「研究計画書デザイン ~大学院入試から修士論文完成まで」
細川英雄著
○大学院に入ってどのように研究していけばよいのか
おおまかな流れがイメージできる本。
(・引用 ○関根の独り言)
●研究
・研究とはものを考えることと同じ。
・「研究」は、常に自分以外の他者とのインターアクションの中で醸成される
・「研究」とは自己表現であると同時に、他者との協働において新しい
ものごとを創造する行為
●志望動機
・「なぜ学ぶのか」大学院進学の問題意識
○「なぜ大学院なのか?」
-より深い専門知識の獲得(教育工学の分野)
-データの蓄積と分析
(せっかく研修を通して研究対象者と接点があるが、
データ収集と分析の方法が不十分なので)
-アカデミックな研究方法の習得
(次世代につながる知見を残したい)
-人脈の拡大
-顧客からの更なる信頼獲得
といったところかな。
・指導教員を逆指名する。
・研究室のメンバーが相互に助け合う
○私自身が、中原先生の研究室に貢献できることは何か?
-企業側担当者との接点作り
-社会人経験 ・・・ぐらいかな
・大学院に進んで、教育研究を深めるということは、逆にいえば
進路の可能性をより狭くすることでもある。
専門性を身につけるということは、専門以外のことはできなく(できにくく)
なるということも意味している。
●研究計画書
・研究計画書が重要なのは、受け入れる側にとって、その人が2年間で
修士論文を書けるかどうかを判断する指標になるから。
・対象となるデータのイメージが具体的になっているほど受入側は安心する。
・その人にとって、なぜその研究なのかという動機が肝心。
○私が、中期的(~2017年3月末ぐらいまで:45歳)に研究したいことは、
「新人が育つ職場では何が起こっているのか?」という現実調査だ。
(新人=大卒新入社員
職場=従業員数1000名以上の大企業における新入社員の初期配属先)
それが分かれば、企業での新人育成において有益な情報となり、
お客様である人事教育担当者の役に立つ仕事ができる。
その最初の一歩としての今回の大学院修士課程
(2010年4月~2012年3月末:40歳)においては、
-OJT担当者の存在
-周囲の協力=新人の人脈構築
といった点から、新人が育つ職場で起こっていることを明らかにしたい。
07年から各社様で「OJT研修」「新人研修」を実施して感じているのは、
「OJT担当者が新人指導を一人で抱え込まず、周囲の協力を得ながら
新人指導を行っている職場では、新人の成長度が高い」
という点だ。
しかし、これも研修内の参加者の声の集約や私の感覚でしかない。
新人の成長度もあくまで主観だ。
ただ、周囲の協力を得ているOJT担当者は、
-OJTに対する負担感が低い(楽しんでやっているようにも見える)
-新人の満足度が高い
(職場内外の人たちとの接点をOJT担当者が作ってくれるので、
「放置されている感」がなく、周囲との人間関係も良好)
のは目に見えて感じられる。
実際そういうOJT担当者のもとにいる新人が「成長」しているのかどうかは
-新人自身の成長実感(過去の自分に比べてどれだけ成長したと感じられるのか)
-OJT担当者から見た評価(当初立てた育成目標にどれだけ近づいているのか)
-上司や職場メンバーから見た評価(今までの他の新人と比べてどうか)
といった観点から測る必要はあるかもしれない。
今現在の「仮説」として、
「周囲の協力を得て新人指導を進めている
OJT担当者の元にいる新人は成長している」と考えている。
これが本当にそうなのかを、修士論文を通して明らかにしたい。
この研究に関連する先行研究としては、
-他者とのかかわり(ゼロックス社と中原先生達の共同研究)
-わかちもたれた知能
-メンタリング、関係の布置
-
などがあるだろう。
(ただ、ここが私の弱いところだ。どんな先行研究があるかわかっていない。
それを、大学院入学前と入学後に勉強したい。)
・研究計画には、5つの項目を含む
1)研究テーマ 2)研究目的 3)研究内容 4)研究方法・計画
5)研究成果に期待されるもの
・問題意識から研究計画へ
問題意識(仮説)
↓
インターアクションの活用
1)データの収集と検討 2)先行研究とのすり合わせ 3)他者との議論
↓
問題提起(結論の見通し)
・自分が社会人であり、十分な職業経験があるという意識は、ひとつの面では
自信につながるが、別な見方をすると、固定的な考え方にこだわってしまう
危険もある。
○気をつけないと。謙虚さを大事に。
●研究論文
・具体的なデータの中に、おもしろさ、オリジナリティーを発見すること。
○ビジョナリーカンパニーのJ.コリンズが、同じようなことを言っていた。
「自分はデータおたくで、データを見ているだけで幸せになる」
・都合のいいデータだけでは説得力がない。
・論文執筆の基本は、周囲にある情報や自分自身の体験を批判的に考えること。
○ここがアカデミックな人の強みであり、
一般の人からは敬遠される部分なのかも。
・書くことで目指すのは、その人にしか書けない「固有性」と
他者とのインターアクションによる「共有性」である。
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