『インストラクショナルデザインの原理』
ガニェら著 2007年
○IDといえば必ず出てくるガニェさんの本。
(・引用 ○関根の独り言)
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●第1部 教育システム序論
・インストラクションとは「学習を支援する目的的 purposefulな活動を
構成する事象の集合体」である。
・学習とは、行動に見ることができる学習者の特性や能力が変化する過程
(Gagne, 1985)
・ISDを行動主義心理学のアプローチと同一視する批判があるが、
そのような根拠はない。
・IDでは「どんな問題に対してインストラクションが解決法となりうるのか」
という問いが重要である。
・ガニェとブリッグス(Briggs, 1977)は
9つの外的教授事象を明らかにした:
1)学習者の注意を喚起する
2)学習者に目標を知らせる
3)前提条件を思い出させる
4)新しい事項を提示する
5)学習の指針を与える
6)練習の機会を作る
7)フィードバックを与える
8)学習の成果を評価する
9)保持と転移を高める
・評価の5種類:教材評価、プロセス評価、学習者の反応、学習者の達成度、
インストラクションの結果
意思決定の種類:形成的評価、総括的評価
●第2部 学習とインストラクションの基本プロセス
・教育とは、潜在的な能力や性質を引き出し、発達させることであるのに対し
研修とは、教示された作業のパフォーマンスが容認可能な範囲に達したかを
重視する。
・学習成果の5分類:
知的技能、認知的方略、言語情報、態度、運動技能
・インストラクションは、必ず教育や研修の適切なゴールを満足させるために
設計されるべきである
・説得的コミュニケーションのみを通して、態度や価値を獲得、変容させる
ことは不可能であることがわかっている(McGuire, 1969)。
●第3部 インストラクションの設計
・IDの構成主義モデルを推奨する人は、学習目標をあらかじめ決めておくこと
に問題性があると主張する。
目標をインストラクションの内容として表現することは、学習者が学ぼう
とすることを制限する危険性がある、とみなすのが構成主義の立場。
・構成主義者(Constructivist)と教示主義者(Instructivist)
本書では両方を目標とした学習環境の設計は可能であると考える。
意図的な(intentional)学習に焦点をあて、学習活動を設計する前に、
学習目標が設定されている場合に、最も上手く設計できると主張していく。
○でもやっぱり、IDは教示主義が合いそう。
初級~中級の研修参加者に対しては、教示主義的な組み立て。
上級の参加者に対しては、構成主義的な組み立て、という感じなのかなー。
両方の参加者が混ざるケースも多いけど。
・パフォーマンス目標を構成する5つの要素:
1)状況
2)実行される学習の種類
3)パフォーマンスの内容あるいは対象
4)行動の観察可能な部分
5)パフォーマンスに適用される道具、制限、条件
・能力動詞の例:
弁別する、同定する、分類する、例示する、生成する、採用する、
述べる、実行する、選択する
・学習者がコース中に行うことではなく、インストラクション後にできるよう
になることで、コースの目的を記述。
・知識を構築するツールとして、テクノロジーを使用。
パパートの構築主義(Constructionism)
●第4部 インストラクションの実施システム
・評価のレベル:
1)学習者の反応(Reaction)
2)学習者の成績(Learning)
3)学習の転移(Behavior)
4)組織の結果(Result) Kirkpatrick, 1959
・形成的評価に、レベル1)2)が使われることが多く、
総括的評価には、レベル1)2)3)4)が使われる。
・4つのタイプの評価活動:
1)専門家による審査
2)開発中の試行
3)パイロットテスト
4)実地試用
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