授業デザインの最前線 ~理論と実践をつなぐ知のコラボレーション
高橋マユミ編著
○教育心理学の知見を、授業現場に活かす
(・要約 ○関根の独り言)
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●1章 授業研究の新しい視点と方法
・「分かちもたれる認知(Distributed cognition)」の視点から
Brown(1997)らは、学校の授業を「学びの共同体」にする
「分散された専門性(Distributed expertise)」という学習デザインを提案している。
・コールとエンゲストローム(1993)も、学習活動は学習者を取り巻く
実践の組織やコミュニティのなかでの共同活動を通じて生起するとし
「拡張による学習(Learning by expanding)」という理論を提唱。
●2章 新しい授業理論の構築
・「誤概念」「素朴概念」は、科学的概念とは異なる「もうひとつの概念」
であり、科学的概念に「おきかえる」必要があるものと定義される。
「プリコンセプション」は、科学的概念の「特別なケース」であり、
最終的には科学的概念へと「変化し得る資質を持つ」ものと定義される。
本章では、授業に持ち込まれる子ども特有の概念に対して、
「プリコンセプション」という用語を用いる。
・プリコンセプション→科学的概念に変容させる教授モデル 3つ
1)概念変容モデル
ハッシュウェー(1986)は、プリコンセプションを変容させる方法と
して「概念変容モデル」を提案
(1)暗黙的に使われているプリコンセプションに直面させ意識化させる
(2)科学的概念がより一般性を有していることに気づかせる
2)橋渡し方略
学習者の既有知識の概念に依拠しながら概念変容を引き起こすためには、
アナロジー(類推)が重要な役割を果たす。
クレメント(1987,1993)の
「橋渡し方略(The Bridging Analogies Strategy)」
3)相互教授
●3章 授業づくりの手がかり
・心理学では学習=経験や練習による多少とも永続的な行動の変容
行動の変化が生じた時、心理学では学習が起こったとみなす
○頭で分かった → 行動の変容
(この間に何かが必要)
・ガーニエ 学習の8つの型(1964)
・オーズベル(1969)有意味学習は、認知構造内に格納された既有知識
と新しい学習内容が関連づいて学習されることであり、そのような
関連づけがされない機械的学習よりも学習しやすく、学習内容を忘れにくいという。
授業の中での子どもの学びを、利点の多いルールによる問題解決、
有意味学習にする。
・オルパー(1946)は、「自我関与」した学習者の学習や記憶は、
「課題関与」した学習者のそれよりも優れているということを実証。
・子どもの認識のつまずきは、素朴理論、誤概念、ル・バーと呼ばれている
・学習の援助は、学習者の既存のルバーを、目標とするルールシステム
へと変換(組み換え)する作業となる。
・望ましい問題解決は、生産的問題解決である。生産的問題解決は、
ルールによるルールの学習であり、有意味学習である。
●4章 授業を理解する
・スキナーの教授方法は、教授学習過程の機械化、自動化を目指したものではなく、
理想的な個人教師の授業をティーチングマシンを用いて実現しようとした。
・レッパーら(1997)は、個人指導教師として傑出するための
必須要因の7つの特徴:INSPIRE
・不安と成績の関連性 ヤーキス・ダッドソンの法則
・適性処遇交互作用(Aptitude Treatment Interaction:ATI)は、
適性と結果との関係が教授方法によって異なる現象をいう。
・能力×不安×教示条件のATI効果がある限り、個々の生徒のタイプに
即した授業のスタイルが考慮されるべき
・先生と生徒の組み合わせ
○ATIというものの見方を知ると、子どもが楽になる。
●5章 授業を計画する
●6章 授業を実施する
・生徒の前に立った時、生き生きとそれを伝える授業スキルが伴わなければ、
授業は成り立たない。
・先制攻撃「びっくり構え」「なるほど構え」
・熟練教師は、授業そのものを見なくても、黒板を見ると授業が
どのように展開したかが分かるという
・ドワイヤー(1967)略画を提示された群の学習成績が一番良かった
●7章 授業の効果を上げる
・教育実践に大きな影響を与えてきた3つの代表的な学習理論
1)行動主義
2)認知的構成主義
3)社会的構成主義
・教授スキルをその基底で支えているものが、教師の人間観であり、
それは最も基本的でありかつ重要な「隠れた教授スキル」とでも呼ぶべきもの。
・熟練教師と呼ばれる人たちの授業を見ると、生徒への働きかけの上手さ
のみでなく、生徒の発言や動きの取り上げ方にも上手さが見られる。
・山本氏の対話型授業実践
・聞き取る力 3つ:他者を受容する聞き方、自己照合的な聞き方、
自分に自分が問いただす聞き方
聞く力尺度 p155
●8章 授業を分析する
・クラスター分析を用いた学習者プロファイリング
・談話分析を用いた教室コミュニケーションの動的過程把握
●9章 授業を評価する
●10章 カリキュラムから授業を考える
・エンゲストロームの活動モデルによっても、学習は個人の問題ではなく共同体と
かかわりを持ちつつ、かつ一定のルールの下に行われる営みであるということ。
・学習のつまずきには2つある。
1)誤概念 ルバー
2)学習の仕方の不適切さ
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