1.新入社員の育成に関して

1.新入社員の育成に関して

逆成果主義

●「逆成果主義」 一橋大学大学院商学研究科 守島基博教授が、興味深いお話をされています。 ================================ 働く人は成果を出すことが、生き残る唯一の道であることを この15年でしっかりと認識してきた。(中略) その結果、働き手の多くは、企業にも「成果」を求める。 その企業で働くことの自分にとってのメリットが何か、その結果、 どういうキャリア上の成果が手に入れられるのか。 こうした点を重視して企業選択が行われる「逆成果主義」が 働くことの前提となりつつあるのである。(中略) ではいったい何をすればよいのか?(中略) なかでも新しい心理的契約のもとで重要なのが、 成長機会(チャンス、仕事)の提供である。              愛知経協 2007.1 p4〓6 ================================ 自分を成長させてくれる企業を、働き手が選ぶ。 企業は、成長の機会を提供する。 成長機会が提供できない企業は、選ばれなくなる。 「辞めて欲しくない」若手社員ほど、 こういう傾向が強いのでしょうね。

投稿者:関根雅泰

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「学ばせ上手」をつくる

●「学ばせ上手」をつくる 学校法人産業能率大学総合研究所 次世代リーダー育成ソリューションセンター長の 杉原徹哉氏が、興味深いお話をされています。 ============================= 昨今若手の育成に悩んでいる企業は多い。 「最近の若手社員は言われたことしかやらない」 「マニュアル的で自分で考えない」といった声もよく耳にする。 一般にこうした問題は受け手側、つまり若手社員側の問題として 捉えられがちだ。しかし、実はこれは教える側の問題でもある。 つまり、教える側が学ぶ側の自律性や主体性を引き出せて いないのである。 (中略) 技能伝承をスムーズに進めるためにも、「学ばせ上手」を つくることが重要になる。             愛知経協 2007年3月号 p2〓3 ============================= 「教え上手は、学ばせ上手」 相手が上手に学べるよう手助けする。 人を教え、育てる立場にある人にとって、大事な考え方ですね。 (拙著「教え上手になる!」も、同じ考え方に基づいています。)

投稿者:関根雅泰

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離職率を抑える取り組み

  日経MJに載っていたライフさんでの事例です。 ================================  ライフ、「職場改善」研修、部下への指導法/話の聞き方…  ――離職率抑える切り札に。  ライフコーポレーションが社員教育に力を入れている。  社員教育といっても以前から行われている刺し身の盛り方や  計数管理など技術向上のための研修ではない。  テーマになっているのは、コミュニケーションの向上や  部下へのよりよい指導方法など職場環境の改善だ。  即効性は期待できないものの、離職率を抑えるための  切り札になると期待が高まる。  (中略)  楽しく働くことができる環境づくりの一環である  この研修はすぐに店舗の生産性の向上につながるものではない。  ただ、四年をかけてやってきた取り組みは徐々に効果を表しつつある。  二〇〇〇年度前後には首都圏の店舗で働く社員のうち、  一年間で約一五%が退社していた状況だったのが、  〇六年度には約五%まで低下する見込みだ。  研修だけが離職率低下の要因ではないが、  ライフでは「一定の効果があった」とみる。  人材の確保が難しくなっているなか、  職場環境改善に向けた地道な取り組みが重要になってきている。          2007/03/02, 日経流通新聞MJ, 5ページ, ================================ 楽しく働ける職場環境を作れば、離職率が低下する。 そのためにもお互いが気持ちよく働けるよう コミュニケーションのとり方や仕事の教え方に関する 知識・技術を研修を通して学習する。 こういう地道で継続的な取り組みが大事なんでしょうね。

投稿者:関根雅泰

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若手社員に気づきを与える方法

●若手社員に気づきを与える方法 武田マネジメントシステムス代表取締役の武田哲男さんが、 日経産業新聞(2007年2月27日)で、こんな話をされています。 ============================= 特に劣悪なサービスを提供する店を見つけて、若手社員に行かせる。 観察させた上で「どんなことに気づいた?」と質問する。 自分のことには無頓着でも、他人のことは割りと見えるもの。 徹底的に気づきや問題点を挙げていくと、その後はわが身を ふり返り、自身の行動に対しても配慮できるようになる。 ============================= 「悪い例」を観察させ、質問し、自身の行動をふり返らせる。 簡単にできて、しかも効果的なやり方ですね。

投稿者:関根雅泰

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新人指導は、若手がメインで、ベテランがサブ。

●新人指導は、若手がメインで、ベテランがサブ。 2月20日の日経産業新聞に、三世代で技能伝承の取り組みをしている 自動車用プレス金型大手の富士テクニカの事例が出ていました。 =================================== 富士テクニカは、一人の若手技術者が新入社員数人を 一年間専任で指導する仕組みを約四十年前に導入した。 (若手技術者は)この一年は通常業務を離れ指導に徹する。 河崎功生産本部副本部長は「毎年技量と人格から教えるに値する 入社七―十年目の若手技術者を抜てきする。教えることも勉強のうち」と話す。 (新人である)安田さんは「顧客企業に出向いて金型取り付けの最終調整が できるようになりたい」と夢を膨らませ、(指導担当の)芦沢さんは 「教えることで自分の技能を見直せた」と自らを振り返る。 (二人を見守る50代のベテラン)満永さんは 「芦沢さんが指導を通じて一人前になってくれるのは楽しい」と目を細める。 =================================== 新入社員の指導を、1年間専任で行う20代の若手技術者。 若手技術者の指導振りを見守り、時折手を貸す50代のベテラン技術者。 40年以上続いているというこの制度。 技能伝承の一つの解決策を示しているのかもしれませんね。

投稿者:関根雅泰

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「はびこる“無常識”社員」

●「はびこる“無常識”社員」 日経産業新聞(2007年2月20日)に、面白い記事が出ていました。 ========================= 若手社員は「非常識」ではなく、常識そのものを 家庭や学校で教わっていない「無常識」である。 こうした若手社員を批判したり、犯人探しをしても 始まらない。 初めから常識がない、「無常識」だと認識することから 始めないといけない。 ========================= 初めから常識がない「無常識」だと考えれば、 腹も立たず、「教えてあげよう」という気になるかもしれませんね。

投稿者:関根雅泰

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