2016年2月18日(木)9時~17時20分@立教大
「The Leadership Capital Index」読書会に参加してきました。
D.ウルリッチさんの本です。
(『MBAの人材戦略』が有名ですね)
私の理解の範囲で、ポイントだけ書き記しておきます。
(・要約 -研究会で出た意見 ○関根の独り言)
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『リーダーシップ資本指数』
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0.イントロダクション
・リーダーシップを投資家の観点から見る。
・投資に値するかどうかの判断:財務、無形資産、リーダーシップ
・この本は、まだヴァージョン1のたたき台。
-リーダーシップは、個人的要素への着目が多い。
組織的要素という観点は面白い。
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1章
・投資家はリーダーシップの重要性はわかっているが、
リーダーシップの全体像をとらえてはいない。
・「船に生じた穴」=お粗末なリーダーシップ
・HRは「投資家たちに、自社のリーダーシップ品質について
何を認識してもらいたいか?」ということは考えたことが無い
○これ新しいよな~。HRはCレベルに対して働きかけよ、
だけでなく、その向こうの投資家も視野に入れる。
・Index は Standard とは異なる。
スタンダードは、何を期待されているかを定義。
インデックスは、活動がどの程度効果的に実施されるかを評点。
・リーダーの内面を見るだけでは、効果的なリーダーシップは
定義できない。
・投資家が評価する際の自信:会社業績、業績好感性、
リーダーシップの品質。
リーダーシップの品質は、定義、測定、追跡が難しいと
投資家は感じている。
-スタンダード(~できる)とインデックスの違いが
よく分からない
ビッグマック指数を見れば、生活水準が分かる。
それがインデックス。何を見ればよいか。
-リーダーシップをどう評価するか?
成果を挙げればよいのか?
違うリーダーシップの形(フォロワーシップ)を評価するのか?
-計画時は、横のリーダーシップ。実行時は、縦のリーダーシップ
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2章
・目指すはガイドライン
(「リーダーはかくあるべき」という理想像ではない)
・Leadership Capital Index(LCI)
個人的要素 5つ
組織的要素 5つ
・LCIが確立されることで得られるメリット:
リスク回避、ガバナンス確立、CSR、評判
・トリプルボトムライン:Profit, People, Planet
-LCIの妥当性をどう評価するか?
LCIで投資判断をして、どの程度、成果につながるか?
予測の妥当性。
因子分析をして、10要因に分かれるのか?
ウルリッチさんの頭の中だけの話では。
10の要素の相対的重要性をどう評価するか?
重みが違うのでは。業者や文化によっても違うのでは。
-このLCIがどう作られたのかのプロセスがわからない。
投資家に話を聞き、10要因だして、経営学者に尋ねたぐらい。
-ウルリッチさんが書いた本だから許されるのかも。
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3章 個人の技量
・投資家は、性格がよく健康なリーダーを望んでいる。
・リーダーの個人的技量
1)過去:経験とパフォーマンス
2)身体的:風采と活気
3)感情的:一致性と幸福
4)社会的:他者を増やし協働する
5)知的活動:学習の機敏さ、回復力と気骨
6)モラル:価値観と倫理的判断
・成功しているリーダーは、5:1で、ポジティブ、ネガティブな
コメントをしている。
-「私はこう思う」というIメッセージと
「私達は~」というWeメッセージを使い分ける。
-学術書ではないという位置づけなのかも。
-リーダーとしての過去の実績は、やはり重要。例:王監督の事例
-リーダー達=経営陣
-考え方がアメリカ的。「いい人に見られたい」
だから、5:1なのかも。
アメリカ人は「間接的なネガティブフィードバック」を行う。
フランス人は「直接的なネガティブフィードバック」
-実務的には、リーダーの健康は、やはり大事。
それをきちんと示してくれるのはありがたい。
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4章 戦略熟達
・関根が和訳を担当。
レジュメを見る
・リーダーの戦略熟達
1)全体的戦略アプローチをもつ
2)外的要因の理解
3)未来に向けて独自の位置づけを作る
4)抱負を行動に変える
5)従業員と関わりコミュニケートする
6)戦略プロセスを管理する
-投資家が、企業に訪問して、質問するのは大変そう。
ベンチャーキャピタリストならできそう。
-トレーダーは、その会社の本質的価値を見て、
それが市場から評価されて無い(安い)と見たとき、買う。
-小さい会社の経営者は、戦略を立てられないと、つぶれる。
軍師に任せていたらダメ。
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5章 遂行力
・投資家は、物事を成し遂げるリーダーを求めている。
・リーダーの遂行力
1)遂行のためのニーズを認識し、創造すること
2)優先順位に焦点を合わせる
3)明確な責任を確保する
4)意思決定とガバナンスを管理する
5)コミットメントを得るために他者に影響を与える
6)迅速に適応する
-シリコンバレー的なベンチャー企業を想定していそう。
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6章 人々
1)前向きな考え方と行動のパターン
2)人々を知り信頼する
3)継承の問題に取り組む
4)コーチ、そしてメンターとして
5)優れたコミュニケーションをとる
6)チームを理解し活用する
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7章 リーダーシップ・ブランド
・リーダーシップブランド
1)顧客適合
2)戦略適合
3)ライフサイクル適合
4)コミュニティ適合
5)価値適合
-段階によってリーダーシップのとり方は違うという前提
-個人創業者の「着想」が第1段階、
第5段階の「成熟」で創業者の退任
-これから伸びる会社を見分ける指標になるのかも。
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8章 文化
・文化が大事なのは分かっているが、どう定義し評価すればよいのか
五里霧中状態。
・文化
1)ステージ1:ケイパビリティー構築の必要性を認識しているか
2)ステージ2:ケイパビリティー構築の優先順位を整理しているか
3)ステージ3:顧客から見たブランドが企業の認識と合致するか
4)組織内で大切にすべき文化が伝わっているか
5)従業員の日々の行動が組織文化と合致しているか
6)組織の業務プロセスが組織文化と合致しているか
-PERが高いなら、市場から文化が評価されていると判断するのは
乱暴では。
-企業が考える文化(例:ものづくり、職人技へのこだわり)が、
顧客の期待とずれている場合もありそう。
-変化と顧客志向を是とする「USAバイアス」があるのでは。
継続性、従業員満足といった対立概念の観点も必要では。
例)伊那食品工業
-「組織文化が良いと、業績があがる culture → performance」
「業績が良いから、文化が良くなる performance → culture」
の可能性もあるのでは。
Actor-Partner-Interdependence Model (APIM)で、
相関と因果の違いを見ることができるかも。
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9章 タレントマネジメントプロセス
・関根が和訳。
レジュメを見る
-アメリカだと、ポジションがあり、人を採用する。
例)アナリスト いきなり座らせて、SPSS入っているから
あとは仕事やってね。
-アメリカだといつ仕事に必要な知識、スキルを身につけるのか?
高等教育(大学)が主。
-Job description 書かれている仕事しかしない。
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10章 パフォーマンス・アカウンタビリティ・プロセス
・パフォーマンス・アカウンタビリティ・プロセス
1)アカウンタビリティに対する全体的なコミットメント
2)アカウンタビリティに関する積極的な会話
3)パフォーマンスを識別する明確な基準
4)結果にリンクした基準
5)行動を駆動する報酬システム
6)パフォーマンスのフォローアップ
-自分が投資できないので、ちょっと距離が遠いかも。
-就職活動中の学生も、こういうメタな情報を知ると
参考になるかも。
-会話を測定する(例:日立のカード)
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11章 インフォメーション・プロセス
・インフォメーションプロセス
1)情報に対するコミットメントの維持
2)パズル解決のための情報活用
3)謎解きに必要な情報活用
4)情報の透明な普及
5)意思決定のための情報活用
6)境界を越える情報の流れ
・「パズル解決のための情報」と「謎解きのための情報」
-「正しい情報」というより「結果、正しかった」というほうが
よいのかも。
-元リクルートの藤原さん「ジグソーパズル」「レゴ」
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12章 ワーク・プロセス
・ワークプロセス
1)パラドックスによるマネジメント
2)内部-外部
3)個人的-協働的
4)集中-分散
5)固定-柔軟
6)協働的な職場の創造
・できるリーダーは、パラドックスを認め、向き合う。
・ヒエラルキーの強い組織は、ネットワークされた組織に
とってかわられるだろう。
-どうやってこういう情報を得ればよいのか。
-内部志向であることを、認めたくない。
-パラドックスがあることに、気づけるかというメタ認知。
気づいて、自分をコントロールする。
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13章 リーダーシップ資本指標の活用と関連性
・図13.2
・LCIは、4つの方法から導き出された:
観察、インタビュー、行為と行動、サーベイとレポート
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14章 Q&Aセッション
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●感想
-幅広く網羅されている。
リーダーシップとは何かが逆に分からなくなるかも。
-研究として「つっこまビリティー」が高い本。刺激を与える出発点となる。
ルーブリックとして参照できる。
-看護だと投資家というのはかなり遠い存在。
-投資家目線で考えるという発想はなかった。
リーダーシップも「答えが無い」問いなのかも。
-良い会社とはどういう会社かについてかかれた本。
リーダーシップを定義していないのが、最大のつっこみ点。
-学校の評価にも参考になる点があった。
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企画、運営して下さった武蔵大学の森永先生、ありがとうございました。
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