し(汎用性の高いスキルを身に着ける機会は個人を惹きつける魅力となる)
 4)従業員エンゲージメント
 5)時間や場所にとらわれない働き方(これまで以上にマネジメントスキルが不可欠)

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「アントレプレナーシップ教育におけるPBLの効果と可能性」

松永・芦澤・渡邊(2020)

・EEP:Entrepreneurship Education Program
・PBL:Project Based Learning

・起業意思 Entrepreneurial Intentionを、目的変数とする先行研究は多いが、本研究では、SKMの観点から検証。
・SKM:Skills、Knowledge、Mindset

・質問項目
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・座学系2科目に対して、PBL系2科目は、スキルに関する項目すべて、マインドに関しては「自信」について、顕著な教育効果を示した。
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・アントレプレナーシップと、PBL(限られた時間で、達成困難な目標にチームで取り組む)との親和性が高い。
・本研究の結果は、数々の教育理論(Vygotsky 1978)及び実証研究が示す「ピア・ラーニングの効果(Boud, Cohen,& Sampson 2014)を、EEPの文脈において実証したと言える。

・特定領域の知識向上には、講義と座学が有効な教育法となる。

・学習者の段階に応じて、どの順番で、何を習得したら良いかについて、いくつかの示唆が本研究から得られる。

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アントレプレナーシップの概念の方法学〜多様性と価値をめぐる方法論的探究

平野(2020)

・アントレプレナーシップの学際性の森(エレファント・テーゼ)の中で、その多様性をとらえる「調和のとれた全体」は、いまだ構築されていない。

・パラダイムは、客観主義、主観主義、間主観主義の3つのクラウドから把握される。
・客観主義は、具象的で、研究者を独立した観察者と見る機能主義の認識論。
・主観主義は、参加者の視点をとらえる、エスノグラフィー、ドラマツルギーの認識論。
・間主観主義は、再帰性、つまり研究者と研究対象の関係も含み、他者や環境を理解し、いかに関係づけるかといった点を強調する認識論。

・再帰性のパラダイムを「第3の道」と位置付ける(Hassard and Cox 2013)

・アントレプレナーは、多様なゴールをもつもの。
・方法論的多様性が不足している状況下では、最終的にその多様性は、経済的価値やその表象としての成長やパフォーマンスと言った実証的価値へのみ落とし込まれてしまう。
・多様であるはずの価値が、単一性へ収斂してしまう。その状況を、現在の実証研究の国際標準化が、更に加速させる。

○まさにそう! 研究だけでなく、経営者の間でも「売上高」や「従業員数」といった数字、規模の論理で、起業を評価されやすい。

・本稿では、アントレプレナーシップの概念と接続する接頭辞のシステマティックレビューを行う。
・アントレプレナーシップの多様性をとらえる準拠枠を作るべき。

・中小企業や起業家は、国の成長や生産性のためだけに存在するものでは無い。
・本稿がおこなった価値づけを伴う方法論的基礎が実現すれば、社会の中で様々な視点から中小企業や起業家を、より豊かに語る方法を生み、そのイメージ(関2017)の向上や「起業無縁社会」(安田2016)の解消にも何らかの効果を持ちうることが示唆される。

○ほんとそうだよな〜。「経済的価値」のみの単一価値ではなく、そのほかの価値(起業することによる本人の自由度、家族との時間量、内的統制感とか)も示せたら、起業の魅力が伝わるのかも。

○「起業って、背水の陣でやるものだと思ってました。」というある会社員の方の声が、一般的な独立起業のイメージなのかも。そうじゃない、適度なミニ起業、身の丈起業があるのに。

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