中原先生の授業「組織学習システム論」の授業8回目が終了しました。
さし障りのない範囲で「学んだこと・気づいたこと」をシェアします。
(以下は、授業参加者MLに送ったメールです)
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「組織学習システム論」参加者の皆さま
参加者の一人、M1の関根です。
毎度で恐縮ですが、2010年6月15日(火)の授業のふり返りをお送りします。
間違って理解している点がありましたらご指摘いただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
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2010年6月15日(火)13時~14時30分
(・講義内容/他者の発言 ○関根の独り言)
●中原先生によるイントロダクション
・日経記事「海外で幹部候補大量採用」の紹介
2011年春 国内採用を減らし、海外採用、留学生採用を増やす
・留学生の組織社会化や、組織に与える影響
外国人マネジャーが入ることで職場がどう変わるのか 今後の研究分野
・博士課程をとり大学にいるなら、留学生をゼミで教えることや
海外で教えることを覚悟する必要がある
・いろんな人が職場に入ってくる中で、マネジャーの仕事の変容、
マネジメントスタイルの転換が求められる。
・それが今回の文献にもつながってくる
●グループによる発表「マネジャー仕事と変容のプロセス」(資料は昨日メール済み)
昨日は、Oさん、Kさん、関根の発表でした。
Kさんは、38度5分ぐらいの熱が出ている中、来てくれました。
ありがとうございます。(お身体お大事に)
そんな状態のKさんに、仮面ライダーのコスチュームを着せたのは私です。
すみません。
劇とクイズは皆さんに温かく見守って頂き、かつご参加頂きありがとうございました。
中原先生にも、ツイッターで「なぜかミニシアター付き」とご紹介頂きました。
http://twitter.com/nakaharajun/status/16209104514
どうもありがとうございました。
●中原先生による解説
・組織学習の学会では、即興劇なども行う
(中原先生、フォローありがとうございました!)
・組織学習(Argyris Shorn)=Formal Theory(学術的)
学習する組織(Senge 1990)=Folk Theory(実務的?)
学問的には、組織学習をひいた方がよい。
Sengeは、アカデミック理論を上手に世間に紹介した。
・価値観(信念)Belief system, Value system ≒ Knowledge(長期的に学習されるもの)
信念は、獲得に時間がかかる、1回獲得されると変えるのが難しい、
信念と信念はつながっている(例:教師は~だ、学校は~だ)
・Hofsted(1980)Rousseau(1990)の「Onion model」
人工物(他者)制度→行動パターン→価値観/前提
・いきなり価値観や前提は変わらない 制度や行動に多層的に働き掛ける
・企業の人事教育担当者は「価値観を変えたい」という人が多い
彼らが一番問題に感じていること。
ただ、本人に「あなたの価値観を変えられたいですか?」と問うと
Noと答える人事教育担当が多い。
○今いる社員への対応(辞めさせることが難しければ)をするのが、
人事教育担当者であれば「価値観を変えたい」というのは分かる気がする。
実際は、価値観が変わった結果、社員の「行動」が変わればよいと思うけど、
行動を変えるのは「価値観」と考えるのかな。
価値観の違う人を採用していくという道もあるかも。
研修をお手伝いしているある会社では、200名の従業員に対して、
毎年10名ずつ新卒を5年間採用していくことで、組織の人員構成を変え、
新しい価値観を組織に植え付けようとしている。
・Pedagogyに対する概念として、Andragogyを提唱したM.Knowlsは、
超実務家。ワークショップ実践。
識字、技術、知識の学び方が、子供と大人では違うと考えた。
・それに異論をとなえたのが、J.メジロー。
(余談ですが、今「目白」のロイヤルホストで、このふり返りを書いています。
目白でメジロー。
ついでに、今目の前の席では、40代ぐらいの男性が、女性に
「コミュニケーション、聴き方」などについてインタビューをしています。
気になって、つい目がいってしまいますね。)
メジローは、モノの見方、視座=準拠枠(Schema、思い込み、ステレオタイプ)
を変えることが大人の学習と考えた。
例)中原研メンバーがプレゼンで劇をやる → しかも2回も(強化される)
→中原研は劇をやる集団という「前提」が生まれる(ほんとはそんなことないよ)
大人の学習に大事なのが、Critical Reflection on Assumption 「前提を問え」
前提を問う際には、いくつかのステップがあるが、特に大事なのが最初の3つ
1)ジレンマ 2)ネガティブな感情(あせり、恥辱) 3)想定の揺らぎと評価
・大人の学びには「葛藤、痛み」がある
・価値観、モノの見方にゆさぶりをかけるために
中)ゆらぎ、ゆさぶり、創造的葛藤 というやり方があるが、ゆるい。そこで今は
外)Boundary チーム、越境、異質性 によるリフレクションの促進が
キーワードとなっている
・学校教育 教員の力量養成のために、教員が外に出た方がよいのでは
山形大の酒井先生の研究 今後伸びていく領域
●グループでの話しあい「モノの見方が変わった経験」
・中学の時、友人たちとは違い、音楽や本に興味がいった。
自分にとって良い方向に変わった。
ジレンマ、ネガティブな感情、揺らぎが確かにあった。
・オタクに対する見方が、徐々に変わっていった
・平和に対する海外の若者の考え方を知ったとき
・営業という仕事を「売り込み」から「問題解決」と捉えるようになったとき
●クラスでの意見交換
・他の見方を受容する 自分の価値観が変わる という2つがあるのかも
新しい場所に行ったとき、変わりやすいかも。
・自分のコアよりも、離れたものであれば、変わりやすい。
例)自分も詳しい「学者」に関しての価値観であればなかなか変わらないが、
自分もよく知らない「SE」に関してであれば、すぐに変わるかも。
・この出来事によって変わったとは言いづらい。後から気づくかも。
・根本のものだと価値観を変えるのは難しい。
・価値観は、生得的なものなのか、組織の中で身に付いたものなのか。
・価値観とモノの見方は同じなのか? 価値観はモノの見方に内包される。
・海外に出ることで、モノの見方が変わった経験。
・大学院に入って変な人ばかりだと思っていたらそうでもなかった。
これは組織社会化されたということ?
・同じ組織にいて、同じ前提をもつ上司が、他者のモノの見方を変えるのは
難しいのでは。
○これは確かにそうだよなー。
今、多くの職場のマネジャーには、様々な役割が与えられすぎている。
今回の文献のように
-学習する組織を作るファシリテーター
-部下をケアする精神療法士
-部下のモノの見方を変える変容コーチ
-もちろん業績の維持
マネジャー自身がつぶれてしまうかも。
彼らこそ「動的なネットワーク」が必要なのかも。
一人で職場の全てを抱え込むのは無理。
●次回
・組織文化 シャイン オニオンモデルも出てくる
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以上です。今回も色々考えさせられました。ありがとうございました。
次回(6月22日)もよろしくお願いします。
M1関根
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