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【木曜日】年始に読んだ本_210109

○2021年のお正月休み中に読んだ本。

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『ビジネスの未来』山口周(2020)

・ビジネスは、その歴史的使命を終えつつある。
・高い成長率は、文明化の未達を意味する。
・「停滞の暗い谷間」ではなく「成熟の明るい高原」へと向かっている。

・「無限の成長を求めるビジネス」というゲームでは、使命を設定することを強く求めながら、「使命の達成」を喜ぶことができない。

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・多くの道徳や規範は「未来のために今を手段化する」という思考様式を前提としている。

・普遍性の低い個別的な問題の対処や、多様化する精神的な価値へのニーズを充足できる個人や集団は、今後ますます求められていく。
・「経済合理性限界曲線」の外側にある問題は、市場原理に頼っていたら、永久に解決されることはない。

・「楽しさ」がもっとも重要な報酬になり得る。
・行為そのものが報酬になる。

・社会が大きく舵を切るきっかけになるのは「小さなリーダーシップ」であることが多い。
・ビジネスが「社会における問題の発見と解決」にあるのだとすれば、本質的にアーティストが行っている事と同じ。

・社会的課題の解決:経済合理性限界曲線の外側にある未解決の問題を解く
 文化的価値の創出:高原社会を「生きるに値する社会」にするモノ・コトを生み出す

・創造性とは「感情に関わる能力」
・祖先から贈与された感覚を失ってしまった人が「大衆=慢心した坊ちゃん」

・「情緒やロマンを伴う不便さ」にこそ、人は大きな豊かさを感じるようになってきている。
・ホンネでは、誰も個性的な人材など望んでいないから。むしろ真逆である従順で実直な人材を望んでいる。

○何となく感じていたことを、見事に言語化してくれている本!

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『贈与と共生の経済倫理学』折戸えとな(2019)

・「お礼制に切り替えたことで、精神的に安定し、百姓として人間的に解放されたみたい」金子美登(よしのり)氏
・放射能問題に対し「心配は心配なんですけどね、金子さんのはもろともと思いますよ」尾崎史苗氏

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・酪農は、人間をかえる。人間としていかにあるべきかを牛によって日々問われるような仕事。

・1974年から朝日新聞で連載された有吉佐和子の「複合汚染」が与えた社会的インパクトは大きく、多くの主婦たちが有機農業運動に入っていくきっかけを作った。

・村は言葉では変わらない。「言葉では野菜は育たない」
・「地域」=自立した生活空間の単位

・町の名士である酒蔵は「文化」にお金を投じる「旦那」の世界があった。
・「地域は旦那がいなくちゃしょうがない。世の中の人のためにばらまくっていう。粗利のない世界に文化は無い」中山雅義氏

・「元気がでる金額で買って。全量買い上げ、出荷されたら現金で買う」渡辺一美氏
・人間には、贈与も交換も共に必要。

・「農業ってのは、面白いから続いてきた」「百姓は仕事をしている時には楽しいのに、売る時に腹が立つ」

・信頼とは一種の冒険であり、リスクを冒す行為。
・「お礼制」の関係性の継続には、学び合いが必要。

・独立したければ、他者と相互に関係をもつ必要がある。
・ポランニーのResignationを「覚悟して受け入れること」と訳す。

・「私」がコントロールできない存在、外部にあるもの、それが他者。「私の身体・肉体」も他者。

・他者の顔が見える。金子の姿が思い浮かぶことが、おざきにこうした応答を促す原動力になっている。

・「自己責任」という方便は、弱者切り捨ての自らの無責任を正当化するための方便として使われており、それはつねに、強者から弱者に向けられる。

・「自立とは、依存先を増やすこと」小児科医で脳性麻痺の障害を持つ熊谷晋一朗の言葉。
・唯一無二の存在としての「私」にしか見えない、書けない論文があるはずだ。

○この本、すげ〜。力がある。

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『評価と贈与の経済学』岡田斗司夫・内田樹(2013)

・原始の状態が、身体性。
・マスメディアがなくなると、対話の共通基盤が失われてしまう。

・身体が嫌がる。そういう嫌な状況を我慢して続けていると、生物としての生命力が下がってくる。
・僕らは完全記録時代に生きている。

・仕事をしたい人が自らお金を払って、仕事をする権利を得る。
・僕は個人で上場したみたいなもの。
・社員の任期は3年。

○これ、面白いな〜。

・一人の人間が働いて、複数の人間がそれに「ぶら下がる」
・チャンスに恵まれない人に、チャンスを提供する。
・「拡張型家族」
・人間の働く意味は、誰かを養うため。

・複数世界の自分をマネジメントしてる姿を見せるのが「素の自分」を見せている。
・知の非対称性があれば、それだけで学びは起動する。

・社会人というのは、スキル、ネットワーク、人柄の3要素からできている。
・ネットによって「いい人」であることがにじみ出ることが可能になった。

・贈与経済に軟着陸させていく。
・アメリカは実験国家。敬して遠ざけよう。

・教育に関しては楽観論者。人間は皆それぞれに豊かな潜在資源をもっている。それが何がきっかけで開花するかは予測できない。気長にじっくり待つしかない。

・夫婦は非対称な関係にあったほうがいい。
・男が結婚生活に求めているのは、安心して幼児化できる場。

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『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』岡田斗司夫(2014)

・仕事の絶対量が減っている。
・既に就職という考え自体が、時代の流れに合っていないのでは。武士社会の中で「就職」をいつまでも目指し続けた新選組のように。

・分解しにくくて、人に説明するのが難しい仕事。つまりその会社内でのしがらみが多くて、なぜこうなるのかルールを人に説明できない仕事。そんな面倒な仕事ばかりが、会社に残る。
・就活がしんどい理由は、会社が人を雇わないから。

・周囲との関係性の豊富さこそが、豊かさ。
・人間の支出の7割は、煩わしさを逃れるために使っている。

・誰かの世話をするために、お金が必要。

・「雇われる」という言葉が「参加する」になる。「稼ぐ・働く」は「手伝う」という言葉に置き換わる。
・「かわいげ」のある人は、色々なサポートを受けることができる。

・お金でお米を買う人は「お金しか手段をもたない、かわいそうな人」
・百の職業を持つ人=百姓 単職=武士

・お金の代わりに、お手伝いが潤滑に回るようにすればいい。
・人間の値打ちは、コンテンツ、コミュニティ、キャラクターの3つのCで決まる。

・「愛されキャラ」は、その後、進化型として「頼られキャラ」になることが多い。
・地縁、血縁といった「自分が所属している小さなコミュニティ」の中で仕事を探すことが大切。

○この本、学生さん達に読んでほしい。

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『未来の年表2』河合雅司(2018)

・高齢者の事故発生場所は、家庭内である。
・人口減少に伴って「所有者不明土地」が増大する。

・2042年 団塊ジュニア世代の先頭が、70歳になる。
・地域生活にとって欠かせない業種の休廃業は、地域の存続自体を危うくする。

・団塊ジュニア世代が、50代に突入する2021年ごろから、企業の人件費はピークになる。
・「Old Boys Network」排他的で非公式な人間関係や組織構造。

・自社内の研修をもって社員を育成していける企業は減った。
・商店街は、ときおり開く。

・いつの時代も「変化」があるところには、チャンスがある。

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『代謝建築論』菊竹清訓(1969・2019)

○藤村先生が引用していた本。
  https://twitter.com/masahiro_sekine/status/1344364252975439872

・建築は、設計によって社会と接触し、社会的矛盾を発見する。

・かたち(感覚)かた(知識)か(思考)
・「か」とは、かくあるべきもの、かくあるもの

・機能は失われても、形態は主張し続ける。
・計画者としての建築家を、全人的、神のような存在におくことになってしまう。

・「かた」は、誰が考えても究極的にはそこにゆきつくもの。

・ギリシア的芸術観は、技術と模倣。ロマン派的芸術観は、天才と独創。

・空間の秩序こそ、建築の本質。
・柱は空間に場を与え、床は空間を限定する。
・水平な支持面が基本。

・闇に無限の空間を感じる。
・建築技術は、設備によって左右されるようになってきた。

・思想とは、行動の原理。

○「か・かた・かたち」の捉え方は、建築だけでなく、地域課題の発見・解決や、研修設計という自分の仕事にも活かせる!

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『ファクトフルネス』H.ロスリング他(2019)

・ドラマチックすぎる世界の見方の原因は、脳の機能にある。
・10の本能
 1)分断本能 2)ネガティブ本能 3)直線本能 4)恐怖本能 5)過大視本能 
 6)パターン化本能 7)宿命本能 8)単純化本能 9)犯人捜し本能 10)焦り本能

・世界を、所得レベルに応じて、4つのグループに分ける。
・人は、ドラマチックな本能のせいで、何事も2つに分けて考えたがる。二項対立を求める。

・数えきれないほどの「小さな進歩」が世界中で起きている。

・女性が教育を受けると、良いことが連鎖的に起きる。
・私が今まで生きられて、成功できたのは、いつも他の誰かが私を引っ張り上げてくれたから。

・子供の数が減る前に、必ず、子供の死亡率も下がっている。

・福島の原発事故による被ばくで亡くなった人は、一人も見つかってない。被ばくを恐れての避難によっての死亡者は出た。

・どんな統計も「ひとりあたり」を見た方が役に立つ。

・認識を切り替えるには、できるだけたくさん旅をすること。
・人々の暮らしぶりに一番大きな影響を与えているのは、宗教でも文化でも国でもなく、収入。

・理屈があるようで、実はただの思い込み。
・アジアやアフリカの国々で見つかる「男らしさ信仰」は、60年前のスウェーデンで当たり前だった「頑固おやじの価値観」だ。文化は変わる。

・学びに一番大きく影響するのは、電気だ。電気があれば、日が暮れた後に宿題ができる。
・誰かを責めることに気持ちが向くと、学びが止まる。
・犯人よりも、システムに注目。

・今じゃないとダメなんてことは無いし、チャンスは一度きりではない。
・いますぐ決めろとせかされると、批判的に考える力が失われ、拙速に判断し行動してしまう。

・「この情報は真実ではない」と決めつける前に「自分は事実を見る準備ができていない」と考えたいもの。

○俺が、本能に支配されてしまったエピソード。今のコロナなんて、そうなっているかも。
 「ネガティブ本能(悪いニュース程広まりやすい)」「恐怖本能」「過大視本能」

 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00218/121100001/

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『ワークマン式 しない経営』 土屋哲雄(2020)

・M.ポーターは「戦略とは捨てること」と言った。
・「しない経営」こそが強さの源泉。

・ランチェスター戦略本では、市場のポジショニングとマーケティングが中心に語られ、長期スパンで継続する方法についてはあまり記されていない。

・飛躍した発想をしない。
・各企業には固有の存在意義や強みがある。それによって今日まで事業を存続してきた。そこから逸脱した戦略は失敗する。

・異常を検知し調査するのが、ブルーオーシャン市場拡大の原点。

・アフターコロナでは、オンラインサービスという新ビジネスが続々と誕生する。
・都市部への人口集中が崩れ、あらゆるものが地方へと分散される。

・「商品」は仕入れて売るものであり、「製品」は自分たちでつくるもの。

・イメージしたのは、こんな会話が当たり前になる会社。「社長はAとおっしゃいますが、データを見る限りBですよ」「そうか、じゃあBだな」

・会社を変えることは、自分自身を変えること。
・意見を変えるのがいい上司。上司でも間違えるのは当然の時代。
・「意見を変える能力が高い」

・何をやるかは経営が、どうやるかは社員が決める。

・「世界標準の経営理論」の内容を、2~3割ぐらい理解できたら、MBAの卒業生に負けないビジネス上の「思考の軸」をしっかり持つことができる。

・アフターコロナは地方分散の時代になるから、飾らない、もっと自然に近い暮らしが主流になるかも。

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『リアルビジネス3.0』日経トップリーダー編(2019)

・教えるという要素を、事業に組み込む。

・製麺機メーカーが、麺の学校を開設。生徒たちが、製麺機を購入。

・一緒に協力して、住みやすいマンションを作ってくれる会社。
・一緒に事業そのものをつくるプロセス自体が尊い。

・地域は絞ったが、ターゲットは絞らない。ターゲットを絞ると、経営的には手っ取り早いが、長くは続かない。

・売った後に対する不満、不安を解消したサービスが「家ドック」。自分だったらしてほしいと思うことをする。
・顧客とチームになることが、究極。

・お客様にとって一番モチベーションが高いのは、契約直後。その後の2か月間をフォローする。
・B2Bは、事例がすべて。既存のお客様向けのイベントに毎回大きな予算をかけている。
・様々な取引先の状況を把握できる立場を活かし、他社事例を伝える。

○これは、LWでもやろう!

・星を見せることが、集客力を高める大きな武器になっている。

・人材をいかに早く育てるか。深刻な人手不足の今、社員教育は、企業競争力に直結する。

・うわべの顧客ニーズではなく「本当は何を求めているのだろう」と一段掘り下げてみる。
・手間を惜しまずに、顧客の欲求を満たそうとする真摯さと努力が必要。
・教育化は、答えではなく、ヒントを提供するもの。問題の解決ではなく、発見。

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『なぜ倒産』日経トップリーダー編(2019)

・成功はいくつかの要因の組み合わせだが、失敗は1つの判断ミスによるもの。
・倒産は資金がついえた時に起きる。
・ビジネスは絶えず磨かなければ、簡単に劣化する。
・債務は、公租公課の滞納解消をとにかく最優先する。

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『なぜネギ1本が、1万円で売れるのか?』清水寅(2020)

・1本1万円のネギ:モナリザは、残りの200万本のネギを高く売るためのF1マシン。
・営業の肝は、相手の事情を知ること。
・細分化してでも日本一を目指す意味はある。
・プレゼントにできるネギ。
・雑草には勝てない。戦わなくてすむ方法を探すべき。
・市場のズレを見つけることが、ビジネスの肝。

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『1本5000円のレンコンがバカ売れする理由』野口憲一(2019)

・戦後農業を呪縛してきた「生産性の向上モデル」と決別した。
・高級であることを消費者に納得させられるような記号を付与しなければならない。
・永きにわたって苦労をし続けてきたすべての農業者の悲しみを背負う覚悟。
・農家が心を込めて大切に育てた作物を、本当に大切に扱ってもらえるような社会。

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『HRテクノロジーで人事が変わる』労務行政研究所編(2018)

・日本において希少財は「人材」である。
・米国では、Microlearningと呼ばれるオンラインコンテンツの細分化、最小化が注目を集めている。
・眠っているデータを可視化していくだけでも、新たな示唆を得ることができる。
・仕事の質を定量化する指標が殆ど無い。
・データは、経験の否定ではなく、経験を補完するもの。
・全てのラーニングメニューに対して、スキルコンピテンシーの情報を紐づける。これを受講したら、どのようなスキルが、どれだけ伸びたことにするかという定義。

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