●内定者によるオブザーブ
ある会社さんでは「新入社員フォローアップ研修」に
来年度入社予定の内定者を参加させるという
取り組みをされていました。
1日目の午後、「プレゼンテーションスキルの習得」の
パートをオブザーブさせました。
企画者側としては、オブザーブさせることで、
逆に「内定辞退」を誘発してしまうのではないか
という恐れも抱かれていました。
しかし、杞憂に終ったようです。
「内定者による質問タイム」という時間も設けたところ、
次のような質問が内定者から、新入社員に対してあがりました。
【内定者からの質問】
「仕事の初期の段階では、教わることが多く、
情報量が多いと思いますが、それらを取り込むための工夫は?」
「大きな失敗をしたときのフォローの仕方はどうされていますか?」
「社会人になって、自分が一番変化したと思うことは何ですか?」
「最初にもらった給料で買ったものは何ですか?」
「業界を知らない人に、会社の魅力をわかってもらうには
どうしたらよいでしょうか?」
(業界内では有名でも、一般の人には無名の会社なので)
「工場はどんな様子ですか?」
「社会人になって生活上で最も変化した点は?」
「休日の過ごし方はどうされていますか?」
「学生のうちにやっておいた方がいいことは何ですか?」
これらの質問に対して、新入社員が答えたい質問を自ら選び
学んだプレゼンテーションスキルを使って答える
という練習をしました。
新人が真摯に内定者の疑問に答えようとしている姿が印象的でした。
「何かネガティブな話を内定者に吹き込むのでは・・・」
という不安も杞憂に終りました。
半年間、仕事をしてきたという自信と、
「来年春には、ここにいる内定者が自分たちの後輩として
入社してくる」という事実が、
彼らに先輩社員としての自覚を促したようです。
私見ですが、この「新入社員フォローアップ研修」に
内定者を参加させるという取り組みは、非常に効果的だと感じました。
◎新入社員には、先輩社員としての自覚を促す
(研修運営者の講師としての実感ですが、
内定者が部屋に入ってきた瞬間から、新入社員の空気が変わりました。、
「自分たちも先輩になるんだ・・・」という自覚ゆえでしょうね。)
◎内定者には、すぐ上の社員の話を聞くことで、
入社後の自分の姿をイメージさせることができる(内定辞退を防ぐ)
考えられるリスクやデメリットよりも、
効果やメリットの方が大きいと感じました。
「社員の生の声」をオープンにしようとする会社の姿勢と
新入社員の教育に力を入れているという姿を、
目の前で示すことができるからです。
来年秋には、他の会社でも同じような取り組みが
なされることを期待します。
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