海外勤務に関する文献です。これから熱くなってきそうなテーマです。
2012年6月20日(水)
Black, J. S. and Mendenhall, M. and Oddou, G.(1991) Toward a comprehensive model of international adjustment : An integration of multiple theoretical perspectives. Academy of management review Vol.16 No.2 pp291-317
・脱領域、脱境界(経営学習論の旬なテーマ)
・Black 現地法人 海外勤務に研究で一番引用される人。
・1990年代初頭 アメリカは不景気 日本はバブル景気の終わり
アメリカでは、海外へのマーケット、生産拠点の拡大が始まった
・米国人を海外に派遣 40~70%は失敗
日本人の失敗率は、10%以下。両者の比較研究。
・米国人は、Adjustが苦手。
・Blackが提示した統合フレームワーク。10年がかりで検証。
・赴任前→赴任→帰任 という流れ
・赴任前 Selection 日本では打診が1カ月前10%、1~2カ月30%
海外では、6カ月前が平均。
・30%が、Trainingを受けるが、25%はOrientationレベル。
Mendenhall 1987がTrainingの研究をしている。
・前職の経験が効いていると思う。
海外赴任経験者に対するインタビュー。よく出るメタファー:
武器(業務経験)、教える、見限られる(現地の人から)
・TrainigとSelectionが、予期的社会化に影響。
・予期的社会化→Reality shock:1)スキル課題(英語、PC等)
2)職務、組織課題 3)学習棄却課題「日本では~」
・赴任 赴任時研修?としては、赴任国マネジャーを集めて交流。
・赴任時 要因
Individual:変えられるものと変えられないものを見抜く力
忍耐力
Job:裁量権、意思決定権の増加(逆に日本に帰任して無くなる)
社会的交際
Organization:メンター
Family:失敗との相関が高い 日本人会の存在が大企業の場合おおきい。
・帰任 リアリティショックを受ける
例)全部自分でできていたのが、根回しが必要になる。
・海外赴任が日本の場合、キャリアにプラスになっていない。
一度海外にいくと、ずっと「海外組」
「若者が海外赴任を嫌うのはなぜか?」
http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/06/post_1706.html
・帰任に関しては、ほとんど研究が無い(海外も日本も)
日本では北大が少し研究している。
・今の海外赴任の課題:若年化、新興国へ。
日本人会も無い、Social supportが得られない。
・30代半ばで、着任。 初めての管理職経験が海外。
子育て時期にも重なる。
・正社員になるということは、海外赴任を受け入れているということ。
・小売業では、成功する海外マネジャーは、恐怖政治をしくか、
ロジックで押し通すかの2パターン。サーバント系はない。
・海外 どこにいくのかによっても違う。
Culture Novelty 似てるほどラク。
・Blackのモデルには、学習の側面が無い。これが入ると面白い。
・50代商社マンのヘッドハンティング 中小企業の海外赴任担当。
・グローバル人材の育成が、2年ぐらい前に流行った。
GPM:外国ぽっとんモデル
「グローバル人材育成!?を考える5つのポイント:
外国ポットンモデルを超えて」
http://www.nakahara-lab.net/blog/2011/08/post_1795.html
・人事システムも踏まえて、海外赴任を考えるべき。
「これまで「日本人の海外勤務」を支えてきた3つの要因:
学習・適応能力、強力な人事権、配偶者の理解」
http://www.nakahara-lab.net/blog/2012/06/post_1855.html
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2012年6月27日
Mendenhall, M. E., Dunber, E. and Oddou, G. R.(1987) Expatriate selection, training and career-pathing : A review and critique. Human resource management. Vol.26 pp331-345
https://twitter.com/nakaharajun/status/217861592568705024
https://twitter.com/nakaharajun/status/217863756879892480
・Process model ⇔ Support model
・S社 グローバル展開 サポートはこれからの課題
失敗:1年以内 1割 3年以内 3割
半分が現地人と上手くいかない 半分が配偶者の問題
・個人的な資質のみで、その人が適応するかを、選考できるのか
・S社 2年間が研修期間 3カ月目 本国から連絡あり
2年で失敗 3割(本人、配偶者、職場の問題)
3~4年目で成果を出す。不適格者は、2年目で帰す。
・現地法人 内部労働市場。本社の意図とは関係ない異動。
本社HQは、現地が見えてない 連携がなされてない
「あそこで何で帰すかなー」という元海外赴任者の声。
・何が何だか分からなない状態で海外に行かされて、
よく分からないまま帰される。
・海外で、挑戦してほしいなら、
もうちょっと人事は良く考えるべきかも。
・市場、生産拠点の拡大 そこには学習、適応、棄却、つまり変化がある。
日本への帰任時には、再適応の問題がある。
・現在は、新興国に、若年層が、初めての管理職として赴任するケース。
・昨年 マネジャーに対する質問紙調査
現在、業種ごとのインタビューを実施
インタビューをして、皆に共通していること、
業種ごとに違うことをあぶり出す。その上で、量的調査で仮説を検証。
・1時間のインタビュー:10分で趣旨説明
目的、お願い、利用用途の承諾
「固有名詞を出してほしい」というと、事例、ストーリーを話してくれる。
インタビュー後「こんなんでいいんですか?」と言われたら成功。
インタビューをするときに、僕が心がけている3つのこと
http://www.nakahara-lab.net/blog/2012/07/post_1861.html
・H社 2~3年目の若手 独り者 トレーニー期間2年間
Y社 トレーニーとして出された後、本赴任がある。
・撤退は地獄。欧州90年代に開拓。現在の撤退。現地社員の解雇、再雇用先のあっせん。
・最初は、担当者レベル。次に評価権限の無いリーダーとして。最後に管理職として。
このようなトレーニー期間を持てるのは、育成資源をもっている企業。
・50代は、海外開拓の武勇伝を持つ。今の30代の海外赴任とは違う状況。
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