「証拠に基づいた練習と職場学習」

ASTD 2007 参加報告

●Beyond Fads, Fables, & Folklore:
  Evidence Based Practice & Workforce Learning
「証拠に基づいた練習と職場学習」
  Ruth Colvin Clark, CLARK Training & Consulting
   June 4th, 12:30-13:45
Eラーニングの書籍で著名なR.クラーク女史のセッションです。
以下に、私の理解の範囲で、印象に残った点をお伝えします。

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○Mythbusters(神話を壊す)
・次の設問について考えてみよう。
Fact or Fiction? 事実 それとも 作り話?
1.Visual(絵)があった方が、人はよく学べる。
2.Visual(絵)を説明するAudio Narration(声)とText(文)の両方があった方が良い。
3.Visuals(絵)とStories(物語)を付け加えた方が、人はよく学べる。
4.Practice(練習)が、Training Session(研修)全体にちりばめられていた方が、
  2~3回の練習よりも、人はよく学べる。
5.Face-to-face classroom(対面学習)の方が、e-learningよりもよく学べる。
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○Critique the e-learning Samples 評価してみよう!
・2つのeleaningについて評価する。良いものだと思えば、A。だめなら、F。
○F2F(対面)vs Electric Distance Learning(eラーニング)
・つまらない対面学習もあれば、つまらないeラーニングもある。
・対面もeラーニングもそれほど違いはない。
・Media(対面or PC)が問題なのではなく、Method(手法)が大事。
・Media = Technology(技術)used to deliver the training
 
 例)PC、本、対面で説明してくれる講師
・Method = Techniques(手法)that promotes learning
 例)Visuals(絵)Examples(例)Practice Exercise(練習)
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○How People Learn 人はいかに学ぶか
・Learning Process(学習段階)
 1)Attention
 2)Activation of Prior Knowledge
 3)Rehearsal for encoding
 4)Retrieval
 5)Metacognition
・チェスボードに「無意味」に並べられたチェスの駒を
 覚えていられるのは、初心者の方が多い。
・チェスボードに「有意味(ゲームの途中)」に並べられたチェスの駒を
 覚えていられるのは、チェスの達人。
・経験がある人は、物事をChunk(塊)にして覚えている。
・Chunkのサイズは、Prior Knowledge(先行知識・前の経験)による。
・多くの場合、Working Memory(短期記憶?)は、7±2のチャンクで覚えている。
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○Do Visuals improve learning?
・Multimedia
関連した絵があったほうが、よく学べる
 言葉だけよりも、絵があった方が良い。
・Coherence
 しかし、多すぎる絵は理解を妨げる。
 情報が多くなりすぎると、Encodingの問題が起こる。
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○How to use Text and Audio to Explain Visuals
・Modality
 絵について、音声で説明されると理解が高まる。
 
・Redundancy
 しかし、絵に文章がついて、それを音声で読まれると、印象に残らない。
 文章、または音声、どちらかにしないと、記憶に残らない。
 情報量が多すぎる。
 Prior Knowledge が、学習に大きな影響をもたらす。
 ある事柄について、どの程度の「予備知識」があるのかが、
 学習に大きな影響をもたらす。
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○Interactions and Learning
・Context
 練習が、仕事に関連した状況で実施されると、効果が高い。
・Distribution
 練習が、研修全体にちりばめられていると、効果が高い。
 1日でぶっつづけで、研修をやるよりも、
 午前×2回と、2日間にわけて実施したほうが良い。
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○まとめ
1.Visual(絵)があった方が、人はよく学べる。
  ← Sometimes 絵があったほうがよいが、多すぎるとダメ
2.Visual(絵)を説明するAudio Narration(声)とText(文)の両方があった方が良い。
  ← Fiction どちらか一つ
3.Visuals(絵)とStories(物語)を付け加えた方が、人はよく学べる。
  ← Fiction 情報量が多すぎると、学べない。
4.Practice(練習)が、Training Session(研修)全体にちりばめられていた方が、
  2~3回の練習よりも、人はよく学べる。
  ← Fact
5.Face-to-face classroom(対面学習)の方が、e-learningよりもよく学べる。
  ← Fiction メソッドが大事
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○所感
・「この人の本を読んで、もっと学びたい!」そう思わせるセッションでした。
・「人がいかに学ぶか?」を色々な実験結果(Evidence)を元に考える内容でした。
・更に勉強します!
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投稿者:関根雅泰

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