大学院での研究テーマである「新入社員へのOJT」に関係しそうな論文等の
私なりの要約ポイントをブログに載せておきます。
のちに検索しやすいように。
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【OJT】
『仕事の経済学』 (小池和男 2006)
・OJTを仕事と区別するために「フォーマルな(形ある)OJT」を設定する。
フォーマルなOJTには「指導員の指名」「訓練成果のチェック項目」がある。
・OJTは「長期のキャリア(長期に経験していく仕事群)」である。
・「幅広いOJT」= 職場内のおもな持ち場を経験するよう移動する。
序列方式、ローテーション方式等。
・「深いOJT」= 職場で起こる問題や変化もこなす。問題に関する報告書の作成、
職場会議での討議、他職種の支援
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『日本企業の能力開発-70年代前半~2000年代前半の経験から』
(労働政策研究 研修機構研究員 原ひろみ 2007)日本労働研究雑誌
・相談についての制度や先輩が指導する職場内の雰囲気が能力開発と
相互補完的な関係にあることが伺える。
・若手社員の仕事についての相談相手や将来的なキャリアデザインについて
相談できる仕組みがある企業では、仕事上の能力を高めるための指導や
アドバイスも積極的になされており、また先輩が後輩を指導する雰囲気
のある企業では、従業員のOff-JT受講に積極的であることが示された。
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『OJTの実際~キャリアアップ時代の育成手法』 (寺澤弘忠 2009)
・これからのOJTの特徴としての指導育成の方法。上司先輩は「教える人」、
部下後輩は「教えられる人」という一方通行的な受け止め方だけではなく、
上司先輩も知らないこと、できないことは部下後輩と「ともに学ぶ」という
相互啓発の時代となった。
・OJTの特徴は、自分を取り巻く周囲の第三者(他人、特に上司先輩)の
アドバイスと援助によって自己啓発(能力開発)を行い、自らの自立、巣立ち、
成長を図り、企業内(組織内)で有用な人材となること、すなわち仕事ができる
人材になることを目指してきた。
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【心理学】
『職務遂行能力自己評価に与えるOJTの効果~地方自治体職員を対象として』
(愛知淑徳大学 榊原国城 2004)産業・組織心理学研究
・「業務推進能力」「職務遂行態度」「職場運営能力」の能力向上尺度すべてに
対して有意な正の効果を示したOJTは「権限委譲」であった。
しかし「職場指導」はいずれの能力向上尺度に対しても有効ではなかった。
・この結果は、上司による、部下への直接的な教育・指導が部下の能力向上に
有効に結びついていないということを明確に示すものであった。
一方、職務機会提供と自由裁量付与こそ部下の能力向上に対して有効な、
上司による唯一無比のOJTであった。
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『わが国産業組織における大卒新入社員のキャリア発達過程:その経時的分析』
(慶應義塾大学 若林満・南隆男・佐野勝男 1980)
慶應義塾大学産業研究所心理学研究班モノグラフ
・入社1年目に直属上司との間で「高い」交換関係を経験したグループは、
その経験を通じて高い組織への一体感を抱くようになり、かつ上司から
高い職務遂行評価を受け続けている。
・1年目の上司との制限された交換関係は、以後の本人の職務遂行にとって
一種の滑り台と化してしまう危険性をはらんでいる。
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『職場内訓練の成立条件―ソシオメトリック・データを用いた実証』
(東京大学 犬塚篤 2009)産業・組織心理学研究
・比較的自由に教授者-学習者関係を選択できる状況において、どのような
関係が選好されやすいのか明らかにするのが、本稿の主眼。
・(組織一体化のレベルが)学習者をはるかに凌駕した教授者でないと、
学習者は彼(彼女)の意見や指示を受け入れる気にはならない。
・モデリング学習における教授者の一体化関連変数(組織一体化・貢献的職務遂行)
のレベルは、学習者にとっての“適度な高さ”に位置づけられていることが
望ましい。
・多くのOJT場面において、教授者と学習者との間に大きな差を作らないと言う
経験則を支持する結果となった。
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【組織社会化】 (経営学)
『新人の参入が組織・職場・個人に与える影響』
(神戸大学大学院 尾形 真実哉 2005?)経営行動科学?
・新人が上司や同僚に“上司らしさ”“先輩らしさ”“社員らしさ”を認識させ
社会化を促進させるエージェントになっている
・尾形(2004)は、新人のストレスの一つとして「モニターストレス」を
あげている。職場の関心が全て新人に向けられることで、新人にストレスを
与えてしまっているもの。
新人をサポートしようと思う意識が高い職場ほど、逆に新人にストレスを
与えてしまうというパラドックス。
・新人が職場に参入して、社会や組織での現実にショックを覚える現象が、
「リアリティーショック」であるのに対し、新人が既存の組織構成員に及ぼす影響を
「ニューカマーショック」と呼ぶことができるであろう。
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『新人の組織適応課題-リアリティ・ショックの多様性と対処行動に関する
定性的分析』
(神戸大学大学院 尾形 真実哉 2006)人材育成研究
・既存研究では説明できないリアリティショックの多様性が見出され、
そのような多様性を生じさせる要因としてリアリティショックを生じさせる
前提要因と組織現実の多様性の存在があることを(本論文では)提示した。
・「既存型リアリティショック」に遭遇している新人の克服を援助するためには、
ケアリングや教育制度の充実化を図るとともに、再動機づけを行うことも必要。
・「肩透かし」に対する組織の対処方法として、新人に責任、自律性を提供する
ことが一つ。
・「専門職型リアリティショック」への対処法として職場全体が新人を
バックアップする制度を充実させること。
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『組織社会化施策が新規学卒就職者の組織適応に与える影響』
(明治大学 竹内倫和 愛知学院大学 竹内規彦 2004?) 経営行動科学?
・3つある「文脈的」「内容的」「社会的」組織社会化戦術のうち
「社会的」組織社会化戦術が、新規学卒者の組織への社会化を高めると同時に、
結果変数として入社後1年間の組織コミットメントの変化量に対して正の有意な
影響を与えていた。社会的社会化戦術の重要性が示唆される結果となった。
・入職後においては、本研究によって効果が確認されたメンター制度など
社会的社会化戦術を企業が積極的に導入することが一つの方策として考えられる。
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【School to Work Transition】
『学びの場から働きの場へ-ある一企業社員のインタビュー調査から』
(神田東クリニック 大庭さよ
JMAマネジメントセンター 藤原美智子 2008)カウンセリング研究
・新入社員たちは組織に「社会化」される受動的な存在ではなく、期待との
不一致を積極的に解消したり、たとえ不適合な「今」であっても、
自分のキャリア上、必要な時期として意味づけようとする主体的な存在である
ことが確認された。
・入社1年半後の適応感に上司のかかわりが大きく影響を及ぼしていることが分かった。
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【熟達化】
『IT技術者の熟達化と経験学習』
(小樽商科大学 松尾睦 2005) 小樽商科大学学術成果コレクション
・IT技術者が、経験を通して知識・スキルを獲得するプロセスは、
キャリア発展段階や職種によって異なると本研究では考えた。
・分析の結果、職務内容が異なると、経験学習パターンも異なることが
明らかになった。
・領域が異なると、熟達を促す経験のさせ方が異なると言える。
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