「林業」本

地域での活動

「ときがわ方式」の拡販事業に関連して、最近読んだ「林業」本。
http://tokigawa-company.com/?cat=13

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『日本林業はよみがえる』 梶山恵司 (2011)
・世界の木材産業は、資源立地が原則。
 (生産原価に占める輸送経費の割合が高いため)
・ドイツの木材関連産業における雇用は、約100万人と
 自動車産業の77万人をも上回る最大の産業。
・日本では、木を育てる一方の保育の時代から、
 間伐した材を搬出して利用する時代が本格化する。
 (戦後の拡大造林開始から50年を超える森林も出るようになった)
・伐り尽くしてしまった戦後と異なり、成長量の範囲内で伐採し
 「伐ったら植える」という持続可能な形で木材生産を行えるように
 なれば、林業は再び地域経済を支える柱としての役割を持つことができる。
・林業を支えるシステムの基本は共通。ひとたびそのモデルを構築できれば
 それを日本全国に普及展開できるようになる。
・森林組合は、所有者に代わる経営の担い手になりうる。
・日本で林業を成立させるために、今もっとも必要なことは、個別施業への
 補助金を廃止し、施業集約と路網整備を前提としたものに組み替えること。
・ドイツの小規模製材工場は、次の特性を発揮し、生き残っている。
 1)注文製材 2)特殊製材 3)ニッチ需要
・日本林業衰退の最大の理由は、戦後の復興特需と特需による材価の高騰など
 により、成長量を大幅に上回る伐採が進み、資源の枯渇を招いた為である。
・需要と供給を直接結びつける努力が不可欠。
 山側の情報がもっとも集まる森林組合がこれを行いうる最も近い位置にある。
 ビジネスチャンスはそれだけ大きい。
・戦後、木材需給逼迫のときには、木材需要を抑えるためもあり、
 コンクリート化が推進された。かつてほとんど木造だった校舎が、
 次々とコンクリートに建て替わっていったのはその典型。
 
 2010年5月に農水省、国交省共管で成立した「公共建築物等における
 木材の利用の促進に関する法律」は、コンクリートから木の文化へと転換を
 図り、公共分野での木材利用拡大を目指すという思い切った政策転換。
 (参考:林野庁のHP http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/koukyou/ )
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『日本林業を立て直す 速水林業の挑戦』 速水亨 (2012)
・政府は、2009年ごろから具体的な動きを始めている。
 2010年に打ち出した公共建物の木造化事業。
 
 2009年12月に政府(民主党)が発表した「森林・林業再生プラン」では
 現在約25%の木材自給率を、10年間で50%に引き上げるという目標を掲げた。
・「森林・林業再生プラン」の方策の中心は、「路網の整備」「所有林の集約化」
 「人材育成」である。
 (参考:林野庁のHP http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/saisei/ )
・ビルの内装などに当たり前のように木材を使ってもらえるような雰囲気を 
 醸成していく必要がある。
・日本で林業家が管理できるのは、光だけである。
 下草刈りや枝打ち、間伐や除伐などの作業の目的は、すべて光の管理。
・生えている立木は、われわれの世代で利用することも可能だ。しかし、
 土壌は世代を超えて引き継いでいく必要がある。
・ヨーロッパの森林は、多くの人たちが楽しめる森になっている。
 誰でも入れる山、歩いていて気持ちのいい山にすることが大事。
・「山に入る、山から帰る」とは言っても「森に入る、森から帰る」とは言わない。
・木にこだわる消費者に向けたルートを増やしていく。
 木の質にこだわる消費者の市場というニッチな市場を確実に育てていく努力。
・速水林業は、日本で最初に、FSC認証を取得した。
 (参考:FSC認証 http://www.wwf.or.jp/activities/nature/cat1219/fsc/ )
・林業が元気になることは、地域の元気にもつながる。
 日本の木材を上手に国内で使い、伐ったら植えるという仕組みを
 もう一回取り戻したい。
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投稿者:関根雅泰

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