学び上手になる

2.「学ぶ力」とは?

学び上手が世界を変える!

●学び上手が世界を変える! 少し大げさな言い方かもしれませんが、私自身は「学び上手」が増えれば、 世界はもっと良くなっていくと思っています。 学び上手は一言でいうと「自ら考え行動できる人」です。 言われたことだけやる指示待ちの人間ではありません。 少し単純化した言い方ですが、日本では戦後から20世紀後半まで、 ほぼ正しい答えややり方があり、それに従えばよかった時代がありました。 しかし、21世紀の現在はどうでしょうか。正しい答えややり方がない、 先が読みづらい時代になっているのではないでしょうか。 アルビン・トフラー教授が「第三の波」で表現したように 激しい変化が常態化しているのが、今という時代ではないでしょうか。 そんな時代に生きている私達にとって、必要なのは何なのか? 私は「学ぶ力」だと思っています。変化が激しい時代だからこそ、 変化から学び成長していくことが必要だと考えています。 私には娘が二人います。彼女達はこれから様々な問題に直面し 壁にぶち当たり、挫折も経験することでしょう。 それらに対して、親である私が全てに手を貸すことはできませんし、 する必要もないでしょう。 なぜなら、彼女達は自分で生きていかないといけないからです。 自分で解決できなかったことは、必ずあとでまた自分に降りかかってきます。 だからこそ彼女達には「学ぶ力」を持ってほしいと願っています。 これからの時代は、決められたレールにそって 人生を歩めばよいというものではありませんし、 決められた物事をこなしていく時代ではないでしょう。 自ら考え行動する力が更に求められます。 福沢諭吉は「学問のすすめ」(檜谷昭彦訳)のなかで、 「学問とはつまるところ、この判断力(選択する力) を養うことにある」と述べています。 自ら考え判断する力を養う、それが学ぶことの意義なのです。 「学び上手」は変化に対応でき、変化から上手に学ぶことができます。 そんな「学び上手」が増えればこれからの世界は もっと良くなると私は信じています。 私自身「学び上手になる」ために、 「自分になる」ために日々学んでいきます。

投稿者:関根雅泰

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書籍:早く一人前になるための「仕事の覚え方」

「仕事の覚え方」おまけの話

書籍「仕事の覚え方」に紙面の関係で載せきれなかった 「おまけの話」をご紹介します。 ●わかりやすく「話す」コツ 簡潔明瞭で分かりやすい話をするためのコツを 確認しておきましょう。ポイントは、3つです。 (1)話す内容を整理する  相手に話す前に、まず自分の頭の中を整理する必要があります。  自分でもよく分かっていない話を、相手にわかってもらうのは難しいからです。    これは上司への報告、関係者への連絡、先輩への相談、  お客様への説明、会議での発表、プレゼンテーションなど、全てに当てはまります。  分かりやすく話すためには、まず、話す内容を整理することから始めます。  話す内容を整理する際に役立つのが、「サンドイッチ・フォーマット」です。  拙著『教え上手になる!』でもご紹介していますが、このフォーマットを使えば  簡潔明瞭な説明ができるようになります。  詳細は前掲書にゆずりますが、フォーマットの肝は、  自分が伝えたい内容を「3つに絞る」という点です。  「3つに絞る」ということは、それ以外は話さないという選択をする  ということでもあります。話す内容を整理するということは、  「何を話して、何を話さないか」を決めることでもあるのです。  話がダラダラして「何が言いたいのか分からない」という人は、  えてして「何を話さないか」を決めずに喋っています。  頭の中に浮かんだことを全て伝えようとするので、  相手にとっては分かりづらいのです。  まずは、自分の頭の中を整理する。  これが、分かりやすい話をするための最初のポイントです。   (2)口に出して話す練習をする   あなたが本気で、分かりやすい話をしたいと考えているなら  「口に出して話す練習」をすることをおすすめします。  いくら頭の中で整理されていても、紙に書いても、  パワーポイントで資料を作ってみても、  口に出して話すと上手くいかないことはよくあることです。  「話す」というのは、「口」を動かして「音」を出して  「言葉」を伝えるという作業になります。  私達が考えている以上に、高度で複雑な作業をしているんですね。  しかも目の前に相手がいて行うわけですから、緊張感や不安感から、  頭で思っている通りに進まないことも多いものです。  役者がリハーサルをしてから本番に挑むように、  大事な発表、プレゼンテーションの前には、  「口に出して話す練習」をすべきです。  何度も練習しているうちに、  余計な言葉がそぎ落とされ簡潔明瞭な説明ができるようになります。 (3)場慣れする   分かりやすい話ができるようになるためには「場慣れ」も必要です。  人と話すのが苦手だからといって、そういう機会を避けていたら、  ますます出来なくなります。それが更なる苦手意識を作っていきます。  なるべく、自分から「話す」機会を作る。  「アウトプット(発信)」する場を増やせば増やすほど  「インプット(収集)」は増えてきます。  情報は発信した人のところに集まるものです。  怖がらずにどんどん「話す」機会を作っていきましょう! ●仕事で道に迷わない「マップ」術  「マインドマップ」は、イギリスのトニー・ブザン氏が考案したものです。  私自身は「人生に奇跡を起こすノート術:マインドマップ放射思考」(きこ書房)で、  マインドマップという手法を知り、大げさですがその後の人生が変わりました。  「マインドマップ」の詳細については、ブザン氏のいくつかの著書に  譲りますので、ここでは私がどのように活用しているのかという例と、  仕事覚えへの応用という2点だけお伝えします。  まず、私自身は「マインドマップ」を発散的ツールとしての「メモ」と、  収束的ツールとしての「ノート」の二つの切り口で活用しています。  例えば、お客様と面談し相手の話をメモにとるときも、  マインドマップの手法を用いています。  お客様のいったキーワードとそれに関連する内容を、  どんどん書き出していくというやり方です。  以前は、7〓8ページ使っていたものが、  A4一枚に不思議とおさまるようになりました。    マインドマップで人生が変わったと実感する機会の一つが、本の出版です。  前著『教え上手になる!』も、今回の本も、文章を書き出す前に  マインドマップを使っています。マインドマップがなければ  本を書くこともできなかったでしょう。  更に、研修の企画を練るときや講演で話す内容を考えるときも、  マインドマップを使っています。つまり何か「アウトプット(発信)」  する前の「プロセッシング(整理)」の段階で、マインドマップを使っているのです。  マインドマップは、「発散と収束」の両方の要素を兼ね備えています。  例えば、何か企画を練る際は、とりあえず「メモ」的にマインドマップで、  アイデアを発散させていきます。ここで私が意識しているのは、  コンサルティング会社のマッキンゼー社が提唱する  「MECE」(モレなくダブりなく)でいう「モレなく」という部分です。  マインドマップに書き出すことで、情報が「モレなく」網羅されているのかを  チェックします。次に、そのアイデアを「収束」していく段階  (つまり「ダブりなく」ですね。)で、マインドマップに色をつけていきます。  この作業を通して、情報を整理していくのです。マインドマップを用いると、  情報の洪水に埋もれたり、アイデアがまとまらなくなったりするという状態を  避けることが出来ます。  つまり、マインドマップは頭の中が道に迷わない  「マップ(地図)」であるということですね。  あなたが、仕事で学んだ内容を整理するときや、  何か企画を考えるとき、あるいはプレゼンで発表する  内容を考えるときなどにも、マインドマップは使えるツールです。  最後に、マインドマップを仕事覚えに活用する方法について述べます。  それは仕事の「全体像」を把握する際に、マインドマップを使うというやり方です。  例えば、自分の仕事は何なのか「仕事マップ」を作ってみたり、  所属する部門は会社全体のどういう位置にありどんな役割を持っているのかを  「組織マップ」として作ってみたり。  あるいは、自分が相談できる相手、質問にいける相手をはっきりさせる  「人脈マップ」を作ってみたりと。  マインドマップを使えば、自分がどこにいるか分かりづらい、  道に迷ってしまいそうな「ビジネスの世界」を上手に進んでいくことができます。    特に「仕事マップ」は、仕事覚えが進み、仕事理解が深まるほど、  精度を増していきます。あなたが「学び上手の初級ランク」として、  仕事の「型」「成功パターン」を見つける頃には、  この「仕事マップ」をしっかり描けるようになっているでしょう。  「仕事マップ」が描ける人は、仕事が見えている人ですから。 ●組織目標を自分のものにする方法  ここでは「目標」を2種類にわけて考えてみます。  「組織から与えられる目標」と「個人の目標」の2つです。  「組織から与えられる目標」というのは、私達が雇われている理由と  考えることができるでしょう。    「こういう仕事を、この程度まではしてほしい。  そのためにあなたを雇ってお金を払いますよ」といった側面が、  組織から与えられる目標にはあります。  会社が私達に期待するものでもあり、お金をもらっている私達が  果たすべき義務や責任であると考えられます。  そしてこういう目標は、だいたい上司から与えられます。  営業なら「今年度はこのくらいの数字をやってね。」など。  ただ、「与えられる」という言葉の印象どおり、  組織からの目標はえてして「上から与えられたもの」「自分ではどうしようもない」  他人事のような感じをもってしまう人もいます。  しかし、組織に属する人間として結局その目標を  前提に評価をされるわけですから、どうせなら納得いく「自分の目標」に  落とし込めたほうがいいわけです。  だからこそ、組織からの目標を「自分のもの」とできるように  私達自身が働きかけたほうがよいのです。  例えば、上司との目標設定ミーティイングの際に納得いくまで  話を聞いてみるなど。  あるメーカーで営業をされていたFさんは  「組織から与えられる目標に、20%上乗せして自分では目標を設定していましたね。  プラスアルファを設定すると、思った以上の力が出せたので。」  といった工夫をされていたそうです。  また別のやり方として、組織の目標と自分の目標に  「折り合い」をつけるという方法もあります。  組織の目標を達成することが、自分の個人的な目標達成にも  つながるという状況を作り出すということですね。  例えば、将来独立起業するという個人的な目標に向けて、  現在与えられた仕事を、そこに向けて活かしていくような感じです。 ●目標設定の「はぐき」の法則  最後に目標設定の考え方だけ簡単に確認しておきましょう。  ここでは私自身の例を中心にお伝えします。  私の場合、目標を「長期」「中期」「短期」の3つに分けて考えています。  「長期目標」は、60歳までにやりたいことです。  大きなことを言いますが「日本の教育を変える」「家族を幸せにする」と  いった目標がここに入っています。  「中期目標」は、3〓5年の期間に「やりたいなー」と  思っていることを漠とですがあげています。  ここには会社の事業内容や研究したい分野などを入れています。  「短期目標」は、1年間の目標をもとに、半年、1ヶ月、1週間単位で  細かくしていっています。  そしてこの「短期目標」を立てる際に  意識しているのが「はぐき」という考え方です。 「は」:測れるか? 「ぐ」:具体的か? 「き」:気合がはいるか? の3つです。 これはいわゆる「SMART」という目標設定の基準と同じような考え方です。 ・Specific 具体的か? ・Measurable 測定可能か? ・Achievable 実現可能か? ・Relevant 適切か? ・Timed 期限は? 「SMART」の頭文字は人によって様々な言い方がされています。 ただ言っていることは、だいたい一緒です。 「測れるか」「具体的か」「気合が入るか」 私は「はぐき」で目標設定しています。 例えば、お恥ずかしいのですが、 2006年4月には、こんな目標を立てました。 ・2007年4月には「学び上手になる!」研修を十社が導入している ・2007年4月には4冊目の本が書店に並んでいる など 達成できたかできなかったのか、 きちんと測れるよう「数字」を意識して入れています。 また、プライベートでは妻との約束として下記目標もあげています。 ・2009年4月には自然豊かな環境で新しい家に住んでいる  こうやって宣言してしまえばやらざるを得ませんね(笑)。 ●コントロールできるのは準備だけ  「Plan」の最後は、「準備」です。  計画まで立てたら、あとは実行に向けて細かい準備をしていきます。  「準備」と「実行」の2つを「コントロール(管理)のしやすさ」  という観点でみると、私達がコントロールしやすいのは「準備」です。  例えば、プレゼンテーションを「実行」する際は、相手がいますので、  その場を思い通りにコントロールするのは難しいですよね。  思ってもみないことが起こったりもしますので。  本番をコントロールするのは難しいことです。  それに対して「準備」は私達がコントロールできます。  要は「準備の時間をとったかとらないか」です。  これは私達自身で管理できることですから、  準備していないのは私達の責任になります。  一流のスポーツ選手たちも準備をコントロールすることを重要視しています。  本番では色々なことが起こりますからね。  柔道の谷亮子さんはあるインタビューでこんな風に答えていたそうです。  「私が準備をすれば勝てる。準備できない試合には出ない。」  準備の大事さと結果とのつながりを言い表した言葉ですね。」  自分の例で恐縮ですが、私が仕事覚えの初期の頃、  先輩が評価してくれたのはこの「準備」でした。  プレゼンにせよ、お客様との面談にせよ、先輩の目から見れば「本番」での  私はたいしたことはありません。  ただ、その本番に向けてどれだけ「準備」をしてきたか、そこを見てくれました。  まだ半人前の段階でも、私達の「やる気」を示すことはできます。  それが「準備」に力をいれることなのです。  ただ、「準備をしっかりやったので、本番がだめでも勘弁して下さい」  という言い訳のためではないですからね。  本番をコントロールすることは難しい。  私達にできるのは「準備」をコントロールすることである。  準備をコントロールするということは、  いわば準備の時間をどう捻出するかという「時間管理」の側面が  強くなります。  結局「準備」は「やるかやらないか」です。  しっかり準備して実行にのぞみましょう! 以上、書籍「仕事の覚え方」に載せきれなかった「おまけの話」でした。

投稿者:関根雅泰

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2.「学ぶ力」とは?

学び上手の3ランク

●「学び上手の3ランク」(初級・中級・上級) 「学び上手」には、3つの「ランク(等級)」があると考えられます。 「初級」「中級」「上級」の3つです。 ◎「初級ランク」の学び上手 学び上手の「初級ランク」は、自分の「型」を見つけた人です。 仕事を進めるにあたって、自分なりの「成功パターン」を 確立している人が、「初級ランク」です。 営業だったら、お客様と面談し受注につなげられる。 営業として成果を出すための自分なりのパターン(型)をもっている人です。 これは、「失敗学」の畑村洋太郎工学院大学教授の言う「定式」にもつながります。 畑村さんは、著書「失敗を生かす仕事術」の中で、 “定式とはこうすれば上手くいくというやり方” “定式がなければ日常の仕事をしていくにもすべて手探り状態で行わないといけません。 これでは仕事が上手くいくはずがありません。”と述べています。 この「定式」つまり自分の仕事における「成功パターン」「型」を、 見つけ出し自分のものとすることが、まず「初級ランク」の学び上手に求められます。 逆に初級ランクに達しない「学び下手」は、 この「型」が見つからない人です。 なかなか自分なりの「成功パターン」が見つけられず、 自分ひとりで仕事が回せない。 常に、先輩や上司がついていないと仕事ができない。 先ほどの営業の例だと、自分ひとりで訪問しても受注できない。 かならず上司に同行してもらわないといけない。 こういう「学び下手」を、周囲は信頼してくれません。 ですから、仕事も任せてもらえず、一人前として認めてもらえないのです。 ◎「中級ランク」の学び上手 学び上手の「中級ランク」は、他人の「型」から吸収できる人です。 「初級ランク」を満たしている訳ですから、既に自分なりの 「型」「成功パターン」は持っています。 自分だったら、ある程度こうやれば仕事は上手くいく、 という「定式」をもっているわけです。 しかし、「中級ランク」の学び上手は、 現状の自分の「型」に甘んじていません。 他の人のやり方で良い点があれば、どんどん取り入れようとします。 自分の型あるいは「軸」をしっかりさせた上で、 他人の「型」から学んでいきます。 つまり柔軟性があるということです。 例えば、企画という仕事をしていて、自分なりの企画発想、 企画遂行の成功パターンをもっていたとしても、 一緒に仕事をする同僚や先輩、他社の企画担当者や取引先の「やり方」を見て、 それらからも上手に吸収し、自分の「幅」を広げていく。 いわば、「アメーバ」のように柔らかい発想とすばやい行動が、 「中級ランク」の学び上手です。 それに対して、「中級ランク」の学び下手は、 自分の「型」にこだわります。 他の人のやり方や考え方を認められず、硬直しているのです。 前述の畑村さんは次のように、この「中級ランク」の学び下手を表現しています。 “自分が経験で得た知識にとらわれて、柔軟な発想ができなくなっている(中略) 私はこれを「偽ベテラン」と呼んでいます。” 仕事はある程度できるが、それ以上の成長が見込めない人。 逆に、これから伸びてくる若い人たちの目を摘み取ってしまう恐れがある人。 それが「中級ランク」の学び下手です。 ◎「上級ランク」の学び上手 学び上手の「上級ランク」は、他人を活かしている人です。 自分なりの「型」も持ち、かつ様々なやり方も吸収し、 変化に対応できる柔軟性がある。 しかし、ここまで見てきた「初級・中級ランク」が 個人の能力依存だとするならば、「上級ランク」は、 他人の能力を上手に活用できる人です。 自分の能力の幅も理解している。 その上で、周囲の仲間や後輩、同僚の力を引き出し、 彼らに動いてもらう。 自分だけで、全部の仕事をしようとするのではなく、 他人の力を活用する。それが、「上級ランク」の学び上手です。 「上級ランク」にまで来た「学び下手」は、いわゆる「できる人」です。 (有)ドリームコーチ・ドットコム代表取締役の吉田典生さんの著書 「なぜ、できる人はできる人を育てられないのか?」には、 「できる人」が他人を上手く活用できていない事例が数多く出てきます。 「上級ランク」の学び下手は、「中級ランク」まで満たしている訳ですから、 周囲のやり方や考え方から学ぶ柔軟性は持っています。 ところが、彼らはなまじ優秀で「できる人」であるため、 全て自分でやろうとする傾向があります。 つまり他人を信頼し、他人に任せることができないのです。 自分だけの力には限界があります。 周りの人に協力してもらうことで、自分ひとりでは 考え付かなかったようなことができるのが、仕事をするおもしろさの一つです。 その可能性を放棄してしまっているのが、「上級ランク」の学び下手なのです。 ここまで、学び上手の3つのランク「初級」「中級」「上級」を確認してきました。 あなたが新しい仕事につく新入社員の方や転職者の方であるならば、 まずは、「初級ランク」の学び上手を目指してみてはいかがでしょうか。 そのためには、「学びスキル:7つの行動」を使い、 自分自身の「PDCA」が回せるようになることです。 「PDCA」を回すことができれば、それを通して自分なりの 仕事の「型」「成功パターン」を見つけていくことができます。 その上で、更に上のランクを目指していきましょう!

投稿者:関根雅泰

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2.「学ぶ力」とは?

「学ぶことをやめない」

●オシム監督の理想の選手 1月26日の日経新聞に、サッカー日本代表オシム監督の話が出ていました。 ========================================================  オシム監督が描く理想の選手像ははっきりしている。  「学ぶことをやめない選手」である。  「経験は確かに重要。しかしサッカーは非常に進化が早く、   昨日の経験が明日も役立つとは限らない。   大事なのは学び続ける気持ち。周囲の言葉に耳を傾け、   敵味方のプレーに何かを感じ、それを自分に生かせるかどうかだ。」 ========================================================   前監督のジーコは「素直さや謙虚さ」の大事さを訴えていました。 「学ぶことをやめない」 サッカーの世界だけではないですね。

投稿者:関根雅泰

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3.新入社員に関する講演・セミナー

なぜ新入社員研修は現場に反映されないのか?

07年1月23日に、日経ビジネススクールさん主催で 人事・教育担当者の方むけ情報共有セミナーを実施しました。  「なぜ新入社員研修は現場に反映されないのか?」 当日は、20名ほどの参加者が熱心に情報交換をされました。 そのときの様子を、お伝えします。 ================================= ●セミナーへの期待 まず、参加者が今回のセミナーに何を期待していたのか、 クラスで出た意見は、次の通りです。 ・新入社員研修の現場への反映、定着のさせ方 ・反映されない要因は何か ・現場で実践してもらうにはどうしたらよいのか ・新入社員自身にどのように関わっていったらよいのか ・新入社員研修の具体的、実践的プログラム ・他社での具体的な工夫 ・研修、サポート、メンター、OJTなどを  どのように進めていけばよいのか ・講義型、参加型研修の効果的、効率的な組み合わせ ・新入社員が毎年100名ほど入る。参加型の研修を行いたいが、  それだけの人数で運営が可能なのかどうか見極めたい。 限られた時間ですが、参加者のこれらの期待に応えたい旨を伝え、 セミナーの本論に入っていきました。 ================================= ●各社の導入教育での工夫 こちらから一般的な導入教育(入社直後の研修)について説明した後、 参加者同士で、自社の導入教育の現状について話し合ってもらいました。 ・先輩社員とのランチミーティングを強制的に行っている。 ・先輩も新人研修を受けるようにしている。 ・上司からの手紙を渡している。 ・ライフデザイン、キャリアデザインを、まず新人に考えさせている。 ・心の病にならないよう、ストレスへの対応法を学ばせている。 ・ビデオ教育を活用している。 ・1コマ90分ほどにわけて、研修を実施している。 ・研修の最終日に役員の前でプレゼンをさせ、達成感を味あわせている。 ・コンプライアンスに関する研修を実施。 ・マナー研修は、社内でマナーに関わっている秘書の方などが来て教えている。 ・マネジメントをゲーム感覚で学ばせている。 ・現場を見てもらい、感じたことをフィードバックしてもらっている。 ・新入社員自身に「どんな点を期待されているか」を考えさせている。 など 次に、導入教育における課題について考えてもらいました。 ================================= ●導入教育における課題 06年6月に実施した「第1回情報共有セミナー」では、 導入教育における課題として、次のようなものがあがっていました。 ・参加者のレベル差 ・講師の力量 ・新入社員の発言が少ない ・伝える内容の多さ ・マンパワー不足 ・配属先との連携、現場をいかに巻き込むか ・研修内容と配属後環境にギャップがある ・効果測定 ・配属後のフォローアップの難しさ ・新入社員のモチベーションに差 ・現場任せ ・OJTが上手くいかない、OJTに温度差あり ・・・ 今回の参加者から出た「導入教育における課題」は以下のようなものでした。 ・導入教育の期間が長く、現場を知らずに「温室育ち」になってしまう。  どうやって現場を意識させればよいのか。 ・採用時点でのイメージと、実際の仕事とのギャップ   ・現場の泥臭さをどうやって理解させるか ・コスト面での問題 ・配属先によって成長が異なる ・入社後の計画的なフォローが難しい ・新入社員のコンプライアンスに対する理解不足 ・伝えるべきノウハウが属人化している。標準化されていない。 ・プレゼンスキルやドキュメンテーションなど教科別に教えても、  有機的に活用できない。トータルではできない。 ・教える側と新人との世代間ギャップ ・若い人の社会人レベルが低くなってきている。(昔に比べて) ・人数が多く、決め細やかな対応ができない。 ・人数が少なく、過保護になりがち ・講師のレベル差 ・現場の色にすぐ染まってしまう  ・研修で教えた内容が、現場にいくと「リセット」されてしまう。  「研修で学んだことなんか、現場では役に立たない」と現場社員に言われる。 ・配属先との連携ができていない。 ・現場が忙しく、教育できない。手が回らない。 皆さん、様々な課題を抱えていらっしゃいますね。 ================================= 今回のセミナーでは、これらの課題の中でも 「研修内容の現場実践」 というテーマに焦点をあてて、情報共有を進めていきました。 そこで、まず最初に「なぜ研修内容が現場で実践されないのか?」 その理由について、参加者の方に考えてもらいました。 ================================= ●なぜ研修内容が現場で実践されないのか? ・新入社員自身が、ライフプラン、ビジョンをもっていない。  だから、今学んでいる内容とつながらない。 ・学校授業の延長で受動的に学んでいる。 ・仕事につながっていない。 ・会社が求めているハードルが高い(昔に比べて) ・人事が教えていることと、現場が教えてほしいことの間にギャップがある。 ・学んだ内容を活かす機会がなく、忘れてしまう。 ・活用する必要性を感じない。 ・研修(建前)と現場(本音)は違うという考え方 ・フォローアップが難しい ・現場の人間は、人材育成を仕事と思っていない。 ・研修内容が現場に即していない。 ・研修=理想になってしまっている。 ・現場とゴールイメージの共有(どういう人材に育てたいのか)ができていない ・現場が教育に理解を示さない ・どのように新人を育てていくのか、共有意識の欠如 参加者の皆さんから、情報を出して頂いた上で、 私どもが考える「研修が現場で実践されない理由」についてご紹介しました。 ================================= ●登場人物 まず、研修の現場実践に関わる主な登場人物がいます。 ○本人:新入社員 ○現場:先輩社員、上司 ○教育:社内講師、外部講師、教育担当 これらの登場人物が、どのように研修の現場実践に関わってくるのかを、 「学習モデル」という考え方を通して、確認しました。 ================================= ●二つの「学習モデル」(1) 一つ目の学習モデルは、「学習転移モデル」と呼ばれるものです。 (「企業内人材育成入門」ダイヤモンド社 参照) このモデルでは、学習を次のようにとらえています。  学習 = 獲得 教育の場において、新人が知識・技術の基礎を獲得する。 獲得した知識・技術の現場での応用は、本人に委ねられている。 獲得した知識・技術を現場で応用する というのが、このモデルの基本的な考え方です。 そして、多くの新入社員研修においては、このモデルに従った 教え方がなされています。 講師が新入社員に知識・技術を教える。 教えた内容の現場適用は、新入社員に任されている。 この「学習モデル」に沿った考え方ですと、いくつかの問題点が出てきます。 その問題点について述べた後、セミナーでは、 「研修が現場で実践されない3つの理由」についてご紹介しました。 (この部分の詳細は、現在執筆中の別の原稿でご紹介します。) ================================= ●研修の現場実践を促すための工夫 「研修が現場で実践されない3つの理由」を踏まえたうえで、 では、逆にどうすれば研修の現場実践を促すことができるのかを、 参加者同士で話し合いました。 ・継続的なフォローアップを行う ・何のための研修なのか、目的をまず明確にする ・現場とのコミュニケーションを密にとる ・現場に即した研修を企画、運営する。 ・社内講師やOJT担当者も、教育する ・理念の浸透などは、新入社員だけでなく全社的に取り組む ・自立心や当事者意識をもたせるような研修を、新人に対して行う ・教育担当者が、現場にヒアリングに行く ・新人研修の結果を直接現場に聞きに行く ・教育の企画そのものを、現場起点で考える ・新人に現場を体験させる。教育担当者も現場を知る。 ・現場を巻き込み、教育を作っていく ・現場社員が、新入社員研修を体験する ・現場に頼れるパイプが必要(現場で教育をサポートしてくれるような人) ・外部講師のマナーではなく、社風にあったマナー研修を行う ・OJTを通して、育成目標の合意をはかる。 ・現場にアクションを起こさせる ・OJT指導担当者をしっかり育てる ・教える内容の標準化、データバンク化 ・育成や将来目標の共有 ・ベンチマーク ・「学習する組織」をつくり、全社的に学ぶ風土を作っていく。 など ================================= ●二つの「学習モデル」(2) ここで、二つ目の学習モデルとして 「正統的周辺参加モデル(LPP理論)」をご紹介しました。 このモデルにおいては、学習を次のようにとらえています。  学習 = 参加 「実践コミュニティ(共同体)」に参加していく過程そのものが「学び」である という考え方です。 「新参者」である新入社員は、既に「十全的参加」を果たしている 先輩社員や上司と同じように、一人前になっていくために、 まずは「周辺参加」をさせてもらう。 そして、実は、このモデルに 「研修の現場実践を促すためのポイント」が隠されているのです。 参加者に対しては、「研修の現場実践を促す3つのポイント」を 正統的周辺参加モデルに則ってご紹介しました。 (こちらの詳細も、現在執筆中の別の記事でご紹介します。) ================================= ●現場とのつながりを作るには? 「研修の現場実践を促す工夫」にも出てきたように、教育担当者と 「現場とのつながり」は、非常に重要です。 そこで、参加者に「現場とのつながり」を作るために、どうしたらよいのか について話し合ってもらいました。 ・現場の状況をヒアリング ・現場との関係(パイプ)作り ・教育担当者からの情報発信 ・研修前後に、現場とコミュニケーションを取る ・普段から現場と接点をもっておく ・現場を訪問する ・気軽に電話やメールができる相手を作っておく ・なるべく顔をあわせるようにする このあとは、「研修の現場実践を促す3つのポイント」の詳細を 確認していきました。 ================================= ●正統的(現場とのつながり) 「研修で学んでいることは、確かに現場で必要なことだ」と、新入社員が 研修が「正統的」なものであると感じない限り、研修の現場実践は促せません。 そのためにも必要なのが、教育内容と「現場とのつながり」です。 それを持たせるために、どうしたらよいのかを、 ○研修前 ○研修中 ○研修後 の3つにわけて、参加者にはご紹介しました。 ================================= ●周辺参加(本人支援) 次に、新入社員が現場に参加できるよう、どうやって支援したらよいのか について、「参加のさせ方」「参加の仕方」「忘却対策」の3つにわけて ご紹介しました。 ○参加のさせ方(「教え方」を教える) 新入社員が上手く現場で学んでいけるよう手助けするために、 先輩社員や上司に「教え方」を教える必要があります。 いわゆる「OJT担当者研修」というものが必要になるのです。 (日経ビジネススクール主催「OJT指導スキル研修」) ○参加の仕方(「学び方」を教える) 新入社員自身も、現場で仕事を覚えていく際に必要になるのが、 「上手な学び方」です。 ・人から教えてもらう際の話の聞き方 ・観て盗む際のポイント ・経験から学ぶためのやり方 など 早く一人前になるために必要な「仕事の覚え方」を学ばせるのです。 (日経ビジネススクール主催「仕事の学び方」研修) ○忘却対策 新入社員が、研修で学んだことを忘れないようにするための 「忘却対策」としていくつかのやり方をご紹介しました。 ・研修教材としての「手帳」と  フォローアップツールとしての「手帳」 研修教材は、研修が終れば、机の中にしまわれてしまいます。 それを防ぐために、毎日使う「手帳」そのものを、 研修教材として使用します。 (「日々学習手帳」 ← 現在サイト製作中) また、研修内容の現場実践を定着化させるためにも、 何かを継続して実践させる必要があります。 継続、習慣化に役立つのが、「手帳」なのです。 ・リマインダーカード ・簡易チェックシート ・メールラーニング 等 弊社が工夫している様々な「現場実践ツール」を、 参加者にご紹介しました。 ================================= この他にも、いくつかの情報を参加者には提供しました。 ・Pedagogy(子供に対する教育) ・Andragogy(大人に対する教育) ・学習効果を高める方法 ・講師の「小技」 など これらについては、また別の機会にご紹介します。 最後に、無料セミナーに参加された皆さんの声をご紹介します。 (許可を得た方のみ掲載) ================================= ●学んだこと・気づいたこと ・新人研修は誰のためにやるのか? 新人、現場、経営のため という  当たり前のことを再認識しました。 ・各登場人物へのニーズヒアリング、ゴールイメージのすり合わせは必須。 ・新人研修を教える側だけで考えるのでなく、学ぶ側からも考えることの  重要性(学びに関する理論) ・新人研修についての悩みは、各社様々なものであると気づくことができた。 ・「現場で生き残ることを教える」には、ハッとさせられた。 ・新人の立場で研修を考えることで、効果の高い研修が計画できると思う。 ・学ぶことの重要性を確信できた。新人のみならず階層別研修に取り入れたい。 ・参加型のポイントは理解できたと思う。 ・新人とはいえ、社会人(大人)の接し方をする重要性に気づくことができた。 ・現場に送り出すイメージとして新しい観点を頂きました。 ・「参加」という1つのキーワードを、いくつかの場面で応用したいと思います。 ・参加型の研修を体感して、自分が講師のときに非常に役立つと思います。 ・研修を作る側のあり方とは、現場へ導く助けとなるということがわかりました。 ・研修の目標、目的、人材育成のゴールの共有化の必要性を強く感じた。 ・手帳を配ることは早速実践していこうかと思いました。 ・(参加者が皆)同様の悩みを抱えていることがわかり、大いに勇気付けられた。 ・短い間での会話ではあったが、色々な取り組み方も教示頂きありがたかった。 ・教育担当者は、新入社員と現場の橋渡しの役割であるということ、  そこへつなげるために何をしたらよいのか(事前準備)は、    現場へのヒアリングやアンケートなどで、期待する人物像や  ゴールイメージについて情報を共有し、相互理解をすることが大切であると  学んだ。 ・時間もお金もパワーもかけて行う新入社員教育が現場で活かせるものとできるよう  日ごろからコミュニケーションをとることを心がけたい。 ・問題点、課題については、各社、共通か似ていることがわかった。 ・まずは「ゴールイメージ」を作ること。  「現場とのリレーションをもつこと」から始めたい。 ・プログラムの中に「参加型」を増やし、新人が自ら動く時間を作りたい。 ・研修後のフォローについて見直したい。 ・新人や現場の意見が聞けるような場を作りたい。 ・学ぶ側からの観点を再認識できた。 ・いかに机上で考えた内容で研修を組み立てていたかに気づいた。  面倒くさがらずにどんどん現場の声を吸い上げるようにしないと、  ギャップが広がり、「研修のための研修」になってしまうことを  再認識した。  どう現場を巻き込むか、現場主導のやり方、進め方について  再度考えたい。 ・現場との連携については、他社の方々も課題に思っている部分だと  再認識した。  具体的には、2点実行しようと思う。  1)研修前:現場とのゴールイメージの共有(←すぐにやろうと思います)  2)研修中:現場への適用の仕方のガイドが必要だと    認識したので、どういうガイドをするかの検討 ・現場と日ごろからコミュニケーションを図り、状況を知り、かつ  教育の考え方を知ってもらう ・企画段階から現場に入ってもらい、教育担当の研修と    現場での教育の棲み分けをしておく。合意する。 ・大人になってもらいたいなら、大人として扱う。 ・現場へのつながりを常に意識し、研修内容を立案する。 ・学び方に違いがある(学生と社会人では) ・現場で実践させるための工夫 〓 周辺参加という考え方  具体的に落とし込みをしてみたい。  研修で行ったことのチェックリスト表を現場と共有する ・社員教育はロジックがないと、場当たりのいいかげんなものになる。 ・社員教育は、教育部門と現場とのつながりが重要。  特に、人材育成のゴールの共有化が必要。 ●ご意見・ご感想 ・同じような悩みを抱えている人がたくさんいる → ノウハウやアイデアを  共有できる今回のような場は、非常に価値があると思います。 ・(参加型セミナーであったため)自分で考え書くことで気づくことが多くあった。 ・今まで気づかなかったこと、無意識に行っていたことが、  ざっくりと体系的に整理できました。 ・大変楽しく、能動的に参加させて頂くことができました。ありがとうございました。 ・関根氏の講義は声が明瞭で、かつ室内をエネルギッシュに動き回られ、    お人柄のよさもあいまって、楽しく充実していました。 ・大変和やかなムードで、活発な意見交換ができ、有意義でした。 ・新人研修の考え方が少し変わったように感じます。ありがとうございました。 ・時間の関係でさらに具体的なノウハウを聞けなかったが、  有料のセミナーでも参加したいレベルである。 (参加者の皆さん、ありがとうございました!) ================================= ●参考書籍 最後に、研修で引用した書籍をご紹介します。 ●教育理論の全体像 「企業内人材育成入門〓人を育てる心理・教育学の基本理論を学ぶ」 中原淳編著 ダイヤモンド社 「生涯学習理論を学ぶ人のために」 赤尾勝己編 世界思想社 ●教育理論 「人が学ぶということ〓認知学習論からの視点」 今井むつみ・野島久雄著 北樹出版 「間違いだらけの学習論〓なぜ勉強が身につかないか」 西林克彦著 新曜社 「学習者と教育者のための自己主導型学習ガイド」 M.ノールズ著 明石書店 「状況に埋め込まれた学習〓正統的周辺参加」 J.レイブ&E.ウェンガー著 産業図書 「学ぶということの意味」 佐伯胖著 岩波書店 「専門家の知恵〓反省的実践家は行為しながら考える」 D.ショーン著 ゆみる出版 「MI:個性を生かす多重知能の理論」 H.ガードナー著 新曜社 ●研修講師として 「おとなの学びを支援する」 K.マイセル著 鳳書房 「新しい社員研修の進め方〓研修・人事担当者への手紙」 小橋邦彦著 産業能率大学出版部 「教え上手になる!〓おとなを相手の教え方」 関根雅泰著 明日香出版 以上です。 ご参加くださった皆さん、ありがとうございました! そして企画してくださった日経ビジネススクールの 駒野さん、小川さん、原科さん、ありがとうございました!

投稿者:関根雅泰

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2.「学ぶ力」とは?

「学び方を学ぶ」重要性

●ピーター・F・ドラッカー教授 「先進社会が30年、40年にわたって手にすることができる競争力要因は知識労働者しかない。」  「知識は急速に陳腐化する。そのため定期的に教室に戻ることが不可欠となる。  知識労働者のための継続教育がネクスト・ソサエティにおける成長産業となる。  ただし、それが行われる場所は学校とはかぎらない。」                           ネクスト・ソサエティ 2002年 (p145&p25) ●トーマス・フリードマン氏 「フラット化する世界」著者 日経ビジネス記者からの質問: 〓フラットな時代を生き抜くには教育が重要だと説いています。 「ならば、どんな教育が必要なのか。私は、“学び方”を学ぶ能力だと思っています。  何を知っているかではなくて、どう学ぶかです。なぜなら、あなたが今日知っていることは、  これまでに経験したことない速さで、明日には時代遅れになるからです。」                               日経ビジネス 2006年7月17日号 (p107) ●小橋邦彦氏 「“当社の歴史と現況”や”製品概要”などを知るのがたとえ一週間遅れても生命に別状はない。  というのはオーバーだが、研修にとって致命的な欠陥にはならない。だが、挨拶の仕方、  先輩への質問の仕方、講義の聞き方などがきちんとできていないということは、  単に講師に対して失礼だといったマナー論だけでは済まされないことなのだ。  それ以前に、果たしてそこに効果的な学習がチャンと行われているのかといった意味で、  集合研修の成立それ自体さえ危ぶまれることになるのだ。」                            新しい社員研修の進め方 1987年 (p21) ●清水勤氏 「“学習する能力”とは要するに経験からの学び方を身につけるということで、問題解決の経験を  積み重ねる中で、それを身につけていった人は、加速度的に問題解決能力を伸ばしていく。  “経験から学ぶ”には、その学び方も同時に学習しなければならないはずである。  学び方を身につけた人は、将来の問題解決に際しても、それに即応した解決行動をただちに  学び適用することができるのである。」                                   OJTと組織開発 1972年 (p33)

投稿者:関根雅泰

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2.「学ぶ力」とは?

「遊び心」をキープするための「学習力」

●「遊び心」をキープするための「学習力」 多摩美術大学の榎本和生教授が「能力開発」を 興味深い切り口で定義しています。 「何のための能力開発か?  それは“遊び心”を持って仕事をするためである。」         (「能力開発21」2006年10月号) 「“遊び心”をキープする力には二つある。  一つは“基礎仕事力”である。  もう一つは“専門仕事力”である。」 この基礎仕事力の一つとして、「学習力」があると言う。 榎本教授の定義を引用したい。 ================================== 「学習力は、全ての職業や仕事を超えての共通の学習技能である。  学習力は、自分一人でいろいろな学習を効果的に推進できる  さまざまな技能の総称である。  この学習力を身につけていれば、どんなことでも自分一人で    学ぶことができるのである。」         (前掲書 p3) 学習力には、本の読み方、レポートの書き方、学習環境の整え方、   時間管理の仕方、集中力の保ち方など、幅広い技能が含まれると 氏は言う。 その中でも「情報記録技能」と「論文作成技能」の二つが、 大学での学習と社会での仕事において特に必要であると強調する。 「情報記録技能」には、概要づくり(アウトライニング)、 ノート(メモ)づくり、要約づくり(サマライゼーション)がある、という。 学習力を身につけるには、「読書」が重要であるとのことだ。 ================================== 「学び上手になる!研修」でいうところの 「文字情報(先人の知恵)」から学ぶ「学習力」ということのようですね。

投稿者:関根雅泰

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2.「学ぶ力」とは?

企業が求める人材とは?

●企業が求める人材とは? 朝日新聞社「大学ランキング」編集長の清水建宇氏は、 企業が求める人材を、次のように表現していました。 「企業が求める人材とは、まずは他人の話したことを  きちんと理解でき、自分の考えをはっきりと人に  伝えられるコミュニケーション能力があること。    そのうえで、社会や仕事のなかで自ら問題を見つけ、  解決策を考えることができる力、言わば本当の意味での  “学力”をもった人材です。」      (朝日新聞 大学入試レポート 2007年1月3日) 理解、表現、意思疎通、 問題発見、課題設定、解決策立案、問題解決といった能力が、 本当の意味での“学力”ということのようですね。 「そのような能力を培う場こそがだ、大学なのです。  高校までの勉強は、正解が分かっている問題を教師の  教え通りに解くことでした。  それに対し、問題そのものを見つけ、正解の分からない  問題について考えるのが大学です。」 「現実社会や仕事で直面することも、答えのないこと  ばかりです。変化の激しいこれからの時代は、  ますます新しいことを学び、未知の問題を解決する能力が  求められるようになるでしょう。」 “学ぶ力”がこれから益々求められるのでしょうね。

投稿者:関根雅泰

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9.新入社員育成における課題

人材育成の復権

06年12月14日に、日経ビジネススクール主催 「2007年の経営戦略を読む」(武藤泰明 早稲田大学教授) に参加してきました。 講演の中で、人材開発に関してどんな話が出たのかを 私の理解の範囲で、ご紹介します。 ================================================= ●人材育成の復権 ・仕事の面白さと将来の能力向上を目指す人材は、  賃金は安くても「×1以上の能力」を必要とする仕事がある会社を選ぶ。  (「×1の能力」しか必要としない賃金の高い会社よりも) ・「ここにいれば成長できる」と思わせられれば、人材を引き止められる。 ================================================= ●即戦力と基準外人材 ・新卒や中途など「即戦力」は、労働需給に余裕がなくなると  採用コストが上昇する。 ・フリーターなど「基準外人材」は、比較的ラクに採用できる。  育成期間を短く出来れば、利益貢献の早期化を期待できる。 ・多くの企業は、新卒か1社以上の経験がある中途を採用する。 ・企業における基準「外」の人材である「大卒フリーター」を採用していない。 ・「高学歴の非正規就労者」が、毎年20万人増加している。 ・定員未充足大学では、大学の「基準外人材」を入学させている可能性もある。 ・大卒者の質の問題もある。 ================================================= ●採用と育成 ・採用コストは、採れなくなればなるほど、幾何級数的に増加する。 ・採用コストが急増する場合は、育成コストのほうが割安になる。 ================================================= 「人材育成の復権」 人材育成に携わるものにとって、勇気が出る話でした。 武藤教授の話は、非常に勉強になったので、 定点観測的に、毎年参加しようと思っています。

投稿者:関根雅泰

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書籍:早く一人前になるための「仕事の覚え方」

読者の方から頂戴したメール

いつもメール有難うございます。Sです。関根先生のファンです。 覚えていただいていれば光栄です。 今年も残りわずかとなりました。 関根先生のメールを読ませていただく限り、本当に充実していた1年でしたね。 セミナー活動、そして執筆活動、本当にお疲れ様でした。 先日お送りしたメールで『仕事の覚え方』の感想をお送りする予定でしたが、 すぐに読んだにも関わらず、感想を送れずにおりました。 何とか年内には、お伝えしたと思っておりましたので、 感じたことを僭越ながら綴らせていただきます。 (全体的な感想) ・1時間くらいで、じっくり読みできたので、爽快な読み味。 ・構成もクドくなく、短編的に工夫されてまとられているため、整理ができた。 ・整理できる理由は、随所に図やイラストがあり、イメージがしやすいから。 ・関根先生の読者を思いやる書き方にすごく共感した。 (内容の感想) ・考え方、つまり見えないものをかたち(文書化)にしていただき、本当に有り難い です。 ・成長するには欠かせない要素が、この本に集約されている点に感謝です。 ・まさにサラリーマン人生のバイブルです。 ・サラリーマンとしてだけでなく、生きていくうえで本当に知っていて良かった、知 らないと損をするような考え方ですね。 次は、年末年始に『コミュニケーションのポイント』を読ませていただきます。 コミュニケーションの必要性は誰もが知っているもの。 それを、関根先生が紐解くか、本当に楽しみです。 これまでの2冊と違い、横書きにした意図はあるのか? これまでの2冊とどのようにリンクしていくのか? 今回はどんな落としどころがあるか? など気になるところはいっぱいです! 最後になりましたが、来年もまた宜しくお願い致します。 (Sさん、ありがとうございます!)

投稿者:関根雅泰

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