中原先生の授業「組織学習システム論」の授業6回目が終了しました。
さし障りのない範囲で「学んだこと・気づいたこと」をシェアします。
(以下は、授業参加者MLに送ったメールです)
=====================================
「組織学習システム論」参加者の皆さま
参加者の一人、M1の関根です。
毎度で恐縮ですが、2010年5月25日(火)の授業のふり返りをお送りします。
間違って理解している点がありましたらご指摘いただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
====================================
2010年5月25日(火)13時~14時30分
(・講義内容/他者の発言 ○関根の独り言)
●事前課題本
○3冊の「一言まとめ」
1)「ハイフライヤー」1998 = 成長には、経験が大事
↓
2)「経験からの学習」2006 = 経験から学べる人は、どんな人か
↓
3)「見どころのある部下支援法」2009 = それを周囲がどう手助けするか
●中原先生によるイントロダクション
・「働くことと学ぶこと」第2章の資料
昔から、3年で辞めている。
最初の3年間に「必死で働いた経験」→適職感覚→能力向上
○この本は、買ったので、読んでみよう!
・組織社会化には、ピアサポートが重要。
・2000年から、経験の重要性が言われてきた。
1980年代 コルブのExperiential Learning
1900年代? デューイのExperiment Reflective thinking
これらは「教育分野」における経験の重要性だが、
「リーダーシップ分野」に関しても同じようなことが言われ始めた。
・1940年代? リーダーシップは、キャラや体質
1950~60年代 行動 (PM理論)
1970年代? 状況 (コンティンジェンシー理論)SL
2000年代 経験
●グループによる発表
本をまとめるのは、論文をまとめるのとは、違った難しさがありますよね。
お疲れ様でした。
これは、個人的に感じたことですが・・・
発表をすることで、発表者の学びは多いと思います。
(実際、この間、やってみて感じました。)
個人で読む込むこと、チームメンバーで意見交換すること、
クラスに対して発表すること。
ただ、我々聞き手も、発表を聞きながら、あるいは聞いた後、より深く学ぶために、
色々、我々自身が工夫をした方がよいかもしれませんね。
(負荷はかかるかと思いますが)
少なくとも、私自身は以下をやっていこうと思っています。
1)授業前
-文献を読む
-自分なりにまとめておく
-疑問点をあげておく、皆で話しあいたい点を考えておく
2)授業中
-先生からの情報提供や、グループ発表を、集中して聞く
-皆と話し合う、自分の考えを言葉に出して言ってみる、他者の意見を聞く
3)授業後
-自分が何を学んだのかをふり返る
-他者と共有する
(文書:メールやブログ 口頭:家族や顧客との話の中で)
他にもよいやり方があるかもしれませんが、私はこれでしばらくやっていきます。
せっかく同じようなことに興味をもつ人が集まる大学院の授業に参加しているので、
貪欲に、学びつくすぐらいの気持ちで、参加していきたいと思っています。
(ときおり、つっぱして意見が暴走することもあり、
皆さんにはご迷惑をおかけするかもしれません。すみません。)
●中原先生による解説
・「働く」=経営学 「学ぶ」=教育学 両方やる人は少ない。
・2軸で考える。(詳細は、7月末出版「職場学習論」にも)
直接経験、間接経験、個人(内的プロセス)、社会(外的プロセス)
1)個人の直接経験
経験の質(Hardship/修羅場) × 経験から学ぶ力(柔軟性/挑戦性)
ストレッチ目標を与える
心理学者が好む考え方。ビジネスの視点もここ。
ただ、与えられて失敗したらどうするのか、その際のセーフティーネットは。
個人のせいにされてしまう恐れ。新自由主義的「マッチョで強い自己」
・Kays(2000)の批判。この考え方だと「組織」について見落としている可能性あり。
職場風土、社会関係資本との関係
社会関係資本(SC):人々の協力体制をどの程度生み出せるか
(互酬性、信頼、社会ネットワーク)
2)社会の直接経験
SC(互酬性)により「他者からの支援」(業務、内省、精神的)が得られると、
それは個人の経験学習に影響する。
3)個人の間接経験(他者の観察、他者との話し)
経験談(Storytelling of experience)をするためにも、SC(信頼)が重要
○経験から学べるような個人がいても、組織につぶされる可能性があるかも。
属した組織によって、経験から学べる個人になるかどうかに違いがあるかも。
(顧客志向、目標達成志向の組織)
俺個人の経験でいえば、1社目より、2社目の方が、
経験から学べる風土はあったかも。
営業会議でも責め立てられるよりも、解決策を考えることが多かった。
上司からの指導もそうだったかも。
・分析手法について
5社から、100名ずつ調査したとき、
今までは「会社のワク」はなかったことにしよう、ということで、
500を十把一絡げで分析してきた(重回帰、相関分析)
最近は「会社のワク」の効果を加味して分析できる(HLM:階層線形モデル)
昔はできなかったが、今はできるようになったので、SCも見られるようになった。
・「人のつながりに投資する企業」
・マネジャーが、SCを高めるためには、どうすればよいのか?
今までも優秀なマネジャーであれば、仕事の与え方、人の組み合わせ方で、
「互酬性、信頼、社会ネットワーク」(SC)が上手く働くように工夫してきた。
・経験をデザインする
HRにできることは、異動。マネジャーにできることは、仕事のストレッチ。
・今回の本で取り上げられた修羅場は、エグゼクティブに聞いたもの。
そうすると、悲劇的な話しや、それを乗り越えた「Brave story」が語られる。
●グループでの話しあい
・成長につながった経験と、その時の他者からの支援
・卒論を書いたとき
・指導教員に修羅場に落とされた 周りの先輩がフォローしてくれた
・浪人して受験 同じ立場の同級生で励まし合った
・2社目で、先輩が辞めた時、役員がサポートしてくれた。
・修羅場というと、人間関係か、目標の高さがあると思う。
・経験をデザインすると言うと、神のような「上から目線」が必要になるのかも。
・誰かに作られた修羅場(釈迦の掌の孫悟空)では、それを知った瞬間に
気持ちが冷めそう。でも、後から感謝するのかな。
・そんなに計算したように「他者がどういう経験」をするかをデザインできるのか。
・マネジャーが、ストレッチした仕事を与えるのが大変なのでは。
そういう都合のよい仕事が存在しないかも。
・企業によっては「成長させるための仕事」とは考えないのでは。
あくまで「営利のための仕事」であり、それによって人が学ぶかは二の次。
=======================================
以上です。今回も色々考えさせられました。ありがとうございました。
次回(6月8日)もよろしくお願いします。
M1関根
コメントフォーム