2010年冬学期 中原ゼミの英語文献輪読は、
The SAGE Handbook of Management Learning, Education, and Development です。
私の理解の範囲で、どんな内容なのかをシェアします。
≪英語文献≫
Ch18 Problem-Based and Project-Based Learning Approaches:
Applying Knowledge to Authentic Situations
・PBLもProjectBLも、本質は一緒。
現実の問題やプロジェクトに参加して「為すことによって学ぶ」
・「Learning by Doing」「探求」「内省」がカギ。
・知識を得る前に問題にぶち当たらせ、その解決を協働的に行う。
・PBLは、Action Learning、Constructivist(構築主義)と関連が深く、
ProjectBLは、Work based learning、Experiential learning、Adult learning、
Pragmatic learning とも関係している。
○「やってみてふり返る」という学び方
・PBLとProjectBLの違い
ProjectBLには、最終成果物がついてくる。
PBLは、教師主導で問題を設定できるが、ProjectBLの場合、難しい。
・従来の学習とPBL/Project学習の違いは、
後者は「知識の応用」を目的としている点。
後者を行う学生は「ダブルループ学習」を行っており、
より反省的実践家に近付いている。
・しかし、PBLとプロジェクト学習の効果を評価、検証した研究は少ない。
・教師の役割は、知識の伝達者ではなく、そばに寄りそうガイド。
時に学習者がのめりこみすぎないよう「脱文脈化」を図り、
知識/スキルの獲得を支援する。
・PBLとプロジェクト学習に対して、ポストモダニストは
「何のためにこのプロジェクトをするのか」
「企業に学生が利用されているだけではないのか」といった批判を行った。
・PBLとプロジェクト学習に参加する学生は、
多様な役割を果たさなければならない。
○中原研の場合、ラーニングバー、サーベイ研、合宿等が、プロジェクト学習と
なっているのかも。
・eラーニングやオンライン議論により、
PBLとプロジェクト学習は変化している。
(Fさん、資料ありがとうございました!)
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≪英語文献≫
Ch26:Rethinking the Role of Management Development in Preparing
Global Business Leaders
【本の内容】
・マネジャーにGlobal mindsetを身につけさせる
・それを個別文化や国について事前に時間をかけて学ぶと言うよりも、
異文化交流の中で「やりながら」学ぶ方法論について述べる
・今までのimmersion method(浸らせる?)は、これからは合わない。
・本章のintercultural interaction learning(異文化間相互作用学習)modelは、
経験学習理論が基盤となっている。
interdependent learning(相互依存学習)が上記モデルの基。
・いくつかの学習活動例
【ゼミでの議論】
・http://twitter.com/nakaharajun/status/28772680425
・相互にリフレクションさせるための学習活動、エクササイズとしては弱いのでは。
・異文化に対して、リアリティーショックを受けないようにする 異文化トレーニングと
異文化の中で、仕事ができるようになる為の 異文化トレーニングは違うのでは。
・本当にこの内容で、異文化の中で仕事をやりながら対応できるようになるのか
・1つずつルールを合意していくのは大変 ビジネスでは非現実的
・結局、パワーバランスで強い方の文化に合わせているのが現実では
・経験学習を便利に使いすぎでは
・経験学習という概念に違和感
http://twitter.com/nakaharajun/status/28773440512
・経験軸とピープル軸
http://twitter.com/nakaharajun/status/28773674712
・「海外派遣とグローバルビジネス」という本は参考になるかも
http://tinyurl.com/2ecz4zy
・本章は「言いっぱなし」の感がある
理論、モデルを好き勝手に提示し、その検証をしていない。
・ここがビジネス(の人たち)が、ラーニングを語る限界かも。
この検証にアカデミックの力が必要。
http://twitter.com/hakonyan/status/28775635682
○う~ん、これはあるかもなー。
俺もビジネス書を何冊か書かせてもらっているから耳が痛い。
経験や寄せ集めで、理論やモデルを語らず、
しっかりと検証したものを提示したい。
今後の課題だし、こここそ、俺が大学院に入った理由。
(Sさん、資料ありがとうございました!)
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